本科 / 実戦演習期 / Z Study 解答解説編 / 難関国公立コース 文系数学 見 本 YMAPNA-Z1C5-01 四面体 OABC がある。辺 OA,AB,BC,OC 上(いずれも端点を除く)にそれぞれ OP : PA = p : 1 ¡ p AQ : QB = q : 1 ¡ q BR : RC = 1 ¡ r : r CS : SO = 1 ¡ s : s をみたす点 P,Q,R,S をとる。このとき,P,Q,R,S が同一平面上にあれば 1 1 1 1 ¡ 1; # ¡ 1; = # ¡ 1; # ¡ 1; #p q r s が成立することを示せ。 (25 点) 空間ベクトルから,同一平面上にあるための条件の扱い方がポイントになる問題である。 ▲ 与えられた条件と示すべき内容からベクトルの利用( 1)という方針は立てられるだろう。こ こで,点が平面上にあるための条件はいろいろな表し方があるが,「解答」では,1 次独立な 3 つ のベクトル OX,OY,OZ に対して ¡! ¡! ¡! ¡ ! “OP = ®OX + ¯OY + °OZ をみたす点 P が平面 XYZ 上に存在する” ▲ () ® + ¯ + ° = 1( 2) の適用を考えてみよう。 …………………………………………… ① OP = pOA OQ = (1 ¡ q)OA + qOB ……………………………… ② OR = rOB + (1 ¡ r)OC ……………………………… ③ ……………………………………………… ④ OS = sOC O n 0 より,① より であり,pqrs = S 1 OA = p OP P ② に代入して OQ = Ú 1¡q p OP + qOB OB = ¡ 1¡q 1 pq OP + q OQ C A R Q B ……………………… ⑤ であり,④ より OC = 1 OS s …………………………………………… ⑥ なので,⑤,⑥ を ③ に代入して r(1 ¡ q) r 1¡r OR = ¡ OP + OQ + OS pq q s 1 ベクトルを利用する。 ▲ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ▲ OP,OQ,OR,OS は 2 以下,点 R が平面 PQS 上にあるための条件を ¡! 考える。そこで,OR を, ¡! ¡! ¡ ! OP,OQ,OS を用いて表 す。 とき ¡ Ú r(1 ¡ q) r 1¡r + q + =1 pq s ¡ 1¡q 1¡r 1 1 pq + q = r #1 ¡ s ; であり ¡ 1¡q ¡1 + q + p ¡ pq 1 pq + q ¡ 1 = pq = ¡(p ¡ 1)(q ¡ 1) pq = ¡ #1 ¡ 1 1 1¡ p ;# q ; 1¡r s ¡ 1 + r ¡ rs 1 1¡ ¡1 = r # s ; rs = ¡(r ¡ 1)(s ¡ 1) rs = ¡ #1 ¡ 1 1 1¡ r ;# s ; と変形できるので 1 1 1 1 ¡ #1 ¡ p ; #1 ¡ q ; = ¡ #1 ¡ r ; #1 ¡ s ; したがって 1 1 1 1 ¡ 1; # ¡ 1; = # ¡ 1; # ¡ 1; #p q r s は成り立つ。 (証明終) ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ YMAPNA-Z1C5-02 ▲ ここで,OP,OQ,OS は 1 次独立なので,点 R が平面 PQS 上にある 1¡r を移項して,両辺を s r で割る。 1 点のベクトル表示 基本事項だが,平面上の点のベクトル表示について確認しておこう。 3 点 A,B,C が三角形をつくる(AB,AC が 1 次独立である)とき,平 面 ABC が定まり,平面 ABC 上の点 P は AP = uAB + vAC OP = OA + uAB + vAC OP = (1 ¡ u ¡ v)OA + uOB + vOC OP = tOA + uOB + vOC,t + u + v = 1 と表示でき,これらは互いに同値である。 C P vAC A uAB B O 「解答」では, を目標にして OR を OP,OQ,OS で表す(OP,OQ,OS の 1 次独立性を利用) という方針で処理したが, の形からスタートして,OA,OB,OC の 1 次独立性に帰着させるこ ともできる。 