■座談会 ネット 病院、開業医、看護師、介護スタッフの連携で 在宅医療を進める長崎在宅 事務局長 白髭 豊 詫摩 和彦 広報部長 長崎大学大学院准教授 松本 武浩 医者の都合で病院から自宅に戻れない人を出したくない。こんな思いから2003年6月に始まった「長崎 在宅 ネット」 (藤井卓理事長)が注目を集めている。病院、開業医、看護師、介護職の多職種連携はメーリ ネットの白 ングリストを使った仕組みからインターネットを使用したシステムへと進化しようとしている。厚生労働省が 「地域包括ケア」推進に本腰を入れ始める中、どうして医療と介護の連携が可能になったのか。 同で退院時カンファレンスを実施 し、情報を共有します。 副主治医は、主治医から予め診 療情報を受け取り、万が一の支援 に備えます。日常診療のなかで、 副主治医が往診や訪問診療をする ことはありません。あくまでも主 治医が不在の際のバックアップな ので、負担を感じることは少なく、 なり手に困ることもありません。 主治医が学会や旅行で不在の際に、 時間対応の実現は 必要があれば副主治医が往診に駆 けつけます。 もとより、主治医と副主治医で異 なる専門分野をカバーすることも できます。 ネットには主治医、副主治医 の「連携医」に加え、皮膚科、眼 科、精神科、形成外科、脳外科な なって、メンバーの開業医の中か んに、 ネットの事務局が窓口と 主治医が見つからない入院患者さ したいと思っているのに、うまく 知らせ、手あげ方式で主治医、副 をメーリングリストでメンバーに ながら、疾患や居住地などの情報 ディネーターは個人情報に注意し 事務局が患者情報を伝える。コー 地域連携室などから依頼を受けた (聞き手は梶本章・元朝日新聞論説委員、医療介護福祉政策研究フォーラム理事) 詫摩 ネットのメンバーは、も ともと在宅診療専門の特別な医師 っています。 病診連携の橋渡し役になってもら も参加してもらい、専門的助言や ます。また市内の「病院医師」に 「 協 力 医 」 と し て 参 加 し、 医 学 的 ど専門性の高い診療科の医師も ら主治医、副主治医を紹介する仕 ではありません。いつもは普通に ト)の仕組みを分かりやすく 教えて下さい。 Dr. な助言や必要に応じて往診を行い 組 み で す( 図 1、 2)。 具 体 的 に 主治医を決定します。そうして退 外来診療している開業医の集まり 髭豊事務局長、詫摩和彦広報部長、松本武浩会員(長崎大学大学院准教授)に聞いた。 ●長崎在宅ネットとは は長崎市内を5つの地区に分けて 院前には病院と在宅スタッフが合 Dr. 24 Dr. コーディネーターを置き、病院の Dr. 白髭 一口でいえば、自宅で療養 Dr. Dr. 「認定NPO法人長崎 —— 在宅 ネット」 ( 以 下 ネッ Dr. Dr. 2 社 会 保 険 旬 報 No.2513 (2012. 11. 11) も参加するようになりました。要 です。現在は在宅特化型の診療所 す。 をつかい確認しながら進めていま いますか。 人。そ 隔地からネットの趣旨に賛同して 参加頂いている協力医が れと病院や施設の医師が 人です。 長崎市には約530人の開業医が 75 ど専門性の高い診療科の医師と遠 人というこ %が 時間以 48 人で、カバー ネットの登録症例はこ いが亡くなっています。 うち自宅で500人くら 長崎市の年間死亡者数 は約4800人で、その ます(図3)。 内に受け入れ態勢が整い あれば、 とです。病院から依頼が ット会員はその中の 主治医や副主治医として往診を行 戻れるし、また、病院に治療 確かに病院と診療所をつ —— なぐこういう仕組みがあれば、 の終わった患者さんが 共通項です。それから、病院を紹 んが戻られる場合は、僕らの出番 滞留するということも いますが、連携医・協力医の ネ はありません。他に引き受けてく う連携医が 人。眼科や皮膚科な 白髭 2012年の 月現在、計 171人の医師が参加しています。 48 48 患者さんは苦労せずに自宅へ は“在宅診療もする”というのが 10 介した開業医のもとにその患者さ れる開業医がいないという困った 少なくなるでしょうね。 ところで現在の ネッ ネットを使うわけ Dr. ですが、これは正式ルー トで僕らのところに来た 登録症例の患者さんたち で、実際には会員のとこ ろに直接依頼されて看取 倍くらいだろうと推 りまで行った症例は、そ の 測しています。 詫摩 2003年の ネ ット結成以降の活動によ 連携室が ネットの事務 ができているので、地域 り病院と顔の見える関係 Dr. です。ここを間違えると他の開業 88 Dr. 状況になって 図2 Dr.ネット方式による在宅移行への流れ トの規模はどうなって Dr. 87 30 率は6%に過ぎません。 の中の約 Dr. 10 Dr. 医の利害を損ねてしまうので、気 図1 支援体制をデザインして在宅療養開始 No.2513 (2012. 