VICTORINOX 「ひのきのおやこばし」販売促進について チ ー ム 「 WING」 油谷 翼(リーダー) 三ツ木 槻舘 智代(書記) 翼(デザイン) Ⅰ.はじめに 私 達 TEAM「 WING」 は ビ ク ト リ ノ ッ ク ス ・ ジ ャ パ ン 株 式 会 社 が 販 売 し て い る 「 ひ の き のおやこばし」の販売促進についての企画提案を行った。 1.商品概要 「ひのきのおやこばし」と は、キャンプなどのアウトドアシーンにおいて、メインタ ー ゲ ッ ト の ア ウ ト ド ア 好 き の 男 性( 30-40 代 の 子 育 て 世 代 の 父 親 )が そ の 子 供( 小 学 生 ) に 正 し い ナ イ フ の 使 い 方 を 教 え な が ら 親 子 で 体 験 す る た め の 工 作 キ ッ ト で あ る 。ま た 、 ナイフを使って工作する事により子供の 五感の機能を促す効果がある商品である。 2.フィールドワーク調査 私 達 は 「 ひ の き の お や こ ば し 」 を 研 究 す る に あ た っ て 、 7 月 13 日 ( 金 ) に メ ン バ ー 各自で東京都内のビクトリノックス直営店(銀座店、新宿小田急ハルク店、渋谷東急 本店)でフィールドワークを行った。調査目的は売り場環境の把握である。 調査の結果から、 ① 衣料品などを扱う直営店の雰囲気に現パッケージは違和感があるのではないか ② 商 品 に 関 す る 詳 し い 説 明 を す る POP な ど が な く 、 ど の よ う な 商 品 で あ る か わ か ら ない 以上の2点の課題が分かった 3.ヒアリング調査 企業が抱えている課題を把握するために、8月2日(金)ビクトリノックス・セー ルスマネージャーである小林潤也様に対してヒアリング調査を行った。 ヒアリング調査からは ① 子供にナイフを持たせることへの危険性を抱いている大人 に対して、マーケット リーダーの責任としてナイフの間違った使い方を防止し、一般の人のナイフに対 しての認識を変えたいと考えている。 ② 熱 心 な ア ウ ト ド ア 派 で も な け れ ば 、ナ イ フ を 危 険 視 す る 立 場 で も な い「 中 間 層 」を ど の よ う に 取 り 込 む か も 重要である。 ③ ナ イ フ の 年 間 売 り 上 げ は 20 万 本 で あ り 、 マ ー ケ ッ ト 自 体 は 小 さ く 、か つ 耐 久 財 で あ る こ と か ら 、こ れ 以 上 のシェア拡大には不安要素がある。 以上の3点が分かった。 Ⅱ .方 向 性 の 決 定 ヒアリング調査とフィールドワークを経て、私達は「脳育工作キット」シリーズが 抱える問題点の以下に注目した。 ① 売り場環境によって商品が分かりづらい ② パッケージと売り場のミスマッチ ③ マーケットが飽和している こ れ ら の 問 題 点 を 踏 ま え て 、「 脳 育 工 作 キ ッ ト の コ ン セ プ ト を ど う 伝 え る か ? 」と い う 方向性で研究を進めることにした。 Ⅲ .夏 休 み 期 間 の 活 動 上 記 の 方 向 性 に 沿 っ た 提 案 を 行 う た め に 、「 脳 育 工 作 キ ッ ト 」の 製 作 方 法 や 、 現 状 分 析、新たなターゲット設定などを考え調査を行った。現状分析では、都内のビクトリ ノ ッ ク ス 社 の 商 品 を 取 り 扱 っ て い る 2 2 店 舗 で 来 店 客 の 調 査 を 行 っ た 。結 果 、3 0 −4 0代男性の来店数が多かったことから、既存のターゲット層が有効であることを確認 するとともに、この年齢層にどうアプローチしていくかを課題にしていった。また、 新たなマーケットとして、小・中学校などの教育機関へのアプローチも検討すること にした。 