Success Story

Oracle Customer Case Study
ソマール、グローバルで基幹システムを統一。柔軟なカスタマイズ性、多言語・多通貨対応、
法制度改正への迅速な対応力を獲得したほか、最新・正確なデータに基づく経営判断が可能に
“Oracle JD Edwards EnterpriseOne によるシステムの統合によって、従来は不可能だった海外現地法人のデータを迅速・正確に把握できるよう
になりました。システムを連携させていた旧環境と比較して保守コストを 50%削減できたほか、SAP よりもカスタマイズの柔軟性と簡便さに優れる
Oracle JD Edwards EnterpriseOne ならばコストを抑えながらの追加開発も容易。今後は現場の入力作業の効率化や業務プロセスの効率化を期
待できます” ̶ソマール株式会社代表取締役社長
曽谷 太氏
自動車や携帯電話などで利用される電子材料や化学製品のメーカーであ
るソマール株式会社。日本国内のほか、タイ、中国などに現地法人を展開
してグローバル化を進めている同社では全社規模での ERP として Oracle
JD Edwards EnterpriseOne(以下、JD Edwards EnterpriseOne)を採用。
各国の現地法人でバラバラだったシステムを統一した。
(海外現地法人につ
いては展開中)これによりグローバル規模での製品別の収益把握や業務プ
ロセスの効率化、システム保守コストの削減、人件費の安価な地域で開発
して他の地域へ展開することによる投資の効率化などを実現。どの拠点に
いても経営データにアクセスできることで、営業力の強化や経営戦略立案
の迅速化を達成した。
経営のグローバル化に合わせて、統合された ERP が必要だった ソマール株式会社 代表取締役社長の曽谷 太氏(米国ワシントン州公
認会計士、公認内部監査人)は、JD Edwards Enterpriseone 採用以前の
システムが抱えていた課題について、次の
ように話す。
「日本の中堅・中小企業は取引
先である大手メーカーの海外移転に合わせ
て、自分たちも海外進出する必要に迫られ
ています。当社も例に漏れず、中国・東南
アジア地域に進出してきました。経営はグ
ローバル化しましたが、肝心のシステムは
各ローカルで閉じた状態になっており、経
営情報の迅速な把握はほぼ不可能でした」
同社、日本本社は、1990 年代に導入した
ソマール株式会社 システムを約 10 年間使用してきた。その後、
代表取締役社長 大幅なバージョンアップをして約 4 年間継
曽谷 太 氏
続利用したものの、これ以上の継続利用は
不可能とソマールの経営層は判断するに至
る。重要な理由として、次の 4 項目が挙げられる。
まず「本社が利用していた国産システムは度重なるカスタマイズの影響
で、これ以上の消費税改正や法改正に対応するには莫大なコストが発生す
る」こと。
「多言語・多通貨対応ができず、日本国内でしか利用できない」
こと。そのため、「海外現地法人は国ごとに異なるシステムを使用してお
り、本社サイドがデータを直接取り出すことは不可能だった」ことも重大
な理由だ。何より、「新しく展開する海外現地法人が利用するシステムを
探すことは負荷のかかる作業であった」ことも大きい。
曽谷氏は「各国のシステムがすべて違うというのは異常。システムが多
数あることは混乱を招き、正確な監査も不可能になります。グローバル統
一できる ERP の導入が緊急の課題だったのです」と振り返る。
柔軟なカスタマイズ性とコストで JD Edwards EnterpriseOne を選定
製品選定を開始したのは 2009 年後半。必要な機能をパッケージとして
備え、グローバル規模での採用実績も豊富な ERP 製品として、JD
Eswards EnterpriseOne と SAP の 2 製品が検討された。
「カスタマイズの
柔軟性をもっとも重視しました。自社への最適化作業を自分たちの手でお
こなえないと追加開発のコストが膨らんでしまいます。研修を受けて自分
たちで JD Edwards EnterpriseOne の柔軟性を確かめたほか、すでに導入
している他社の視察や、導入後の開発や運用のコストも含めて価格を検討
しました」(曽谷氏)。
検討はパートナー企業の株式会社 中本・アンド・アソシエイツととも
に 実 施 し 、 約 1 年 を か け た 。 最 終 的 に オ ラ ク ル の JD Edwards
