承認番号 21800BZY10040000 ** 2014 年 10 月 31 日改訂(第 4 版) * 2009 年 3 月 31 日改訂(第 3 版) 機械器具(51)医療用嘴管及び体液誘導管 高度管理医療機器 心臓用カテーテル型電極 11434100 エンサイトカテーテル EC 1000 再使用禁止 併用医療機器 [相互作用の項参照] 警 告 •本カテーテルを挿入した患者への電気メスの使用 •本品は、 「操作方法または使用方法等」の<組み合わせて使用 する医療機器>の項に記載の専用の心臓カテーテル用検査 装置 (本品には含まれない。以下、 「エンサイトシステム」と表 記)以外と接続して使用しないでください。 [他製品との接続 を想定して設計されていません。 ] ** •経大動脈アプローチを行う場合は、X 線透視を確実に行い、 冠 状動脈内へのカテーテルの誤挿入を避けてください。 [冠状動 脈内へのカテーテルの挿入および電気刺激は、 心筋梗塞を誘 発し、 死に至ることもあります。 ] •透視下のもとでカテーテルを進め、 抵抗を感じたら無理やり 進めたり引き抜いたりしないでください。 また、 抜去の際も同 様です。 [心内損傷、 パーフォレーション、 心タンポナーデを避 けるため、 注意深くカテーテル操作を行ってください。 ] •ブレークアウトボックス (本品には含まれない)は、 しっかり と確実に検査台に固定してください。 [エンサイトカテーテル を接続中にブレークアウトボックスが落下すると、 心血管に 重篤な損傷を与えることがあります。 ] ** •左心系 (左心室、 左心房) に本品を適用するに際しては、 経心房 中隔穿刺法や逆行性大動脈アプローチ法について習熟した医 師が使用してください。 •手技中は、 常にバイタルサインをモニタリングし、 特にエンサ イトカテーテルのバルーンを拡張したときは、 動脈血圧を確 認してください。 動脈血圧の降下や変動があるときは、 バルー ンが血流入り口または出口を塞いでいないことを X 線透視下 で確認してください。血流入り口または出口が確保できない 場合は、 本カテーテルの使用は中止してください。 使用方法 •アブレーションカテーテルとしては使用できません。 •本品は一回限りのディスポーザブル品です。再滅菌および再 使用しないでください。 形状・構造および原理等 本品は心腔内電位を測定するための電気生理検査用電極カテーテ ルです。 本品をエンサイトシステムと組み合わせて使用することに より心内膜電位の等電位図や等時図を心腔内形状に 3 次元カラー マッピング表示することができます。 ここで表示される心腔内形状 は、 心腔内の絶対的な形状を表すものではなく、 心内電位を表示さ せるためのスクリーン的な役割を果たすものです。 バーチャル心内 心電図は、この心腔内形状上に心内膜電位として再構築したもの で、 心筋の興奮機序を推定するために使用されます。 ** 本品はカテーテルシャフトにバルーンが取り付けられており、バ ルーンは 64 本の絶縁されたワイヤで作られたブレイド (網み目状 に配置されたワイヤ) で包まれています。 各ワイヤの特定位置に電極が配置されていて、 バルーンの周囲に 8 個ずつ 8 列の 64 極マルチ電極アレイ (MEA) を構成しています。 本品には 64 極のマルチ電極アレイの他に、 近位シャフト位置およ びマルチ電極アレイの両端に設置された計 3 個のリング電極があ ります。 禁忌・禁止 適用対象 (患者) •左心系血栓症、 粘液腫もしくは動脈閉塞性疾患患者 •心房中隔パッチ術を施行の患者 [ 経心房中隔アプローチ ] •弁置換や弁修復手術を受けた患者 •三尖弁狭窄患者 [右心室挿入] •閉塞性肥大型心筋症の患者 •大動脈弁狭窄の患者 [逆行性左心室挿入] •ヘパリンによる抗凝固剤療法に耐えられない患者 •全身性の感染症を呈する患者 •再発性敗血症患者 •血液凝固亢進状態の患者 •電解質異常、 薬物中毒、 急性心筋梗塞、 不安定狭心症、 不安定な 血行動態などの所見がある患者** •経血管カテーテル検査に不適応の患者 •過去 4 ヵ月以内に心房または心室切開術を受けた患者 構造および各部の名称 ①バルーン ブレイドを規定の形状に保ちます。 ②ブレイド 64 本の網目状ワイヤに 64 個の電極が配置されています。 ③ピッグテール カテーテル挿入時に先端で心腔内膜を傷つけないよう、 先端部が 曲がっています。 ※ 「構造および各部の名称」 は次ページに続きます。 ① ⑮ ⑬ ④ ③ ⑥ ⑤ ② ⑪ ⑭ ⑯ ⑫ 0654-904294A ⑩ ハンドル部 ⑨ 1/6 ⑧ ⑦ ⑰ ※前ページのイラストを参照してください。 品目仕様等 ④ピッグテールマーカ カテーテルの先端位置を確認するための X 線不透過マーカです。 •バルーン/ブレイド破裂量 規定量+ 3mL •バルーン/ブレイド加圧限界 (破裂圧) 65.5kPa •バルーン/ブレイド拡張時外径 18.0 ±1.5mm •カテーテル引張り強度 8.92N (0.91kgf) 以上 •コネクタケーブル接合部強度 22.26N (2.27kgf) 以上 •最大適合ガイドワイヤサイズ 0.94mm (0.037 インチ) ⑤リング電極 (E1) 電気的ロケータ信号 (心腔内にて電極カテーテルの位置をガイド するための信号) をピックアップするための電極です。 ⑥リング電極 (E2) 電気的ロケータ信号をピックアップするための電極です。 操作方法または使用方法等 ⑦リング電極 (E3) 電気的ロケータ信号と生体電位を導出するための基準電極です。 [注] 血栓形成の危険を減らすため、 治療前後およびカテーテル挿入 操作中も、 十分な抗凝固対策を行ってください。 ⑧シャフト外装 カテーテルと外部の血液を絶縁するためのカテーテルシャフト の被覆です。 準 備 1. 包装が開封や損傷していないこと、 使用期限が過ぎていないこ とを確認し、 無菌下でカテーテルを開封します。 (本品はディス ポーザブル製品であるので、 一回限りの使用のみで、 再使用は できません。 ) ⑨拡張ポート 注射器を接続し生理食塩液と造影剤混合液でバルーンを拡張・収 縮させるためのポートです。 ⑩PPGM (プッシュシャフト ポジティブ グリッピング メカニズム) プッシュシャフトを固定したり緩めたりする構造部です。 2. カテーテルに物理的な損傷が無いことを確認し、 プッシュシャ フト端のルアーポートにフラッシュポート付きガイドワイヤ止 血弁を取り付けます。 ⑪プッシュシャフト ブレイドの拡張・収縮を調整するためのシャフトです。 3. フラッシュポートのストップコックが閉じていることを確認し ます。 ⑫ルアーポート フラッシュポートを取り付けるためのポートです。 4. ガイドワイヤルーメンのキャリアチューブにヘパリン加生食液 を流します。 ⑬コネクタ エンサイトシステムのブレークアウトボックスに接続します。 ** 5. ストレイトナを使ってガイドワイヤをガイドワイヤ止血弁に通 し、 プッシュシャフトのガイドワイヤルーメンの中に挿入しま す。 ガイドワイヤ先端がピッグテール先端部から出るまでガイ ドワイヤを押し進め、 ガイドワイヤ先端がピッグテールの内側 にちょうど隠れるように、 ガイドワイヤを戻します。 ⑭データモジュール ブレイドの 64 電極の位置情報とピン番号、 カテーテル ID 番号が 保存されている EEPROM です。エンサイトシステムのブレーク アウトボックス前面のスロット部にセットして使用します。 ** 6. 拡張ポートに空の注射器を接続して、 拡張ポートのストップ コックを開き、 内筒を引いてカテーテル内部の空気を抜き取り ます。 次にストップコックを閉じて、 注射器をはずし、 注射器内の空気 を押し出します。 これを必要に応じて数回繰り返します。 ⑮フラッシュポート ガイドワイヤルーメンをフラッシュするためのポートです。 ⑯ガイドワイヤ止血弁 ガイドワイヤを挿入するためのポートです。 ⑰ピールアウェイ シース ブレイドおよびバルーンを保護するシースです。 ピッグテールの ストレイトナとして使用します。 (血液・体液には接触しません) エンサイトカテーテル挿入後は、 引き裂いて除去します。 7. ピールアウェイシースを近位方向にスライドしてバルーン部 分全体を露出させます。 PPGM(プッシュシャフトポジティブ シャフトグリッピングメカニズム) を反時計方向に回してプッ シュシャフトの締付けを緩めます。 ハンドル部を持ちながらプッシュシャフトを近位方向に止まる まで引っ張りブレイドを拡張させ、PPGMを時計方向に回して プッシュシャフトを締め付けます。 原 理** 本品は、エンサイトシステムと組み合わせて使用することにより 約 3000 箇所の心内膜表面上の電位を再構築し、3 次元カラーマッ ピング表示します。 心腔内形状 (以下ジオメトリと称します)の構築は、心腔内に挿入 された電極カテーテルの先端から微弱な電気的ロケータ信号 (エ ンガイド信号) を発信し、 同じく心腔内に挿入された本カテーテル の展開したブレイド上の 64 極各電極およびブレイド両端のリン グ電極によって受信されエンサイトシステムによって演算されて 作られます。 心腔内電位の再構築は、 心腔内に浮遊した状態のブレイド上 64 極 電極によって計測された心腔内電位信号から数学的手法によって 約 3000 箇所の心腔内膜表面電位として作られます。 また、挿入されている電極カテーテルやアブレーションカテーテ ルにエンサイトシステムから低電流の電気的ロケータ信号 (エン ガイド信号) が出力され、 同時にこの信号がエンサイトカテーテル のマルチ電極アレイによって感知させることにより、電極カテー テルやアブレーションカテーテルの位置情報の認識が可能であ り、 術者が行うナビゲーション操作にも用いることが可能です。 8. 滅菌生理食塩液で満たした10 ~ 12mL の注射器を拡張ポート に接続し、 拡張ポートのストップコックを開いて、 バルーンアレ イ内のプッシュシャフトが曲がり始めるまで、 生理食塩液を注 入してバルーンを拡張させます。 9. 注射器の内筒を 0.5mL 戻して拡張ポートのストップコックを 閉じ、 生理食塩液の漏れがないことを確認します。 10. 本品の遠位側を下にして垂直に立て、 拡張ポートのストップ コックを開いて注射器の内筒を引き、 バルーンの生理食塩液を 抜き取った後、 ストップコックを閉じます。 11. バルーン内の空気泡が無くなるまで 8. ~ 10.を繰り返します。 12. 滅菌生理食塩液と放射線不透過性造影剤の 50% 混合液を 10mL 入れた10 ~ 12mL の注射器を拡張ポートに接続し、 ス トップコックを開いて、 バルーンに混合液を注入します。 13. 必要に応じて空気泡除去のためにバルーンの拡張・収縮を繰り 返します。 バルーン内のプッシュシャフトが曲がり始めるまで拡張させた 後、 注射器の内筒を0.5mL 戻したときの注入量 (バルーン規定 量)を記録しておきます。このときの量が実際に心腔内でバ ルーンを膨らませるときに注入する量となります。 使用目的、効能または効果 使用目的** 本品は、 経血管的に心腔内に挿入し、 心腔電位を測定するための電 気生理検査用電極カテーテルです。エンサイトシステムと組み合 わせて使用することにより、 心筋の興奮機序を推定するための 3 次 元カラーマッピング表示が可能であり、 心房内または心室内全域 の電気生理学的検査において、 不整脈の診断を補助する目的で使 用されます。 14. 注射器の内筒を引きバルーンを収縮させて、 ストップコックを 閉じます。 PPGMを反時計方向に回してロックを緩め、 プッシュシャフト を抵抗を感じるまで遠位方向に押し込んでブレイドを収縮さ せます。 PPGMを時計方向に回してプッシュシャフトのロック を締めます。 15. ヘパリン加生食液でバルーン、 ブレイド部分をリンスします。 16. 遠位方向にピールアウェイシースをスライドさせてバルーン、 ブレイド部分を覆います。 2/6 検査開始 3. PPGMを時計方向に回してプッシュシャフトをロックします。 