発行日 2014.11.20 みなさんこんにちは。大垣徳洲会病院 医療情報誌 です。 臨床工学科が発行する パルスオキシメーターは経皮的に動脈血酸素飽和度を測定しています。よく サチュレーションといいますがサチュレーション(Saturation)は飽和度という 意味です。 このパルスオキシメーターで図った値をSpO2と呼んでいます。単位は% (パーセント)です。 基準値:理想は100%ですが、95%以上は欲しいところです。 <<パルスオキシメーターの歴史>> <<よく似た略語>> 1940年代から血液を採取することなく酸 素の状態を知ることのできる機械の開発はさ れてきました。しかしながら面倒で患者さん に負担をかける操作が必要であったり、直ぐ に測定する事が困難でした。 1974年に生体を透過した光の変動を利用 し酸素飽和度を測る事の出来るパルスオキシ メーターの原理が日本で開発されました。 そして日本光電が『光学式血液測定装置」で コニカミノルタが『オキシメーター」の特許 を出願しています。 SpO2:パルスオキシメーターで測定 した酸素飽和度 SaO2:採血した血液サンプルをガス分析 して得た動脈血酸素飽和度 PaO2:動脈血酸素分圧 PaCO2:動脈血二酸化炭素分圧 Medical partners 当院には機種がありますが今回は代表して です。 Radical-7 ディスポプローブ 接続 立 て て も 使 用 で き ま す ①患者ケーブルとデイスポプローブ を接続します。 ②センサを患者さんに装着します。 ③電源をONにします。 経皮的酸素飽和度と動脈血酸素分圧の目安 PaO2:20mmhg➡SpO2:30% 30 60 40 75 60 90 100 97 100以上 100% Page 2 接続 測 定 測定中 プローブ装着の注意点 装着部位の圧迫が強いと壊死やテー プかぶれ、発光部の温度上昇により 熱傷が発生する可能性があります。 時々(8時間に以内)場所を変更し ましょう。 <<パルスオキシメーターの仕組み>> パルスオキシメーターをよく見ると赤い光が出ています。でも実は赤い光だけでなくもう一つ赤外 光といわれる光が出ています。この2つの光の変化を受け取って測定します。 ヘモグロビンが酸素とくっついていない血液は黒っぽく見えるのに対し、動脈血は静脈血に比べて 赤い色をしています。これは血液中のヘモグロビンと酸素が結びついて赤く見えるのです。この変 化をパルスオキシメーターはみているのです。 SpO2100%なら十分ですか? SpO2は100%以上には絶対になりません。ヘモグロビンと結びついている酸素の割合を示 しているので血液の中に溶けている酸素の量は測定できません。 たとえ100%を示していても貧血がある状態では組織に渡す酸素の量が少ないので注意が必要 です。また一酸化炭素中毒では一酸化炭素は酸素の250倍ヘモグロビンと結びつきやすくCO ヘモグロビンはパルスオキシメーターで使用されている光で測定するのに区別がつきません。そ のためたとえ100%と出ていても実際は酸素を運搬が出来ておらず組織は酸欠状態であること があります。このようにSp02が100%でも大丈夫と言えない時もあります。適宜血液ガス の検査を行う事が大切です。 問い合わせ先 パルスオキシメーターの測定の注意点 2014年11月号 ・爪のマニュキュア、白癬では光の透 過を妨げ、誤差が出ることがあります。 ・強い光の下では光の透過量に誤差がでてしまいます。 ・末梢循環が悪いと正しく計測できません。 (測定部位が冷たくありませんか?) 臨床工学科 内線 制作・編集担当 2038 中野 路子 坂口 耕一郎 清水 慎太郎
© Copyright 2024