一橋大学入試問題全集 数学で大切なこと、それは粘り強く考える習慣をつけること。 担当 : 野村 年 組 番氏名 2 第 1 章 整数問題 1.1 重要事項のまとめ 整数問題は他の分野と異なる趣がある。通常問題を解くときは、同値変形をほどこしながら答えを 導くことが多いが、この分野は適当な必要条件から答えの候補を絞り込み、その候補の中から条件を 満たす答えを見つける方法をとる。この適当な必要条件を用いる手法が難しく、この手法に慣れるこ とがこの演習の目的である。 1. 整数の性質 m、n が整数のとき、0 < |5n − 2m| < 3 という不等式を満たしているとすると、5n − 2m は 2 整数値だから、5n − 2m = ±1 と定まる。 2. 不等式で範囲を絞り込む 条件の不等式を用いて、値の範囲を絞り込む方法は頻出である。 1 + 1 + 1 = 1 をみたすとき、a、b、c の組をすべて求 例 a < b < c をみたす自然数が a b c めよ。 1 1 > 1 となる。 方針 a < b < c より、 > a b c 1 + 1 + 1 < 1 + 1 + 1 = 3 =⇒ a < 3 よって、1 = a b c a a a a すなわち、a = 1 か a = 2 と値を絞り込める。 3. 文字の大小関係を定めて論じる 文字の大小関係を定めて論じると、場合分けを少なくすることができる。 1 + 1 + 1 = 1 をみたす、自然数 a、b、c の組をすべて求めよ。 例 a b c 方針 a = b = c として a、b、c の組を求めて、その 3 数を入れ替えて答える。 4. 必要条件で答えを出して、十分性の確認を行う 例 すべての自然数 n に対して · · · が成立するとき、· · · を求めよ。 方針 すべての自然数 n に対して · · · が成立するのだから、n = 1 や n = 2 でも当然成立する はずである。具体的な n の値で成り立つことは、すべての n で成り立つための必要条件である。 必要条件を使って答えを導き出しておき、その答えがすべての n についても成立することを証 明する。その証明を十分性の確認という。 A 3 5. 余りについて N を 8 で割った商を k 、余りを r とすると、N = 8k + r と表わせる。このとき、 • r は 0 以上 7 以下の整数である。余りが 7 を超えることはない。 • N − r = 8k より、N − r は 8 の倍数である。 6. 素数の積について p、q が素数で、A、B が自然数とする。AB = pq ならば、次の 4 通りの組合せしかない。 ( A=1 1 ° B = pq ( A=p 2 ° B=q ( A = pq 4 ° B=1 ( A=q 3 ° B=p また、素数の中で偶数なのは 2 だけで、あとの素数は奇数である。 7. 奇偶性について 整数問題では、奇数・偶数の性質に着目することは有効である。例えば、4a + 2b − 7 = 0 という 式があったとしよう。通常ならば、もう 1 つ式がないと、a、b は求められないが、2(2a + b) = 7 と変形すると、左辺は偶数であり、右辺は奇数である。よって、整数 a、b は存在しないことが わかる。 また、いくつかの整数の積が奇数ならば、その整数すべてが奇数であり、積が偶数ならば、その 整数の中に少なくとも1つ偶数があればよい。 8. 整数方程式 変数が整数や自然数の場合の解法。 例 方程式 25n2 − 32kn − 16 = 0 をみたす自然数 n、k を求めよ。 方針 1 整数変数の積の形 = 整数定数に変形 n(25n − 32k) = 16 =⇒ n 1 2 4 8 16 25n − 32k 16 8 4 2 1 このうち、自然数となるのは、(n, k) = (4, 3) 方針 2 1 変数について変形 32kn = 25n2 − 16 =⇒ 32k = 25n − 16 n 16 左辺の 32k は自然数より、右辺の が少なくとも整数になる必要がある。 n よって、n = 1, 2, 4, 8, 16 と解の候補が見つかる。そのうち、k も自然数となるものを求める。 B 4 例 方程式 α2 + αβ + β 2 = 13 をみたす整数 α、β を求めよ。 方針 平方に変形して範囲絞る ³ ´2 α2 + αβ + β 2 = 13 =⇒ β + α + 3 α2 = 13 2 4 ³ ´2 β+ α = 0 より、 3 α2 5 13 と範囲を絞ることができる。 