Ver-C。ns。ーidated S。

Bu11Fac L1fe Env Sc1Sh1mane Un1v,
3:11−18,December20.1998
締固め土と正規圧密⑧過圧密土の聾断特性の比較
鳥 山 胱 司
Comparison of the Shearing Properties of
Compacted Soi1and Norma11y or
Over−Conso1idated Soi1
Koush1T0RIYAMA
Abs加跳危 Theshearingpropert1esofcompacteds011s are genera11y cons1dered
to be comparab1e w1th that of normal1y conso11dated and over conso11dated s011s
Usmg Fuj1nomor1c1ay,CU and CD tnax1a1compress1on tests were pe村ormed on
dense1y compacted spec1men and CU tests were performed on norma11y conso11−
dated and over conso11dated spec1men
The sheanng propert1es of CU and CD tests of compacted s011s and mundateded
s011s w1th back pressure ub=10kgf/cm2after compact1on are near1y equa to each
otheL
The fa11ure enve1ope for tota1stress of norma1y conso11dated and over conso1−
1dated s0111s c1ose1y approx1mate w1th b11mear11ne and that for effect1ve stress1s
c1ose1y approx1mate w1th11near1me On the other hand,the fa11ure enve1opes for
tota1stress and effective stress are expressed respective1y with1inear1ines From
these resu1ts,the shrear1ng propert1es of compacted s011are not approx1mate w1th
that of norma11y conso11dated and over conso11dated s011
Key word shear1ng propert1es,compacted s011,normany conso11dated s011,
overconso11dated s011,fa11ure enve1ope
よく、支持力も大きいため,かなりの過圧密状態にあり,
1。ま え が き
締固め土の勇断特性は過圧密粘土の勇断特性に類似して
いるものと思われているが1),これに対する実験的な検
土の乾燥密度の比較をする場合,締固め土では締固め
討は全くなされていない。
試験より最大乾燥密度ρ。㎜と最適含水比W。。tを求め,
締固め土は不飽和であるため,間隙水にサクション
締固め土の乾燥密度ρ。との比でD値:ρ。/ρ。。、、×1OO
(負圧)が生じており,この負圧による有効応力が勇断
%として,締固めの程度を表している.フィルダムの
強度を大きくしている。降雨や地下水が締固め土に浸透
ような重要な構造物では施工目標のD値が95%以上で
した場合にはサクションは消失し,飽和に近い状態にな
あるが,道路などの盛土ではD値が85%以上を目標と
る。この場合にも,締固め土がかなりの過圧密土と類似
しており,さらに低いD値を施工管理値として盛土を施
の勇断特性を保っかは疑問である.
工している場合もある。これに対して,砂では相対密度
ここでは粘性土を密に締固めた場合の非水浸と水浸の
D、を密度の比較に用いている。さらに沖積粘土の乾燥
勇断特性をぺ一スト状態からの正規圧密および過圧密供
密度を直接に比較する方法はなく,自然含水比W,正規
試体の勇断特性と比較し、締固め土は正規圧密,過圧密
圧密か過圧密か,過圧密比OCRがいくらかがその状態
の勇断特性とは異なる傾向を持っことを示す.
を表す指標として用いられている.
締固めは一般に最適含水比の近傍の含水比で行われる
ため,締固めた状態では軟弱な粘土に比べて,施工性が
島根大学生物資源科学部研究報告
12
第3号
たのち,0石kgf/cm2で予圧密して作成した.1つの予
2.試料土と実験方法
圧密試料土からは6本の供試体を切り出した.この状態
では供試体が自立する程度で,わずかの力を加えても容
実験に用いた粘性土は左官用セメント緩和材として市
易に変形するほど軟弱であった。
販されている京都市伏見区深草産の藤の森粘土である.
実験は全て三軸圧縮試験とした。締固め土は締固めた
この物理的性質を表1に示す.
まま圧密した非水浸と,圧密後,動水勾配7∼8で3日
締固め用の試料土は最適含水比となるように蒸留水を
間透水したのち,背圧u。=1刀kgf/cm2を1日間作用さ
加えて均一にしたのち,2重にしたビニール袋に入れて
せた水浸とした.また,圧密非排水試験(CU)と圧密
1週間以上置いたのち実験に用いた.締固め土の供試体
排水試験(CD)を行った。CU試験はひずみ遠度01%
は直径5刀cm,高さ12.5cmのモールドに土を所定の回
/m1n,CD試験は88×1o・4%/m1nで行った。圧密応力
数に分けて入れ,この上に直径4.6cmの木の棒を置き,
σ’北=O.5,1.O,2仙3.O,40,6.Okgf/cm2を1組とした。
これを標準締固め用のランマーで所定の回数突いて締固
正規圧密供試体はσ’。、=0凪1.0,2仙3皿40,6刀kgf
めた。密締めの供試体は5層15回,標準の締固めは4
/cm2で圧密後,u。=10kgf/cm2を作用してCU試験の
層7回の締固めをした.
