臨床検査の基準値及び説明 平成26年5月改訂

主な臨床検査項目について
検査項目
TSH
甲
状 FT3
腺
FT4
TSH(甲状腺刺激ホルモン)は甲状腺ホ
ルモン(FT3,FT4)の量を調節していま
す。甲状腺ホルモンが少なくなるとTSH
は増加し、逆に甲状腺ホルモンが多く
なるとTSHは減少します。
心 CK
臓 CK-MB
心筋など筋肉の状態を知ることができ
ます。激しい運動の後は高くなります。
AST(GOT)
ALT(GPT)
腎 BUN(尿素窒素) 腎臓から排泄されるこれら老廃物の
機 CRE(クレアチニン) 量から腎臓の状態がわかります。
能 UA(尿酸)
尿酸は痛風の指標です。
貧 Fe(鉄)
血 TIBC、UIBC
鉄不足の有無や貧血の種類がわか
ります。
全 TP(総蛋白)
身 ALB(アルブミン)
状 A/G比
態
蛋白分画
血清中の蛋白は、主にアルブミンと
グロブリンに分けられます。その量や
比(A/G)を知ることで、栄養状態の
把握や病気の診断に役立ちます。
炎 CRP
炎症や感染性疾患の有無や程度を
症 赤血球沈降速度 知ることができます。
(
細菌やウイルスによる感染症や白血
血
WBC(白血球数)
病の診断などに役立ちます。
球
算
RBC(赤血球数)
定
貧血の有無などを知ることができま
Hb(血色素量) す。
血 Ht(ヘマトクリット)
算
出血を止める働きがあります。少なく
PLT(血小板数)
なると血が止まりにくくなります。
)
PT
血液を固める機能がわかります。抗
凝
凝固薬の調整の指標となります。
APTT
固
FIB(フィブリノゲン) 止血や血栓形成に必要な蛋白です。
ー
腫 CEA
瘍
マ α‐フェトプトテイン
ー
カ
CA19-9
PSA
CEAは、胃がんや大腸がんなどの消
化器がんや肺がんなどで上がりま
す。α‐フェトは主に肝がん、CA19-9
は膵がん・胆のうがん、PSAは前立
腺がんのマーカーです。
検 査 内 容 の 説 明
肝
臓
・
胆
管
LD(LDH)
ALP(アルフォス)
γ-GT
(γ-GTP)
肝細胞が炎症を起こしたり壊れたりす
ると高くなります。
肝臓、心臓、肺、血液、骨格筋の状態
をみることができます。妊娠により高値
となる事もあります。
肝臓、胆道、骨の状態をみる事ができ
ます。成長期には高くなります。
薬剤性やアルコール性肝障害の指標と
なります。
総ビリルビン
黄疸の有無や種類がわかります。
直接ビリルビン
肝臓で作られ、肝機能の指標となりま
コリンエステラーゼ
す。
膵
AMY(アミラーゼ) 膵臓、唾液腺の状態がわかります。
臓
GLU(血糖)
糖
代
謝 尿糖
血液中のブドウ糖で、糖尿病の診断に
役立ちます。
食後の検査では高くなります。
血液中のブドウ糖が一定以上になる
と、尿中にもでてきます。
HbA1c
1~2ヶ月前の血糖変動がわかります。
グリコアルブミン
1~2週間前の血糖変動がわかります。
Na(ナトリウム)
体液の成分バランスや腎臓の状態が
わかります。
カルシウムや無機リンを調べることで骨
や副甲状腺の働きもわかります。
利尿剤の服用時には、カリウムやマグ
ネシウムが低くなることがあります。
電 K(カリウム)
解 Ca(カルシウム)
質 IP(無機リン)
Mg(マグネシウム)
T-CHO
(総コレステロール)
脂質異常症(高脂血症)の診断に役立
ちます。
HDL-コレステロール LDLコレステロールは血管壁にたまり動脈硬
脂
化や心筋梗塞の危険因子とされ「悪
玉」コレステロール、HDLコレステロールはLDLコレ
質 LDL-コレステロール
ステロールを取り除く「善玉」コレステロールと呼
ばれています。
TG(中性脂肪) 中性脂肪は食後では高くなります。
臨床検査の基準値(主な項目)
検査項目
生
化
学
的
検
査
基準値
単位
70~110
mg/dL
4.6~6.2
%
11.0~16.0
%
0.2~0.9
mg/dL
0.2以下
mg/dL
0.2~0.7
mg/dL
男性:0~60
女性:0~40
IU/L
104~338
IU/L
8~38
IU/L
4~44
IU/L
