0.1 被約ホモロジー定理

0.1. 被約ホモロジー定理
0.1
1
被約ホモロジー定理
ここでは被約ホモロジー群の5大定理を示す。今度はそれほど大変じゃありません。
ホモロジー群の5大定理とそれぞれ相関があり、ほとんどが今までの話から直結して
でてきますし、なんといっても天敵、切除定理に対応する奴が無いのです。
Theorem 0.1.1

Z
e k (S 0 ) ∼
H
=
0
k=0
otherwise
e k (S 0 ) = Hk (S 0 ) = 0 である。
proof) k = 1 に対し、H
k = 0 のとき、
i
j∗
∗
0 −→ H0 ({1}) −→
H0 (S 0 ) −→ H0 (S 0 , 1) −→ 0
は短完全列であり、
e 0 (S 0 ) ∼
H
= H0 (S 0 , x0 ) j∗ : 全射から、
∼
= H0 (S 0 )/Ker j∗ 完全性より、
∼
= H0 (S 0 )/Im i∗ i∗ : 単射より、
∼
= H0 (S 0 )/H0 ({1})
∼
= Z ⊕ Z/Z
∼
= Z □
Theorem 0.1.2
(X, A, x0 ) 基点つき対空間に対し、i : A −→ X 基点付き cofibration な
らば、
p : X −→ X/A projection に対し、
p∗
i∗ e
e ∗ (A) −→
e ∗ (X/A) : exact
H
H∗ (X) −→ H
proof) Lemma 0.1.9 の完全列と、Th 0.1.10 を使えば導かれる。 □
Theorem 0.1.3
2
e ∗ (X) −→ H
e ∗ (Y ) :
f : (X, x0 ) −→ (Y, y0 ) : homotopy equivalence ⇒ f∗ : H
同型
proof) 対空間のホモロジーで証明済み。 □
Theorem 0.1.4
{(Xλ , xλ0 )}λ∈Λ : 非退化な基点付き空間の族 X =
iλ : (Xλ , xλ0 ) −→ (
a
p :
λ∈Λ
P
_
Xλ −→
a
λ∈Λ
Xλ
a
Xλ ,
_
Xλ とおく。
λ∈Λ
{xλ0 }) inclusion
λ∈Λ
projection とすると、
λ∈Λ
(p ◦ iλ )∗ :
L e
e ∗ (X) 同型
H∗ (Xλ ) −→ H
proof) 一般に NDR pair の disjoint 空間は NDR pair なので、
a
a
(
Xλ ,
{xλ0 }) : NDR pair
λ∈Λ
λ∈Λ
対空間ホモロジーの加法性公理から
P
L
iλ ∗ :
`
`
H∗ (Xλ , {xλ0 }) −→ H∗ ( Xλ , {xλ0 }) 同型
また、Th 0.1.10 より、
p∗ : H∗ (
ここで、p∗ ◦
P
X
iλ∗ =
`
Xλ ,
`
e ∗ (X) 同型
{xλ0 }) −→ H
P
(p ◦ iλ )∗ なので、
(p ◦ iλ )∗ :
M
e ∗ (Xλ ) −→ H
e ∗ (X) 同型 □
H
次の定理は新顔です。まぁ、連結準同型の代わりといった感じかな。
Theorem 0.1.5
X : top sp に対し、
∃
P
e n (X) −→ H
e n+1 (PX) 同型 s.t
: H
0.1. 被約ホモロジー定理
3
←−−−−−−−
←−−−−−−−
f : X −→ Y conti に対し、 P
e n+1 (PX)
e n (X) −−−−−−−→ H
H
P
f∗
f∗
P
e n (Y ) −−−−−−−→ H
e n+1 (PY ) が可換。
H
proof) (CX, X) のホモロジー完全列で CX が可縮より、
e n (X) 同型
∂ : Hn+1 (CX, X) −→ H
また、 i : X −→ CX cofibration であり、CX/X ∼
=
P
X
e n+1 (P X) 同型
p∗ : Hn+1 (CX, X) −→ H
ここで、 P
e n −→ H
e n+1 (P X) を p∗ ◦ ∂ −1 で定義する。
: H
←−−−−−−−
←−−−−−−−
←−−−−−−−
p∗
∂
e n (X) ←−−−
e n+1 (PX)
H
−−−− Hn+1 (CX, X) −−−−−−−→ H
P
f∗
Cf ∗
f∗
p∗
∂
e n (Y ) ←−−−
e n+1 (PY )
H
−−−− Hn+1 (CY, Y ) −−−−−−−→ H
ただし、ここで Cf : CX −→ CY は f × 1I : X × I −→ Y × I からの誘導。
∴
P
f∗ ◦
P
=
P
◦f∗ □