29TF-am13 有機触媒/混合酸無水物法による 4-O- アシル化糖の位置選択的合成 1 1 ◯上田 善弘 1 , 古田 巧 1 , 川端 猛夫( 京大化研) 【背景・目的】近年当研究ではC 2 -対称求核触媒 1 の開発により、糖類の 4 位水酸基を 位置選択的にアシル化することに成功している。1) 本反応は種々のN-保護アミノ酸に 由来するアシル基の導入が可能であるなど、広い官能基寛容性を有している。2) しかし、 本法では対称酸無水物を用いるため二当量のカルボン酸を必要とすること、また酸無 水物の合成が困難な場合がある、などの問題点があった。そこで今回より汎用性の高 い 4-O-モノアシル化糖の合成法開発を目的とし、混合酸無水物法によるone-potでの位 置選択的アシル化の検討を行った。本法では用いるカルボン酸を一当量にでき、導入 できるアシル基の構造的多様性も拡大される。以上のようにして多様性と信頼性ある 糖類の位置選択的官能基化法の確立を目的とした。 【方法・結果】Palmitic acid に DIPEA 存在下 pivaloyl chloride を作用させ、系中で混合 酸無水物を発生させた後、-20 度で触媒 1、2,4,6-collidine 及び octyl ȕ-D-glucopyranoside を反応系中に順次加えると、一級水酸基である 6 位水酸基に優先して 4 位水酸基での アシル化が進行し、モノアシル化糖を高収率、99%の位置選択性で得た。なお本反応 では対応する対称酸無水物法よりも位置選択性の向上が見られた。 R R P P P O mixed anhydride Cl (1.1 eq.) O O OH i-Pr NEt (1.1 eq.) C 15 H31 C 15H31 2 (1.1 eq.) CHCl 3 r.t., 1 h O C8 H17O H N N O HN H N O OC 8H 17 O N cat. 1 NH HO HO cat. 1 (10 mol%) 2,4,6-collidine (1.5 eq.) O O -20 °C, 24 h OH O OH OC 8 H17 (1.0 eq.) C 15 H31 O P 99% regioselectivity 89% yield OH 4 O HO O OH OC 8H 17 Reference 1) Kawabata T. et al. J. Am. Chem. Soc. 2007, 129, 12890 2) Kawabata T. et al. J. Org. Chem. 2009, 74, 8802
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