Document 540113

日本農芸化学会中四国支部第39回講演会(例会)
平成26年5月31日 福山大学宮地茂記念館
①
高知県産グァバ茶の
α -アミラーゼおよび
チロシナーゼ活性阻害と抗酸化活性
西川きよ・吉金 優1・中島悦子1・片山智子2・
樋口慶郎1・沢村正義1
有限会社アフロディア
1高知大学土佐FBC人材創出拠点
2有限会社日本漢方医薬研究所
有限会社アフロディア
②
健康と美しい自然を次世代に
〔事業の概要〕
業 種 化粧品卸、小売、エステサロン
従業員 5名
資本金 300万円
コスメシリーズ
〔沿革〕
1999年8月
2010年6月
有機JAS認定自家農園
㈲アフロディア設立
自家農園取得(高知県南国市)
2010年7月 ‘ジュジュ グァバティー’が
高知県成長分野育成支援
研究開発事業化プランに認定
2013年6月
自家農園栽培オーガニックコスメが
高知県経営革新支援事業に認定
2013年9月
有機JAS認定を取得
ジュジュ グァバティー
グァバ葉の機能性
デンプン分解酵素(α-アミラーゼ)の阻害 → 血糖値上昇抑制作用
(株)ヤクルト本社
‘蕃壮麗茶’(トクホ)等
メラニン産生酵素(チロシナーゼ)の阻害→美白作用
ビーエイチエヌ(株)
‘グァバ葉エキス末-S’等
高知県産グァバ葉の科学的データがない
研究目的
自社(高知県産)グァバ茶葉の飲料や化粧品としての
優位性および可能性の追求
・ α-アミラーゼ阻害試験
・チロシナーゼ阻害試験
・抗酸化試験(スーパーオキシド・DPPHラジカル消去試験)
③
実験方法
④
飲料
化粧品
茶葉の熱水抽出
茶葉のBG抽出
茶葉 3 g
沸騰水 180 mL
静置(3 min)
茶葉 5 g
15% 1,3-ブタンジオール
(BG) 80 mL
撹拌(室温,2h)
ろ過
ろ過
200 mLに定容
100 mLに定容
測定項目
測定項目
(1)α-アミラーゼ阻害活性
(2)総ポリフェノール量
(1)チロシナーゼ阻害活性
(2)スーパーオキシドアニオン消去活性
(3)DPPHラジカル消去活性
(4)総ポリフェノール量
α‐アミラーゼ阻害活性
⑤
8
低
7
IC50 (%, v/v)
酵
素
阻
害
活
性
b
6
b
5
4
3
2
a
1
高
0
自社
W
X
JouJou
減肥茶
醗酵グァバ茶
(高知県産) (海外産) (沖縄県産)
熱水抽出液(弊社推奨濃度3 g/200 mL)
Y
蕃壮麗茶
(トクホ)
Z
グァバ茶
ペットボトル商品
*ブタ膵臓由来α-アミラーゼ使用、異なるアルファベットは有意差を示す(P<0.01)
チロシナーゼ阻害活性
⑥
>8.4
3.0
低
酵
素
阻
害
活
性
IC50 (mg茶葉/mL)
2.5
2.1
2.0
d
1.5
b
1.0
0.5
高
0.0
c
a
0.004
アフロディア
自社
山本漢方
A
小谷穀粉
B
(高知県産)
オリヒロ
C
比嘉製茶
D
コウジ酸
βアルブチン
コウジ酸 β-アルブチン
(沖縄県産)
(海外産)
*マッシュルーム由来チロシナーゼ使用、
被検液は15%BG抽出液、 異なるアルファベットは有意差を示す(P<0.01)
SOD相当量(U/g茶葉)
抗酸化活性
15,000
a
(a)スーパーオキシドアニオン消去活性
10,000
b
b
b
5,000
c
0
アフロディア
山本漢方
小谷穀粉
オリヒロ
比嘉製茶
(b)DPPHラジカル消去活性
2,000
Trolox相当量
(μmol/g茶葉)
⑦
a
a
1,500
1,000
ab
b
500
bc
0
アフロディア
自社
山本漢方
A
小谷穀粉
B
(高知県産)
オリヒロ
比嘉製茶
C
D
(沖縄県産)
(海外産)
*被検液は15%BG抽出液、 異なるアルファベットは有意差を示す(P<0.01)
総ポリフェノール含量
没食子酸相当量(mg/g茶葉)
100
80
a
b
c
60
d
40
20
0
e
アフロディア
自社
(高知県産)
山本漢方
A
小谷穀粉
B
オリヒロ
C
比嘉製茶
D
(沖縄県産)
(海外産)
*被検液は15%BG抽出液、 異なるアルファベットは有意差を示す(P<0.01)
⑧
総ポリフェノール含量との相関
0
20
40
60
80
0
α-アミラーゼ
阻害活性
IC50 (mg/mL)
1.0
2.0
3.0
R=0.620
4.0
自社
茶葉
5.0
6.0
IC50 (mg/mL)
0.0
7.0
8.0
9.0
16,000
スーパーオキシド
アニオン消去活性
14,000
μmol/g
U/g
12,000
R=0.778
10,000
8,000
6,000
4,000
2,000
0
0
20
40
60
80
100
0.0
0.2
0.4
0.6
0.8
1.0
1.2
1.4
1.6
1.8
2.0
20
40
⑨
60
80
100
60
80
100
チロシナーゼ
阻害活性
R=0.962
1,800
1,600
1,400
1,200
1,000
800
600
400
200
0
DPPHラジカル
消去活性
R=0.985
0
20
総ポリフェノール含量(mg/g茶葉)
40
飲料
まとめ
⑩
• α-アミラーゼに対する50%阻害濃度は0.16 mg茶葉/mLであり,
市販のグァバ茶葉に比べて4倍以上高い阻害作用を示した。
化粧品
• マッシュルーム由来チロシナーゼに対する50%阻害濃度は0.25 mg茶葉/mL
であり,市販のグァバ茶葉に比べて3倍以上高い阻害作用を示した。
• スーパーオキシドアニオンおよびDPPHラジカルの消去活性も示し,
その活性は市販のグァバ茶葉と同等もしくは高い値が得られた。
• 総ポリフェノール含量は,市販のグァバ茶葉と比べて有意に高い値であった。
• グァバ茶葉の総ポリフェノール含量とこれらの酵素阻害活性および抗酸化活
性に正の相関が見られ,ポリフェノールがこれらの酵素の阻害作用や抗酸化
活性に寄与していると考えられた。
自社(高知県産)グァバ茶葉は総ポリフェノール含量が高く,
飲料や化粧品としての優位性が認められた。
ご清聴ありがとうございました。
たくさんの方々のご協力に感謝しています。
本研究は、高知大学が実施する食品産業人材育成事業
「土佐フードビジネスクリエーター人材創出事業」の
一環として行いました。