4 汎用自動分析装置用 CK-MB mass 試薬の基礎的検討 ◎下田 千春 1)、堀 仁 1)、柳川 香 1)、川住 勇 1)、竹浦 久司 2) 社会医療法人 きつこう会 多根総合病院 中央検査部 1)、同 医療技術部 2) 【はじめに】CK-MB は心筋に多く存在し、その逸脱量を測 C、溶血、乳びの 5 項目において共存物質の影響は見られ 定することで傷害の程度を推測できるが、一般的に酵素活 なかった。⑥プロゾーン:プロゾーン試料を希釈測定した 性測定では CK-BB や免疫グロブリン結合型 CK、MtCK を ところ、688ng/ml 以上で測定値の低下を認めたが、プロゾ 測りこむ事がある。当院では MtCK 阻害の試薬を使用して ーンチェック機能により 11000ng/ml まで異常値として判別 いるが、今回、和光純薬工業のラテックス比濁法を原理と 可能であった。⑦相関性:患者試料 79 検体についてエル する CK-MB 蛋白量測定試薬で、CK-MB アイソザイムに特 システム・CK-MB 及び、アーキテクト・CK-MB との相関を 異性の高い試薬検討の機会を得たので報告する。 検討した。本試薬(y)、エルシステム・CK-MB(x)との 【試薬・機器】試薬:L タイプワコー CK-MB mass(和光純 相関性は、y=0.8466x-1.9418、相関係数は r=0.9950、本試 薬工業)エルシステム・CK-MB(シスメックス)アーキテ 薬(y)、アーキテクト・CK-MB(x)との相関性は クト・CK-MB(アボットジャパン)、機器:BM6070(日本 y=0.9494x+5.0635、相関係数は r=0.9938 であった。なお、 電子)アーキテクトi2000SR(アボットジャパン) 本試薬と現行試薬とで乖離したサンプルについては本試薬 【方法及び結果】①同時再現性:2 濃度のコントロールを とアーキテクト・CK-MB とで相関性があることを確認した。 各 20 回連続で測定した。2 濃度とも CV は 2.4%以下と良 詳細は電気泳動にて現在定量検討中である。 好であった。②日差再現性:現在検討中。③直線性:高値 【まとめ】本試薬の基礎性能、現行試薬及びアーキテク 試料を専用希釈液にて希釈測定した結果、約 198ng/ml まで ト・CK-MB との相関性は良好であった。現在主流である 直線性が確認された。④最小検出感度:最小検出感度用試 CK-MB 免疫阻害法の問題点を解消する CK-MB 蛋白定量測 料を±2.6SD 法で測定した結果、最小検出感度は 1.0ng/ml で 定が汎用自動分析装置で測定可能になることは、臨床上有 あった。⑤共存物質の影響:アスコルビン酸、Bil-F、Bil- 用であると考える。(連絡先:06-6581-1071 内線 1521)
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