みを行った。過圧密供試体は先行圧密応力P。=aOまた
飽和試料土は試料土を含水比55%程度のぺ一ストに
はa0kgf/cm2で圧密後,所定の圧密応力に除荷した後,
して内径20cmの予圧密装置に入れ,2時問以上脱気し
CU試験を行った.ひずみ速度は01%/mmである.
表2に実験前の供試体諸元と正規圧密,過圧密供試体
表1 試料土の物理的性質
の圧密後の平均諸元を示す.なお,圧密後の諸元は圧密
による排水量から計算した値である。
土粒子の密度
ρ。
液性限界
Wl
40.2 %
塑性限界
W。
3L8
%
砂 分
12
%
シルト分
72
%
密締めで水浸のCD試験のFBとCU試験のFHでの’
粘土分
16
%
実験結果を図1,2に示す。CD試験ではσrσ。はピー
最適含水比
W。。t
最大乾燥密度
ρdm。。
2.7089/cm3
3、締固め土の聾断特性
ク強度を生じているが,CU試験ではεの増加とともに
23.1 %
間隙圧が減少に転じ,有効応力が増加しているためピー
1,537g/cm3
ク強度を生じていない。この場合はε:10%でのσr
表2 供試体の平均諸元
番号
実験前
条件
W
ρd
%
9/cm3
FA
非水浸
24.34
FB
FC
FD
水浸
非水浸
実験後
e
圧密後
S、
W
W
ρd
%
%
%
9/Cm3
e
S、
%
1558
0.739
89−3
2498
2456
1.558
0.739
90』
25.70
24.43
1.517
O.784
84.6
2541
水浸
24.50
1.506
0.800
84刀
27.14
FG 非水浸
FH 水浸
24.59
1.545
O.753
89刀
24.89
24.85
1.550
0.748
90刀
2a39
FI
非水浸
2485
1.509
O■95
841
26.09
FJ
水浸
24.46
1502
0303
83.6
2830
37.13
1372
0.972
103■
3147
3043
1加9
O■91
1050
CU FOC6
37.32
1359
O.992
10ω
2軌87
28.38
1548
O.750
102石
FOC3
36.16
L360
O.991
99.1
30石6
2857
1516
O.787
985
CD
CU
FNC
鳥山:締固めと正規⑧過圧密士の勢断特性の比較
13
σ。を圧縮強度とした。図のFBではσ。=2.Okgf/cm2
Cm2を除いて殆どない.水浸状態ではσ。が小さい範囲
までは体積ひずみε、が勇断中に正となって体積が増加
でCU試験では負の間隙圧が生じ,σ’がCD試験より
しており,CU試験ではこれに対応して間隙圧は負になっ
大きくなるため,圧縮強度もCU試験の方が大きくなっ
ている.
ている。しかしσ。が大きくなると間隙圧も増加し,σg
圧縮強度(σrσ。)/2と全応力(σ1+σ。)/2の関係を
は減少するためCD試験の圧縮強度の方が大きくなる、
図3に示す.非水浸状態では間隙圧は殆ど生じないため,
この結果,水浸状態ではCU試験の方が粘着力c、は大
CD試験とCU試験での強度の差はσ。=4.OとaOkgf/
きく,内部摩擦角φ、は小さいが,正規圧密と過圧密の
σ。、’(kgf/c触2)
2.0’
F B
σ・。’(kgf/c皿・)
0.5
12
_1.0
F B
\6.0
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目
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3.⑨
則
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O
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一2.o
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0 4 8 .ll .11 0 4 8 11
ε(%) ε(%)
16
(a) (b)
図1 密な締固め土(FB)のCD試験での軸ひずみ一偏差応九体積ひずみの関係
FH.〆!〆一一吋o
ズ8
4.0
3.0
2.0
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σ。。’(㎏f/㎝2)
}一、}一一..一..」.⑰
0.5
一1.0
0 4
8 12
O
4 8 12
ε(%) ε㈱
(a) (b)
図2
密な締固め土(FH)のCU試験での軸ひずみ一偏差応九間隙圧の関係
一・o−FA 非水浸1全麻カ
一_争_FC
。影二
一一か一F G
8
\
艶
一一釦一F工
〆ろ冷!1
軸
1\
b
冒
一・㊧一・FD
\
貰
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b
し
4 8 12
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水浸:全応力
一か一FH 、冨良1
、一・穿ニニー
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0 10
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\
ノ“
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8
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・ク !