106~211
IU/L
6.7~8.3
g/dL
3.8~5.3
g/dL
1.2~1.8
なし
8.0~21.0
mg/dL
男性:0.52~1.15
女性:0.36~0.90
男性:2.5~7.0
女性:2.0~5.7
検査項目
血
液
学
的
検
査
mg/dL
WBC
白血球数
RBC
赤血球数
Hb
ヘモグロビン
Ht
ヘマトクリット
MCV
平均赤血球容積
MCH
平均赤血球Hb量
MCHC
平均赤血球Hb濃度
PLT
血小板数
Neutro
好中球
Lympho
リンパ球
Mono
単球
Eosino
好酸球
Baso
好塩基球
RET
網赤血球
ESR
赤血球沈降速度
PT(INR)
プロトロンビン時間
APTT
活性化部分トロンボプラスチン時間
FIB
フィブリノゲン
基準値
単位
3.50~9.00
10 /μL
男性:4.3~5.6
女性:3.8~4.9
男性:12.9~17.4
女性:10.7~15.3
男性:40~51
女性:34~45
3
10⁶/μL
g/dL
%
89~99
fℓ
29~35
pg
31~36
%
130~370
103/μL
43~69
%
23~48
%
2~8
%
1~5
%
0~2
%
0.5~1.9
%
男性:2~10
女性:3~15
mm/時
0.8~1.2
なし
24~39
秒
200~400
mg/dL
1.006~1.022
なし
4.5~7.5
なし
蛋白
(-)
なし
糖
(-)
なし
ケトン体
(-)
なし
潜血
(-)
なし
(+/-)
なし
ビリルビン
(-)
なし
135~147
凝
固
mg/dL
検
mEq/L 査
3.6~5.0
mEq/L
尿比重
101~111
mEq/L
PH
8.2~10.2
mg/dL
2.5~4.6
mg/dL
29~116
IU/L
214~431
IU/L
男性:40~220
女性:33~115
IU/L
21以下
IU/L
120~220
mg/dL
亜硝酸塩
(-)
なし
55~150
mg/dL
尿中白血球
(-)
なし
男性:40~62.2
女性:40~68.9
mg/dL
CEA
癌胎児性抗原
5.0以下
ng/mL
140以下
mg/dL
15.0以下
ng/mL
男性:54~181
女性:43~172
μg/dL
37.0以下
U/mL
0.50以下
0.35~4.94
1.7~3.7
0.7~1.5
ウロビリノーゲン
腫
瘍
マ α-フェトプロテイン
CA19-9
カ 糖鎖抗原19-9
ー
12~66
尿
一
般
検
査
ー
甲
状
腺
GLU
血糖
HbA1c
ヘモグロビンA1c
GA
グリコアルブミン
T-BIL
総ビリルビン
D-BIL
直接ビリルビン
ID-BIL
間接ビリルビン
γ-GTP
γ-グルタミルトランスフェラーゼ
ALP
アルカリフォスファターゼ
AST(GOT)
アスパラギン酸アミノ基転移酵素
ALT(GPT)
アラニンアミノ基転移酵素
LDH
乳酸脱水素酵素
TP
総蛋白
ALB
アルブミン
A/G
アルブミン/グロブリン比
BUN
血中尿素窒素
CRN
クレアチニン
UA
尿酸
Na
ナトリウム
K
カリウム
Cl
クロール
Ca
カルシウム
IP
無機リン
AMY
アミラーゼ
CHE
コリンエステラーゼ
CK
クレアチンキナーゼ
CK-MB
クレアチンキナーゼMB
T-CHO
総コレステロール
TG
中性脂肪
HDL-CHO
高比重リポ蛋白コレステロール
LDL-CHO
低比重リポ蛋白コレステロール
Fe
鉄
NH3
アンモニア
CRP
C反応性蛋白
TSH
甲状腺刺激ホルモン
FT3
遊離トリヨードサイロニン
FT4
遊離サイロキシン
PSA
4.000以下
ng/mL
前立腺特異抗原
*ご注意
mg/dL
測定値は食事、運動、喫煙などにより多きく影響を受けます。
基準値の範囲外であっても、病気であると判断できるものではありま
μIU/mL
せん。ご心配な点は担当医にご質問ください。
ヘモグロビンA1cは、国際標準化(NGSP)に一本化される見通しです。
μg/dL
pg/mL
ng/dL
横浜市立市民病院 検査部 平成26年5月改訂