このとき、 拡張ポートのコックは解放状態にして (シースイント ロデューサを通過させる際、 ブレイドが引っかからないように するため) 、 カテーテルを抜去します。 1. カテーテルを挿入するには10フレンチ (3.3mm) 以上の止血弁 を有する、 9フレンチ (3mm) のイントロデューサを使用します。 2. 血管にイントロデューサを挿入します。 <組み合わせて使用する医療機器>** エンサイトシステム 3. アイレットを通してイントロデューサを皮膚に縫合します。 4. イントロデューサのルアーコネクタに点滴用の加圧されたヘ パリン加生食液 (最低ヘパリン 4:生理食塩水1の混合液) を取 り付けます。 (左心系については 350 秒以上、 右心系については 300 秒以上の活性化凝固時間を維持するために患者にヘパリ ンを投与します。 ) 販売名 承認番号 製造販売業者 日本光電工業株式 エンサイトシステム 22100BZX00761000 会社 3000N エンサイト ベロシティ システム 5. ピールアウェイシースを遠位方向にスライドさせて、 カテーテ ル遠位端にあるピッグテール先端をシースで覆います。 縫合や クランプによってイントロデューサを所定位置に固定する場 合は、 縫い糸やクランプがイントロデューサシースのルーメン にあたっていないことを確認します。 22200BZX00086000 日本光電工業株式 会社 エンサイトシステム セント・ジュード・メ 22100BZX00815000 3000S ディカル株式会社 エンサイトシステム セント・ジュード・メ 22200BZX00093000 Velocity ディカル株式会社 6. ピールアウェイシースが止まるまで、 イントロデューサの止血 弁入口部に (ピッグテール先端が入った状態で) ピールアウェ イシースの遠位端を押し当てます。 廃 棄 使用済みカテーテル類は、 感染性医療廃棄物として、 専門の業者に 依頼して廃棄処理をしてください。 7. バルーンアレイ部分がイントロデューサに完全に入るまで、 エ ンサイトカテーテルを押し進めます。 使用上の注意 8. イントロデューサ止血弁からピールアウェイシースを抜去しま す。 (シースをはがし廃棄します。 ) 使用注意 (次の患者には慎重に適用すること) •左脚ブロックのある患者 [カテーテル通過による外傷により右脚 ブロック、 完全ブロック、 心収縮不全となる可能性があります。 ] •造影剤アレルギーのある患者は特にバルーンが破裂しないよう に注意してください。 [バルーンが破裂すると造影剤が血液中に 流出して、 アレルギー反応を起こすことがあります。 ] 9. ピッグテール先端をまっすぐにして、 ガイドワイヤを血管の中 に約10cm進めます。 10. 透視モニタを監視しながら、 必要に応じてガイドワイヤを操作 し、 左心室または右心房にガイドワイヤおよびカテーテルを進 めます。 重要な基本的注意 11. PPGMを反時計方向に回して、 プッシュシャフトの締め付けを 緩めます。 全般的な注意事項 •本品は無菌区内で使用してください。 •開封時は使用期間内であることを確認してください。 •滅菌紙や滅菌包装にやぶれや傷、 よごれのないことを確認してく ださい。ディスポーザブル製品は、 パッケージが未開封で無傷な 場合に限って内容物が無菌状態であることを示します。 •使用前にカテーテルを十分に点検し、 電極がゆるんでいたり、 変 形していたり、肉眼で破損していることがわかる場合、そのカ テーテルは使用しないでください。 (本品は、 電極が 8 極まで不良 でも、 正常に機能し出荷されます。 ) •患者の安全性および本品の安全性を最適に保つため、 本品をアル コールのような有機溶剤で拭かないでください。 •本品を過度に曲げたりよじったりしないでください。 内部の電極 導線、 チップ電極形成部分を破壊することがあります。 •未使用のカテーテルを保存しておく場合は、 「貯蔵・保管方法およ び使用期間等」 の項に記載されている内容を守ってください。 ** •バルーンの拡張には滅菌生理食塩液と放射線不透過性造影剤の 50% 混合液を使用してください。 •血栓形成の危険を減らすため、 治療前後およびカテーテル挿入操 作中も、 十分な抗凝固対策を行ってください。 •血液活性凝固時間 (ACT)は、左心系検査の場合に検査中 350 秒 以上、 右心系検査の場合に検査中 300 秒以上、 到達および維持さ せることをお勧めします。 •検査の際には、 ガイドワイヤとイントロデューサルーメンにヘパ リン添加 (抗凝固剤混合) を行ってください。 •予防的投与としてアスピリン療法 (または他の血小板機能阻害療 法)は、 検査前の少なくとも 3 日前、 検査後 3 週間行うことを推奨 します。 •本品は心腔内の電気生理学の技術について十分に訓練を受け、 エ ンサイトシステムおよび本品について研修を受けた施設の医師 のみが使用してください。 ** •心内カテーテルの操作は検査に熟練した心臓電気生理学を専門 とする医師のみが行ってください。 •エンサイトカテーテルの挿入、 アレイの留置に際しては、別途用 意されているプロシージャガイドに記載された方法を参照して ください。 12. 50%の滅菌生理食塩液と50%の放射線不透過性造影剤の入っ た滅菌注射器を拡張ポートに取り付けます。 13. プッシュシャフトが停止するまでアレイを展開し、 プッシュ シャフトを近位方向に引きます。 14. PPGMを時計方向に回して、 プッシュシャフトの締め付けを強 めます (指で締める程度に) 。 15. 滅菌生理食塩液と放射線不透過性造影剤の混合液を、 「準備」 の 13. 項で測定した量 (バルーン規定量) に達するまで拡張ポート に注入します。 16. 透視モニタでバルーンが拡張するのを確認した後、 拡張ポート のストップコックを閉じます。 このとき、 注射器は取り付けたま まにします。 17.(必要に応じ、 ガイドワイヤを抜き取り) ガイドワイヤルーメン から空気を完全に除去した後、 フラッシュポートからヘパリン 加生食液を点滴します。 検査中 1. エンサイトカテーテルのバルーン拡張時や手技中は、 動脈血圧 を確認します。 2. 手技中は、 定期的に X 線透視下でバルーンの拡張と位置を確認 します。 バルーンが収縮していれば、 混合液を注入し、 拡張し直します。 エンサイトカテーテルに漏れがある場合は、 カテーテルを収縮 して抜去します。 バルーンが移動していれば、 再度目的部位に 留置し、 ジオメトリを再作成します。 カテーテルの抜去 1. ガイドワイヤを抜去した場合は、 検査終了時にガイドワイヤを 再度挿入します。 このとき透視装置を使用しながらガイドワイ ヤ先端がピッグテール先端内に位置するようにガイドワイヤ を進めます。 2. PPGMを反時計方向に回してプッシュシャフトへの締め付け を緩め、 拡張ポートのストップコックを開きます。 透視モニタを 監視しながら、10 ~ 12mL の注射器を使用してバルーンから 液体を吸引し、 バルーンとブレイドを完全に収縮させます。 こ のとき、 注射器に戻った液体の量を計測して、 注入量に等しい ことを確認します。 3/6 有害事象** 使用中の注意事項 •カテーテル取扱い担当医はゴム手袋を装着してください。 •プレイドを拡張させてから4 分以内にバルーンを拡張してくださ い。 プレイド拡張による血栓形成の恐れを最小限にするために必 要です。 •エンサイトカテーテルは、 生体内に継続して 5 時間以上留置しな いでください。 また、 アレイ展開行程として 3 回までのバルーンの インフレーション/デフレーションを行うことができますが、1 回の検査で 10 回以上のバルーンのインフレーション/デフレー ションは行わないでください。 ** •手技中、 エンサイトカテーテルのバルーンの拡張と位置を確認す るために透視モニタを定期的に使用してください。 バルーンが収 縮しているようであれば、 造影剤混合液を追加して拡張し直して ください。エンサイトカテーテルに漏れがある場合は、 カテーテ ルを収縮して抜去してください。 カテーテルが移動している場合 は、希望の位置に挿入し直して、 ジオメトリ構築過程を繰り返し てください。 •エンサイトカテーテルを抜去する際は、 ブレイドとバルーンが完 全に収縮していることを確認してください。収縮が不完全な場 合、 シースイントロデューサ先端部にブレイドが引っかかり、抜 去が困難になります。 •カテーテルを抜去するときは、 ハンドル部を持って操作してくだ さい。 •一般的に、心臓カテーテル検査に関する合併症を含め、電極カ テーテルを用いての心臓電気生理学検査における合併症は、 以下 のものがあります。ただし、 これらに限定されるものではありま せん。 ・死亡 ・アレルギー反応 ・不整脈の発生 ・心肺機能の抑制 ・心臓弁の損傷 ・胸痛 ・血管内膜または心臓超微細構造への損傷 ・塞栓症 ・出血/斑状出血 ・血圧上昇または低下** ・感染 ・心筋梗塞 ・穿孔 ・心膜滲出 ・心膜炎/肋膜炎 ・横隔膜または肋間神経の損傷 ・気胸 ・偽動脈瘤 ・肺動脈水腫 ・菱形洞または房室結節の傷害 ・火傷 ・発作または大脳血管の偶発症候 ・心タンポナーデ ・脳血管障害/一過性脳虚血 ・血栓症 ・血管迷走神経性反応 ・血腫 ・動静脈瘻** ・敗血症** •心臓カテーテル検査は、 透視法による X 線強度および継続時間が 原因で、 患者にもスタッフにも、 体細胞および遺伝上の影響を起 こす危険性を増大させるとともに、 急性放射線障害を起こす可能 性があります。カテーテルマッピングは、手技に関わる X 線被曝 の可能性に対して十分に注意が払われ、 この被曝が最小限になる よう手段を講じる必要があります。 特に妊婦に対しては十分に注意が払われる必要があります。 相互作用 (併用禁忌・禁止:併用しないこと) 医療機器の名称等 電気手術器 (電気メス) 臨床症状・措置方法 機序・危険因子 • カテーテルを抜き 心室細動を誘発す 取る ることがある • 他の切開法を施行 臨床検査結果に及ぼす影響 •薬剤の事前投与を行っている場合は、 検査時に電気生理学的影響 が及んでいることがあります。 不具合** 本製品の使用により、 以下のような不具合の発生が考えられます。 十分注意した上でご使用ください。 ただし、 これらに限定されるも のではありません。 臨床成績 海外臨床試験成績 本システムの臨床試験については、1997 年 9 月から 1998 年 7 月 までに米国内の 4 施設の医療機関において、19 ~ 81 歳の心房性 不整脈の疑いがある患者 65 症例に対して実施されました。 試験は、 本システムで測定された心内膜表面上の電位図と一般的 な心内膜接触型の電極カテーテルで測定された電位図との同等性 を示すこと、 また本システムの使用が安全であることを確認する ために実施されました。 重大な不具合** •本品と接続機器との接続不良 本品の接続不良により、 適切な心腔内形状の構築や電極カテーテ ルなどの位置情報の認識などができなくなることがあります。 •本品の破損 (断裂、 キンク、 つぶれ、 捩れおよび亀裂など) 本品の破損により、 心腔内形状の構築や電極カテーテルなどの位 置情報の認識などができなくなったり、 バルーンの拡張・収縮や ブレイドの展開などができなくなることがあります。 •先端部および電極の断裂または離脱 本品の先端部および電極の断裂または離脱により、 本品の一部が 体内に遺残し、 外科的処置が必要となることがあります。 •本品の抜去困難 本品の抜去困難により、 組織が損傷したり摘出のための外科的処 置が必要となることがあります。 •バルーンの拡張・収縮不良 拡張ポートの損傷や造影剤の詰りなどにより、 バルーンの拡張・ 収縮が不可能または困難となることがあります。 •ノイズの発生 医療機関内の他の医療機器や測定機器、 電源事情などによる EMI (電磁干渉) の影響によりノイズが発生し、 適切な心腔内形状構築 や電極カテーテルなどの位置情報の認識などができなくなるこ とがあります。 <試験概要> 対象選択 基準 心房心内膜マッピングに適応される患者 •18 歳未満の患者 •6 週間以内に心筋梗塞を発症した患者 •4 ヶ月以内に心房切開または心室切開を受けた患者 •心エコー検査によって心腔内血栓がみとめられた患者 •生物学的、 機械的人工弁を処置された患者または、 三尖弁 および肺動脈弁の修復を受けた患者 •肺動脈塞栓症の病歴のある患者 •妊娠している患者 除外基準 •マッピング手技開始前 1日以上、 および手技後最低 3 週間 アスピリンまたは他の凝固治療が受けられない患者 •ヘパリン抗凝固療法を中止した患者 •大腿静脈から心臓への経皮的カテーテル法が 安全でない状態の患者 •NYHA クラス IV の患者 •心房中隔欠損の患者 •心室中隔欠損の患者 その他の不具合** バルーン破裂、 ガイドワイヤルーメン損傷によるガイドワイヤ挿 入困難、 その他各部の損傷 症例数 使用方法 65 症例 エンサイトカテーテルを左大腿静脈に、 市販の電極カテーテ ルを右大腿静脈に挿入し、 右心房の心内膜電位を測定する。 検査・ 処置後 24 時間または退院時と処置後 30 日 観察時期 検査・ 有効性:右心房の心内膜表面上の電位 観察項目 安全性:合併症 本システムで得られた電位図と市販の接触電極カテーテル 評価方法 で得られた電位図とを比較し正常な洞調律、 ペーシングおよ ・基準 び不整脈誘発時期について時間的な誤差を算出し、 時間的な 差の平均値が9msec以下であれば同等であると評価する。 4/6 <対象患者の背景> 名 称 人数(65症例) 性 別 年 齢 (歳) 男性 36 (55.4%) 女性 29 (44.6%) 平均 51.8 範囲 身 長 (cm) <カテゴリごとの t 値> 19 ~ 81 標準偏差 17.0 平均 172.6 範囲 体 重 (kg) 有効性検定基準では、比較した時間差の平均値は 9msec 未満と なっており、3 つのカテゴリについて以下の t 値が得られました。 (t 値が 1.96 を超えたとき、 有意な相関関係があることを示します) 152.4 ~ 196.0 標準偏差 9.9 平均 82.3 範囲 55.5 ~ 143.0 標準偏差 21.5 パラメータ 被検者数 (%) 38 (58.8%) 肺動脈弁疾患 0 (0.0%) 三尖弁疾患 2 (3.1%) うっ血性心疾患 5 (7.7%) 88 ペーシング 79 100 不整脈 45 53 混成 95 134 安全性 治験施設には病因とは無関係にすべての合併症を報告することが 要求されたため、 通常 EP 検査に伴う合併症やアブレーション手技 に伴う合併症も報告されました。臨床試験中に報告された合併症 を以下に示します。 <重篤な合併症> 合併症の種類 発生率 冠動脈性心疾患 10 (15.4%) 穿孔 心房細動 32 (49.2%) 心筋梗塞 1 (1.5%) 0 (0.0%) 洞房結節ブロック 1 (1.5%) 心室性頻脈 1 (1.5%) 輸血を必要とする血腫 1 (1.5%) 心筋梗塞の病歴有り 8 (12.3%) 外科修復を必要とする動静脈瘻 1 (1.5%) 血栓性静脈炎 1 (1.5%) 心室細動 血栓崩壊事象 2 (3.1%) うっ血性心不全 8 (12.3%) 1 (1.5%) 合計 6(9.2%) 狭心症の病歴 3 (4.6%) 原因不明の胸痛 5 (7.0%) CABG 8 (12.3%) 高血圧 26 (40.0%) 血管形成術 3 (4.6%) ステント 0 (0.0%) <軽微な合併症> 有効性:接触型電極カテーテルで収集した電位図との比較 正常な洞調律、 ペーシングおよび不整脈調律の3つのカテゴリにつ いて、 本システムで得られた電位図と市販の接触電極カテーテル で得られた電位図との活性化時間の差および相関関係を計算しま した。カテゴリ毎の時間差平均値は 9msec のエンドポイントの範 囲内に十分に入っており、 相関関係も 0.75 ~ 0.79 を示しました。 