技術レポート No.1403 2014.10.31 【技術資料】 GPC によるセルロース材料の分子量分布測定 概要 セルロースの分子量(重合度)は、ゲルや非晶の不均一性などに深く関係し、流動性、加工性、力学特性、及 び光学特性等の物性に影響を与えます。セルロース誘導体を製造する過程においても、分子量は重要なパ ラメータとなっています。 セルロースの分子量測定法として、粘度法が一般的に用いられています。粘度法からは平均分子量が得 られますが、分子量分布は得られません。 GPC 法では平均分子量と分子量分布の両方を得ることが可能です。 ここでは GPC 法によってセルロース材料の分子量分布を評価した例を紹介します。 分析事例 ・市販セルロース材料について、GPC によって分子量分布曲線を評価した結果を図 1 に示します。 ・GPC 法から得られる分子量分布曲線から、分子量に関する視覚的、直感的な情報を得ることができます。 ・GPC 法から得た平均分子量(Mw)は、グルコース単位の分子量 162 で割ることで、平均重合度(DPw)に換算 することができます。 微分分布値 100 微結晶セルロース Mw = 5.2 万 (DPw=320) ろ紙 Mw = 67 万 (DPw=4100) 粉末セルロース Mw = 25 万 (DPw=1500) 50 0 2 3 4 5 Log M 6 7 8 【図 1】 各種セルロースの分子量分布曲線 適用分野 :分子量、重合度 材料キーワード :セルロース、パルプ、リンター、セロハン 株式会社 東ソー分析センター 営業チーム 四日市事業部 TEL 059-364-5367 FAX 059-364-5258 1/1
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