ムノ雀
11
O
4 8 12
(σ1+σ3)/2(kgf/c皿2)
(σ1+σ。1/2(kgflc囮・)
(b)
(a)
図3 締固め土の全応力での強度特性
島根大学生物資源科学部研究報告
14
第3号
境界で破壊包絡線が折れ曲がるような傾向2)は認められ
ひずみと偏差応九間隙圧の関係を図5,6に示す.予
ず,全体が1本の直線あるいは1本の曲線で近似できる.
圧密応力は約05kgf/cm2であるため,FNCのσ’。、
有効応力での(σ1一σ。)/2と(σ’1+σ’。)/2の関係を
:O.5kgf/cm2の供試体はわずかに過圧密されている可
図4に示す内密締めのFA,FGとFB,FHの方がやや
能性がある。FNCとFOC6のσ’北=6.Okgf/cm2の供試
圧縮強度が大きいが,非水浸,水浸状態とも実験結果は
体は別々の予圧密試料土から切り出したため,ε∼σr
狭い範囲に分布している。なお,図3,4でのCD試験
の結果(FA,FB,FC,FD)は全応力と有効応力は等
しいので,同一の値である.
表3 三軸圧縮試験よりの強度定数
番号
C’
これらの結果より得られた粘着力と内部摩擦角を表3
に示す.実験結果の僅かなばらつきのため,C,φにも
ばらつきが生じている。φが大きいと勇断強度も大きく
なるように感じられるが,すべり土塊の厚さが数m以下
の場合,σtanφあるいはσ’tanφ9による勇断抵抗力に
比較して,C,C9による勇断抵抗力成分は大きいため,
実験結果の粘着カをそのまま安定解析に用いることは危
険である.
4。正規圧密⑧過圧密土の繭断特性
正規圧密供試体FNCおよび過圧密供試体FOC6の軸
8
十FA
田
口4一一FG グ
非水浸:有劾庵カ
…由…F I
N
kgf/cm2
deg.
FA
30.22
O.375
30.22
FB
FC
FD
FG
0.418
29.94
O.418
29.94
0424
26.80
O.424
26.80
O.166
29.59
O.166
29.59
O.877
26.08
0380
25.40
FH
O.411
28.80
1.053
20.98
FI
O.658
25.44
0.811
22.02
FJ
0.153
29.72
0455
20.16
FNC
O.092
32.65
O.122
2L30
FOC6
FOC3
O.334
28.66
O.990
15.88
O.494
21.28
0.978
タ1’
\
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閑
〆b
\
φ、
C㎝
O.375
目
‘・..舎一一FC
\
kgf/cm2
φ’
8
deg.
7.69
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_㊧_一FD
レFH 。〆竈㊧
軸
一一企…一FJ
\
b
b
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b
b
O
0 4 8 12
(σ㌔十σも)/2(kgf/c固塞)
(σ㌔十δ葦)/2(kgε16固㍗。
(a)
図4
O0 4 魯 12
(b)
締固め土の有効応力での強度特性
FNC_。出9f1竺:!↓
FNC….σ蟹ノ竺二乱。
一1’.’’