2 4 9. 剰余による分類 自然数 n をある数で割ったとき、余りが等しい数を同じグループに分類して議論を進めるアイ デア。例えば、3 の剰余系とは、k = 1, 2, 3, 4, · · · とすると (1) n = 3k − 2 ⇐⇒ 3 で割った余りが 1 のグループ (n = 1, 4, 7, 10, · · · ) (2) n = 3k − 1 ⇐⇒ 3 で割った余りが 2 のグループ (n = 2, 5, 8, 11, · · · ) (3) n = 3k ⇐⇒ 3 で割りきれるグループ (n = 3, 6, 9, 12, · · · ) ちなみに、n = 3k − 2 (k = 1, 2, 3, 4, · · · ) は n = 3k + 1 (k = 0, 1, 2, 3, · · · ) と同じ表現である。 10. 二項定理 (a + b)n = n C0 an + n C1 an−1 b + n C2 an−2 b2 + · · · + n Cn−1 abn−1 + n Cn bn 一般項は n Ck ak bn−k (k = 0, 1, 2, · · · , n) C 5 1.2 実践演習 1995 ¯ ¯ ¯ n ¯ 正の整数の組 (m, n) で、条件 0 < ¯ − 0.4¯ 5 1 をみたすもののうち、m が最も小さい m 100 組 (m, n) を求めよ。 1996 (1) 2 つの自然数の組 (a, b) は条件 a < b かつ 1 + 1 < 1 をみたす。このような組 (a, b) のう a b 4 ち、b の最も小さいものをすべて求めよ。 (2) 3 つの自然数の組 (a, b, c) は条件 a < b < c かつ 1 + 1 + 1 < 1 をみたす。このような a b c 3 組 (a, b, c) のうち、c の最も小さいものをすべて求めよ。 1997 n すべての正の整数 n に対して 5 + an + b が 16 の倍数となるような 16 以下の正の整数 a、b を 求めよ。 1998 正の整数 n を 8 で割った余りを r(n) とおく。 4 4 正の整数の組 (a, b) は条件 0 < a − r(a) < r(b)、0 < b − r(b) < r(ab) をみたすとする。 3 3 (1) a − r(a) と r(b) を求めよ。 (2) a、b を求めよ。 1999 p、q は素数で、p < q とする。 (1) 1 + 1 = 1 をみたす整数 r は存在しないことを示せ。 p q r (2) 1 − 1 = 1 をみたす整数 r が存在するのは、p = 2、q = 3 のときに限ることを示せ。 p q r 2000 a、b、c、d を正の整数とする。複素数 w = a + bi、z = c + di が w2 z = 1 + 18i をみたす。a、 b、c、d を求めよ。 2001 a、b を整数とする。3 次方程式 x3 +ax2 +bx−1 = 0 は 3 実解 α、β 、γ を持ち、0 < α < β < γ < 3 で、α、β 、γ のうちどれかは整数である。a、b を求めよ。 D 6 2002 k 、x、y は正の整数とする。三角形の 3 辺の長さが k 、 k 、 1 で、周の長さが 25 である。 x y xy 16 k 、x、y を求めよ。 2003 (1) 正の整数 n で n3 + 1 が 3 で割り切れるものをすべて求めよ。 (2) 正の整数 n で nn + 1 が 3 で割り切れるものをすべて求めよ。 2004 a、b、c は整数で、a < b < c をみたす。放物線 y = x2 上に 3 点 A(a, a2 )、B(b, b2 )、C(c, c2 ) をとる。 √ (1) ∠BAC = 60◦ とはならないことを示せ。ただし、 3 が無理数であることを証明なしに用い てよい。 (2) a = −3 のとき、∠BAC = 45◦ となる組 (b, c) をすべて求めよ。 2005 k は整数であり、3 次方程式 x3 − 13x + k = 0 は 3 つの異なる整数解をもつ。k とこれらの整 数解をすべて求めよ。 2006 次の条件 (a)、(b) をともにみたす直角三角形を考える。ただし、斜辺の長さを p、その他の 2 辺の長さを q 、r とする。 (a) p、q 、r は自然数で、そのうちの少なくとも 2 つは素数である。 (b) p + q + r = 132 (1) q 、r のどちらかは偶数であることを示せ。 (2) p、q 、r の組をすべて求めよ。 2007 m を整数とし、f (x) = x3 + 8x2 + mx + 60 とする。 (1) 整数 a と、0 でない整数 b で、f (a + bi) = 0 をみたすものが存在するような m をすべて求め よ。ただし、i は虚数単位である。 (2) (1) で求めたすべての m に対して、方程式 f (x) = 0 を解け。 2008 k を正の整数とする。5n2 − 2kn + 1 < 0 をみたす整数 n が、ちょうど 1 個であるような k を すべて求めよ。 E 7 2009 2 以上の整数 m、n は m3 + 13 = n3 + 103 をみたす。m、n を求めよ。 2010 実数 p、q 、r に対して、3 次多項式 f (x) を f (x) = x3 + px2 + qx + r と定める。実数 a、c、お よび 0 でない実数 b に対して、a + bi と c はいずれも f (x) = 0 の解であるとする。ただし、i は 虚数単位を表す。 (1) y = f (x) のグラフにおいて、点 (a, f (a)) における接線の傾きを s(a) とし、点 (c, f (c)) にお \ c のとき、s(a) と s(c) の大小を比較せよ。 ける接線の傾きを s(c) とする。a = (2) さらに、a、c は整数であり、b は 0 でない整数であるとする。次を証明せよ。 (i) p、q 、r はすべて整数である。 (ii) p が 2 の倍数であり、q が 4 の倍数であるならば、a、b、c はすべて 2 の倍数である。 2011 ¶ ³ ´µ (1) 自然数 x、y は、1 < x < y および、 1 + 1 1 + 1 = 5 を満たす。x、y の組をすべて x y 3 求めよ。 ¶³ ³ ´µ ´ (2) 自然数 x、y 、z は、1 < x < y < z および、 1 + 1 1+ 1 1 + 1 = 12 を満たす。 x y z 5 x、y 、z の組をすべて求めよ。 2012 ◦ 1 つの角が 120 の三角形がある。この三角形の 3 辺の長さ x、y 、z は x < y < z を満たす整 数である。 (1) x + y − z = 2 を満たす x、y 、z の組をすべて求めよ。 (2) x + y − z = 3 を満たす x、y 、z の組をすべて求めよ。 (3) a、b を 0 以上の整数とする。x + y − z = 2a 3b を満たす x、y 、z の組の個数を a、b で表せ。 2013 3 2 2 3 3p − p q − pq + 3q = 2013 を満たす正の整数 p、q の組をすべて求めよ。 F 8 1.3 ヒントと解答 1995 |5n − 2m| \ 0 ならば、|5n − 2m| = 1 から、 0< 5 1 と変形。5n − 2m は整数値より、5n − 2m = m 20 m の範囲を絞り込むと、m = 20。後は条件をみたす m、n が見つかるまで順に調べていく。 答え m = 22、n = 9 1996 a < b より 1 > a 1 > 1 + 1 > 4 a b 1 である。この不等式を使って、b の範囲を絞り込むと、 b 1 + 1 = 2 =⇒ b > 8 となるから、b = 9 として a を求める。 b b b 答え (1) (8, 9) (2) (8, 9, 11)、(8, 10, 11)、(9, 10, 11) 1997 f (n) = 5n + an + b とする。f (1) と f (2) が 16 の倍数であることが必要条件である。このとき、 f (2) − f (1) も 16 の倍数となっていることから a が決まる。すると b も決まる。この a、b に対して、 f (n) が 16 の倍数となることを数学的帰納法でしめし、十分性を確認する。 答え a = 12、b = 15 1998 r(a) や r(b) は 0 以上 7 以下の整数であること、a − r(a) は 8 の倍数であることに気づく。 ³ ´ また、r(ab) = r r(a)r(b) である。 答え (1) a − r(a) = 8、r(b) = 7 (2) a = 9、b = 15 1999 (1) 存在すると、p や q が素数であることに反する矛盾を示す。背理法 (2) 連続する素数は、2 と 3 しかない。 2000 複素数平面を学習していた頃の入試問題。現行課程では数学 III の内容。 