11. 11) 社 会 保 険 旬 報 3 療・介護の推進に力を入れて 化 を 図 っ た り し て、 在 宅 医 し、在宅療養支援診療所の強 ここに来て、厚生労働省 —— も「地域包括ケア」を打ち出 し、在宅死のほとんどは僕らが受 ネットの会員が担当している からの在宅移行の大半の患者さん う乖離が生じています。基幹病院 紹介してくるようになり、そうい 局を通さず、直接会員のところに ではしたくないという先生が多く、 却って迷惑をかけるので、そこま ることで患者さんの負担も増えて ようです。それと点数が加算され 面倒くさく思っている先生が多い からするとうるさい仕組みが多く、 とが要件になっていますが、僕ら の看取り数をまとめて報告するこ のカンファレンスをやり、③年間 組んでチームを作り、②毎月1回 ( 連 携 型 ) は、 ① 3 人 の 開 業 医 が ところが今回の強化型の診療所 を縛る感じはありませんでした。 私たちの ネットは主治医、副 主治医の緩やかな連携で、お互い ことです。 いる先生はほとんどいないという という人は6〜7割い す。でも途中まで在宅 いう人は1割くらいで 白髭 厚労省の調査に よると最期まで在宅と す。 ている例も結構ありま ろんな医療機関を回っ るといった感じで、い り、最期は在宅で看取 痛みが出たと大学に戻 ホスピスに移り、また り、やっぱり大変だと 大学病院から在宅に戻 と患者さんや御家族に どこでも構いませんよ け持っていると思います。 ●強化型在支診の評価は? 話しています。実際、 います。こうしたことが在宅 て、経済的な負担とか は 医療への追い風になっている ネット内では強化型の評価は否 のではないですか。 それよりも緩やかな連携を促進 して、在宅訪問診療を何もやって 結果的に %くらいですね。そう 戻る人が多い。長崎市の在宅死も 不安とかがあって、最期は病院に にとっても、元気な期間は介護、 病院の入院期間が短くなる。家族 りますね。在宅期間が長くなると、 ばす努力を評価する方が意味があ 日数などで、在宅診療の期間を伸 家族への負担、それに いない先生がこれからやってみよ いう実態を考えると厚労省が何の 定的です。 ネットに関係す 当たりの数は全国一ではないでし ために強化型を新設したのか、よ ょうか。そこで うと思うような、ボトムアップを 平均0.57日 48時間以内:281件/87% 図る点数付けをしなければいけな 図3 紹介より主治医決定までの日数 Dr. る 軒の先生を対象にアンケート 白髭 確かに長崎県の在宅療養支 援診療所は376施設あり、人口 Dr. Dr. Dr. かったのではないでしょうか。 宅へ移行するという形になりかね 松本 在宅死だけが評価されるの なら、亡くなる直前に病院から在 くわかりませんね。 本人も最後は意識がなくなってし くなる直前だけ一緒にいるのでは 看病がしやすいし、話す機会も多 %の 軒で、そのうち従来型が 軒、機能強化型が 軒でした。そ 20 く、密度の濃い時間が持てる。亡 詫摩 それから国は在宅で看取っ た数を重視し報告するように義務 まいますし、その機会を逸してし 24 88 軒のうち在宅療養支援診療 付けているが、これはおかしい。 ません。それより例えば平均在宅 まいます。 った 僕らの目標は在宅で過ごす期間を 期間とか、死亡前1カ月間の在宅 所の届けを出している診療所が こで興味深いのは、従来型の先生 長く持ってもらうことで、最期は 11 で強化型へ切り替えようと思って 調査を最近やりました。回答があ 93 50 44 4 社 会 保 険 旬 報 No.2513 (2012. 11. 11) 5 社 会 保 険 旬 報 No.2513 (2012. 11. 11) 厚労省は在宅医療を推進 —— するため良かれと強化型を新 ということもあって中々連携 ろで開業医はお互いに商売敵 れていないわけですね。とこ か? 詫摩 長崎は基本的に医者どうし て連携ができるのでしょう それなのに長崎では、どうし れに尽きます(笑い)。 仲がいいんですよ。最終的にはそ 松本 要は楽天的な性格の人が多 いんです。江戸時代の鎖国下でも 設したわけですが、在宅医療 できないと言われています。 名称 当連携は 長崎在宅Dr.ネット(読み方:「長崎在宅ドクターネット」)と称する。 目的 1)当連携は、グループとして在宅医療の受け皿の機能を果たす。 また、グループ内の連携を通じ緊急時の対応を行う。 2)各々の診療所、病院の特徴を生かした医療連携を組むことにより、地域の住民に可能な限り、 継続的で効果的な在宅医療を提供し、その中からより良い医療を模索する。 3)相互の医療相談制度を導入し、また種々の医療情報を共有する事によってお互いに医療の質の 向上を目指す。 4)当該診療所間及び病院間の親睦を計る。 役割 1)在宅24時間連携を組む。このために各医師は常に連絡可能な通信手段を確保し、お互いそれを 共有する。