自動車端子・コネクタ用のCu合金上への次世代超高耐熱Sn/Ag多層

工学部研究シーズ201
工学部研究シーズ2014 (最終更新日 2014.2
2014.2.28
.2.28)
.28)
シーズ名
自動車端子・コネクタ用の Cu 合金上への次世代超高耐熱
Sn/Ag 多層めっきの開発
氏名・職
呉 松竹・准教授
所属,研究室
応用化学・生命工学科(5-213)
連絡先
TEL: 019-621-6345/FAX: 019-621-6345
E-mail
[email protected]
カテゴリー
資源・エネルギー, 自動車
キーワード
自動車端子・コネクタ, Sn/Ag 多層めっき, 耐熱性, 耐微摺動摩耗性,省貴金属
シーズ概要
省貴金属且つ高性能のめっき材の開発を目指して、車載コネクタ用の Cu 合金上
に Sn めっき表面に Ag を薄く被覆する Sn/Ag 多層めっきを開発した。
自動車電装化の急速な進展とともに、車載端子・コネクタは小型化
と高密度化になりつつあり、部品材料に対する耐熱性や耐摩耗性など
の要求が益々高まっている。従来の端子材には、導電性の高い銅合金
基材上に耐酸化性のある金属薄膜を被覆しためっき材が使用されてい
る。耐熱性の要求が低い場合、コストと半田濡れ性を考慮して Sn めっ
き材が利用されるが、高い電気接続信頼性が要求される場合は、
コストの高い貴金属めっき(Au/Pd/Ni、Ag-4-50 µm)などが主流となっ
ている。しかし、これらのめっき材は、長期間高温環境下において Cu
基材からの Cu 拡散・酸化による電気接続性が低下する問題があり、い
まだに根本的な解決策が見出されていない。
本研究では、Cu 合金上に難めっきの Sn 層表面に数十 nm の Ag 薄
膜を被覆して合金化させ、化学的安定な Ag3Sn 金属間化合物層を生成
し、Ag 合金の優れる導電性をめっき最表面に有効に発揮させる新規な
Sn/Ag 多層めっき材を開発した。その Sn/Ag めっきは、高温時の接触
抵抗安定性が現行 Sn めっきより 12 倍、Ag めっきよりも 6 倍ほど上回
り、極めて優れた耐熱性を持つことが認められた。また、 Sn/Ag めっきは、現行 Sn めっきより耐
微摺動摩耗性が 20 倍ほど向上されること、および優れた耐 Sn ウィスカー性と耐硫化性を有するこ
とを明らかにした。
応用例,研究成
自動車部品の特殊端子・コネクタ用の高信頼性めっき材、電気自動車の高速充電
果の活用分野
器用のコネクタ材料、高温センサー用リーダー線、高耐久性 LED 反射膜など
特開 2010-37629 号, 特開 2009-57630 号, 特開 2012-122115 号(出願人:
三菱伸銅(株))
関連特許,論文
「銅合金への Sn/Ag 多層めっきによる高温時接触抵抗安定化およびそのメカ
ニズム」, *褚
松竹, 他 6 名,「表面技術」, 62 (11), 27-35 (2011).
・
「Sn/Ag 多層めっきの耐微摺動摩耗性及びそのメカニズム」, *褚 松竹, 他
3 名, 「銅と銅合金」, 48, 219-224 (2009).
関連資料
研究室 HP
科研費基盤研究(C)平成 25-27 年度「自動車端子・コネクタ向けの次世代高
信頼性超高耐熱 Sn/Ag 多層めっきの創製」
(研究代表者)
http://www.chem.iwate-u.ac.jp/labo/physical-chem/material-basic-chem.html