複素数 α、β について、α = β =⇒ |α| = |β| が成り立つ。逆は成り立たない。 |w2 z| = |w|2 |z| = |1 + 18i| の必要条件から攻めると答えの候補が見つかる。 別解として、 w2 z を計算して実部と虚部比較する方法でもできるが、計算がハード。 ( 1 (a2 − b2 )c − 2abd = 1 ···° 2 2 2 ((a − b )d + 2bac = 18 · · · ° 1 より、a > b で、a2 − b2 と c は奇数であり、さらに° 2 から d は偶数である。 ° 2 2 から、4 + 3d 5 18 となり、 a = 2、b = 1、c = 1 より、2abc = 4。さらに、(a − b2 )d = 3d。° 2 2 2 ° d = 2、4 を得る。d = 4 のとき、 から、2(a − b ) + abc = 9 となり、abc = 2 を考えると、a = 2、 b = 1 が必要となる。しかし、その場合の c が自然数とならないので不適。d = 2 のとき、同様に考え る。 答え (1) a = 2、b = 1、c = 3、d = 2 G 9 2001 整数解は 1 か 2 である。それぞれの場合、他の 2 解の条件を調べる。ただし、x = 2 の場合は、奇 偶性に着目すると他の 2 解を調べなくてもよい。 答え a = −4、b = 4 2002 x 5 y と大小関係を定めると、3 辺の大小関係は 1 5 k 5 k となる。三角形の辺の条件から、 xy y x x = y を導く。周の長さから得られる整数方程式を解く。 答え k = 3, x = y = 4 2003 n を 3 の剰余系に分けて論ずる。(2) は二項定理を利用するとよい。 答え (1) n = 3k − 1 (k = 1, 2, 3, · · · ) (2) n = 6k − 1 (k = 1, 2, 3, · · · ) 2004 直線 y = mx と x 軸の正の向きとのなす角を θ とすると、tan θ = m。 tan の加法定理利用。 答え (b, c) = (2, 3)、(3, 4) 2005 3 次方程式の解と係数の関係利用。変数を 1 つ消去し、2 変数の整数方程式を得る。それを平方完成 して、整数解の範囲を絞る。3 つの解の大小関係を定めるとよい。 別解としては、k = −x3 + 13x として、f (x) = −x3 + 13x のグラフを描いて、その格子点を調べる と速い。 答え (3 つの整数解, k) = (4, −1, −3, −12)、(−4, 1, 3, 12) 2006 (a) の条件から q と r の少なくとも一方は素数であるから、q を素数として論じる。(r が素数の場合 もあとで論じる) q が 2 以外の素数であることを示せば、奇数であることわかる。次に、r が偶数であることを示す。 答え (p, q, r) = (61, 60, 11)、(61, 11, 60) 2007 実数係数の方程式で複素数解を持てば、その共役な複素数解も持つことを利用し、3 次方程式の解 と係数の関係を利用して、(a + 4)(a2 + b2 ) = 30 を導く。(2) も同時に解ける。 f (a + bi) = 0 の実部と虚部を比較した 2 式から m を消去してしても可能。その場合、(2) は因数定 理を用いると大変。m = −43 のときなどは、x = −12 まで代入しないと見つからない。(1) の結果か ら虚数解がわかるので、それから 2 次方程式をつくり、f (x) をその 2 次式で割ることで残りの実数解 を求める。 答え m = −43 のとき、解は x = −12, 2 ± i。m = 22 のとき、解は x = −6, −1 ± 3i H 10 2008 方程式の解を α、β (α < β) とすると、不等式の解は α < n < β となる。必要条件として、D > 0 であることと、β − α 5 2 であることから、3 5 k 5 5 を得る。k = 3、4、5 について、十分性の確認 を行う。 答え k = 4、5 2009 (m − n)(m2 + mn + n2 ) = 33 × 37 と変形する。m = 2、n = 2 より、m2 + mn + n2 = 12 とひと工 夫するだけでも、組合せは限定される。 答え m = 12、n = 9 2010 実数係数の方程式で複素数解を持てば、その共役な複素数解も持つことを利用し、3 次方程式の解 と係数の関係を利用。