共同利用・共同研究 施設だより 高性能分子シミュレータの演算サーバ更新(2014 年 12 月) 計算科学研究センター長 斉藤 真司 2013 年 3 月 か ら 運 用 を 開 始 し た 高 ア)、富士通製 PRIMEHPC FX10(20 このような計算資源の強化と並行し、 性能分子シミュレータ(通称、汎用コ TFlops、1536 コア) 、SGI 製 UV 2000 計算センターではシステムの省エネル ン)の演算サーバ部を 2014 年 12 月に (20 TFlops、1024 コア)が利用可能で ギー化にも努めている。2014 年 3 月か 更新し、運用を開始した。今回導入し ある。UV 2000 は 1 つのジョブで最大 らカーテンの設置により(図 2)計算機 た シ ス テ ム は、 富 士 通 製 PRIMERGY で 512 コア、4 TB の大規模メモリーが 室の空気の流れをコントロールし、さ CX 2550(260 ノード、7280 コア)で 利用であり、FX10 は「京コンピュータ」 らに 2014 年 8 月からは室外機に水を噴 ある。この更新により、CPU が Sandy のためのチューニング・テスト計算機 射することにより(図 3、図 4)、空調設 Bridge 系から Haswell 系になり 1 ノー として使うことができる。RX 300 S7 備の冷却効率の改善を図ってきた。そ ドのコア数が 16 個から 28 個となった および今回導入した CX 2550 はいわゆ の結果、昨年度よりも 1 割程度の電力 る PC クラスターと呼ばれるものである。 削減を達成している。さらに、古く消 ノードあたりのメインメモリーは同じ CX2550 は1つのジョブに使えるコア 費電力の大きなスパコン用空調設備を なので、コアあたりのメインメモリー 数の点で RX 300 S7 と UV2000 の中間 この 3 月に更新する予定である。消費 の容量は 8 GB から 4.5 GB 程度に縮小 に位置するものと捉えることができる。 電力の削減は地球人として対応すべき した)。 今回の更新により、汎用コンの総演算 課題であり、まわりまわって計算機資 計算科学研究センターには汎用コン 性能が 136 TFlops から 302 TFlops に 源の増強にも繋がるものである。計算 以外に 2012 年 2 月に更新した超高速分 増強され、スパコンと汎用コンを合わ 科学研究センターでは、今後も様々な 子シミュレータ(通称、スパコン)が せると、総合性能として約 470TFlops 工夫・努力を通して、分子科学を中心 ある。こちらは引き続き運用されてお のシステムとなった。各ユーザーの研 とする研究分野に大規模計算環境を提 り、富士通製 PRIMERGY RX300 S7 究課題に合わせ、これらの演算サーバ 供していきます。 (130 TFlops、350 ノ ー ド、5472 コ を有効に使っていただければ幸いです。 (ノードあたりのコア数は増大したが 図 1 新しく導入された PRIMERGY CX2550 図 3 水噴射設備 42 分子研レターズ 71 March 2015 図 2 計算科学研究センター旧棟のスパコンに 設置されたカーテン。 図 4 室外機のサーモグラフィ写真。水の噴霧により室外機の温度が 約 15 度低下していることが分かる。
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