本書の内容を、当社の許可無くして複製・転載 することはご遠慮下さい。 関西電力株式会社 大規模地震に対するダム耐震性能照査について (アーチ式ダム) 平成26年4月22日 関西電力株式会社 資料6 解析対象ダムの概要 ダム全景 ダム諸元 竣工年 1963年 ダム高 186 m 堤頂長 492 m 堤体積 1,600千 m3 総貯水容量 約1.8億 m3 ダム断面図 ダム平面図 186m 492m 1 レベル2地震動に対するダム耐震性能照査の進め方 ダム耐震性能照査の進め方 当社のレベル2地震動に対する耐震性能照査については、「大規模地震に 対するダム耐震性照査指針(案)(国交省)」(以下、国交省指針(案)という)に 準拠し実施している。 2 レベル2地震動の策定方法 ダム耐震性能照査に用いるレベル2地震動は、以下の手順で近傍断層による内陸型地震の うちで最大のものと指針(案)に記載の照査用下限加速度応答スペクトルを比較し設定して いる。 ①ダムへの影響が大きい近傍の活断層を抽出しモデル地震動を作成 ダムへの影響の大きい複数の断層について、半経験的手法により断 層モデル地震動を作成 ②モデル地震動のうちダムへの影響が大きい地震動を選定 ダムへの影響を考慮し速度応答スペクトルにより選定 ③選定されたモデル地震動と下限スペクトルを比較 ダム固有周期周辺の加速度応答スペクトルの値を比較し、大きい方をレ ベル2地震動とする 下限スペクトルが選定された場合、 位相特性として一庫波を考慮する ④選定された地震動の加速度時刻歴波形をレベル2地震動に決定 3 ダム耐震性能照査で考慮した活断層・地震動 ①ダムへの影響が大きい近傍の活断層の抽出 ②ダムへの影響が大きい断層モデル地震動の選定 抽出された断層に関して、半経験的手法により 断層モデル地震動を作成し、影響の大きいもの を選定 長野盆地西縁断層帯 呉羽山断層帯 魚津断層帯 ・ダムへの影響度については、地震動のもつエネルギーで評価することとし、 サイト増幅特性(Soda et al. (2004))の周波数範囲を考慮した速度応答ス ペクトルの平均的な値により比較 砺波平野断層帯東部 ダム地点 《各断層代表ケースの比較》 一ノ越断層帯 跡津川断層帯_NS 跡津川断層帯_EW 一之越断層帯_NS 一之越断層帯_EW 牛首断層帯_NS 牛首断層帯_EW 糸魚川静岡構造線断層帯_NS 糸魚川静岡構造線断層帯_EW 跡津川断層帯 牛首断層帯 糸魚川-静岡構造線断層帯 北部・中部 地震調査研究推進本部による断層位置図 速度応答スペクトル(kine) 100 50 0 0.01 ダム近傍の活断層のうち、距離減衰式 (司・翠川)により、赤字の断層帯を抽出 0.1 考慮した周波数範囲 1 10 周期 (s) ダムへの影響の大きい断層として跡津川断層帯を選定 4 ダム耐震性能照査で考慮した活断層・地震動 ③断層モデル地震動と下限スペクトルとの比較 ④評価対象レベル2地震動の決定 ダム固有周期において 下限スペクトル>モデル地震動 選定されたモデル地震動の加速度応答 スペクトルと下限スペクトル(指針(案)) を比較 下限スペクトル適合波を照査対象地震動に決定 ダム固有値 T=0.56秒 10000 位相特性としては、兵庫県南部地震時の 一庫ダムでの観測記録を考慮 加速度応答スペクトル (gal) 跡津川断層帯(上下流) 跡津川断層帯(ダム軸) 下限スペクトル(指針(案)) 1000 400 (Gal) 300 下限スペクトル適合波 200 100 100 0 -100 0 2 4 6 8 10 -200 10 12 (sec) -300 -400 1 0.01 0.1 周期 (s) 1 10 ※断層モデル地震動:NS、EW方向⇒ダム上下流、ダム軸方向へ変換 200 150 (Gal) 100 50 0 -50 -100 0 位相特性で考慮した 一庫ダム観測波形 2 4 上下流 6 8 10 12 sec -150 -200 5 ダム耐震性能照査の解析モデル図 ダム解析モデル図 Joint L5 Joint 6 Joint L2 301:アーチダムジョイント Joint 27 Joint R5 Joint R1 Z X Y Z X Y 6 ダム耐震性能照査結果 最大引張応力発生箇所 Z Y X ・ダムに発生する引張応力がダム堤体引張強度以下であり弾性範囲内である ことを確認 ・大規模地震後も貯水機能を維持することから、耐震性を有することを確認 7
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