世界最先端IT国家創造宣言の 進捗状況について

世界最先端IT国家創造宣言の
進捗状況について
平成26年6月13日
Interop Tokyo 2014
内閣情報通信政策監(政府CIO)
遠藤 紘一
目次
① 内閣情報通信政策監の設置について
② 世界最先端IT国家創造宣言
③ 世界最先端IT国家創造宣言及び同工程表の改定等について
1
①内閣情報通信政策監の設置
2
内閣法等の一部を改正する法律(政府CIO法)の必要性・経緯
1.必要性
政府によるIT投資(行政情報システムを含む)は、各府省個別に行われてきた結果、重複や
連携不足などによるムダの発生や利便性の低下といった問題を抱えている。
そこで、政府全体のIT政策を統括する者(政府CIO)を設置し、各府省とハイレベルの調整
を行えるようにすることで、政府のIT投資におけるムダを省き、国民の利便性を向上させる体制
を構築することが急務となっている。
2.経緯
(1)i−Japan戦略2015(平成21年7月IT本部決定)
「電子政府と行政改革を担う政府CIO を任命し、予算の調整や配分等の必要な権限と組織を早期に整備すること。」
(2)新たな情報通信技術戦略(平成22年5月IT本部決定)
「政府CIO等推進体制の速やかな整備」
(3)電子行政推進に関する基本方針(平成23年8月IT本部決定)
「電子行政の取組を迅速かつ強力に推進していくため、政府の電子行政推進に係る実質的な権能を有する司令塔
として、政府CIO制度を導入する。」
(4)政府情報システム刷新に当たっての基本的考え方(平成24年11月IT本部、行革本部決定)
「政府CIOの役割を明確化し、次期通常国会に、必要な権限等について規定した法案を提出すること。」
平成25年5月31日 内閣法等の一部を改正する法律 公布・施行
⇒内閣官房に「内閣情報通信政策監」(政府CIO)設置
平成25年6月4日 遠藤紘一氏を内閣情報通信政策監に任命
内閣情報通信政策監を室長とし、情報通信技術(IT)総合戦略室発足
3
内閣法等の一部を改正する法律(政府CIO法)の概要
政府全体のIT政策及び電子行政の推進の司令塔として、府省横断的な権限を有する内閣情報
通信政策監(いわゆる政府CIO※)を設置するとともに、政府CIOをIT総合戦略本部の
本部員に加え、本部長がその事務の一部を政府CIOに行わせることができること等を規定。
※CIO:Chief Information Officer の略
1.内閣官房における事務・権限(内閣法)
•
内閣官房副長官に次ぐ位置づけ(各府省政務官クラス【事務次官より上】の位置づけ)
•
政府全体のIT政策及び電子行政の推進等の企画立案・総合調整を行う権限(ITの活用
による国民の利便性の向上及び行政運営の改善に関する事務を統理)。
2.IT総合戦略本部における事務・権限(IT基本法)
•
IT総合戦略本部に国務大臣と同等の本部員として参加。
•
IT総合戦略本部の事務の一部(府省横断的な計画の作成、経費の見積りの方針の作成、
施策の実施に関する指針の作成、施策の評価、行政機関の長に対する資料の提出その他の
協力の求め)を、本部長(内閣総理大臣)の委任に基づき実施(=本部決定と同じ効果)。
•
委任を受けた事務の実施につき、本部長に対して意見・報告(本部長は必要に応じて関係行政
機関の長に対して勧告)。
4
内閣法等の一部を改正する法律(政府CIO法)の全体像
内閣
地方公共団体
内閣総理大臣
情報提供等の協力
内閣官房長官
内閣情報通信政策監
(政府CIO)
【常勤・専任】
IT総合戦略室
内閣総理大臣
(本部長)
内閣官房長官
IT担当大臣等
(副本部長)
関係行政機関の長に
対する勧告
<内閣官房>
<IT総合戦略本部>
本部長が委任
IT総合戦略本部の事務のうち、
1.府省横断的な計画の作成
2.経費の見積りの方針の作成
3.施策の実施に関する指針の作成
4.施策の評価
5.行政機関の長等に対する資料の提出
その他の協力の求め
<各府省>
本部での
意見交換
全国務大臣
有識者
政務・事務次官等
5
②世界最先端IT国家創造宣言
(平成25年6月14日閣議決定)
6
IT政策の立て直し
総理指示:IT政策の立て直し
情報通信技術(IT)政策担当大臣は関係大臣と協力して、
省エネ社会の実現、遠隔医療の実現、自宅で働ける環境の
整備等幅広い分野でIT技術が活用される世界最高水準の
IT社会を実現するべく、IT政策の立て直しを検討すること。
「第1回産業競争力会議の議論を踏まえた当面の政策対応について(抜粋)
(第3回日本経済再生本部(平成25年1月25日))
7
高度情報通信ネットワーク社会推進戦略本部(IT総合戦略本部)について
2000年11月 「高度情報通信ネットワーク社会形成基本法(IT基本法)」制定
目的(第1条)
情報通信技術の活用により世界的規模で生じている急激かつ大幅な社会経済構造の変化に適確に対応することの
緊要性にかんがみ、(中略)、高度情報通信ネットワーク社会の形成に関する施策を迅速かつ重点的に推進すること 。
高度情報通信ネットワーク社会推進戦略本部の設置(第25条)
本部長: 内閣総理大臣(第28条)
副本部長:国務大臣(第29条) (運用上はIT担当大臣、内閣官房長官、総務大臣、経済産業大臣)
本部員: 本部長、副本部長を除く全国務大臣、内閣情報通信政策監及び有識者(第30条)
有識者本部員
伊東 香織
内山田竹志
鵜浦 博夫
金丸 恭文
坂村 健
佐々木則夫
野原佐和子
濱
逸夫
松本 行弘
村井 純
事務
本部に関する事務は、内閣官房において処理し、命を受けて内閣官房副長官補が掌理する。(第32条)
岡山県倉敷市長
トヨタ自動車株式会社代表取締役会長
日本電信電話株式会社代表取締役社長
フューチャーアーキテクト株式会社代表取締役会長兼社長
東京大学大学院情報学環・学際情報学府教授
株式会社東芝 取締役副会長
株式会社イプシ・マーケティング研究所代表取締役社長
ライオン株式会社代表取締役社長
Rubyアソシエーション理事長
慶應義塾大学環境情報学部長
8
IT総合戦略本部の体制
高度情報通信ネットワーク社会推進戦略本部(IT総合戦略本部)
本部員
本部長 :内閣総理大臣
副本部長:IT政策担当大臣、内閣官房長官、総務大臣、経済産業大臣
:本部長・副本部長を除く全国務大臣、内閣情報通信政策監及び有識者(10名以内)
情報セキ⑃リテ␽
政策会議
ITコミ⑃ニケ␗
シ⑄ン
活用促進戦略会議
パ␗ソナルデ␗タ
に関する検討会
電子行政オ␗プン
デ␗タ実務者会議
会長: 内閣情報通信政策監(政府CIO)
委員: 高度情報通信ネットワーク社会の形成に関し優れた
見識を有する者のうちから、内閣総理大臣が任命
する者
高度情報通信ネットワーク社会の形成に関する政府の
戦略等の推進管理等を行う
各府省情報化統括
責任者︵CIO︶
連絡会議
新戦略推進専門調査会(親会)
IT利活用セ
キ⑃リテ␽総合
戦略推進部会
技術検討
ワ␗キンググ
ル␗プ
ル␗ル・普及
ワ␗キンググ
ル␗プ
デ␗タ
ワ␗キンググ
ル␗プ
マイナンバ
等分科会
規制制度改革
分科会
道路交通分科
会
新産業分科会
防災・減災分
科会
人材育成分科