昌
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1 40
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箏
1.①
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嘉〃! ’・2.0
む_ 一∼ 1.0
誇ρ! 0.5
o.5
o.①
0 4 8 12 16
ε(矧
ε(%ド
(a)
(b)
図5 正規圧密土(FNC)のCU試験での軸ひずみ一偏差応九間隙圧の関係
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島根大学生物資源科学部研究報告
16
第3号
△ur>Oとなっており,普通の粘土の特徴を示している。
番号 FNC FOC6 FOC3 FB. FD
締固めた水浸供試体の場合,密締めのFHではσ9。、
φ’。。 338ブ 32■ポ 3a1げ 31.4ブ 31,230
=2.Okgf/cm2でも△uくOとなり,先行圧密応力P、
番号 FH FJ 全体
>aOkgf/cm2であると推定されるが,標準の締固めの
φ’。。 30.5ぎ 31.5ぎ 319げ
FJではσ’北=20kgf/cm2では△uf>Oとなっており,
となり,わずかに2oの差しかなく,正規圧密土のφ’。。
P、≦60kgf/cm2と思われる。全応力での内部摩擦角φ、、
が最も大きな値となっている。
をみると,正規圧密のFNCではφ、=21.ゴ,過圧密
FNCは練り返した飽和粘土の正規圧密土であるから,
のFOC6ではφ、=15が,FOC3ではφ、:7£90で,
φ’はSkemptonによる完全軟化強度のφgとなる.こ
正規圧密と遇圧密で大きな差があるが,水浸の締固め土
れが密な締固め土のφ’にほぼ等しいことから,長期安
では密なFHでφ、:21が,標準のFJではφ、=20プ
定問題を考える際には,密な締固め土でも過圧密土と同
でいずれも正規圧密土のφ㎝の値にほほ等しい.しかし,
様に完全軟化強度を用いる必要性も考えられる。
粘着力C、は締固め土の方が正規圧密土より大きく,
6.強度定数のひずみ依存について
FHのc、はFOC6のc、とほぼ等しく,FJのc、は過
圧密土のc、の1/2であり,締固め土の全応力での強度
特性は正規圧密,過圧密とも異なっている。
土の勇断強度としてピーク強度を用いて争斜面安定解
有効応力ではCD,CU試験とも締固め土のφ’は正規
析を行う場合,安定状態では斜面内の全ての位置で,勇
圧密土より小さく,C’は大きい。締固め土のφ’,C’は
断応力はその点の勇断強度より小さく,すべり破壊が生
過圧密土の値に類似しているが,締固め土では締固め仕
じるときにはすべり面全体で同時にピーク強度になる必
事量の少ない供試体のCgが小さくなっている.しかし,
要がある。これは特殊なすべり条件においては可能性が
図3に示すように,有効応力での実験結果は狭い範囲に
あるが,一般のすべりでは多少とも進行性破壊が生じ,
分布しており,D値の5%程度の変化の影響は主とし
すべり面の一部ではピーク強度を越えるひずみが生じ,
て、粘着力に現われるといえる。
他の部分ではピーク強度以下のひずみ状態になっている
有効応力での強度特性は図4,8に示すように締固め
と考えられる。この場合にはピーク強度を用いて安定解
度,正規圧密と過圧密にかかわらず分布範囲が狭く,か
析することはすべり面の勇断強度を過大に評価している
っ粘着カが小さい。正規圧密土ではc’=Oとされること
ことになり,設計上,危険側となる.このため,従来か
が多いから2),c9=0とした場合の内部摩擦角φ’、。を求
らピーク強度から求めた強度定数を経験的に割り引いて
めると
設計に用いている。
仮定したすべり面上の輿断応力の分布を正確に計算す
FH’
30’
30.
φ’:28,809.
1.2
FJ φ’:29.728
φ1’
φ、’ 一一==二:_.d〆”二
〆!〆 c。….05
0.6
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①.2
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’}’\!へ。
0 4 8 12
ε(%)
(a)
①.4二
1 、, ♂・φ
0 4 8 12
ε(%)
(b)
図9 締固め土の強度定数と軸ひずみの関係
鳥山:締固めと正規⑧過圧密士の勇断特性の比較
17
ることは困難であり,実用的でない.そこで勇断試験に
のことを考慮すると,設計には締固め粘土においても内
おける各ひずみεごとの(σrσ。)/2と(σ1+σ。)/2
部摩擦角φ’,φ、は実験値の1.O∼08倍程度の値を取
または(σ’1+σ’。)/2を求め,この値を用いてモiル函
り,粘着力c’,c、、は実験値の05倍以下の値をとるの
クーロン式の強度定数(C、,φ、)争(C’、,φ’、)を求
が妥当であろう。
めた。
締固め土のFHとFJの強度定数と軸ひずみεの関係
7。あとがき
を図9に示す。圧密非排水試験では応力一ひずみ関係の
図3に示したように,εの増加とともに(σrσ。)も
締固め土としては密な状態のD値≧95%の締固め土と
大きくなっているため,εの増加によるC’、の減少は
正規圧密,過圧密土の勇断特性を比較した。この結果事
FA,FBに比べて少ない.ピーク強度のはっきりした
FA,FBではφ’、>φ’となるε>75%の範囲ではc’、は
1。有効応力では,締固め土のφ’は正規圧密とほぼ同
じ値であり,C’がやや大きい程度である。
cぱり小さく,εの増加とともにc’、<05c9となる.