EnterpriseOne を 採 用 し た 理 由 を 曽 谷 氏 は 説 明 す る 。「 JD Edwards
EnterpriseOne は海外に先進的な活用事例、カスタマイズ例が豊富にあり
ます。参考になる資料も多い。日本オラクルと中本・アンド・アソシエイ
ツの連携も強いほか、海外のオラクルパートナーからも情報を得られると
期待しました」
移行の負荷では現場の習熟が不可欠。トレーニングには時間をかけた 「従来のシステムはいわば『オートマチック』。日本国内の支社・工場
の業務に最適化されていました。しかし JD Edwards EnterpriseOne は『マ
ニュアル操作』です。予想どおり、現場では従来のシステムのほうが使い
やすいという反応もありましたし、画面開発や点検・検収では激しくやり
取りする場面もありました」
(曽谷氏)。現場には日々の受発注や製造業務
をおこないながら、新システムへ移行するという負荷が発生した。「直近
の手間は増えるが、将来的にはこれが最善の選択である」ことを、経営層
が現場担当者と向き合いながら真摯に説明し続けた。
同社システムネットワーク部 部長の崎野 真吾氏は「各部署から、入力
画面操作の実務を担当するスタッフを集めました。実作業を担当する現場
スタッフをいかにして巻き込んでいくかが成功の秘訣だと感じました」と
話す。全社規模の導入計画では、プロジェクト・コーディネーションのス
キルも求められる。ソマールでは曽谷氏自身がシステムと経理の両方を熟
知していることから、移行プロジェクトをトップダウンでリードした。
JD Edwards EmterpriseOne による新システムがカットオーバーしたの
は、2012 年 4 月。現場スタッフの習熟も進み、JD Edwards EnterpriseOne
の導入当初はひと月に 2000 件近く発生していたエラー報告も、導入 1 年
後の現在は数件あるかないかという程度にまで減った。
50%削減されたシステムの保守コスト。 今後は JD Edwards EnterpriseOne を経営力強化に生かす JD Edwards EnterpriseOne の導入によって、これまでは不可能だっ
た「製品単位での収益の把握」や「各拠点からの迅速なレポート提出」
が実現した。業務の現場では工数が見える化も可能になった。
「その製品を継続するか、廃止するかといった経営判断を正確に下
せるようになりました。従来は Microsoft Excel ファイルで届いていた
海外のデータも JD Edwards EnterpriseOne で直接参照できるようにな
り、売上げや在庫の正確なデータをリアルタイムで確認できるように
もなりました。システムの保守コストもおよそ 50%削減され、多種多
様なシステムを連結するコストやデータ変換の手間なども低減しまし
た」(曽谷氏)
現在進行中の展開は海外現地法人での導入だ。「タイでは、現地のコ
ンサルタントとともに開発を進めています。帳票関係の二重入力の手
間がなくなれば、約 50%の工数削減になるでしょう。グローバルで利
用できる JD Edwards EnterrpiseOne ならば、タイでの成果を日本へ逆
輸入したり、中国法人への展開時に流用できたりします。インドのよ
うに、安価で優秀なエンジニアの多い地域で開発をおこなうことで、
操作ミスの少ない画面を低コストで開発できます。人為エラー0 件が
目標です」と曽谷氏はプロジェクトの現状を説明する。
さらに今後については、人事評価システムや円相場の変動に迅速対
応できるシステムの開発をおこなっていく。営業現場には iPad を配布
しているのでクラウドを使い、商談の現場で営業判断できるようにす
るなど、ビジネスの敏捷性を上げていく予定だ。
オラクル製品/サービス選定理由
・カスタマイズに多大なコストが発生する SAP と比較して、柔軟なカス
タマイズ性をもつ JD Edwards EnterpriseOne ならば、追加開発のコス
トを低く抑えることができる
・SAP を導入しても自社では追加開発がほぼ不可能だが、開発の容易な
Oracle Customer Case Study
JD Edwards EnterpriseOne であれば自社内のエンジニアのリソースを
使うことができる
・世界各国に多様なローカルパートナーや開発者がおり、それらのノウ
ハウを利用できる
・日本オラクルの主導で、海外のオラクル現地法人とのプロジェクトも
遂行できるグローバル性
・オラクルが提供するほかの製品(Oracle Hyperion Planning など)との