会
医療・健康分
科会
農業分科会
電子行政分科
会
9
安全運転支援
ロ ドマ プ検
討
キンググ
ワ
ル プ
交通デ タ利活
用ロ ドマ プ
検討ワ キング
グル プ
9
政府の情報通信技術(IT)戦略の推移
2001年∼
2006年
2009年
2010年
2013年
∼2020年
IT基本法施行
(2001年1月)
e-Japan戦略
(2001年1月)
e-Japan戦略Ⅱ
(2003年7月)
IT新改革戦略
(2006年1月)
ブロードバンド
インフラの整備
IT利活用重視
ITによる構造
改革力追求
①インフラ
②電子商取引、
③電子政府、
④人材
先導7分野でのIT
利活用の促進
①医療
②食
③生活
④中小企業金融
⑤知
⑥就労・労働
⑦行政サービス
世界で最も整ったインターネット
利用環境を実現
i-Japan戦略2015
新たな情報通信
技術戦略
(2009年7月)
誰もがデジタル技術 (2010年5月)
新たな国民主権
の恩恵を実感
の確立
①医療、②環境、③IT
による安全・安心な社会、
④ITS、⑤電子行政、⑥
IT経営、⑦豊かな生活、
⑧ユニバーサルデザイ
ン社会、⑨インフラ、⑩
安心できるIT社会、⑪
高度IT人材、⑫人的基
盤づくり、⑬研究開発、
⑭国際競争力、⑮国際
貢献
■3大重点プロジェクト
①電子政府・自治体
②医療
③教育・人材
■産業・地域の活性化
及び新産業
■デジタル基盤の整備
世界最先端
IT国家創造宣言
(2013年6月)
(2014年6月改定予定)
閉塞を打破し、再生
①国民本位の電子行政の 1.革新的な新産業・新サービ
実現
スの創出と全産業の成長を
・政府CIOの設置
促進する社会の実現
・行政キオスク端末の設置・ 2.健康で安心して快適に生活
促進
できる、世界一安全で災害
②地域の絆の再生
に強い社会の実現
・医療情報化
3.公共サービスがワンストッ
③新市場の創出と国際展開
プで誰でもどこでもいつでも
・人・モノの移動のグリーン
受けられる社会の実現
化の推進
IT推進のための戦略から、
ITによる社会変革のための戦略に
これまで、利活用の促進に向けた戦略を策定したが、未だ、国民・社会全般において十分な利活用が進んでいない。
【主な要因】
①コスト意識・利用者視点の欠如、②情報の連携や利活用を妨げる標準化・互換性の不足、
③縦割り行政、規制の不十分な見直し、④業界団体等の導入主体の特性
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「世界最先端IT国家創造宣言」Ⅰ.基本理念
1.閉塞を打破し、再生する日本へ
 景気長期低迷・経済成長率の鈍化による国際的地位の後退
 少子高齢化、社会保障給付費増大、大規模災害対策等、課題先進国
 「成長戦略」の柱として、ITを成長エンジンとして活用し、日本の閉塞の
打破、持続的な成長と発展
2. 世界最高水準のIT利活用社会の実現に向けて
 過去の反省を踏まえ、IT総合戦略本部、政府CIOにより、省庁の縦割り
を打破、政府全体を横串で通し、IT施策の前進、政策課題への取組
 IT利活用の裾野拡大に向けた組織の壁・制度、ルールの打破、
成功モデルの実証・提示・国際展開
 5年程度の期間(2020年)での実現
 工程表に基づきPDCAサイクルを確実に推進
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「世界最先端IT国家創造宣言」 Ⅱ.目指すべき社会・姿
世界最高水準のIT利活用社会の実現と成果の国際展開を目標とし、以下の3項目を
柱として取り組む。
1.革新的な新産業・新サービスの創出と全産業の成長を促進する社会の実現
(1)公共データの民間開放(オープンデータ)の推進、ビッグデータの利活用推進(パーソナルデータの
流通・促進等)
(2)農業・周辺産業の高度化・知識産業化
(3)オープンイノベーションの推進等
(4)地域(離島を含む。)の活性化
(5)次世代放送サービスの実現による映像産業分野の新事業の創出
2.健康で安心して快適に生活できる、世界一安全で災害に強い社会の実現
(1)健康長寿社会の実現
(2)世界一安全で災害に強い社会の実現
(3)効率的・安定的なエネルギーマネジメントの実現
(4)世界で最も安全で環境にやさしく経済的な道路交通社会の実現
(5)雇用形態の多様化とワークライフバランスの実現
3.公共サービスがワンストップで誰でもどこでもいつでも受けられる社会の実現
(1)利便性の高い電子行政サービスの提供
(2)国・地方を通じた行政情報システムの改革
(3)政府におけるITガバナンスの強化
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「世界最先端IT国家創造宣言」 Ⅲ.目指すべき社会・姿を実現するための取り組み
1.革新的な新産業・新サービスの創出と全産業の成長を促進する社会の実現
(1)公共データの民間開放(オープンデータ)・ビッグデータの活用の推進
○公共データの案内・横断的検索を可能とするデータカタログサイトについて2013年度中に試行版を立ち上げ、2014年度から本
格運用を実施。2015年度末には、他の先進国と同水準の公開内容を実現。
○「パーソナルデータ」の取扱いについて、速やかに新たな検討組織を設置。個人情報保護ガイドラインの見直し、同意取得手続きの
標準化等の取組みを年内早期に着手。第三者機関の設置を含む、新たな法的措置も視野に入れた、制度見直し方針を年内
に策定。
(2)ITを活用した日本の農業・周辺産業の高度化・知識産業化と国際展開(Made by Japan農業の実現)
○2016年度までに、農業の現場で得られるデータを蓄積・解析することで、篤農家の知恵を多面的利活用する新たな生産方式
「AI(アグリインフォマティックス)農業」を構築し、国内外に展開。
○農業資材・機械等の周辺産業において、 「AI農業」等で得られたデータ・ノウハウを用いて、複合的なサービスの展開を図り、
2018年までに業界の主要収益源の一つに成長させる。2020年度には農林水産物輸出目標1兆円に貢献。
(3)幅広い分野に跨がるオープンイノベーションの推進等
○クラウドファンディング等リスクマネー供給の仲介機能強化、知識及びデータの提供、専門家による支援等、環境整備を推進。
(4)IT・データを活用した地域(離島を含む。)の活性化
○地域における実証プロジェクト等により、新たな街づくりモデルやビジネスモデルを構築し、2015年度以降、国内外への普及展開。
(5)次世代放送サービスの実現による映像産業分野の新事業創出、国際競争力の強化
○4K、及びスマートテレビに対応した放送については2014年、8Kについては2016年、衛星放送等における放送開始。
○2020年には、市販のテレビで4K、8K放送やスマートテレビに対応したサービスを受けられる環境を実現。
13
(1)公共データの民間開放(オープンデータ)の推進
公的機関が保有するデータを、民間が編集・加工等がしやすい形で、ホームページで公開
A省
C市
公開データ
公開データ
B機構
企業・個人等
多様なデータを
組み合わせた