具体的には携帯電話、電子メール環境を整備する。 連携医は、主治医として治療にあたるものと、これを連携協力して補佐する副主治医とからな る。 協力医とは、皮膚科、眼科、精神科、脳外科、麻酔科、形成・整形外科、婦人科など専門性の 高い診療科の医師で、連携医からの医療相談を受け、必要に応じて往診を行うものとする。また は長崎市近郊ではない地域に所在し、本会の主旨に賛同するもの。 病院医師とは、病院、又は大学に勤務する医師で、当組織の趣旨に賛同するもの。病診連携を 実践し、専門的な立場よりの助言等を行う。 ※ 協力医、あるいは病院医師でも希望があれば連携医として登録することができる。 2)当連携に参加している主治医が何らかの理由で休診した場合には、副主治医は依頼患者の継続 的治療を出来る限り助けるものとする。ただし、主治医が診療を再開した場合には、さきの患者 はすみやかに主治医へ戻すものとする。 3)救急の医療体制が必要な場合、依頼があれば、当連携に参加している医師は、出来る限りすみ やかに人的あるいは物質的な援助を惜しまぬこと。 4)当該連携間で行われる医療に関する相談内容は、いかなる理由があれども、患者及び部外者に 漏らしてはならない。 5)当連携に参加する医療機関は、それぞれの機能を具体的に公開し、必要な場合、器具、薬剤、 或いは施設などを提供し合いお互い助け合うものとする。 6)患者の往診の依頼は、出来る限り時間を調整し、お互い協力して助け合うこと。交通費は当該 主治医が相談して決定するものとする。 7)当連携以外の医療施設から当連携への患者紹介には、各々の医療機関がその窓口となる。必要 な場合には、当連携内の他の医療機関に紹介し、出来る限り紹介患者を受け入れるように努力す るものとする。 会合 当連携は年に3回以上の会合を開き,情報を交換し親睦を深める。 代表 本会を代表する者1名を互選によって選出する。 任期は2年とするが、再選を妨げない。 世話人会 本会の運営を円滑に行なうため世話人会を設置し、定期的な会合を開催する。世話人の任期は 2年とするが、再選を妨げない。世話人会の会議内容は全員に周知し、重要事項を総会に議案と して提出する。 会費 連携医は月々2,000円を、原則として長崎県医師信用組合へ念書を提出して自動引き落しするこ ととする。 協力医及び病院医師からは微収しないものとする。 会費の変更については、過半数の賛成を必要とする。 会計 本会の会計は会員及びその他の収入により運営する。 会計年度は 9月1日に始まり、翌 8月31日に終了する。 会計は監査を受け、総会の承認を得る。 入会と脱会 1)連携医としての入会は、本人の意思による。 協力医および病院医師は当会員の推薦による。 2)退会は、本人の意思表示による。あるいは、会員の中で医療連携における行動、言動が本会の 主旨に著しく反すると考えられる場合、過半数の議決により、退会を決定できる。 運営に関する決定 本会の運営に関する議案の決定は、連携医の過半数以上の賛成を必要とする。 が盛んな長崎では余り評価さ 資料1 長崎在宅Dr.ネットに関する覚え書き そうですが、長崎市 すね。特に大村市が 種との関係も濃厚で 看護、介護など多職 白髭 医者どうしの 仲がいいだけでなく、 でしょうか。 るからではない りにニーズがあ います。それな しょう。 て欲しいと思うので 中央部ですから返し すから。白髭先生は 欲しいと思っていま う2〜3人開業して で、開業医が少ない 詫摩 ないなあ(笑 い )。 僕 は 市 の 南 部 りませんか? ましたが、がん性腹膜炎で再発し、 んです。できればも でもその素地ができ 白髭 最初にそうい うところを明文化して、お互いに ている。 膀胱や骨盤リンパ節などあちこち 静脈栄養でつなぎながら疼痛を抑 にがんが転移していたため、中心 えるパッチで対応し、尿管が閉塞 認識できるようにしました。これ 会」というネットワークを作った は 名 古 屋 の「 愛 知 診 診 連 携 連 絡 森博彦先生の論文を拝見し、その したので腎ろうを造設したりして、 松本 長崎は地方都市で、大学病 院が一つしかないからだとも言わ 会の覚書を参考にさせて頂きまし れています。 と言われることもよくあります (笑い) 。 ●入会のための覚書を交わす 2年余り入退院を繰り返してきま しかし、こうした在宅 —— 医療・介護のネットワークは、 すからね(笑い) 。 へ行くとね」と平気で聞いてきま は道でバッタリ会った人が「どこ っ込んだことは聞かない。こっち はり楽天的です。向こうの人は突 何となく暗いですよ。こっちはや 東北の文化圏にあるのですかね、 往診に入ると、患者さんを食われ したんです。やはり近くの先生が と返しなさいということを明文化 んを取り込まず、主治医にちゃん 副主治医として往診しても患者さ 白髭 一言でいえば患者さんをち ゃんと返しなさいということです。 ——ネット入会に際して は覚書(資料1)を取り交わ ました。その後抗癌剤投与を行い で腸に穴が開いて難しい手術をし す。この男性はがんによる腸閉塞 の直腸がんの患者さんのケースで 白髭 それは山ほどあるなあ。例 えば入退院を繰り返していた 歳 に毎日相談しながら対応していま 必要で地域の緩和ケアチーム医師 痛みが強く大量のモルヒネ使用が 持続注射を開始したりしました。 う趣旨なのでしょうか。 すそうですね。これはどうい という患者さんの具体的な症 組みだからこそ可能となった ——ネットは全国的に注目 されていますが、こうした仕 私が訪問診療し、訪問看護師も入 9月に在宅医療に切り替え、毎日、 しかし本人と奥さんが「何とか 在宅で」と希望され、2009年 たり、痛みを取るためのモルヒネ って腎不全のための輸液を調合し 例を紹介して下さい。 した。 長崎だけでなく北海道や山形、 るような恐怖心が……、先生はあ Dr. 福井などあちこちで始まって 白髭 僕は長崎と東京の両方で生 活したことがありますが、東京は た。 界に対してオープンだったのです 詫摩 和彦 氏 から。長崎だからできるのでは、 「 出 島 」 が あ っ て、 こ こ だ け は 世 白髭 豊 氏 Dr. 49 6 社 会 保 険 旬 報 No.2513 (2012. 11. 11) 時には腎ろうのカテーテルが外れ、 あったからこそできたことです。 ネット内に 満足だった様子。先生、毎日のよ んなケアをしていただいて本人も て、世話をする事ができた。いろ ルの上の自宅に行って夫の顔を見 営しているが仕事の合間に同じビ ても幸せな1か月だった。店を経 とかかわっていかないと回ってい 師ら多職種のスタッフが患者さん 護、介護、歯科、栄養指導、薬剤 ントをしながら両輪となって、看 ケアマネが介護的部門のマネジメ 治医が医療的な部門の音頭をとり、 在宅医療の現場は動きません。主 介護スタッフとの連携がなければ、 リングリスト(プチ・メーリング をメンバーとする症例単位のメー マネ、ヘルパーら介護スタッフら 医・副主治医、訪問看護師、ケア わ る 病 院 ス タ ッ フ、 在 宅 の 主 治 また、退院前にその患者さんに関 ネに参加してもらったりもします。 今後の勉強のために新人のケアマ した。これは、緩和ケアの専門医 専門の泌尿器科病院医師に往診し うに来てくださってありがとう」 たに腎ろうを作り直すというよう び込み、翌日、病院に転送して新 と相談できる関係が てもらい、副主治医の診療所に運 と感謝して頂きました。 リ ス ト ) を 作 り ま す( 図 このように ネットのおかげで、 患者さんの希望通りに最期を在宅 )。こ きません。 なこともありました。 家族の同意を得て鎮静を開始し、 か」と話されていました。本人や な い。 オ レ が こ こ に 居 て 良 い の こうして在宅医療を続け、患者 さんは「とにかく苦しい。痛みは や疼痛管理などで助言を頂くこと わってくれることで、難しい手技 した。さらに、病院の先生もかか た、副主治医がカバーしてくれま で看取ることができましたし、ま う」の声) の 責 任 を と る こ と で す( 「そうそ んの生活を支えて、医者は影でそ 詫摩 在宅医療の理想は医者の姿 が見えないこと。介護職が患者さ えます。 のメンバーは で、このプチ・メーリングリスト ます。 ネットは医師だけですの ネットの範疇を超 うやってネットでも情報を共有し 翌々日には友人がベッド脇に集ま して家族や私が見守るなか、ご逝 去されました。奥さんには「とっ でも、多職種の方々がど —— うやって患者さんの情報を共 訪問看護師やケアマネはすぐ電話 当然のことですが、電話やファ ックスも利用します。緊急時には、 ェイス・トゥー・フェイスにもな 有するのですか。例えば広島 ります。ヘルパーはケアマネ経由 をかけて来ますし、相談事の際は まり、患者さんらも交え「 で情報をあげてくることが多いで 診療所まで来てくれますので、フ 分ケアカンファレンス」をや す。それから入院していた病院の 県尾道市では開業医のところ 在宅医療 —— は訪問看護や介 ネットではどうしているの って情報を共有していますが、 連携が欠かせま せん。実際にど 職種の方々が情 スタッフを集めて「退院時カンフ 詫摩 患者さんの退院時にはもち ろん、病院と在宅の医療・介護の ます。 な際は助言してくれることもあり ってもらうので情報が流れ、必要 にもプチ・メーリングリストに入 報を共有し、連 ァレンス」を病院で開催してもら こうしたネットワーク —— の作業に診療報酬はつくので 携しているので の計画建てをします。ときには、 い、顔合わせと在宅移行に向けて ですか。 主治医や看護師、地域連携室など 護スタッフとの に多職種のチームが短時間集 Dr. Dr. すか。 のような形で多 Dr. 15 ●多職種の連携が欠かせない もできました。 4 Dr. って宴会を開いてくれました。