アミノ酸・タンパク質

(№ 61)
・アミノ酸はペプチド結合を作って結合する。(縮合反応)
タンパク質とアミノ酸
・アミノ酸…………分子中にアミノ基(-NH2)とカルボキシル基(-COOH)をもつ化合物
H
|
R -C- COOH
|
NH 2
H-
グリシン
R
CH 3-
R
|
H - N -C- C - OH
|
|
∥
H
H O
R
|
H - N -C- C - OH
|
| ∥
H
H O
アラニン
R
R
|
|
H - N -C- C - N -C- C - OH
|
| ∥ |
| ∥
H
H O H
H O
天然タンパクを加水分解すると上記のようなα-アミノ酸が得られる。
α-アミノ酸……- NH 2と- COOH が同じ C に結合しているアミノ酸
+ H2O
・単純タンパク質……α-アミノ酸だけから構成されているタンパク質
ペプチド結合(酸アミド結合 - CONH -)
・複合タンパク質……色素や糖類などを含むタンパク質
ニンヒドリン反応
・アミノ酸は、塩基性の- NH 2と酸性の- COOH をもつ両性化合物であり、酸とも塩基
とも反応して塩を生成する。
H
|
R -C- COOH
|
NH 2
+
H
|
R -C- COOH
|
NH 2
H
|
R -C- NH3+Cl -
|
COOH
HCl
+
NaOH
→
→
H
|
R -C- NH3+
|
COO -
←
HCl
H+
タンパク質
H
|
R -C- COOH
|
NH3+Cl -
H
|
R -C- COO -Na
|
NH 2
→
NaOH
OH -
タンパク質……アミノ酸がペプチド結合してできた高分子化合物
(
分子内塩……分子内で
中性溶液
(分子内塩)
- COO
-
,- NH3+
アミノ酸
Ê
ジペプチド Ê
ポリペプチド
Ê タンパク質
)
タンパク質の変性……熱・強酸・強塩基・アルコールなどでタンパク質の立体構造が壊れて
凝固し、もとに戻らなくなる。
変性タンパク質(例 ゆで卵)
+
+ H 2O
ビウレット反応
ポリペプチド(タンパク質)+ (NaOH + Cu SO 4 水溶液)
青紫
希 NaOH 水溶液を加えアルカリ性にして、CuSO 4 水溶液を少量加えると、
青紫~赤紫色になる。
ビウレット反応は、ペプチド結合検出反応である。
H
|
R -C- NH 2
|
COO -Na +
+ H 2O
酸性溶液
アミノ酸は、ニンヒドリン溶液によって赤紫色を呈する。
アルカリ性溶液
のようにイオン性を示し、塩類と類似する。
キサントプロテイン反応
加
タンパク質
+ conc HNO 3
熱
→
concentrate
アンモニア or 水酸化ナトリウム
黄色
→
橙色
〈液体を〉凝縮[濃縮]する。 集める。 集中する。
(№ 62)
核酸……核酸は、DNA と RNA の二種類に大別される。遺伝子の本体である DNA は、真核
生物の核などに含まれ、RNA はおもに細胞質に含まれる。 DNA も RNA も、四種
類の塩基(アデニン、チミン、グアニン、シトシン)がいろいろな順序で多数配列し
た巨大分子である。二本の鎖の方向は、たがいに逆方向であり、鎖の間を結びつけ
る力は、水素結合である。
タンパク質溶液に濃硝酸を加え、加熱すると黄色になり、冷却後アルカリ性にすると
橙色になる。
ニトロ化された物質の色。ベンゼン環をもつタンパク質について起こる。
・重金属イオン(Cu2+,Ag+ ,Hg
2+
,Fe
3+
)で沈殿する。
・水酸化ナトリウムと加熱すると、アンモニアを発生する。
加 熱
タンパク質 + NaOH(固体)
・タンパク質中のイオウが、Pb
2+
→
NH 3↑
と反応し、硫化鉛(黒沈)を生じる。
加 熱
タンパク質 + NaOH aq + Pb2+
→
PbS ↓(黒沈)
Pb(CH3COO)2
・酵素(生体触媒)もタンパク質が主成分である。酵素の働きは、pHや温度の影響を受け
やすい。
・最適温度……酵素が最もはたらく温度範囲がある。その温度を最適温度といい、最適温度
が 35 ~ 40 ℃の酵素が多い。
酵素は、タンパク質であるから高温では変性して失活する。
・最適 pH ……酵素には最もよくはたらく pH 範囲があり、その pH を最適 pH という。
最大の酵素活性を与えるpH条件。最大反応速度(V max)をpHに対してプロットする
と、釣鐘型の曲線を描くことが多い。この型の曲線は、酵素の活性部位に二種類の解離基が
存在することを意味する。酵素はタンパク質を主体とした物質で、生体内で起こる化学反応
の触媒としてはたらく。酵素は、生物体内の細胞の中や消化液(胃液・すい液・腸液・だ液な
ど)、酵母の中などに存在する。
(酵素番号、酵素命名法)
・国際生化学連合(IUB)による命名規則に従って表記する。
EC1 群:オキシドレダクターゼ(oxidoreductasae)、酸化還元酵素
EC2 群:トランスフェラーゼ(transferase)、転移酵素
EC3 群:ヒドロラーゼ(hydrolase)、加水分解酵素
EC4 群:リアーゼ(lyase)、除去付加酵素
EC5 群:イソメラーゼ(isomerase)、異性化酵素
EC6 群:リガーゼ(ligase)、合成酵素
酵素番号
第一番目の数字は、触媒する化学反応の形式
第二番目の数字は、基質の形式
第三番目の数字は、基質の種類
第四番目の数字は、群内での通し番号
DNA も RNA もともに基本構造は共通で、塩基とペントースからなる単位がリン酸によっ
て連なったいる。アデニンとグアニンは、プリン骨格をもつプリン塩基、一方、シトシン、
チミンは、ピリミジン骨格をもつピリミジン塩基である
・二重らせん構造…… 通常 DNA は、二本の鎖がねじれ合った二重らせん構造をとる。この
二本の鎖の方向はたがいにに逆方向で、鎖を結び
つける力は、 A-T、 G-C の間にはたらく水素結合
である。この二本の鎖は遺伝子の複製や遺伝子の
発現のさいに中心的役割を果たす。