SIMATIC FM 350 - 1

SIMATIC
FM 350 - 1
はじめに
エディション 11/2002
コミッショニングの最初のステップ
このガイドでは、FM 350-1モジュールの起動について具体的な例を挙げて説明します。例では、FM
350 - 1のハードウェアとソフトウェアの基本機能について習得し、テストを行い、接点の開閉操作のカウントを行
うアプリケーションが機能するまでを、4つのステップで紹介します。このガイドでマニュアルを参照していますが、マ
ニュアルに記載されている情報についてまず大まかな内容を知っていただくことを目的としています。参照マニュアル
は『FM 350-1ファンクションモジュール』(番号A5E00073040-02)です。
例を最後まで完了するのに必要な時間は、経験の度合いに応じて1時間から2時間程度です。
要件
以下の要件を満たしている必要があります。
• 電源モジュールとCPUを備えたS7 - 300ステーションがある。
• プログラミング装置にSTEP 7(≥V5.0)が正しくインストールされている(この『はじめに』に示す例はSTEP 7
V5.2を使って実行しています)。
• S7-300ステーションのプロジェクトをセットアップしてある。
• プログラミング装置がCPUに接続されている。
• FM 350-1モジュール、FM 350-1のコンフィグレーションパッケージ、および必要な付属品(バスコネクタ、フ
ロントコネクタ、センサまたはスイッチ、配線器具など)が手元にある。
プログラミング装置へのコンフィグレーションパッケージのインストール(マニュアルの第
4章)
コンフィグレーションパッケージには、FM 350-1のコンフィグレーションツール(必要なファンクション(FC)およびデー
タストラクチャ(UDT)とサンプルプログラムが含まれています。
CDドライブにCDを挿入します。
Windowsで、[コントロールパネル]の[アプリケーションの追加と削除]をダブルクリックして、ソフトウェアをインストー
ルするためのダイアログを起動します。
[Install...]をクリックし、CDのFMx50-1\Disk1フォルダにあるSetup.exeを起動して、インストールプログラムの指
示に従います。
FM 350 -1の取り付けおよび配線(マニュアルの第2章および第3章)
例で使用する24-Vセンサを接続するには、FM 350-1を挿入する前に、位置Dのモジュールにコーディングキー
を挿入する必要があります。これにより、センサーレベルの調整が行われます(コーディングキーの詳細情報は、マ
ニュアルのセクション1.3および2.2に記載されています)。
FM 350-1に付属しているバスコネクタをCPUのバスコネクタに差し込みます。FM 350-1をレールに取り付け、
下向きに回転させ、所定の位置にねじ止めします(詳細な指示は、マニュアルのセクション2.2に記載されてい
ます)。
フロントコネクタを以下のように配線します(フロントコネクタのフルピンの割り付けは、マニュアルの第3章に記載さ
れています)。
電源モジュール
L+
M
L+
M
L+
M
CPU
FM 350-1
フロントコネクタ
1
2
M
L+
M
5
6
カウント接点
ゲート接点
1
3
2
0
FM 350-1にフロントコネクタを挿入し、はめ込みます。正しくはめ込まれると、カチッと音がします。
テスト: 電源モジュールの電圧をオンにします。赤いLED SFが点灯します。電源モジュールを最初にオンにした
後、FM 350-1は事前設定されたデフォルトの状態になっています(デフォルト設定については、マニュア
ルのセクション3.3を参照してください)。
2
FM 350 - 1の使い方 入門編
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FM 350 -1へのパラメータの割り付け
SIMATIC Managerでプロジェクトを開きます。
プロジェクトのコンフィグレーションテーブル(HWコンフィグレーション)を開きます。
ハードウェアカタログから正しい注文番号のFM 350 - 1を選択し、必要なスロット(例ではスロット4)にドラッグし
ます。
[Basic Parameters]タブのFM 350-1オブジェクトプロパティで、次の設定を選択します。
• Reaction to CPU stop::
STOP
FM 350-1をダブルクリックして、パラメータ割り付け画面を呼び出します。この際に、コンフィグレーションの保存
を求めるダイアログが出たら、[OK]をクリックして閉じてください。
パラメータ割り付け画面のボタンをクリックして、以下の設定を選択します(他の設定は、コミッショニングにはまだ必
要ないので、すべて変更しないままにします)。
• 操作モード:
連続カウント動作、ハードウェアゲート、0~+32ビット
• エンコーダ:
24Vイニシエータ、Pスイッチ
• 入力:
レベル信号制御されたハードウェアゲート
• プロセス割り込みの有効化:
基本パラメータで選択解除されているので不可能
• 出力:
DQ0無効、DQ1無効
メニューコマンド[File|Save]を使用して、コンフィグレーションにFM 350 - 1のパラメータ割り付けを入力し、パラ
メータ割り付けウィンドウを閉じます。
[Station|Save and Compile]を使用して、作成したコンフィグレーションをプロジェクトに保存します。
CPUがSTOPモードになった状態で、メニューコマンド[PLC| Downlad to Module]を使用して、コンフィグ
レーションをダウンロードします。
データがCPUおよびFM 350-1に直接ダウンロードされるようになります。赤いLED SFは消えます。以後、コン