活性化時間の差の平均 (ms) 相関関係 -2.79 0.75 6,541 ペーシング -0.87 0.79 4,988 不整脈 -0.70 0.76 3,466 混成 -1.67 0.77 14,995 <活性化時間の差の分布> 割合(%) -18msec 未満 1,291 8.61% -18msec ~- 9msec 1,191 7.94% - 9msec ~+ 9msec 10,954 73.05% + 9msec ~+18msec 745 4.97% +18msec 超 814 5.43% 14,995 100.00% 7 (10.8%) 血腫 6 (9.2%) 治療を必要とする低血圧 4 (6.2%) 輸血を必要とする出血 (右側) 2 (3.1%) 左大腿静脈からの出血 1 (1.5%) 治療を必要とする高血圧 1 (1.5%) 息切れおよび右側の胸痛 1 (1.5%) 22(33.8%) まとめ 本システムは、 複雑な心房性不整脈を診断することにおいて、 安全 且つ有効であることが確認されました。 本試験結果の t 値がすべて 1.96 を越えたことにより、 エンサイト 3000 システムは、 同じ目的 で市販されている心内膜接触型の電極マッピングシステムと同等 の有効性を有することが示されています。 活性化時間の差の分布を以下の表に示します。本システムで得ら れた電位図と、 市販の接触電極カテーテルで得られた電位図の形 態の同等性を示すため、 信号対について交差相関を行いました。 こ の解析の結果から、 電位図の形態が十分一致している場合には (す なわち、交差相関が 0.8 以上である場合) 、時間差が± 9msec 以内 の信号対の割合が 91% に増加することが明らかになりました。 一致した対の数 発生率 本結果は通常のアブーション手技において発生する合併症発生率 と同程度の発生率であり、本システムを用いたマッピング手技が 使用上安全であることを示しています。 電位図数 正常な洞調律 合併症の種類 以前からある、治療を必要とする 心房性不整脈 合計 <カテゴリ別の時間差と相関関係> カテゴリ 1 (1.5%) 息切れおよび右側の胸痛 試験結果 合計 t2 51 表に示したとおり、 すべての t 値が 1.96 を上回り、 帰無仮説が却下 され、本システムで生成される電位図と接触電極カテーテルに よって生成した電位図との時間差の平均 (μ (C-E) ) が 9msec の臨 床的意義のある時間差の範囲内にあることが示されました。 <対象患者の心臓病歴と手術歴> 以前に手術有り t1 正常な洞調律 5/6 貯蔵・保管方法および使用期間等 貯蔵方法 保管時は以下の場所に保管してください。 •水のかからない場所 •高温多湿にならない場所 •直射日光の当たらない場所 •ほこりの少ない場所および塩分イオウ分などを含んだ空気にさ らされない場所 •科学薬品を保管していない場所およびガスの発生しない場所 使用期限 包装の有効期限欄に記載してあります。 製造日から 2 年 (当社データの自己認証による) 包 装 1個/ 1包装 本品および付属品は、 それぞれ単独で滅菌・包装されており、 さら に無菌包装に封入してあります。 主要文献および文献請求先 主要文献 Richard J. Schilling, Paul A. Friedman, Marshall S. Stanton, Graydon Beatty, Eric Voth, Jon Hauck : Mathematical Reconstruction of Endocardial Potentials with Non-contact Multi-electrode Array. 文献請求先 日本光電コールセンタ 東京都新宿区西落合 1-31-4 TEL (0120) 49-0990 製造販売 東京都新宿区西落合1-31-4 〒161-8560 (03)5996-8000( 代表)Fax( 03)5996-8091 * 外国製造業者 セント・ジュード・メディカル・ エイトリアル・フィブリレーション・ディビジョン・インク (St. Jude Medical, Atrial Fibrillation Division, Inc.) (アメリカ合衆国) 緊急連絡先 6/6 コールセンタ (0120)49-0990
© Copyright 2024