加工、分析等
データカタログ
(ポータルサイト)
検索、収集
公開データ
(例)
・公共インフラ(道路、橋梁、役所、学校、市民会館
の施設、設備等)の仕様や寿命等を示す工学データ
・公共インフラの資産・負債等の財務データ
・インフラの点検・修理等の保守保全情報、稼働実績
・交通事故等の発生状況
・観光施設、駐車場、バリアフリー箇所の情報
など
現状及び課題
○ 公共データの利用に制約(ルールが不明確等)
○ コンピュータ処理が困難なデータ形式で公開
○ 目的のデータの有無や所在が分かりにくい
保有データ
新サービス・新ビジネス
(例)
・リニューアル需要の予測、新規提案、計画的施工に
よる事業コストの適正化
・維持管理・運営等の事業採算性の検討
・事故多発地域、原因の分析等による事故の抑制
・バリアフリー環境等も踏まえた観光案内
など
具体的な取組
○ 公共データの自由な編集・加工等を認めるルールの整備
○ コンピュータで処理しやすいデータ形式での公開
○ データの案内・横断的検索が可能な「データカタログ」
(ポータルサイト)の整備
KPI
・各府省庁のオープンデータ達成状況
・データカタログに掲載されるデータセットの数、アクセス数、
・オープンデータを活用して開発されたアプリケーションの数
等14
参考:データカタログサイト『DATA.GO.JP』(試行版)の開設(2013年12月20日)
データカタログサイトは、複数の機関が保有・公開するデータの案内や横断的検索の機能を備えたポー
タルサイト。利用者は、各府省庁を横断して一元的に、必要なデータを取得することが可能となる。
「世界最先端IT国家創造宣言」(平成25年6月14日閣議決定)において、データカタログサイトに
ついて、2013 年度中に試行版を立ち上げることとされている。
これをうけ、2013年12月20日から試行版サイトを立ち上げ、運用を開始。
データ利用者
各府省庁
要望
A省
検索
活用
1
ホームページ
「新着情報」
1
最近公開されたデータやお知らせ
2
「データ」
データ検索のページ
3
「オープンデータの取組」
オープンデータ関連の取組のリンク集
4
「コミュニケーション」
意見・要望の受付、回答の公表等
2
3
4
本体
データ
B庁
ホームページ
本体
データ
・・・
●各データに関する説明情報(メタデータ)とURLを登録
●登録データは、重点分野とされている、予算・決算・
調達情報、白書、防災・減災情報、地理空間情報、人の
移動に関する情報等のデータが中心。
15
参考:G8 「オープンデータ憲章」(2013年6月18日)
 G8サミットにおいてオープンデータの推進が議論され、オープンデー
タ憲章として取りまとめられた。
原則
•原則としてのオープンデータ
•質と量
•すべての者が利用できる
•ガバナンス改善のためのデータの公表
•イノベーションのためのデータの公表
「オープンデータが,イノベーションと繁栄を可能にし,また,市民の
ニーズに合致した,強固かつ相互に繋がった社会を構築していくため
の大きな可能性をもった未開発の資源であることに合意する。」
16
(2)ITを活用した日本の農業・周辺産業の高度化・知識産業化と国際展開
篤農家の優れた栽培技術をデータ化、共有して活用することで農業の競争力を強化
農業のサービス産業化
篤農家の匠の技の伝承
センサー
気付きデータの入力
高度な農法をパッケージで提供
ノウハウを
提供
コンサルテー
ション
国内の就農者に技術を継承
(大規模化にも対応)
非破壊センサーで高付加価値作物
海外の農家に
技術提供
現状及び課題
○データの取得方法・形式やIT機器の仕様が
バラバラでデータが共有化できない
○小規模農家が多く、IT化のメリットが出にくい
○農業周辺産業(肥料、栽培施設、種苗等)は
商品を売るだけ
機能性成分
標準化
プラットフォーム
(共有)化
篤農家の匠の技を
ITでデータ化
資材等の売り
切りではなく
継続的、発展
的なサービス
を提供する
ビジネスを創出
施肥?
・非破壊センサーで糖度や機能性成分
を常時測定し、どの作業が含量に
影響するかを定量的に把握
・多くの機能性成分や糖分を含む
農産物の生産方法を確立
・価格競争に陥らない高付加価値作物
の生産を伸ばし、輸出拡大にも貢献
具体的な取組
○データの取得方法・形式やIT規格の標準化
○多くの栽培等データを共有する基盤(プラットフォーム)の構築
○農業周辺産業(資材、種苗業者等)の情報サービス化
KPI
・農業IT市場の規模
・農業周辺産業におけるサービス産業的部門の売り上げ割合
・日本型農業サービスソリューションの海外展開状況
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「世界最先端IT国家創造宣言」 Ⅲ.目指すべき社会・姿を実現するための取り組み
2.健康で安心して快適に生活できる、世界一安全で災害に強い社会の実現
(1)適切な地域医療・介護等の提供、健康増進等を通じた健康長寿社会の実現
①効果的・効率的で高品質な医療・介護サービスの展開
○医療・介護・健康情報を医療機関の他、遠隔医療、在宅医療・介護や生活支援サービスを含む多様な主体が共有・連携する
仕組みとして、医療情報連携ネットワークを標準化や費用対効果の向上等を図りつつ2018年度までに全国へ普及・展開。
②現役世代からの健康増進等、医療・健康情報等の各種データの活用推進
○保険者や地方自治体、企業が、健診データやレセプトデータ等に基づく加入者や地域住民、社員の保健指導や本人の参加も
含む健康作りを推進するなど、2016年度までには、地域や企業における国民の健康増進・健康管理に有効な方策を確立。
(2)世界一安全で災害に強い社会の実現
①命を守る災害関連情報の提供等、防災・減災体制の構築
○災害時にすべての国民が正確な災害関連情報を、確実かつ多様な伝達手段で入手可能となる強靱な防災・減災情報インフラ
を構築。2015年度までに、Jアラートの伝達手段の多重化・多様化を含め重層的な情報収集・伝達体制を構築。
○2018年度までに、ITを活用して、無人やリモートで操作できる災害対応ロボット等を導入。
○地理空間情報を利用した避難誘導や消火活動を2016年度までに導入を検証し、2020年度に導入。
②IT利活用による世界一安全で経済的な社会インフラの実現
○社会インフラの管理者は、2013年度から各施設の現況等のデータをデータベース化し、当該データのプラットフォームを構築し、
2014年度から運用開始、2015年度以降、本格運用。各施設管理者間の活用、国民への「見える化」を実現。
○2020年度までには、国内の重要インフラ・老朽化インフラの20%はセンサー等の活用により点検・補修を実施。
18
(1)適切な地域医療・介護等の提供、健康増進等を通じた健康長寿社会の実現
現状
(1)地域における医師の不足・偏在、医療従事者の負担増
(2)超高齢化社会の到来による医療・介護需要の増大
取組
データを利活用した健康増進・管理や疾病予防の仕組みの構築、必要な時に効果的・効率的な医療介護や生活支援
サービス等を安心して受けられる持続的な体制を整備
