2014/09/09 応用力学演習Ⅱ(2014-№2) 【問題 N-1】下図に示すような曲げ剛性 EI が一定な“連続ばり”について、以下の設問に答えよ。 (1) 支点反力 R A , R B , RC を求めよ。 (2) 断面力図(Q-図,M-図)を図示せよ。 EI const P A B 2 RA 2 C RB RC 【解答】《解法Ⅰ》 (1) 連続ばり ABC の支点 B を取り外し、単純ばり化して、次のように考える。 1 1 1 ①単純ばり AC に荷重 P が載荷されたときの B 点のたわみ y B と A,C 点の支点反力 R A ,RC を求 める。 2 ②単純ばり AC において、B 点に鉛直上方向に未知の外力 X が作用するときの B 点のたわみ y B と A,C 点の支点反力 R A2 , RC2 を求める。 1 ③連続ばり ABC においては、B 点のたわみはゼロであるから、①と②で求めた B 点のたわみ y B と y B2 は、大きさが等しく、方向が逆にならなければならない。 ④上記③の条件を用いて、②の未知の外力 X の大きさを求めれば、B 点の支点反力 R B に他ならな い。すなわち、 R B =X である。 2 2 ⑤上記④で求めた外力 X の大きさを用いて、A,C 点の支点反力 R A ,RC を表せば、連続ばり ABC 1 2 1 2 における A,C 点の支点反力 R A , RC は、 R A = R A + R A , RC = RC + RC で求められる。 上記のように考えれば、右図のように、問題は分解され、 A と B の状態の和で表される。 1 1 まず、A の状態について、A,C 点の支点反力 R A ,RC を求めると、 P EI const 3 3 1 1 2 RA P RA P A B C 2 4 1 1 /2 /2 2 RC1 P RC1 P 2 4 このとき、荷重 P の右側のたわみ y R は、教科書の表から次のよう RA RB RC に表される。 yR Pa 2 b 2 x x x 3 2 6 EI b a ab 2 A y 1 これを用いて、B 点のたわみ y B を求めるために、 3 , b , x とおくと、次のようになる。 2 2 1 9 P 2 2 3 4 2 y 1B 4 1 1 9 2 6 EI 2 3 2 2 2 4 3 P 3 2 8 3 P 3 12 18 8 2 2 64 EI 3 9 64 EI 9 P yR 2 , a 3 P 22 11 P 64 EI 9 96 EI 3 3 R y 1B 1 A B RA2 x’ RC1 y B2 X RC2 次に、 B の状態について、B 点のたわみ y B を考えると、 2 X 8 3 X 3 48 EI 6 EI ここで、連続ばり ABC においては、B 点のたわみはゼロであるから、 6 11 11 11 P 3 X 3 0 y 1B y B2 X P P 96 EI 6 EI 96 16 11 X 2 2 2 2 P また、A,C 点の支点反力 R A , RC は、 R A RC 2 32 24 11 13 3 11 RA R1A RA2 P P P 32 32 4 32 11 P 以上より、 RB X 16 8 11 3 1 11 RC RC1 RC2 P P P 32 32 4 32 y B2 (2) 断面力図(Q-図,M-図)を図示すると、下図のようになる。 P A B C 19 32 P Q-図 13 3 32 P 3 32 P M-図 13 64 P 32 P 【解答】《解法Ⅱ》 (1) 連続ばり ABC の支点 C を取り外し、張出ばり化して、次のように考える。 ①張出ばり AC に荷重 P が載荷されたときの B 点のたわみ角 B B Br と A,B 点の支点反力 R1A , RB1 を求める。 2 ②張出ばり AC において、C 点に鉛直下方向に未知の外力 X が作用するときの C 点のたわみ y C と A,B 点の支点反力 R A2 , RB2 を求める。 1 ③連続ばり ABC においては、C 点のたわみはゼロであるから、①と②で求めた C 点のたわみ y C と y C2 は、大きさが等しく、方向が逆にならなければならない。 ④上記③の条件を用いて、②の未知の外力 X の大きさを求めれば、C 点の支点反力 RC に他ならな い。すなわち、 RC X である。 