そ Dr. 白髭 医師と看護や 松本 武浩 氏 No.2513 (2012. 11. 11) 社 会 保 険 旬 報 7 化型にすると報酬はみんな強化型 ば良かったのですが、いったん強 でと分けてとれるようにしてあれ 強化型で、この患者さんは従来型 っきの強化型も、この患者さんは の中身も僕ら分かりますから。さ とれないですよ。患者さんの財布 いから、点数がついても実際には 詫摩 ないです。ただ東京と違っ て長崎はお金に余裕のない人が多 ても誰も診てくれないので困る」 診療をやると、不在時に何かあっ どその頃、僕が先輩医師に「訪問 が弱いということでした。ちょう りや、勤務医と開業医のつながり の連携で、診療所どうしのつなが いうこと。もう一つは医者どうし ーションがとれない医者が多いと 職種の連携で、うまくコミュニケ 医者の連携が悪いというという のは二つあって、一つは医者と多 わけです。 で ネット結成につながる と指摘され、それではということ の 連 携 は で き て い な い の で は?」 の連携は成熟しているのに、医者 強会のなかで参加者から「多職種 ったので、あわてて主治医と副主 地域別にグループを決めていなか さんが出て、まだ 宅を希望する患者 すると、すぐに在 ていました。そう ットの宣伝を始め 病院を回って ながら、あちこち いいとか話を詰め ープを分けた方が ら、地域別にグル の共有が大変だか バー全員で当番を 進めました。メン 例を中心に検討を 診連携連絡会」の 森先生の「愛知診 そこで先ほどお 話しした名古屋の 式」と言われています。長崎 正 式 に は「 尾 道 市 医 師 会 方 言われています。尾道方式は 地元医師会の動向が重要だと 病院から患者さんを受 —— ける ネットの主治医紹介シ す。これが原点です。そうした勉 になってしまうので、二の足を踏 と こ ぼ す と、「 何 人 か の 開 業 医 と 治医を決めてスタートしてしまい の場合、理解を得られました すか? むんですね。 組んで、当番を決めておけばいい ました。スタート時のメンバーは 重になっているのですね。と ころで、次にどうしてこの 年の ステムと、主治医を中心に多 んだろう」と言われていました。 在宅ケア研究会の医師のメンバー か? ネ 決めると患者情報 職種がつながって在宅患者さ そんな時に ネット理事長の藤 井卓先生から「がん末期の患者さ と、私の高校の同級生の 人がコ ネット んの情報を共有するプチ・メ んの在宅医療を頼まれたけど、僕 アとなりました。 ●どうしてできた ーリングリストと仕掛けが二 の診療所からは遠いので、近い君 ネットが2003年に立ち上 白髭 2002年に、医師会が中 心 と な っ て「 長 崎 在 宅 ケ ア 研 究 連携をやって、それを多職種につ けられ、そんなことから開業医の たのですね。ところでこうし 多職種による「長崎在 —— 宅ケア研究会」が母体になっ 利益を囲い込むような組織を作っ で医師会の幹部から「何で自分の の理事になった直後でした。そこ げられたのですか。 会」を立ち上げ、多職種の方が集 た連携がうまくいくためには 図4 プチ・メーリングリスト Dr. なげばいいと思い立ったのです。 Dr. 03 は副主治医に回るから」と声をか 白髭 ネットが立ち上がった時、 代表の藤井先生はちょうど医師会 が主治医になってくれないか。僕 Dr. まって様々な勉強会を始めたので Dr. 13 Dr. Dr. Dr. 8 社 会 保 険 旬 報 No.2513 (2012. 11. 11) 年の診療報酬改定で在宅療養支 だんだんとメンバーが増え、特に は誤解もされたそうです。しかし、 たのか」と非難されました。当初 うということで在宅診療を始めた と思っていた。特に患者を増やそ 院できなくなれば往診するものだ ており、お年寄りが足腰弱って通 た。このリストを作った医師会の 大半は断られ、全く機能しなかっ 引き受けてもらおうと電話しても かし、リストを見た病院が患者を ということで、例えば美味しい店 いきました。ネット上の総合医局 ーが新しいメンバーを引き込んで 有の場となり、それぞれのメンバ 会長、副会長を始め多数の理事が 飛躍的に伸びて、今では医師会の 援診療所の制度が導入されてから 情報も共有できるし、何か部活み しいもので、同じ仲間が集まると とりで開業医をやっているのは寂 わけではありません。しかし、ひ 主治医、副主治医の連 —— 携医のほか、皮膚科や眼科、 ット設立に参加されています。 理事が、これでは駄目と我々のネ 院の先生からは専門的助言も頂け の情報などの雑談もできるし、病 います。 そろえていましたよ。例えば管理 白髭 事務局としては、部活の雰 囲気だけでなく、おいしいネタも きました。ただ病院医師は長崎の 白髭 これも名古屋の「愛知診診 連携連絡会」からヒントをいただ が請け負い、 ました。