将来像 国民が長く健康で自立して暮らすことができる社会(健康長寿社会)の実現
具体的な取組
①効果的・効率的で高品質な医療・介護サービスの展開
(1)医療情報連携ネットワークの標準化、費用対効果向上を
図り、全国へ普及・展開
(2)地域包括ケアに関わる多様な主体の情報共有・連携推進
(3)生活支援サービス等に関するロボット技術等の開発
②現役世代からの健康増進等、医療・健康情報等の各種
データの活用推進
(4)データに基づく保健指導、国民の健康増進・健康管理方策
の確立
(5)保険者等によるレセプト情報等の利活用による効果的な
医療提供の取組
(6)日本の食生活等を踏まえた健康増進モデルの検討、普及
KPI
・医療情報連携ネットワークの全国への普及・展開
・多様な主体が情報連携を行う仕組みの普及状況
・健康寿命の延伸、世界最高水準の健康寿命の維持
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(2)IT利活用による世界一安全で経済的な社会インフラの実現
ITを活用したインフラの維持管理(異常の早期発見・早期対応、点検作業の合理化、コスト縮減)
出典:NTTデータ
情報収集サーバー
政府・自治体
異常時
警告発信
常時
モニタリング
現状及び課題
(1)高度経済成長期に建設されたインフラの老朽化が
急速に進展。
(2)効率的かつ効果的な点検・診断等により、維持管理
コストの縮減が必要不可欠。
(3)事後保全から予防保全への転換によるライフサイクル
コストの縮減や長寿命化 が必要不可欠。
具体的な取組
(1) 社会インフラの維持管理・更新に必要なデータを
体系的に把握し蓄積するため、各施設の現状等の
データのデータベース化を推進。
当該データを統一的に扱うプラットフォームを構築。
(2) センサー等のITの活用による遠隔監視、常時監視
システムの構築及び普及促進、必要な技術開発。
KPI
・社会インフラの事故発生件数
・2020年度までに、重要インフラ等の20%について
センサー等の活用による点検・補修を行う。
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「世界最先端IT国家創造宣言」 Ⅲ.目指すべき社会・姿を実現するための取り組み
2.健康で安心して快適に生活できる、世界一安全で災害に強い社会の実現
(3)家庭や地域における効率的・安定的なエネルギーマネジメントの実現
○2014年度までに、「ディマンドリスポンス」に係る実証を完了、実用化。2016年を目途に行われる予定の電力の
小売参入自由化等の法制度整備に併せ、スマートメーターの普及、「ディマンドリスポンス」を活用した安定的・効率的な
エネルギーマネジメントを普及。
(4)世界で最も安全で環境にやさしく経済的な道路交通社会の実現
○2014年度には、安全運転支援システムの早期実用化に向けたモデル地区での先導的な実証事業を公道上で実施。
○車の自律系システムと車と車、道路と車との情報交換等の組み合わせにより運転支援技術の高度化や実用化に向けた
公道上での実証を実施。2020年代中には、自動走行システムの試用開始。
○2018年には交通事故死者数を2500人以下とし、2020年までには、世界で最も安全な道路交通社会を実現
(交通事故死者数が人口比で世界一少ない国を目指す)、交通渋滞は大幅削減。
(5)雇用形態の多様化とワーク・ライフ・バランス(「仕事と生活の調和」)の実現
○就業継続が困難となる子育て期の女性や育児に参加する男性などを対象に、労働者にとって、やさしい、週一回以上、
終日在宅で就業する雇用型在宅型テレワークの推奨モデルを産業界と連携して支援、2016年までにその本格的な
構築・普及を実現。
○2020年には、テレワーク導入企業を2012年度比で3倍、週1日以上終日在宅で就業する雇用型在宅型
テレワーカー数を全労働者の10%以上とし、第一子出産前後の女性の継続就業率を55%(38.0%(2009年)) 、
25歳から44歳までの女性の就業率を73%(現在、66.8%(2011年))まで高める。
○ITを活用したハローワーク等の就職支援機能の強化。
21
(3)世界で最も安全で環境にやさしく経済的な道路交通社会の実現
ITの活用による交通事故をゼロとする安心・安全な道路交通社会の実現。
現状及び課題
・交通事故死者数は下げ止まり。自動車単独では防げない事故(出会い頭・歩行者(児童や高齢者))の割合が高い。
・道路上の通信インフラと自動車、自動車と自動車、自動車と歩行者の間での注意喚起システムの早期実用化・普及。
具体的な取組
交通事故の現状
・全国主要交差点における
インフラ整備
・対応車載機及び高齢者や
子供に配慮した歩行者端末
の開発・実用化・導入支援
・車の自律系システムと車と車、
道路と車との情報交換等を
組み合わせによる運転支援
技術の高度化 等
交通事故の要因
②
①
右折車
対向直進車
①信号のある交差点
右折時の対向直進者や歩行者
右折車
・右折時に、センサー・カメラで捉
えた対向直進車やバイク、右折
先の歩行者を検知、道路上の通
信インフラを通じ、注意喚起。
歩行者
KPI
・交通事故死者数
・交通渋滞状況
○2018年には、交通事故
死者数を2500人以下
○2020年までには、世界
で最も安全な道路交通
社会の実現(*1)、
交通渋滞の大幅な削減
【凡例】
電波
センシング
人身事故データ
(警察庁 2012)
「車両・歩行者が
接近中!」
歩行者
「車両が
接近中!」
②信号がなく、見通しの悪い交差点
見通し外の車両・歩行者
・車-車、車-歩行者との通信により、他車や歩行者
を 検知、注意喚起。また、自車の存在を発信。
(*1) 交通事故死者数が人口比で世界一少ない割合になることを目指す
直進車
左折車
「車両・歩行者が
接近中!」
22
(5)雇用形態の多様化とワーク・ライフ・バランス(「仕事と生活の調和」)の実現
現状及び課題
KPI
○女性の労働力率は、第1子出産を機に6割の女性が離職するなど、
子育て期に当たる30歳代前半で低下する「M字カーブ」を描いて
おり、子育てと仕事の両立が求められている。
○自宅で1分以上仕事を行う在宅型テレワーカーは、増加している
中、今後は終日自宅で就労するテレワーカーの増加が望まれる
2020年には、
○テレワーク導入企業を2012年度比で3倍にする。
○週1日以上終日在宅で就業する雇用型在宅型テレワーカー
数を全労働者の10%以上にする。
具体的な取組
■テレワーク制度の本格的導入を希望する企業を全国から募集し、安全かつ汎用的なテレワークシステム、
システム利用や就業規則等の運用ルール策定に係る専門家派遣や相談窓口の設置等の支援策をパッ
ケージで提供。
■本プロジェクトにより、例えば子育てや介護をしながら働く人が週1日以上在宅で就業する雇用型在宅型テ
レワーク等を可能とする労務管理、人事評価、情報通信技術等に係る実証を行い、その成果を普及。
A社
+
B社
相談窓口の設置
テレワークシステム
C社
・・・
外出先
(スマホ、タブレット等)
専門家派遣
・就業規則等運用
ルール策定
・システム利用 等
女性・若者の
活躍推進
M字カーブ
の解消