2 2 ⑤上記④で求めた外力 X の大きさを用いて、A,B 点の支点反力 R A ,R B を表せば、連続ばり ABC における A,B 点の支点反力 R A , RB は、 R A = R A + R A , RB = R B + R B で求められる。 1 2 1 2 上記のように考えれば、右図のように、問題は分解され、 A と B の状態の和で表される。 まず、 A の状態について、A,B 点の支点反力 R A , R B を求め ると、 1 1 P 1 1 R R P,R P ∴ RA RB 2 2 このとき、B 点のたわみ角 B は、教科書の表から、 1 A 1 B A 1 A P 2 P 2 ∴ B Br 16 EI 16 EI 1 これを用いて、C 点のたわみ y C を求めると、次のようになる。 B B /2 /2 RA A P y Br 16 EI 2 2 次に、 B の状態について、A,B 点の支点反力 R A , R B を求め 3 R R X , R X 2 2 2 ∴ RA X , RB 2 X このとき、BC 間のたわみ y1 は、教科書の表から、 2 A 2 B 2 B P3 x1 a a x x2 2 3 1 12 6 EI 2 と表され、 P X , a , x1 とおくと、C 点のたわみ y C C RB P B 1 C ると、 EI const P RC 直線 yC1 Br R1A RB1 X B y1 yC2 R A2 RB2 は、次のようになる。 2 2 X 3 X 3 y 2 3 2 3 EI 6 EI ここで、連続ばり ABC においては、C 点のたわみはゼロであるから、 P3 2 X 3 3 P 3 3 EI yC1 yC2 0 X 3 P 16 EI 3 EI 16 EI 2 32 1 1 3 16 3 13 RA R1A RA2 P X P P P P 2 2 32 32 32 1 1 3 83 11 1 2 P P P 以上より、 RB RB RB P 2 X P 2 2 16 16 16 3 RC X P 32 (2) 断面力図(Q-図,M-図)を図示すると、下図のようになる。《解法Ⅰの(2)と同じなので省略》 2 C 【問題 E-7】〝弾性荷重法〟により、下図に示すような“変断面片持ばり AB”の自由端 B のたわみ v B を求めよ。なお、“変断面片持ばり AB”の曲げ剛性は、A~C 間,C~D 間,D~B 間でそれぞれ 3EI,2EI ,EI である。 P C D A B 3EI 2 EI EI 3 3 3 【解答】 まず、変断面片持ばりの曲げモーメント図は、下左図のようになる。 次に、〝モールの定理〟より、〝共役ばり〟に〝弾性荷重〟を載荷したものは下右図のようになり、こ ~ れについて支点曲げモーメント M B v B を求めればよいことになる。なお、ここに P とする。 3EI P C D A B 3EI 2 EI 3 3 1 C’ 3 C’’ P A A’ EI 3 2 P 3 D’ D’’ G2 2 3 1 P 3 1 2 A G1 1 2 C P2 B G3 D P3 ~ M B vB B xG3 xG2 P1 xG1 M‐図 ここで、 1 P1 2 1 2 1 P2 2 3 3 9 1 1 P3 2 2 3 12 2 3 2 2 4 xG2 3 3 9 2 1 2 xG3 3 3 9 xG1 であるから、モーメントの釣合から、次のようになる。 ~ M B P1 xG1 P2 xG2 P3 xG2 0 ~ ∴ MB 1 2 1 4 1 2 1 54 8 3 2 65 2 1 4 2 2 3 9 9 12 9 162 162 3 81 54 65 65 P 2 65 P 3 ~ ∴ vB M B 162 162 3EI 486 EI 65 P 3 よって、 v B 486 EI ≪参考≫ 【問題 E-6】下図のような“変断面片持ばり”について、先端 B 点のたわみ角 B とたわみ y B を以下の 2 通りで求めよ。ただし、曲げ剛性は、A~C 間を 2EI,C~B 間を EI とする。 (1) d2y M に基づく微分方程式法 2 EI dx (2) 〝モールの定理〟に基づく弾性荷重法 P EI 2EI A C 2 B x 2 y 【解答】 まず、曲げモーメント図(M-図)を図示すると、 右図のようになる。 P EI 2EI (1)微分方程式法による解法 たわみ角 とたわみ y を、A~C 間と C~B 間に 分けて、それぞれたわみ角 , r とたわみ y , y r A とする。 