その時は、長崎市医師会 白髭 08年度から3年間、緩和 ケアの地域モデルを作る研究をし 厚労省の「がん対策の —— ための戦略研究」の一環とし され、年数万円の補助を受けてい 栄養士の派遣システムを作り、ど オリジナル。もともとのメンバー 医にし、病院の勤務医を病院 ます(これこそ医師会活動の本筋 この診療所も同じ料金で利用でき に大学病院のリハビリの先生が入 が頑張って尽力しました。 て、緩和ケア普及のための地 だ、 と の 声 あ り ) 。医師会には臨 るようにしたり、在宅酸素のレン っていたので、そういうカテゴリ の論文から、同じ診療科だと競合 したが、がん診療連携拠点病院と ーにしたのはどうしてですか。 ネットのメンバー きました。 域プロジェクトも行ったと聞 床内科医会とか外科医会といった タル料金を ネット特約で安くし ーを作りました。名古屋の森先生 医師として ネットのメンバ ネットも医会とし てもらったり、会員のメーリング することが多いから、専門科開業 組織があり、 て認めた方がいいという意見もあ リストを通じで役に立つ医療情報 という認定です(笑い) 。 を流すようにしたり、いっぱい仕 在宅の医師や多職種のスタッフが 者・家族の満足度が上がるのかを どうすれば効率的に緩和ケアを提 研究しました。そして、市民や専 医との連携から始めた方がいいこ しかし、医師会も決して何もし なかったわけではない。例えばネ ——ネットのメーリング リストは「ネット上の総合医 し た( 笑 い ) 。医師会は全会員に メリットを与えようとして、物事 ットの母体となった「長崎在宅ケ 局」と言われています。どう 門職種への教育、啓発の機会を作 調査して地域別に在宅医をリスト 思います。緩い組織ですが情報共 白髭 地域限定の医者だけの交流 の場ということが良かったのだと が増えて、地域の在宅死率も向上 きました。結果として在宅の患者 り、多職種の様々なつながりもで してですか。 供でき、地域連携が促進され、患 がなかなか先に進んでいかないと 年頃には ま っ て い ま す。 ま た ア研究会」は医師会の肝いりで始 ネットは自主 もともと親父の代から在宅をし Dr. アップして病院に配っている。し を作り、開業医全員にアンケート う感じがありました。 「病診連携委員会」とかいう組織 01 的な組織で規制もなく、自分たち Dr. で新しいものを作っていけるとい がありましたが、 ころもある。そういう面倒くささ とを、教わりました。 掛けを作っていきました。 Dr. Dr. 詫摩 僕らは医師会活動ではない ということに魅力を感じて入りま Dr. 動車などと同じクラブとして認知 る。そういうことが魅力になって メンバーとなっています。 泌尿器科などの開業医を協力 ということで ネットは 年か ら医師会の部会、つまり囲碁や自 07 りましたが却下され、クラブ活動 (笑い)。 たいで楽しそうだなと思いました 06 全国で山形県・鶴岡や静岡県・ 浜松など4つの地域が指定されま Dr. Dr. No.2513 (2012. 11. 11) 社 会 保 険 旬 報 9 ネットの下地があっ たからこそ、うまくいったのだと しました。 思います。 ● ネット これからの課題は となるとサービス付き高齢者住 宅などの施設を幅広く増やさなけ ればいけない。いま特別養護老人 ホームの入所者は嘱託医が対応す ることになっていますが、利用者 さんの急変に十分対応できるよう ですが、実はまだ序の口です。 日本の高齢化率は20 —— 12年に %を超して世界一 往診できるようしたりすれば、心 っ払って開業医が外付けで特養に たり、あるいは逆に嘱託医制を取 う少し嘱託医が頑張れるようにし な仕組みにはなっていません。も %になると推計されていま 今後、高齢化はさらに進んで が、病院のベッド数は今と変わら 将来推計(図5)を出しています 白髭 僕はムリだと思います。厚 労省は年間の死亡者と死亡場所の にしなければいけませんね。 施設などに入っていけるよう すから、開業医がもっと介護 厚労省は高齢者施設も —— 「在宅」であるという立場で 臓が止まった高齢者を救急車で特 ず、介護施設が2倍となり、自宅 詫摩 長崎のグループホームなど では、すでに看取りが増えていま 養から病院へ運ぶというようなこ で死亡する人が1・5倍になると す。しかし、特養には入り込めま す。長崎のように在宅医療を 仮定して、2030年には47万 せん。 整備することで、こうした超 人 が「 そ の 他 」 、つまりどこで死 とがなくなり、施設での看取りが ぬのかはっきりせず、今後これを 白髭 今年の診療報酬改定でがん 末期と死亡前 日なら往診できる もっと増えると思います。 整備していかなくてはいけないと ようになりましたが、どうして 高齢化を乗り切る受け皿がで 言っています。そこで在宅に頑張 日前と予め分かるのでしょうか きるでしょうか? ってもらいたいということでしょ (笑い)。 