仕事と家庭の
両立
23
「世界最先端IT国家創造宣言」 Ⅲ.目指すべき社会・姿を実現するための取り組み
3.公共サービスがワンストップで誰でもどこでもいつでも受けられる社会の実現
(1)利便性の高い電子行政サービスの提供
○官民の協働によって、より利便性の高い公共サービスを創造する。
○このためのクラウドを活用したオープンな利用環境を、データ・フォーマット、用語、コード、文字等の
標準化・共通化等を行いつつ整備。
(2)国・地方を通じた行政情報システムの改革
○政府CIO指導の下、重複システムの排除やネットワークの統廃合、政府共通プラットフォームへの移行など、
政府情報システムの改革を推進し、2018年度までに現在の情報システム数(2012年度:約1,500)を
半数近くまで削減、2021年度目途に、原則すべての政府情報システムをクラウド化し、運用コストを圧縮する
(3割減を目指す)。
○IT投資に当たっては業務改革を徹底。番号制度を導入する行政分野について、行政サービスと業務改革
(BPR)及び情報システムの改革の計画を策定し、着実に実施。
(3)政府におけるITガバナンスの強化
○政府情報システムに関する投資計画を、2014年度予算から、予算編成に合わせて策定・推進。
○日本版「ITダッシュボード」(各府省のIT投資の状況等をインターネット経由で一覧性をもって国民が確認
できる仕組み。)の整備を進め、2014年度早期から運用を開始。
○政府の情報システム調達に関して、標準化・共通化の推進、応札事業者の技術力評価の在り方についての
見直し等を実施し、調達コストの削減や透明性向上及び競争力のある市場を構築。
24
(2)国・地方を通じた行政情報システムの改革
クラウド技術の活用による政府情報システムの改革
・2018年度までに現在の情報システム数(2012年度:約1,500)を半数近くまで削減
・2021年度目途に、原則すべての政府情報システムをクラウド化し、運用コストを圧縮(3割減を目指す)
○情報システム運用経費の低減
各府省が個別に約1500の情報システムを整備している結果、
初期投資経費
サイロ型構造になっているシステムを見直し、クラウド化
整備経費
A省庁舎
利用者
(職員)
霞が関
が
WAN(※)
(※)
データセンタ
分散拠点
利用者
(職員)
データセンタD
運用監視要員
運用監視
要員
C省庁舎・乙
【Dシステム】
Aシステム
利用者
(職員)
【Cシステム】
C省庁舎
【クラウド化(イメージ)】
Dシステム
Eシステム
Fシステム
個別A
プログラム
基本
ソフトウェア
個別B
プログラム
基本
ソフトウェア
個別C
プログラム
基本
ソフトウェア
個別D
プログラム
基本
ソフトウェア
個別E
プログラム
基本
ソフトウェア
個別F
プログラム
基本
ソフトウェア
個別A
プログラム
基本
ソフトウェア
ハードウェア
ハードウェア
ハードウェア
ハードウェア
ハードウェア
ハードウェア
ハードウェア
施設・設備
施設・設備
施設・設備
政府共通PF
運用監視要員
Cシステム
施設・設備
政府
政府共通
ネットワーク
ネッ ワ ク
【A、B、Dシステム】
データセンタC
Bシステム
施設・設備
サーバ
運用監視要員
特殊なシステム(旧式の大型システム、地方等に多数の拠点を
有しているシステムなど、移行が馴染まないシステム)
【サイロ型システム構造(イメージ)】
(レガシーシステム)
B省庁舎
利用者
(職員)
首都拠点
【Bシステム】
データセンタC
利用者
(職員)
利用者
(職員)
運用監視
要員
B省庁舎
【Cシステム】
【政府共通プラットフォーム整備後(クラウド化)】
データセンタB
【Aシステム】
○大規模災害時への対応強化
運用経費
【政府共通プラットフォーム整備前(サイロ型)】
A省庁舎
運用監視
要員
○セキュリティ機能の強化
施設・設備
施設・設備
個別B
プログラム
個別C
プログラム
個別D
プログラム
個別E
プログラム
個別F
プログラム
共通機能(利用者認証機能、決裁機能等)
基本ソフトウェア
基本ソフトウェア
ハードウェア
施設・設備
基本ソフトウェア
25
(3)政府におけるITガバナンスの強化
日本版「ITダッシュボード」
政府全体のIT投資の適正化に向け、政府によるIT投資を国民に対して透明化
※ダッシュボードとは、複数の情報源からデータを集め概要をまとめて一覧表示する機能や画面をいう
各府省
プロジェクト担当者
担当案件を、他のIT投資情報と
比較して確認・改善
国民、ITベンダ
IT投資
情報
政府のIT投資実施状況
を確認
各府省
CIO、PMO等
府省内のIT投資の状況を分析し、
投資適正化を指示
内閣情報通信政策監
(政府CIO)
政府全体のIT投資を分析し、方針整備
内閣情報通信政策監(政府CIO)
:政府全体のITガバナンス強化
各府省 :IT投資管理やレビューの高度化
国民
:政府全体の投資状況や実施状況の確認
ITベンダ:競争の促進。生産性データ等の活用
IT投資を
・適正化
・高度化
米国のダッシュボードは、IT投資情報
を公開することに重点
日本版ダッシュボードは、26年度早期
に上記機能を実現し、さらに、それ以
降に、IT投資管理を充実させるための
機能(開発情報等を蓄積・公開)を拡
張的に追加予定。
米国政府のITダッシュボードとの比較
IT投資情報
米国
日本
○
○
開発計画・実績情報
◎
技術情報の蓄積・公開
◎
税金の効果的活用
利便性の高いシステムの実現
IT業界の成長を促進
26
「世界最先端IT国家創造宣言」 Ⅳ.利活用の裾野拡大を推進するための基盤の強化
1.人材育成・教育
(1)教育環境自体のIT化
○学校の高速ブロードバンド接続、1人1台の情報端末配備、電子黒板、無線LAN環境整備、デジタル教科書・教材の活用等、
初等教育段階から教育環境自体のIT化を進め、児童生徒等の学力の向上とITリテラシーの向上を実現。
○2010年代中にはすべての小学校、中学校、高等学校、特別支援学校で教育環境のIT化を実現。
(2)国民全体のITリテラシーの向上
○子供から学生、社会人、高齢者に至るまで、年代層別に、ITに関する知識を身につけるための取り組みを推進。
(3)国際的にも通用・リードする実践的な高度なIT人材の育成
○初等・中等教育段階からプログラミング等のIT教育を推進。
○産業界と教育現場との連携を強化して、IT人材を育成していく環境の整備と提供、実践的な専門教育プログラム等を構築。
○起業意識を醸成するイベントやプロジェクト等を通じて、先端人材の発掘・支援。
2.世界最高水準のITインフラ環境の確保
○低廉かつ高速のブロードバンド環境が利用できるよう事業者間の公正な競争条件の確保等、競争政策を引き続き推進。
○離島などの不採算地域においても高速のブロードバンド環境の整備・確保。
○大規模災害時にも、IT利活用が可能となるよう、強靭かつリダンダント(冗長的)なITインフラ環境を確保。
3.サイバーセキュリティ
○「サイバーセキュリティ戦略」(平成25年6月10日 情報セキュリティ政策会議決定)に基づき、具体的な施策を推進することを