デザインに関しては、従来のパッケージでは商品特性が伝わりにくいと考え、脳育 の 「 脳 」 を パ ッ ケ ー ジ デ ザ イ ン に 組 み 込 む こ と で 、「 学 ぶ 商 品 」 で あ る こ と 全 面 に 押 し 出したデザインを考えていった。 9月5日のプロジェクト全体の中間発表では、調査内容やデザイン、提案について まだまだ具体性に乏しいという指摘を受け、最終的な提案までには完成度を上げる必 要性を感じた。 Ⅳ .最 終 報 告 会 1 1 月 の ビ ク ト リ ノ ッ ク ス 社 で の 最 終 報 告 で は 、新 た な マ ー ケ ッ ト 獲 得 戦 略 と し て 、 「 教 育 に 関 心 の 高 い 世 代 」 へ の 認 知 度 ア ッ プ を 狙 っ た 、「 脳 育 」を キ ー ワ ー ド と し た プ ロモーション活動を提案した。 情 報 媒 体 と し て は 「 FQ JAPAN」 を 活 用 す る 。「 FQ JAPAN」 と は 、 雑 誌 や web ペ ー ジ でイクメン男性向けに「子育てと父親ライフを楽しむ」ため の必要なアイテムや子供 とのお出かけ場所、趣味などのあらゆる情報を提供している媒体である。 これは、ビ ク ト リ ノ ッ ク ス 社 が タ ー ゲ ッ ト と す る 3 0 −4 0 代 の 男 性 で 、し か も 教 育 に 関 心 の あ る 層が合わさっている雑誌である。この媒体を活用することが、今回のプロジェクトに 一番マッチすると考え、この雑誌への掲載方法なども合わせて提案した。 デザインに関しては、中間発表時のものをベースとし、現在の売り場では伝わりに く い 商 品 の 補 足 情 報 を 記 載 し た POP な ど を デ ザ イ ン し て 提 案 し た 。 雑 誌 に 関 し て は 、「 以 前 か ら 『 FQ JAPAN』 に は 注 目 し て い た 」 と の こ と で 、「 即 採 用 に は な ら な い だ ろ う が 、今 後 採 用 さ れ る 可 能 性 は 高 い だ ろ う 」と い う お 言 葉 を 頂 い た 。 そ の 際 、「 ナ イ フ と い う も の を 新 た な 分 野 で 広 め る こ と の 難 し さ と 、雑 誌 で の 表 現 に は それなりの責任がかかってくることへの配慮が必要だ」というアドバイスを頂いた。 デザインに関しては、これまでに足りなかった部分を補足できたこともあり、小林 様 か ら は 好 意 的 な お 言 葉 を 頂 い た 。 反 面 、 ブ ラ ン ド イ メ ー ジ の 面 か ら 、 あ ま り POP 増 やすことはできないという事情もお伺いすることができた。 Ⅴ .最 後 に 結果として、私たちの提案はすぐに採用されるものではなかったものの、的確なア ドバイスを頂くことができたことで、これから社会に出た際には小林様からご教授頂 いた点をしっかり生かしていきたいと感じました。小林様からは、以下のようなコメ ントを頂きましたので、掲載しておきます。 ま ず 、数 あ る ソ ー シ ャ ル プ ロ ダ ク ツ・ア ワ ー ド 受 賞 商 品 の 中 か ら 、5 チ ー ム 中 2 チ ー ムが弊社の取り組み「正しいナイフの使い方を啓発する活動」に興味を持ってくれた ことが何より嬉しかったです。そして 2 チームとも熱心に最後の提案まで取り組みま した。提案内容はまだまだ粗削りですが、私の学生時代のことを思うと遥かに優秀で す。これは間違いありません。今後の皆さんの活躍に期待しております! また私自身も今回のプロジェクトを通して色々な気付きをいただきました。メンバ ーの一人が打ち合わせで発したひと言が弊社の今後のマーケティング戦略に大きく影 響するかもしれません。乞うご期待! 今回の機会を通じて、学べたものが多くあったと感じました。このプロジェクトに 関わって下さったすべての方々に感謝したいと思います。
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