このとき、曲げモーメントとたわみの関係式 C 2 B 2 y P d2y M を、 0 x と x に分けて、 2 2 2 EI dx M ( x ) P( x ) 以下のように解く。 M-図 d 2 y M P a) 0 x のとき、 x 2 2 EI 2 EI dx 2 dy P P これを逐次積分すると、 x 2 C1 y x 3 C1 x C2 4 EI 12 EI dx ここで、次のような境界条件より、積分定数 C1 , C2 を求めると、以下のようになる。 1) x 0 のとき、 dy y 0 より、 dx 2) x 0 のとき、 y 0 より、 P 2 C1 0 4 EI P 3 C2 0 12 EI よって、 P P 2 P 2 P x x x 2 4 EI 4 EI 4 EI 2 EI 2 P 2 x x P 2 x x 2 2 4 EI 4 EI P P 2 P 3 P 3 P 2 3 y x x x x 12 EI 4 EI 12 EI 12 EI 4 EI 2 3 2 3 P 3 x x P x x 3 3 12 EI 12 EI P 2 4 EI P 3 C2 12 EI C1 x b) d 2 yr M P x のとき、 x 2 2 EI EI dx dy r P P これを逐次積分すると、 r x 2 D1 yr x 3 D1 x D2 2 EI 6 EI dx ここで、次のような連続条件より、積分定数 D1 , D2 を求めると、以下のようになる。 3) x のとき、 r より、 2 1 3 P 2 P 2 P 2 1 D1 2 8EI 4 EI 2 2 16 EI P 2 3 1 5 P 2 D1 EI 16 8 16 EI 4) x のとき、 y y r より、 2 D2 5 P 3 1 5 P 3 P 3 P 3 1 D2 3 48 EI 32 EI 12 EI 4 2 96 EI P 3 5 2 15 P 3 12 P 3 96 96 EI 8 EI EI よって、 P P 2 P 5 P 2 3 P 2 2 r x x x EI 2 EI 16 EI 2 EI 16 EI 2 P 2 x x 3 16 8 16 EI P 3 P P 3 P 3 P 2 3 P 2 5 P 2 yr x x x x x 3 6 EI 16 EI 8 EI 6 EI 2 EI 16 EI 24 EI 2 3 3 P x x x 2 9 24 8 48 EI したがって、B 点のたわみ角 B とたわみ y B は、次のようになる。 B r x y B yr x P 2 5 P 2 3 16 8 16 EI 16 EI 3 P 9 P 3 3 P 3 2 9 24 8 48 EI 48 EI 16 EI 5 P 2 16 EI 3 P 3 ∴ yB 16 EI ∴ B (2)弾性荷重法による解法 「片持ばり」の〝共役ばり〟を考えると、右図のように なる。 A 点… 固定端 → 自由端 y 0 0 B 点… 自由端 → P y0 0, y 0 固定端 ~ ~ Q M 0 ~ ~ Q 0, M 0 ~ M 0 ~ Q 0 P p を載荷した よって、〝弾性荷重〟 ~ 4 EI y 0 0 〝共役ばり〟は、右図のようになる。 ~ ~ このとき、〝共役ばり〟の支点反力 R B , M B を 求めれば、B 点のたわみ角 B とたわみ y B が得 られる。 2~ p 2~ p ~ M B yB ~ p A C 2 B 2 1 3 1 1 5 ~ RB 2 ~ p~ p 2 ~ p ~ p ~ p ~ p 2 2 2 2 4 2 4 5 5 P 5 P 2 ~ B RB ~ p 4 4 4 EI 16 EI 2 1 2 1 ~ MB ~ p ~ p 2~ p 0 2 2 2 2 3 2 2 4 2 2 2 3 5 ~ 2 3~ 2 1~ 2 1 5 1 3 1 ~ M B ~ p ~ p ~ p p p p 4 6 2 4 2 3 24 8 6 5 9 4 ~ 2 18 ~ 2 3 ~ 2 p p p 24 24 4 3 2 3 P 2 3 P 3 ~ yB M B ~ p 4 4 4 EI 16 EI したがって、B 点のたわみ角 B とたわみ y B は、次のようになる。 B 5 P 2 16 EI B C A ~ M 0 ~ Q 0 yB 3 P 3 16 EI ~ ~ RB QB B
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