うが、家族の負担、急変の不安を 考えれば、在宅死はそんなには増 図5 死亡場所別、死亡者数の年次推移と将来推計 Dr. 24 Dr. 40 えない。2倍が精一杯でしょう。 30 30 10 社 会 保 険 旬 報 No.2513 (2012. 11. 11) ● ITを活用した情報連携 (注)あじさいネットとは 正式名称は「長崎地域医療連携ネットワー ネットやプチ・メーリングリ ストは、この基幹的なネット とどんな関係にあるのです 松本 あじさいネットは2004 年に長崎県大村市の医師会と国立 か? うITを使って病院と診療所 長崎県には「あじさい —— ネット」 ( 図 6、 注 1) と い クシステム協議会」 。長崎県内におけるITを利用した広域の多施設参 加型地域医療連携システムのこと。情報提供病院の電子カルテの情報 を、患者の同意を得た上でかかりつけ医が高度なセキュリティが確保 されたインターネットに接続された端末を用いて閲覧する仕組みで運 営されている。①NPO法人による第三者機関としての運営、②会費 制による自律的で継続可能なサービス体制、③セキュリティを重視し たハードウエアVPNによる通信環境の整備、④全例で文書による同 意を取得、などが特徴。2004年10月に国立病院機構長崎医療セ ンターを中心に県央地区で運用を開始し、連携は全県に及んでいる。 に立ち上がり、だんだんと広がっ 病院機構長崎医療センターを中心 Dr. をつなぐ地域医療連携システ 年以降は長崎県全体をカバー 重要だからです。 そこで2009年から、 ネッ トの中であじさいネットをうまく ることが、その後のケアに非常に かを詳細にそして簡単に把握でき 病院でどんな治療を受けてきたの さんが最終的に在宅へ移る前に、 提案されていました。病院の患者 さいネットを使ってできないかと でやっている情報の共有を、あじ Dr. 使うためのテストが進められてい Dr. ムが立ち上がっています。 て ネットの白髭先生らは当初か ら非常に興味を持たれ、 ネット きるのは全国で長崎だけです。 主要な拠点病院のカルテを参照で 組みです。地域の診療所が県内の しようという病診連携のための仕 療所が閲覧して利用できるように などの情報を、ITを利用して診 は、病院が持つカルテや検査結果 するようになりました。その目的 09 Dr. No.2513 (2012. 11. 11) 社 会 保 険 旬 報 11 図6 長崎県のあじさいネット てくるものと思われます。 利用できた方がもっと連携が生き 面でも病院の詳細で正確な情報が なります。また、多職種の連携の 情報を時系列でみることも可能と 過去にさかのぼって、これまでの その上、あじさいネットを使えば、 で安全面での問題は少ないのです。 情報は高度に暗号化されているの ュリティ指針に準拠して構築し、 しかし、あじさいネットは厚労 省の安全管理ガイドラインのセキ りとりができるか不安が残ります。 と脆弱なところがあり、安全にや が、情報のセキュリティを考える 際にはそれで十分に役に立ちます ングリストを使っていました。実 との連携は、前述のプチ・メーリ すが、主治医と多職種のスタッフ はあじさいネットで実現していま ます。病院と診療所間の情報共有 負担よりもメリットが大きいから の連携において、情報を打ち込む ていました。多職種のスタッフと リングリストに情報を手で入力し ところが長崎市の場合、 ネッ トの先生たちはすでにプチ・メー した。 及しないのでは、と言われていま がかかります。このため、余り普 にあじさいネットに入力する手間 情報のやりとりを行う場合、新た す。そのため診療所を中心に診療 所はまだ %程度と言われていま が、カルテを電子化している診療 手間もかからずすぐに普及します 情報が自動的に提示できるので、 院からの情報提供は電子カルテの のような形で実現するかです。病 いた医療機関からの情報提供をど そこでカギになるのが、診療所 などのこれまで閲覧のみを行って はかなり進んでいます。 こうして在宅医療の主役である訪 系列に把握できるのが強みです。 組みだとメンバー全員の記録を時 ではないですね。その点、この仕 ちょっと前の記録を探すのも容易 状態を把握するのは難しい。また 報共有は簡単ですが、その前後の きます。メールだとその瞬間の情 書き込まれた情報を見ることがで ンバーはあじさいネットを使って すので、主治医を含めグループメ ンバーの携帯にお知らせが飛びま に書き込みます。その時点で、メ の訪問診療記録をあじさいネット 診療グループとして登録し、個々 治医、副主治医、訪問看護師らが 松本 現在、テスト運用を行って います。在宅のある患者を診る主 すか? ういう手順で進めていくので ですね。ところで、これをど ITへの進化が可能だったの いるのですが、その意識を高める セキュリティ意識の啓蒙を行って ています。