通じて、世界を率先する強靭で活力あるサイバー空間を構築することにより「サイバーセキュリティ立国」を実現。
4.研究開発の推進・研究開発成果との連携
○情報通信社会の今後の動向を見据えた研究開発を推進、イノベーションにつながる様々な先端技術(先端的な国際ネットワーク
拠点の構築、超高速ネットワーク伝送技術、認識技術、データの加工・分析技術等)の研究成果を迅速かつ的確にIT戦略と
連携。
27
○総合科学技術会議等とも連携を図りつつ、研究開発を推進、研究開発成果の国際標準に向けた取り組みを推進。
参考:創造的IT人材育成方針の概要
「世界最先端IT国家創造宣言」における人材育成・教育分野の位置付けを踏まえ、
府省横断的に取り組むための方針として、「創造的IT人材育成方針」を策定する。
本方針が目指すもの (目標)
「国民全体のIT利活用能力の底上げ」と「我が国の経済発展に寄与する高度なIT人材の創出」によって、
さらなる経済成長の基盤を構築し、2020年までに「世界最高水準のIT利活用社会」の実現を目指す。
目標達成に向けた本方針のアプローチ
ITの利便性を享受して
生活できる社会の
構築と環境の整備
(国民全体の
ITリテラシー向上)
日本のIT社会を
リードし、世界にも
通用するIT人材の創出
(高度IT人材の育成)
● 学校現場の教育等の従来のアプローチに加え、
就学前の子どもから高齢者、ITを得意とする人とそうで
ない人、教育・指導する人等を意識し、国民全体を分類、
各層に求められる能力項目を設定
● 学びの充実や安全・安心な利活用を導くための環境として、
指導者の情報活用指導力向上とクラウドコンピューティング
サービスやMOOC※活用等の情報ネットワーク基盤構築、
学習コンテンツの整備について検討
● 高度IT人材をITの枠を超えイノベーションを創造する
「IT利活用社会をけん引する人材」とITを業務に活かす
「IT利活用社会を支える人材」に分類し、求められる
能力項目を設定
● 実践的な人材育成のための産学連携や成長の機会に
つながる競技会等のイベントといった チャレンジの場 を
提供、高度IT人材の発掘、育成、成長支援を検討
人材育成分科会
本方針に基づき
• 関係府省が取り組むべき具体的活動計画を検討
• PDCAを意識したフォローアップ
(KPI達成状況評価、計画見直し等)
※ Massive open online course の略。WEB上で無料で参加可能な大規模講義のこと。
本方針における対象者と求められる能力の全体像
28
「世界最先端IT国家創造宣言」 Ⅴ.本戦略の推進体制・推進方策
1.本戦略のPDCAサイクル等の推進管理体制
(1)政府CIOの司令塔機能の発揮
○電子行政、新産業、農業、医療・健康、防災・減災、道路交通、人材育成等の分野について、府省横断的な推進計画の作成。
○本戦略に係るIT投資の全体最適を実現するための政府としての方針(経費の見積りの方針)の策定。
○本戦略に係る具体的な施策を、府省統一的に推進するための技術的又は専門的事項などを定める指針(ガイドライン)の作成。
○PDCAサイクルの各段階に応じた、施策の推進(投資効果、進捗状況等)に係る評価の実施。
(2)IT総合戦略本部における推進管理体制
○IT総合戦略本部の下に政府CIOを中心とした専門調査会を設置。重点分野については、専門調査会の下に分科会を設置。
○政府CIOが中心となってIT戦略に関するPDCAサイクルを確立すべく、体制のさらなる強化を検討。
2.目標・進捗管理における評価指標
○可能な限り、定量的なKPI(重要業績評価指標:Key Performance Indicator)を設定し、推進管理。
3.規制改革と環境整備
規制改革会議と連携し次の取組みを推進。併せてIT利活用を推進するための法的措置の検討。
①パーソナルデータの取扱いについて、IT総合戦略本部の下に、新たに検討組織を速やかに設置。第三者機関の設置を含む、
新たな法的措置も視野に入れた制度見直し方針を策定。
②電子行政サービスにおける認証の在り方を含め、利用者の利便性向上とプライバシー保護、本人確認の正確性の担保との両立を
図る、本人確認手続き等の見直しについて検討。
③IT利活用の裾野拡大の観点から、関連制度(運用解釈が明確でないものも含む)の精査・検討を行い、 「IT利活用の
裾野拡大のための規制制度改革集中アクションプラン」を策定。
4.成功モデルの実証・展開
○関係各府省が連携し、地域の活性化、行政の効率化、地理空間情報、農業、医療・健康、資源・エネルギー、防災・減災、道路交
通、教育等の重点課題について、ITを活用して総合的に解決するプロジェクトを分野複合的に実施。
○IT総合戦略本部において、課題や地域を特定し、各省の政策資源を集中的に投入し、国家プロジェクトとして推進し、
29
成功モデルの実証・提示、国際展開。
参考:パーソナルデータの利活用に関する制度見直し方針の概要
1.制度見直し方針の背景と方向性
<背 景>
• ビッグデータのうち特に利用価値の高いとされているパーソナルデータ(個人の行動・状態等に関するデータ)について、個人
情報保護法制定当時には想定されていなかった利活用が行われるようになってきている。
• また、消費者のプライバシー意識が高まってきている一方で、事業者が個人情報保護法を遵守していたとしても、プライバシー
に係る社会的な批判を受けるケースも見受けられる。
<方向性>
1. ビッグデータ時代におけるパーソナルデータ利活用に向けた見直し
• 保護されるパーソナルデータの範囲の明確化
• パーソナルデータ利活用のため、個人データを加工し個人が特定される可能性を低減したデータに関し、
第三者提供にあたり本人同意を要しない類型とし、当該類型を取り扱う事業者が負うべき義務等を法的に措置
• センシティブデータについてはその特性に応じた取扱いを検討
2.プライバシー保護に対する個人の期待に応える見直し
• パーソナルデータの保護と利活用をバランスよく推進するため、分野横断的統一見解の提示や行政処分等を行う、
独立した第三者機関の体制を整備
2014年
2015年
1
月
パブ
リック
コメン
ト
法案
作成
通常国会に法案提出
大綱
作成
大綱決定・公表
制度見直し方針決定
案
作
成
6月
12
2
月
※欧米を含めた諸外国の制度変更との整合性を図る
ル
• 2014年 6月 大綱決定・公表
•
パブリックコメント
• 2015年 1月 通常国会に法案提出
2013年
ス ケジ
2.今後のスケジュール
30
参考:IT利活用の裾野拡大のための規制制度改革集中アクションプランの概要
新戦略推進専門調査会のもと発足した規制制度改革分科会では、対面・書面交付が前提と
されているサービスや手続きを含めて、IT利活用の裾野拡大の観点から、関連制度の精査・
検討を行いアクションプランを策定。
28項目について対処方針を決定
うち、
○ 今回新たに検討された項目:
12
○ 過去に検討された項目で今回改めて期限設定
もしくは内容の詳細化がなされた項目:
6
○ 規制改革会議で対応した項目:
9
アクションプラン例
アクションプランの本部決定により、長年未解決
であった制度改革事項の対応を前進!
