z 問題23 回転する円筒容器内の流れ 半径Rの円筒容器が角速度ωで回転していれば,側壁がRωの速度で動いているので, その側壁から運動量が内部に移動してゆく。つまり,速度分布が内部で現れる。流れ € € は周方向のみで,軸対象となっている。さらに容器の底の影響がないという前提で,z 方向にも変化がないと考える。 vθ 円筒容器 € 速度分布:運動の式,円筒容器.軸対象:円筒座標,θ成分 ω R 基礎 方程式 ∂ 1 ∂ (rvθ ) 1 ∂ 2vθ 2 ∂v r ∂ 2vθ ∂vθ ∂v v ∂v v v ∂v 1 ∂P F + vr θ + θ θ + r θ + vz θ = ν + 2 − + θ + 2 2 + 2 ∂t ∂r r ∂θ r ∂z r ∂θ ∂z € ρr ∂θ ρ ∂r r ∂r r ∂θ 簡単化 定常状態→ € ∂ =0 ∂t 軸対象→ 流速はθ成分のみ→ vr = vz = 0 解くべき式 d ! 1 d(rvθ ) $ ν # &=0 dr " r dr % ∂ =0 ∂θ 底の影響がない→ d ! 1 d(rvθ ) $ # &=0 dr " r dr % A 2 さらに積分 rvθ = r + B 2 最終的に vθ = ω r 外力なし→ Fθ = 0 ∂P =0 ∂θ vθ = Rω at r = R 軸対象なのでθ方向の圧力勾配はない→ 境界条件 流体の存在する範囲は 0∼R であり,境界条件も 0 と R で与えるのが一般的 もう1つの条件はr=0でvθがどうなのかということだが,ここで は,結果を先取りして,有限(無限大に発散しない)を条件とする 積分する ∂ =0 ∂z 1 d(rvθ ) =A r dr A B vθ = r + 2 r (粘着条件) vθ = 有限 at r = 0 d(rvθ ) = Ar dr 実際には,r=0ではな くて,0に漸近する (r→0)ということ ② B=0 境界条件②より Rω = 境界条件①より ① A R 2 A = 2ω 定常状態では,容器内の液体は容器と全く同期して回転する。(固体円柱が 回転していることと同じ) この場合,r=0は特異点となっている。 流体表面の盛り上がり形状については,圧力Pの半径方向の分布を考える。遠心 力によって回転容器の壁付近の圧力が高くなる(rの増加に伴いPが大きくなる) 液内部の圧力が高いということは,その上により多くの液体を支えることができ るということ。すなわと,液高hと圧力Pは ρgh=P の関係がある。 そこで,圧力Pのr方向の分布を求めれば,液高,すなわち表面形状がわかる。 Pとrの関係を知るための方程式は P/ rから始めれば良いので,今回の問題で その項があるのは,運動の式,円筒座標,r成分である。 z ω R € € h h0 P r 基礎 方程式 ∂ 1 ∂ (rv r ) 1 ∂ 2v r 2 € ∂v r ∂v r vθ ∂v r vθ 2 ∂v r ∂vθ ∂ 2v r € 1 ∂P F + vr + − + vz = ν + 2 − + r + 2 2 − 2 ∂t ∂r r ∂θ r ∂z r ∂θ €∂z ρ ∂r ρ ∂r r ∂r r ∂θ 簡単化 vr 定常状態とかいろいろ考えられるが,ここでは何と言っても,方程式の変数 そのものがゼロと いうことでr方向の外力もないと考えれば, P/ r=0となってしまうのではと思いながら,もう一度 € vθ 良く見ると,点線でかこった項が のみの項で,これが残る。 vθ2 1 ∂P − =− r ρ ∂r vθ = ω r を代入して整理 積分して,とりあえず P = P0 at r = 0 P = ρ gh として解を得る 圧力Pの分布を 求める方程式 (解くべき式) dP = ρω 2 r dr ρω 2 2 P= r + P0 2 より ω 表面形状は 放物線とな る ω 2 2 P0 ω 2 2 h = r + = r + h0 2g ρ g 2g € 表面形状
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