機能食品事業 PDF:939KB

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事業別の概況
機能食品事業
市場の状況
能食品事業を開始しました。製薬企業の機能食品事業
部門として、加工食品分野、ヘルスケア食品分野で、安
全・安心はもとより、高品質で独創性に富む機能食品
素材を提供することで、
「人々の健康と豊かな生活創り」
に貢献しています。
ターゲット先を明確にした
製品開発・拡販に取り組みます。
内外のサプライヤーの工場査察を行い、品質保証体制の強
国内の加工食品市場は、消費者の節約志向が続くなか、
香辛料、調味料、品質安定保存剤、健康食品素材、ニュー
生産面では、日本新薬の協力のもと、子会社のタジマ食品
依然として厳しい環境が続いています。大手流通によるPB
トリション素材、粉末たん白素材、除菌・洗浄剤などを製造・
工業株式会社で高品質製品の安定供給を進めていきます。
商品(プライベートブランド商品)
の増加はNB商品(ナショ
販売しています。これらは、加工食品、健康食品、医療・介
ナルブランド商品)
との競合に拍車をかけています。加えて、
護食などの副原材料や食品添加物として使用されたり、食
※
「ニュートリション=栄養」
と
「ファーマシューティカル=医薬品」の中間に位置
し、
「健康の維持増進に役立つ食品やその成分」
という意味
2014年4月から実施された消費税増税の影響も懸念され
品工場の環境衛生に使用されたりしています。これらの製
ています。さらに、諸原料の高止まりと円安は、加工食品
品には、医薬品事業で培ったさまざまな技術が活かされて
メーカーにコスト面で打撃を与えています。経済政策アベ
おり、厳しい品質管理と相まって、食品業界で高い評価と厚
ノミクスによって、経済に復調の兆しが見えるものの、今後、
い信頼を得ています。
景気や消費が好転し、これが加工食品業界まで波及するに
研究開発面では、健康志向の高まりや高齢化に照準を合
来期は売上高134億円
(対前期比1.7%増収)
となる見
は時間がかかりそうです。一方、消費者はこれまで以上に、
わせ、特にニュートラシューティカル※分野やニュートリ
込みです。国内の食品市場は厳しい環境が続くものと予想
ション分野向けに付加価値の高い機能食品素材の開発に
されますが、重点品目のうち特に健康食品素材や品質安定
情報など、さまざまな安全・安心に関する情報を求めるよう
注力しています。
保存剤などの収益性の高い製品の拡販に努めます。
になってきています。
販売面では、品質安定保存剤、健康食品素材、ニュート
また、ユーザーや時代のニーズに応える新製品の年1品
現在、加工食品メーカーは、このような厳しい環境の打開
リション素材、粉末たん白素材を重点品目とし、ターゲット
目の上市を図り、機能食品事業を拡大していきます。加え
に向け、機能性、健康志向、安全・安心、簡便、省手間、本格
先を明確にして拡販に取り組んでいます。品質安定保存剤
て、国内市場以外に、経済発展・人口増加の著しいアジア市
化、メニュー提案などをキーワードに、品質面での競争優位
は、独自の製剤化技術を加えた
「ミカクファインZ」
や新製品
場に向けて、専門部署を設けて製品の輸出にも挑戦します。
獲得によって、新需要を切り拓く製品開発を進めています。
「グリシンGX−2」
の拡販に注力しています。健康食品素材
(百万円)
14,000
13,172
13,000
12,000
11,558
営業概況
品質安定保存剤、
ニュートリション素材
および粉末たん白素材の売上が伸長し、
増収となりました。
は、価格競争の影響を受け、減少しましたが、品質安定保
存剤の売上は
「ミカクファインZ」
が寄与し、増加しました。
ニュートリション素材の売上は、製品値上げとホエイタンパ
11,000
白素材の売上も、製品値上げと大豆たん白の数量が大幅に
10,000
伸長したことで、大きく増加しました。
これ により、売 上 高 は131億7千2百 万 円(対 前 期 比
0
12/3
13/3
14/3
来期の見通し
主力製品の拡販と新製品の上市のほか、
輸出にも挑戦します。
の拡販とともに、作用メカニズムの研究や各種データ取得
にも取り組んでいます。ニュートリション素材は、ホエイタン
パク、カゼイネートなどを医療・介護食分野のみならず、ア
スリート向けのスポーツ栄養食分野やアクティブシニア向
けの健康食品分野にも販路を拡大しています。粉末たん白
素材は、大豆たん白の拡販に注力しています。
製品開発に注力しました。その結果、健康食品素材の売上
クの数量が伸長したことで、順調に推移しました。粉末たん
11,622
化に努めるとともに製品情報の的確な提供を行っています。
は、ヒアルロン酸、コラーゲンペプチド、マンゴスチンエキス
重点品目への取り組み強化による販路拡大とともに、新
売上高
要求に応えるべく製品リスクの管理強化を進めています。国
消費者の節約志向と、
「安全・安心」
への
ニーズが高まっています。
「原産地情報」
「農薬管理」
をはじめとしたトレーサビリティ
日本新薬は、
「医食同源」
の考えのもと、1961年に機
品質保証面では、高まる消費者の
「食の安全・安心」
への
主な施策
13.3%増収)
となりました。
「健康長寿」
「アクティブライフ」
「食の安全・安心」
「食品ロスの削減」
に貢献する
独自性のある機能食品素材を提供することで、
社会に貢献していきます。
私たちは、医薬品事業で培ってきた高度な製造技術と、研究開発および厳しい品質管理を活かし
て、加工食品分野やヘルスケア食品分野に、独自性を追求した高品質の機能食品素材を提供してい
ます。今後も、安全性、高品質、機能性を第一に、食品素材の機能性の研究に基づく新製品開発と、
効率的かつ計画的な事業運営に取り組み、機能食品事業の安定的収益体質の構築と事業拡大を
実現していきます。
こうした事業活動をとおして、
「人々の健康と豊かな生活創りに貢献する」
という経営理念のもと、
「健康長寿」
「アクティブライフ」
をサポートし、
「食の安全・安心」
「食品ロスの削減」
に貢献してまいります。
取締役 機能食品カンパニー長
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足立 博司
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