CQC Transport Execution Analysis

継続的品質チェック
SAP CQC Transport Execution Analysis
サービス実施の情報シート
Customer Center of Expertise (Customer COE) のメンバー、または SAP システムおよびソリューショ
ンを担当するお客様の IT チームのメンバーは、円滑で安定した本稼働環境のニーズに加え、変更や拡
張の導入に関するユーザー部門からの要件をタイムリーに満たすという課題に直面することが多くありま
す。テストが不十分な場合、これらの変更によって、本稼働環境で問題や望ましくない悪影響が発生する
可能性があります。一方、新機能や変更のテストは、導入プロジェクトのうち最もコストのかかる作業の 1
つです。
SAP のベストプラクティスおよび SAP Solution Manager, enterprise edition を使用すると、ソフトウェア
の変更を効率的かつ円滑に管理できます。
概要
主要な機能
継続的品質チェック (CQC) に含まれる SAP CQC Transport Execution Analysis サービスは、お客様の移送方針
を評価し、ソフトウェア変更管理プロセスの品質に関する重要な指標を提供します。このサービスは、平均値および
推奨値を基準として、これらの値の評価を行います。結果として、コスト、システムの安定性要件、およびお客様企業
内のユーザー部門の柔軟性について、それらの適切なバランスが分かります。
お客様にとっての価値
ソフトウェアロジスティクスおよび技術設定に関する詳細な情報がお客様のシステムから抽出されます。抽出される
ものには、TMS 設定、サポートパッケージレベル、ショートダンプ、移送エラー、モディフィケーション、移送整合性な
どの技術的な指標が含まれます。これらの指標は、平均値および推奨値と比較されます。その後の結果として、
SAP は、ソフトウェア変更管理プロセスの品質を向上させる方法について、詳細な推奨事項を提供します。技術的な
指標は、以下の領域にグループ化することができます。
1) 変更の量
変更を行うことは、お客様の IT 組織でコストのかかる重要な要因です。それぞれの変更について、そのライフサ
イクルの中で、検討、ブループリント作成、見積もり、承認、詳細設計、開発、文書化、テスト、確認、ロールアウ
ト、サポート、および調整を行う必要があります。純粋な開発工数は、変更の総コストほど多くかかりません。変
更量に関連する主要評価指標 (KPI) は、1 日当たりの移送依頼数または 1 日当たりの移送済みオブジェクト数
です。
2) 変更の頻度
頻繁な変更は、特に変更をリリースでまとめずに 1 つずつ本稼働に展開した場合、本稼働の著しい不安定化の
原因となります。変更頻度に関連する KPI は、リリースと保守のサイクルが構築されているかどうかということで
す。構築されている場合は、リリースと保守のサイクル外で本稼働にインポートされる先行修正の数が別の KPI
になります。これは、リリース管理プロセスがどの程度厳密に実行されているかを示します。
3) 変更の品質
変更管理プロセスの品質に関するさまざまな指標があります。たとえば、移送エラー、移送順序違反、ABAP ダ
ンプ、保留中または中止された移送依頼、オブジェクトバージョン数、テストシステムでの待機期間などです。こ
れらの指標のうち極めて高いものがある場合、詳細な障害原因分析を行う必要があります。このような場合、通
常は、開発および品質保証プロセスに関して、より厳密な管理と制御が必要になります。
実施時期
SAP CQC Transport Execution Analysis サービスは、一般に、6 カ月以上にわたって本稼働で使用されているシ
ステムに対して実行されます。現在、このサービスは、ABAP スタック上で実行される SAP 製品(BW システムを含
む)にのみ利用可能です。
サービス実施の詳細
移送依頼の関連情報は、自動的に管理対象システムで収集されます。その後、収集されたデータは SAP Solution
Manager に転送されます。この情報はサービスエンジニアによって評価され、詳細な推奨事項が提供されます。分
析結果はサービスレポートとして文書化されます。
お客様の関与
お客様側に、サービスの依頼者が必要です。通常、これは変更マネジャーです。変更マネジャーはサービスレポート
の提出を受け、推奨アクション項目の適用を担当します。また、サービスを実施するための技術要件のチェックおよ
び適用を行い、システムアクセスを提供していただくためのシステム管理者の選任も必要となります。
フォローアップ
サービスの実施後にサービスレポートが提供されます。このレポートには、ベンチマークで行われたチェック、評価、
および推奨事項がすべて含まれます。アクションプランには最も重要なフォローアップのステップが要約されています。
さらに必要に応じて、結果について検討するための電話会議を依頼することができます。
サービス実施期間
このサービスは、リモート接続を使用して 2 日間実施されます。
前提条件
このサービスは、SAP Enterprise Support をご契約いただいているお客様にご利用いただけます。
SAP Note 1074808 に、分析対象システムおよび SAP Solution Manager に関する技術的な前提条件の詳細が
記載されています。