NM13000X_多スピン系に有効な同種核J分解分光法 CS2

JEOL アプリケーションノート
Application Note NM-130013
多スピン系に有効な同種核J分解分光法
J分解分光法は複雑にスピン結合した1次元スペクトルに対して、J値を
読んだり、カップリングのない1次元スペクトルをprojectionとして得る
ことができるので有用な測定法です。しかし前者の目的の場合、多スピン
系の場合ではF1軸側に分裂が重なって、各J値を正確に求めることが難し
くなります。
対して下記のような選択パルスを使用した同種核J分解分光法である
B-SERFph(Bi-SElective ReFocusing phased)では2本の信号を選択し、
その信号間のスピン結合のみによって分裂したスペクトルパターンとなり
ます。その結果、信号パターンが単純になり、ストロングカップリングの
影響もなくなるため、解析が容易になります。
【B-SERFphの
H1の相関信号の拡大図】
【同種核J分解分光法の
H1の相関信号の拡大図】
注目している信号
-10.0
JH1H3
H
1
JH1H3’
JH1H2
C H3
9
C6
H
2
C10H3
9.8[Hz]
0
0
3
Projection
OH
-10.0
Projection
H
3.5
3.4
Proton[ppm]
7
5
4
3.3
【パルスシーケンス】
HI
t1 /2
180
180
t1 /2
180
JH1H2
=9.8Hz
acq
L. Beguin, N. Giraud, J.M. Ouvrard, J. Courtieu, D. Merlet
JMR 209,41-(2009)
H1
C6
H
C7
C3
OH
H2
OH
C9H3
C6
1
3
C1
HS
G
3.3
【立体配座解析の例】
3
z-filter
90 90
3.5
3.4
Proton[ppm]
測定条件でH1とH2の信号を選択し、
JH1H2 以外の信号を励起せずに測定
しているので、スペクトルパターン
が単純で解析が容易です。
H1ではH2,H3,H3’とのスピン結合に
よる分裂があり、H1と、どのHとの
カップリングかわかりづらいスペ
クトルパターンとなっています。
90
J [Hz]
10.0
J [Hz]
10.0
H3C8
2
H
C10H3
H3C8
H
7
5
4
B-SERFphで求めたJ値よりH1とH2がそれぞれ
HIにH1の、HSにH2の信号領域を均一
に励起できる条件をセットします。 anti配座であることが解析できます。
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