平 成 25 年 度 事 業 の 概 要

平 成 25 年 度 事 業 の 概 要
平成25年度は、24年11月に決定した「向こう5年間の事業方針」及び当期事業計画に基づき、
放送界が実施する公益目的の放送ライブラリーとしての存在感を高めつつ、着実に事業を推進すること
に注力した。
また、民放とNHKの出捐削減に対応するため、基本財産の運用債券の買換え等により利率の向上に
努めたほか、財産管理運用規程を改定して仕組債の導入を可能にするなど、財政基盤の強化を図った。
(1)公開番組の充実と利活用の推進
年度末における公開番組数は、テレビ番組は前年同期比 400 本増の 14,759 本、ラジオ番組は 155 本
増の 3,843 本である。年度内に収集・保存した番組は、テレビ 847 本、ラジオ 195 本で、年度末におけ
る保存番組数はテレビ 20,242 本、ラジオ 4,315 本となった。公開番組(テレビ、ラジオ、CM、ニュー
ス映画)の延べ視聴回数は、前年度比約 4,300 回増加(3.5%増)の 129,802 回となった。
東日本大震災の復興を記録した番組の収集・公開の推進、また、これまで保存に留まっていた阪神大
震災関連番組の一部を上映会で初めて公開するなど、放送番組を防災に役立てていく取り組みを進めた。
24年9月に本格運用を開始した「BLクリエーター支援サービス」は、年度末までにテレビ番組
2,746 本、ラジオ番組 744 本が視聴可能となり、利用登録は 91 社・451 人となった。
(2)事業の全国展開
事業の全国展開と番組の利活用の目的から、今年度に初めて長崎県立大学情報メディア学科の映像研
究の講義で4番組・5本を上映したほか、千葉県市川市の「市川市文学ミュージアム」の水木洋子展に
合せ同施設内にサテライト・ライブラリーを設置し、水木洋子脚本の7本のドラマを上映した。これら
は、「BLクリエーター支援サービス」用伝送システムを一部改修したIP伝送システムを使用した。
また、24年12月から25年2月の間、放送ライブラリーで開催した、企画展「市川森一・上映展
示会 ~夢の軌跡~」を、今年度は長崎歴史文化博物館と諫早市立図書館において開催、両館で合計
40,675 人の来場があった。諫早市立図書館では、市川氏が故郷諫早を舞台に描いたテレビドラマ「木曜
劇場
親戚たち」
(1985 年、フジテレビジョン)の初回から最終回まで全 13 回を上映し、好評を博した。
イベントに関しては、
「名作の舞台裏・御宿かわせみ」をイイノホール、
「ラジオを楽しむ・優秀ラジ
オ番組の聴き方・作り方」を愛知大学名古屋キャンパス、「人気番組メモリー・題名のない音楽会」を
浜離宮朝日ホール、「番組上映会&公開セミナー 今、福島から伝えること~3.11 大震災・福島原発事
故を忘れない!~」を千代田放送会館で実施し、来場者の地域的拡がりを図るとともに、放送ライブラ
リー事業の周知に努めた。
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(3)放送ライブラリー事業の存在感を高める
テレビ放送開始 60 周年を記念し、人気番組の足跡をたどる「番組上映会・なつかしの番組をもう一
度」を、2回に分けて放送ライブラリーで開催した。
4月と10月の番組改編期に開催する「人気番組展」は、10月の展示から、BS各社の協力を得て、
地上波とBSの番組を併せて紹介することとし、内容の充実を図った。
25年3月から、みなとみらい線と副都心線の直通運転が始まり、都内、埼玉方面からのアクセスが
向上したため、各イベントのチラシを東武東上線、西武池袋線の各駅と、沿線の公共施設に掲示するな
ど広報の強化策に務めた。これらの効果と共に、
「ウルトラヒーローと特撮番組の 50 年」と「岩合光昭
写真展
ねこ」が大変好評であったため、年度内の来館者数は、120,178 人(前年度比 36.1%増)とな
り、放送ライブラリー開始以来の最高記録となった。
(4)法人運営
民放・NHKの出捐金を、25・26年度は24年度比 10%削減し、27年度には同 30%削減する
ことが決定し、基本財産運用益の改善が喫緊の課題となった。そのため、前年度に引き続き、低利率の
債券を売却し、利率が2%台の債券への買い替えを進めた。
また、更なる運用益向上を図るため、公益法人でも運用されている仕組債を検討し、導入した。元本
毀損リスクがなく、組成の異なるステップ・アップ債、リバース・デュアル債、フローター債、リバー
ス・フローター債の4種に限定し、複数の仕組債の導入により運用益の増加を図ることとし、財産管理
運用規程の一部改定を行った。
その結果、年度末における基本財産の運用利率は 2.1%に向上し、年間の運用収益は、前年度比 17.7%
増の2億 500 万円に達した。
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