連携も将来的には可能
導入プロセス
2009 年 4 月 ERP 導入を計画。製品制定を開始
2010 月 4 月 JD Edwards の採用を決定。移行プロジェクトを開始
2012 年 4 月 本社と日本国内の拠点で一斉に運用開始(ビッグバン導入
として稼動開始)
2012 年
システム移行にともなう現場の混乱も、運用開始以前か
ら長期間実施したトレーニングによって短期間で収束。2000 件発生した
問い合わせも 1 年以内にほぼ 0 になった
2013 年 タイ支社で導入作業中。タイのシステム移行後は、中国支
社などを実施予定
Oracle Customer
ソマール株式会社
従業員数: 368 人(連結)(2011 年 4 月 1 日現在)
オラクル製品とサービス: ・ Oracle JD Edwards EnterpriseOne Financials
・ Oracle JD Edwards EnterpriseOne System Foundation
・ Oracle JD Edwards EnterpriseOne Advanced Pricing
・ Oracle JD Edwards EnterpriseOne Sales Order Management
・ Oracle JD Edwards EnterpriseOne Inventory Management
・ Oracle JD Edwards EnterpriseOne Requirements Planning
・ Oracle JD Edwards EnterpriseOne Manufacturing Management
・ Oracle JD Edwards EnterpriseOne Procurement and Subcontract
Management
・ Oracle JD Edwards EnterpriseOne Technology Foundation
課題: ・ パーツメーカーとして、取引先大手企業の海外展開地域に進出する必要がある
・ 電子部品の製造販売事業の基盤となる経営システムをグローバルで統合しする
・ 人件費の高い日本は頭脳集団として製品開発などに注力し、製造機能はコス
パートナー
・JD Edwards EnterrpiseOne をはじめとする ERP の導入プロジェクト経
験の豊富な中本・アンド・アソシエイツがソマールの日本国内での導入
および海外展開をコーディネート。
・追加開発では中本・アンド・アソシエイツのノウハウとリソースを活用。
・ソマール側のプロジェクト・リーダーは企業トップである曽谷氏同様、
中本・アンド・アソシエイツ側も中本社長自身が対応。これにより、
トップレベルでの迅速対応が実現。
(本事例は 2013 年 2 月のものです)
トの安い海外に移転する
・ 海外現地法人を立ち上げる際に、導入するシステムで悩む必要をなくす
・ グローバル市場に対して製造と物流の両方の機能をもつ業態のため、多言
語・多通貨対応をしたシステムを構築する
・ 業務プロセスを統合し、業務の工数を削減したい
・ 海外現地法人も含めたリアルタイムで販売・在庫データを把握する
・ 複数のシステムを連携させることによる、システムの保守コストを削減する
導入効果:
・ 多言語・多通貨対応、柔軟にカスタマイズできる ERP によるグローバル統一を実
現した
・ 従来は 1 カ月以上をかけても完全なデータの確保が不可能だった海外現地法人の
利益データの正確で迅速な把握が 1 日以内で可能になった(30 倍以上の高速化)
・ システムの保守コストが約 50%削減された
・ 人件費の安価な国で開発をすることで、システムのカスタマイズを低コストで実
現できる
・ どの拠点においてもデータを取り出すことができ、経営の機動性が向上した
・ JD Edwards EnterpriseOne 移行後、人為エラーも社員の習熟によってほぼ 0 件と
なった
Oracle Partner
株式会社 中本・アンド・アソシエイツ
www.na21.co.jp/
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*Oracle と Java は、Oracle Corporation およびその子会社、関連会社の米国およびその他の国における登録商標です。文中の社名、商品名等は各社の商標または登録商標である場合があります。 Published March 2014