内容・スケジュールの詳細化、
対処のスピードアップを促すべく、
進捗状況を随時フォローアップ
対処方針のポイント
高等学校での遠隔授業の正規授業化
有効性や課題及び対応策について検討する有識者会議を平成26年度早期に立ち上げる。平成
27年度早期に検討状況の中間整理を行うとともに、その後のスケジュールについて明確化する。
国家資格の取得更新時における
e-ラーニングの活用
講義の受講を求めている制度の所管府省に対してe-ラーニングの導入の実態調査を行う。各所管
府省は、e-ラーニング導入の可能性を検討し、平成26年6月中に実施スケジュールも含め、結果
を取りまとめる。
不動産取引における重要事項説明に際しての
対面原則見直し
対面以外の方法による重要事項説明について、具体的な手法や課題への対応策に関する検討に
着手し、平成26年6月に中間とりまとめを行い、平成26年中に結論を得て、必要な方策を講じる。
株式会社の事業報告等のウェブ開示
インターネットでの開示の対象となる事項について拡大する方向で検討し、必要に応じて平成26年
度中に予定されている会社法関連規則の改正の際に見直しを行う。
31
③世界最先端IT国家創造宣言及び同工程
表の改定等について
32
第64回高度情報通信ネットワーク社会
推進戦略本部(平成26年6月3日)
とりまとめ
「世界最先端IT国家創造宣言」及び同「工程表」 改定(案)
⇒ パブリックコメント現在受付中 (6/3∼14)
決定事項
1.農業情報創成・流通促進戦略
 農業の産業競争力、国際競争力を高めるため、農業情報の相互運用性等の確
保のための標準化や情報の取扱い等に関する戦略
2.官民ITS構想・ロードマップ
 高度運転支援技術・自動走行システムの開発・実用化等の推進に関するロー
ドマップ
報告事項
1.ITコミュニケーションの活用促進に向けた提言について
2.パーソナルデータ関連法案大綱の検討状況について
33 33
「世界最先端IT国家創造宣言」及び同「工程表」改定(案)とりまとめ(1/2)
1)
IT利活用推進のための3+1戦略
を基軸にIT利活用裾野拡大を強力に推進
① オープンデータ・パーソナルデータの利活用推進
本年秋にデータカタログサイト(※)の本格運用開始、民間等のニーズを踏まえた掲載データの充実
法改正の内容を大綱として取りまとめ、次期通常国会を目途に法制上の措置を講じる
⇒ 新産業・新ビジネスの創出による経済再生への貢献!
(※)各府省庁が公開する公共データの案内・横断的検索を可能とするシステム
② マイナンバー制度の積極的活用(2016年1月の制度導入を見据え)
 マイナンバー制度(「番号」・「カード」・「ポータル」)の導入を見据え、普及・利活用方策を明確化
 本年度中に、マイナンバーの利用範囲の拡大に係る方向性を明確化
⇒ ワンストップ化・ワンカード化社会を実現! (2020年目途)
③ 規制制度改革の推進
来年度中にITコミュニケーションの利点を最大限活用するための指針の策定
⇒ 指針に基づき規制制度改革を推進!
+
④ 情報システム改革の取組の推進
⇒ 政府CIOのリーダーシップの下、「政府情報システム改革ロードマップ」に基づき、改革を強力に推進!
2021年度を目途に年間運用コスト3割圧縮!