フィグレーションがCPUにバッファされている間は、CPUがSTOPからRUNに切り替わるたびに、CPUからFM
350-1にデータが転送されます。
テスト: プログラムを使わずに簡単なテストを実行することができます。
ゲート接点を閉じます: 緑色のLED I0が点灯します。
カウント接点を数回開閉します-緑色のLED CRを介してFM 350-1カウンタの最下位ビットの状態を
モニタすることができます。
機械のカウント接点がはね返ることがあるので注意してください。
ゲート接点を開くと、ゲートLED I0が消灯し、開閉操作はカウントされなくなります(このファンクションのタ
イムチャートは、マニュアルのセクション8.3.7に記載されています)。
ユーザープログラムへの統合
メニューコマンド[File|Open...Libraries]を使用して、SIMATIC ManagerにFMx50LIBを開きます。
FMx50LIBライブラリの[Blocks]コンテナからプロジェクトの[Blocks]コンテナに、ファンクションFC 2とFC 1、およ
びユーザー定義データタイプUDT 1をコピーします。
メニューコマンド[Insert|S7 Block|Data Block]を使用して、DB 1をデータタイプUDT 1のDBとして
[Block]コンテナに挿入します。
[FM350-1]エントリでマウスの右ボタンをクリックして、HWコンフィグレーションのポップアップメニューを開きます。
[Object Properties]メニューコマンドを使用して、[Properties-FM350-1 COUNTER]画面を起動します。
FM 350-1の使い方 入門編
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[Mod Addr...]ボタンを使用して、モジュールアドレス(MOD_ADR)(例において256は100 Hexに相当)、チャ
ンネルアドレス(CHュADR)、およびチャンネルデータブロックの[Addresses]の下に設定されたチャンネル長を自動
的に入力することができます。
これは、[Module Address for DB]画面の[Select DB]ボタンをクリックして実行することができます。起動し
た[Open]ダイアログで[DB 1]をクリックして選択します。[OK]をクリックすると、DB 1に値が格納され、
[Open]および[Module address for DB]画面フォームは自動的に閉じます。[OK]をクリックして、
[Properties-FM350-1 COUNTER]画面を終了します。
あるいは、OB100でDB1にこれらのパラメータを提供することもできます(マニュアルのセクション5.1を参照してくだ
さい)。
プロジェクトのOB 1を開きます。
OB 1のFC 2(FC CNT_CNTL1)を呼び出し、FC 2にパラメータを提供します(マニュアルのセクション5.1を参
照してください)。
CALL
FC 2
DB_NO := 1
:
:
FC2の残りのすべてのパラメータをフリーメモリビットで割り付けます。
メニューコマンド[File|Save]を使用して、OB1を保存します。
VATとUDTを除く、プロジェクトのすべてのブロックを選択します。
メニューコマンド[PLC|Download]を使用して、CPUにプログラムをダウンロードします。
テスト:“変数のモニタと修正”アプリケーションを使用して、カウント値とゲートをモニタすることができます。
たとえば、
プロジェクトで[Blocks]コンテナを選択します。メニューコマンド[Insert|S7 Block|Variable Table]を
使用して変数テーブルVAT1を挿入し、[OK]をクリックして確定します。
変数テーブルVAT1を開き、[Address]列に以下の変数を入力します。
db1.dbd34
(実際のカウンタ値)
db1.dbx43.6
(内部ゲートのステータス)
メニューコマンド[Table|Save]を使用して、変数テーブルVAT1を保存します。
メニューコマンド[PLC|Connect To|コンフィグレーションされたCPU]を使用して、オンラインに切り替えます。
メニューコマンド[Variable|Monitor]を使用して、モニタリングに切り替えます。
CPUをRUN-Pに切り替えます。
カウント接点でパルスを生成し、ゲート接点の状態との関係でカウンタ値をモニタします。
診断
誤った操作や、誤った配線、パラメータ割り付けの矛盾が原因となってエラーが発生することがあります。FM
350-1は、これをグループエラーLED SFに表示します。
エラーとメッセージの診断方法については、マニュアルのセクション5.3および第12章を参照してください。
例
zEn23_01_FMx50-1プロジェクトには、手引きとして使用でき、アプリケーションへの応用が可能な別の例が用
意されています。
Siemens AG
Bereich Automation and Drives
Geschaeftsgebiet Industrial Automation Systems
Postfach 4848, D - 90327 Nuernberg
Siemens Aktiengesellschaft
4
E Siemens AG 2000 - 2002
予告なく変更されることがあります。
A5E00164923 - 01
Printed in the Fed. Rep. of Germany
FM 350-1の使い方 入門編
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