同時に利用者に対する も、最もレベルの高い対策を施し 策は全国の同様な取り組みの中で IT技術を使ったセキュリティ対 も重要と考えています。このため 松本 我々もIT医療連携では患 者情報の保護とセキュリティが最 ますか。 セキュリティはどうなってい ところでIT化はいい —— のですが、患者情報の保護や はないでしょうか。 じて色々な使われ方がされるので ます。これからも地域の特性の応 会的なインフラに変わったと思い うな経過の中で、あじさいネット ように検討されています。このよ ったので、在宅医療にも使われる としており、加えて ネットがあ 松本 私たちもあじさいネットを 使った病診連携の次には、薬剤師 が違いますね。 確かにメール情報とI —— T情報では、格段に使い勝手 力することが分かったので、これ 業医の先生方も積極的に情報を入 有が必要な在宅医療分野では、開 診療所と多職種間の密接な情報共 院と診療所間の高度専門連携や、 なのでしょう。ということで、病 い長崎市へ広がって広域化し、最 あじさいネットは当初、大村で 始まりましたが、これが病院の多 ています。 っと活躍できるようになると思っ 問看護師さんの権限が強まり、も のですが、在宅医療においては多 る形が多いので、問題はなかった だしこれまでの病診連携の利用で 意書を取るようにしています。た 意味でも利用にあたっては全例同 名の診療所医師が利用す との病薬連携があり、次いで在宅 は原則 の連携や診療所から病院への診病 職種かつ複数のメンバー間で診療 メーリングリストから —— 情報を共有することが前提です。 初は病診連携の仕組みだったのが、 思っていました。すでに病薬連携 病病連携という使い方も始まろう は単なる連携の道具ではなく、社 Dr. はいけると思っている次第です。 14 連携という形に持っていきたいと Dr. 1 12 社 会 保 険 旬 報 No.2513 (2012. 11. 11) 枚でグループ参加メンバー 新たにグループ診療同意書を作成 を取得するのは現実的でないので、 グループメンバーがおのおの同意 とすればこれまでのように個々の センティブとなる診療報酬改定を から始めようとする診療所のイン います。そして、在宅医療をこれ り教育していくことが重要だと思 者には、在宅医療についてしっか から臨床の初期研修を始める医療 イカルテ」になります。つまり患 が将来像として目指している「マ 約化されていくと、最終的には国 このように医療介護に関連した 情報があじさいネットに次々と集 ることになります。 あると同時に、全国共通の課題で ます。恐らくこれは長崎の課題で ません。そこを慎重に検討してい てもらわないと、運用に踏み切れ はセキュリティ面で不便も納得し してもらい、また、場合によって 者にはこうして問題を十分に勉強 はどうしたら一番いいのか。利用 より積極的な情報の共有を図るに そのセキュリティを確保しながら、 あじさいネットでは診療情報と いう重要な個人情報を利用します。 ト運用という形で検証しています。 書の運用で不都合がないかをテス う工夫しました。こういった同意 全員の情報共有に同意ができるよ 在宅医療の関心が高まり、すきま 込む。そうしたら高齢化が進んで 宅緩和ケアのプロジェクトが舞い き出すと多職種によるがん患者在 が立ち上がった。それがうまく動 けるように大村であじさいネット クして 探る勉強会など色々なことがリン 詫摩 タイミングが大事ですね。 介護保険の発足や多職種の連携を す。 ネットが始まり、追いか イントが少しずれていると思いま ンティブにしかなっておらず、ポ 宅医療に取り組む診療所のインセ 在宅療養支援診療所は、すでに在 してもらいたい。今年度の強化型 いくことが必要だと思います。 の少ない運用スタイルを確立して 効活用することで、担当者の負担 ようなツールを開発し普及させ有 が少なくすることが課題で、この 地域医療、特に在宅医療の中で は医師をはじめ医療従事者の負担 らでも利用できるようになる。 福祉などの様々な場面で、どこか 約され、その情報が医療、介護、 進みつつあるあじさいネットに集 医療情報が、社会的なインフラと 者さんが生まれてから死ぬまでの し、 もあると思います。 1 産業から少し脚光を浴びるように なった(笑い)。 松本 ネットのツールであるプ チ・メーリングリストがあじさい 初期の教育が大切で、これ ですか。 くための秘訣は何かとお考え これまでの経験を踏ま —— え、地域医療を充実させてい 新たに扱える情報として追加され ットには在宅医療での診療情報が でその安全性が増し、あじさいネ ネットの中で情報共有されること ●在宅医療の普及に向けて 白髭 Dr. Dr. No.2513 (2012. 11. 11) 社 会 保 険 旬 報 13
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