2.CU試験での全応力では,非水浸状態では勇断中に
FB,FDではCD試験でもピーク後の(σ1一σ。)の低
殆ど間隙圧が生じないため,φ、≒φ’,C、≒C’で
下が少なく多c’、はO.9c似上の値となるが,φ’、はφg
ある。水浸状態では締固め土は密なため,σ’。。が小
より/』、さい、
さい範囲で△uく0となるため,φ、<φ’,c、>
正規圧密土ではφ、,φ9、はεの増加とともに大きく
C’となる。
なり,φ、はφ、より大きくなるが,φ’、はφ’より10o
3。各ひずみεごとの強度定数c、,φ、を求めると両者
以上小さな値のままである。しかしc’、>0.38kgf/cm2
が同時にピーク強度のC,φより大きくなることは
で,c’=0,092kgf/cm2より大きい。過圧密土のFOC6
ない。粘着力Cは実験結果のばらつきの影響が大き
ではε>5%ではφ’、>φ’で,cg、<c’となっている.
いから,cは実験値の1/2以下の値を用い,φは実
またFOC3では4.4%≦ε≦89%でφ9、>φ’となり茅ε
験値の1刀∼08倍の値を用いれば,安全な設計とな
>9石%ではC’、>C’となっている。
ろう。これは経験的なC,φの取り方として一般的
ピーク強度ではピークの生じるひずみは考えないが,
に行われている方法にほぼ等しく,経験的な方法の
強度定数のひずみ依存を考える場合には,応力一ひずみ
合理性を示している。
曲線の形状が強度定数に影響する。締固め土,過圧密土
奈良市内の宅地造成において,洪積粘土を盛土材とし
の低圧密応力では,ピーク強度以上の軸変位あるいは間
た宅地が雨水の浸透によってコラプス沈下が生じ,建物
隙圧が減少に転じたあと,軸変位の増加とともに供試体
に被害が生じた。この被害の防止のために必要な締固め
にはっきりした勇断面が生じ,軸変位はこの勇断面での
度を室内および現場締固め試試験を行い,地表面から2
すべりとなる。しかし圧密応力が大きくなると供試体は
mまでの盛土のコラプス沈下を許容値に押さえるため
樽型に変形する。強度定数のひずみ依存を検討する場合
にはD値=ρ。/ρ。。、、≧98%とする必要があることを
には茅圧密応力による破壊形式の変化や各供試体ρ僅か
Moch剛k1,Kataoka,Sakaguch1and Tatekawa3)
なばらつき等による応力一ひずみ曲線の変動の強度定数
は示している。このことからもD値≧85%が必ずしも一
への影響があり,その信頼性にはやや疑問がある。
般盛土としての適切な締固め度を与えているとはいえな
ピーク強度はσrσ。の最大値ないしひずみのある大
い。
きさでの値を取っているから,C、,φ、が同時にC g,
ここではD値95%以上の盛土の施工からみれば非常
φ’より大きくはならない。したがってう設計に用いる
に密に締固めた土を対象にした。一般の盛土ではD値
強度定数のうち1つは実験値をそのまま用いてもよいが,
85∼80%以上が施工管理値である。このような緩い締固
他の1つは実験値よりかなり安全側に(小さく)とる必
め状態で水浸した場合,勇断強度が正規圧密状態より小
要がある。圧密応力の小さな範囲では三軸圧縮試験結果
さくなる可能性があり,今後の検討課題である。
への各種の誤差の影響が大きく,これは粘着カに大きく
なお,本実験を行うに際しては平成8年卒業の専攻生
影響する.また,粘着力がある大きさを持てば,浅いす
の井原純也君,上場 剛君雪槌野敬文君に多大のご協力
べりは生じないはずである.しかし,粘着力を持つとさ
を賜りました画ここに深く感謝の意を表します。
れる粘土斜面でも,降雨時に表層すべりが生じ,飽和時
には粘着力が0または0に近い値まで減少している。こ
島根大学生物資源科学部研究報告
18
第3号
3)Moch1zuk1,A,M Kataoka,O Sakaguch1and I
参 考 文 献
Tatekawa Contro11mg co11apse sett1ement of
st1ffc1aycompactedf111basedonm−s1tucompres−
1)建設省河川局開発課監修:フィルダムの耐震設計指
s1on tests,地盤工学会論文報告集,37−4,1−12,
(針案),国土開発技術センター発行,49−50.1991.
(1997).
2)赤井浩 著 土質力学,105−107,朝倉書店,196a