まず,点 R が平面 PQS 上にあるので OR = ®OP + ¯OQ + °OS; ® + ¯ + ° = 1 YMAPNA-Z1C5-03 と表せて,①,②,④ より OR = ®pOA + ¯(1 ¡ q)OA + ¯qOB + °sOC = f®p + ¯(1 ¡ q)gOA + ¯qOB + °sOC であり,③ より rOB + (1 ¡ r)OC = f®p + ¯(1 ¡ q)gOA + ¯qOB + °sOC よって,OA,OB,OC は 1 次独立だから ®p + ¯(1 ¡ q) = 0 W ¯q = r °s = 1 ¡ r であり,第 2 式,第 3 式より ¯= r 1¡r ; °= q s これと第 1 式より ®=¡ 1¡q 1¡q r ¯=¡ Þ p p q となるので,® + ¯ + ° = 1 より ¡ Ú 1¡q r r 1¡r Þ + + =1 p q q s ¡ 1¡q 1¡r 1 1 1¡ + = pq q r # s ; が得られ,あとは「解答」と同様にして処理すればよい。 なお,より基本的に, からスタートすることもできるが,結局 ¡! ¡! と変形することになり,同様の処理に帰着される。 2 メネラウスの定理の拡張 与えられた条件より 1¡p 1¡q QB CS PA BR 1¡r 1¡s = = = = ; ; ; p q r s OP AQ RC SO であるから,示すべき等式は QB CS PA BR Þ = Þ OP AQ RC SO () AQ CS OP BR Þ Þ Þ =1 PA QB RC SO と表すことができ,本問は “4 点 P,Q,R,S が同一平面上にある” AQ CS OP BR Þ Þ Þ = 1 …………………………………………… (*) á PA QB RC SO を示したことになる。これは,メネラウスの定理を空間に拡張したものと捉えることもできる。 なお,逆(à)も成立するので,これを示しておこう。 O 3 点 P,Q,R で定まる平面 PQR と直線 OC との交点を S とすれば,(¤) S0 0 により AQ CS0 OP BR Þ Þ Þ 0 =1 PA QB RC SO P C A R Q B YMAPNA-Z1C5-04 AQ CS BR Þ Þ = 1 より が成り立ち, OP Þ PA QB RC SO CS0 CS = S0 O SO すなわち,S と S0 は OC を同じ比に内分または外分するから S と S0 は一致する。 ゆえに,4 点 P,Q,R,S は同一平面上にある。 ・等式や不等式の証明では示すべき内容,式の特徴を考慮して方針を考える 本問では 4 点が同一平面上にあるための条件 r(1 ¡ q) r 1¡r ¡ + q + = 1 ………………………………………… ⑦ pq s を導くことが最初のポイントで,次に上記の等式から示すべき等式 1 1 1 1 ¡ 1; # ¡ 1; = # ¡ 1; # ¡ 1; #p q r s をいかに導くかがポイントである。示すべき等式の左辺が p,q の式,右辺が r,s の式であること から,条件⑦を左辺が p,q の式,右辺が r,s の式になるように変形した。 次の例では,示すべき内容が a,b,c のうち少なくとも 1 つは 1 である () (a ¡ 1)(b ¡ 1)(c ¡ 1) = 0 であることに着目して,条件式を変形する。 (例)次の条件式が成立すれば a,b,c のうち少なくとも 1 つは 1 であることを証明せよ。 1 1 1 a+b+c = (法政大) + + =1 a c b 1 1 1 (解答)a + b + c = a + + = 1 より c b a+b+c = 1 1 1 1 + + =1 Ú ab + bc + ca = abc a c b であるから (a ¡ 1)(b ¡ 1)(c ¡ 1) = abc + a + b + c ¡ (ab + bc + ca) ¡ 1 =0 (Û a + b + c = 1; ab + bc + ca = abc) したがって,a,b,c のうち少なくとも 1 つは 1 である。
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