34
「世界最先端IT国家創造宣言」及び同「工程表」改定(案)とりまとめ(2/2)
2)その他、創造宣言改定のポイント
 目指すべき社会・姿を実現するための取組
① ITを活用した日本の農業・周辺産業の高度化・知識産業化と国際展開
(Made by Japan農業の実現)
「農業情報創成・流通促進戦略」を推進
② 起業家精神の創発とオープンイノベーションの推進等
国のIT調達等を通じたITベンチャーに対する機会の拡大等をパッケージ化して取り組みを推進
③ 東京オリンピック・パラリンピックの機会を捉えた最先端のIT利活用による
「おもてなし」の発信
次世代放送・通信サービス、ITS、無料公衆無線LAN等通信ネットワークインフラ等について、サイバーセ
キュリティの確保を図りつつ、最先端のIT利活用による「おもてなし」の提供に向けた取組を推進
④ 世界で最も安全で環境にやさしく経済的な道路交通社会の実現
安全運転支援・自動走行システムの各レベル毎の市場化期待時期を設定した上で、市場化及び交通
データの利活用推進に向けた取り組みとそのスケジュールをまとめた「官民ITS構想・ロードマップ」を推進
利活用の裾野拡大のための基盤の強化・戦略の推進体制・推進方策
行政のIT化と業務改革の同時・一体的推進を強力・機動的に行うための体制整備
35
現状
「利活用の壁」によりパーソナルデータの利活用が十分に行われてきているとは言い難い
事業者
データが
手に
入らない
消費者
不安。
新サービス
新商品
提供
利活用の壁
新産業
パーソナル
データ
不安。
制度改正の方向性
①本人の同意がなくとも
データを利活用可能とする
枠組みの導入
新商品
新産業
・・・・
②基本的な制度の枠組みを
補完する民間の自主的な取
組の活用
新産業・サービスの創出と国民の安全・安心の向上等のための利活用を実現する環境整備
事業者
消費者
利活用促進
安心。
提供
第三者提供
安心。
新サービス
提供
経済活性化
提供可能な
データ
パーソナル
データ
安心。
政府
提供
③第三者機関の体制整備等
による実効性のある制度執
行の確保
36
政府情報システム改革の実績と今後の予定
1.これまでの実績 ○ 全ての情報システムを対象に中長期改革プランである「政府情報システム改革ロード
マップ」を策定。システム件数については、宣言に掲げた2018年度までにシステム数
半減を達成見込み(57%減)。
○ 大規模システムを中心に、政府CIO自らヒアリング・レビュー等をこれまでに計111回実
施。(6月3日時点) このうち、厚生労働省の年金関連システムについては、年間251
億円のコスト削減計画を策定。また、ハローワークシステムについても当面の効率化施
策等の実施により、年間80億円程度の削減に目途。
2.今後の予定
○ ハローワーク等の大規模システムを中心に、引き続き、政府CIOによるレビューを進め、
年間運用コストの3割圧縮を目指し、業務内容まで踏み込んだ改革(BPR)を推進。
○ マイナンバー、農地台帳電子化など、国・地方、地方間のシームレスな連携も推進。
1,600
1,450
1,363
1,400
2 1,305
9 23 システム数
1,200
情報システム
(PF移行以外)
1,227
1,128
84 1,000
1,053
146 199 800
1,361 600
PF移行
1,005
871
849
252 1,296 1,204 1,044 400
300 ・・・
907 806 619 200
42.7%
619
1,450
549 ・・・
2021
年度
0
2012
年度
2013年末
2013
年度
2014
年度
2015
年度
2016
年度
2017
年度
2018
年度
※ PF:政府共通プラットフォーム
各府省システムの
統合・集約化のシステム基盤
37
農業情報創成・流通促進戦略(概要)
農業情報の多面的な利活用により、農業の産業競争力強化を加速化
1st Stage(∼2013):「情報収集」
→ 2nd Stage(2014∼):「情報の創成・流通促進」
 農業情報の相互運用性・可搬性を確保するための標準化や情報の取扱いに関するガイドライン策定
 農地情報の整備と活用
「AI農業」等農業情報を活用した
 本戦略推進のための連絡会議体の設置 農業の産
ビジネスモデル構築・知識産業化
業競争力
向上
情報の創成・
流通促進
情報流通によるバリューチェーン
の構築
市場開拓・
販売力強化
情報・ノウハウの価値に関する普及啓発
情報・ノウハウ等を活用した
複合的な資材・サービスの展開
関連産業
の高度化
情報・ノウハウの海外流出への留意
農林水産物輸出額 1兆円の達成
38
官民ITS構想・ロードマップ(概要)
世界一のITS(高度道路交通システム)を構築するための目標と、目標達成に向けた民間及び関係
省庁の一体的な取組とそのスケジュールを策定
【自動車を巡る今後の構造変化】
自動走行化の大きなイノベーション、自動車のIT化・ネットワーク化に伴うビッグデータの利活用の流れを
踏まえて、「自動走行システム」と「交通データ利活用」を対象としたロードマップを策定
【ロードマップのポイント】
■自動走行システム
・今回、新たに自動走行システムのレベル2 4を定義
・海外動向を踏まえ、自動走行システムの各レベル毎の市場化期待時期を設定し、
その実現に向け必要な取組とその実施スケジュールを明確化
※ レベル2:加速・操舵・制動のうち複数の操作を一度に自動車が行う状態
レベル3:加速・操舵・制動を全て自動車が行う状態(緊急時対応:ドライバー)
レベル4(無人運転):加速・操舵・制動を全て自動車(ドライバー以外)が行う状態
[2017年]
[2020年代前半]
[2020年代後半以降]
■交通データ利活用
・官と民が保有するデータの整備と公開(オープン化)に向けた交通データ利活用戦略の
明確化
本ロードマップの取組とそのスケジュールの着実な推進により
「2020年までに世界一安全な道路交通社会」、
「2030年までに世界一安全で円滑な道路交通社会」、
「高齢者や障がい者にとって安心・安全かつ円滑な移動が可能となる社会」を実現する。
39
ネット意識革命宣言<抜粋>
∼変革の原動力としてのITコミュニケーション∼
1.ITコミュニケーション活用促進のための基本的考え方
① 対面・書面交付原則の見直しを通じて、特に医療・健康等の分野を中心に、ネットの利点を
最大限活用する。
② 自由なITコミュニケーションで、「安心を高めるためのインターネット」をつくる。
③ 諸外国との事業環境のイコール・フッティングを図るなど、技術の進化を妨げない
ルール形成をする。
④ 誰でも自由に安心してネットが使える環境を整備し、新たなイノベーションを生み出す。
⑤ 発想の転換でITコミュニケーションのコストパフォーマンスを飛躍的に向上させ、
国際競争力の強化を図る。
2.2020年を見据え、今後の1∼2年で取組むべき施策
① 対面・書面交付原則の見直しに向けた指針の策定
 ITコミュニケーションの利活用促進に向けた基本的な考え方を整理した指針を策定し、それを「ものさし」として検
証を行うことで、規制・制度見直しの横展開を図るべき。
② 無料公衆無線LAN環境の整備
③ 2020年東京オリンピック・パラリンピックにおける おもてなしサービス の充実
④ マイナンバー制度の利用拡大
⑤ 消費者が安心して電子商取引を利用できる環境の整備
⑥ ビッグデータの利活用が価値を生み出すシステムづくり
40
IT戦略を成功に導くために(1)
2013年12月20日
政府CIO 遠藤紘一
1.役割と実行責任の明確化
各府省幹部(CIO、局長クラス)によるリーダーシップの発揮
事業部門及びIT部門の責任の明確化
2.国民に対する説明責任の履行
投資対効果(ROI)の明確化(定量的なKPIの設定)
投資額に係る合理的根拠の明示
事後検証の適切な実施(具体的な成果の刈り取り)
3.現状把握の徹底
関係機関含めた全体像の把握が必要
業務フロー、システムの現状分析と課題抽出
4.お客様視点でのサービス提供
使い勝手の良くないサービスは利用されない
利用者が求めるのは、縦割りを横断したサービス (ワンストップ・プッシュ型サービス)
5.業務改革(BPR)の徹底
目標実現の障害となる組織・制度・ルールの壁は打破する
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IT戦略を成功に導くために(2)
2013年12月20日
政府CIO 遠藤紘一
6.標準化・共通化の徹底
リソースの共有と再利用
共通ルールの活用
7.具体的な改革プランの策定
適切な成果目標の設定とその達成時期、目標達成のために必要な取組内容
(制度の見直しや業務・システムの改革内容等)の明確化
8.マネジメント体制の確保等
府省横断の連携体制の確保、国・地方間の連携促進
必要なドキュメントの整備・関係機関間での共有
適切な進捗管理
少なくとも3か月毎の政府CIOによるレビュー(PDCAサイクルの一環)
人事ローテーション上の配慮
(中核となる人材は、プロジェクトのライフサイクルの節目まで異動させない)
※上記のほか、適時、増補・改訂を行う
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ご清聴ありがとうございました。
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