接線の傾きは微分係数。(2) は a2 + b2 が 4 の倍数となることを述べ、a、b の奇 偶を場合分けして論じる。 答え s(a) < s(c) 2011 「整数の変数の積 = 整数」の典型に変形。(2) については、文字数が多いので、不等式で値を絞り 込んだほうがよい。 答え (1) (2, 9)、(3, 4) (2) (2, 3, 5) 2012 余弦定理を立てて、z を消去して整数方程式。(3) については、2x 3y の約数の個数が (x + 1)(y + 1) 個となることなどを利用。AB > 0 のとき、A > 0 かつ B > 0 と A < 0 かつ B < 0 がある。A < 0 か つ B < 0 の場合の個数が 0 個となることを示すのが難しい。 答え (1) (5, 16, 19)、(6, 10, 14)、(7, 8, 13) (2) (7, 33, 37)、(9, 15, 21)(3) (2a + 1)(b + 1) 個 2013 「整数の変数の積 = 整数」の典型に変形。2013 = 3 × 11 × 61 より、工夫しないと考える組 み合わせ数は多い。p + q = a、pq = b として、p、q の実数性に着目して、絞り込むとよい。 答え (1) (2, 9)、(9, 2) I 11 J 12 第 2 章 微分・積分 2.1 重要事項のまとめ 1. 解と係数の関係 1 : 2 次方程式 ax2 + bx + c = 0 (a = \ 0) の解を α、β とすると、 ° α + β = αβ = 問 証明せよ。 2 : 3 次方程式 ax3 + bx2 + cx + d = 0 (a = \ 0) の解を α、β 、γ とすると、 ° α + β + γ = αβ + βγ + γα = αβγ = 2. 基本対称式の変形 (β − α)2 = (α + β)2 − 4αβ の変形は、この分野では頻出事項。 3. 恒等式 \ 0) と g(x) = mx + n とする。放物線 y = f (x) と直線 y = g(x) が異 f (x) = ax2 + bx + c (a = なる 2 点 P、Q で交わり、その交点の x 座標をそれぞれ α、β とする。 このとき、f (x) − g(x) = a(x − α)(x − β) となる。 \ 0) と g(x) = mx + n とする。3 次関数 y = f (x) と直線 y = g(x) f (x) = ax3 + bx2 + cx + d (a = が点 P で接し、点 Q で再び交わり、その交点の x 座標をそれぞれ α、β とする。 このとき、f (x) − g(x) = a(x − α)2 (x − β) となる。 y = f (x) y = f (x) y = g(x) P Q Q y = g(x) P K α β x x α β 13 問 3 次方程式 x3 − 3x − k = 0 の解を α、β 、γ とする。このとき、(k − α)(k − β)(k − γ) の 値を k を用いて表せ。 問 曲線 y = x3 − 3x2 と、x = α におけるその曲線上の接線との交点の x 座標を β とする。β を α を用いて表せ。 L 14 4. 放物線と直線で囲まれる図形の面積 問 y = ax2 + bx + c (a > 0) と直線 y = mx + n が異なる 2 点 P、Q で交わり、その交点の x 座標をそれぞれ α、β とする。放物線と直線によって囲まれる図形の面積を求めよ。 Q P α M β 15 5. 円と放物線の位置関係 2 点で接する 4 点で交わる 3 点で交わる 2 点で交わる (y の値が重解) ( x2 + y 2 = 1 問 次の円と放物線 が共有点を持つ条件を求めよ。 y = x2 + k 交わらない 1 点で接する 6. すべての実数 x に対して、不等式 ax2 + bx + c > 0 が成り立つ条件 a > 0 かつ D < 0 と決めつけてはいけない。 2 次不等式とは限らないので、a = 0 かつ b = 0 かつ c > 0 の場合もあり得る。 7. 方程式 f (x) = k (定数) の実数解の個数 1 : y = f (x) − k を微分し、その増減を直接調べる。 ° ( y = f (x) 2 : f (x) = k の実数解 ⇐⇒ ° のグラフの交点の x 座標と考える。 y=k 2 で考えた方が分かりやすいが、問題によっては ° 1 が良いときもある。 ° N 16 8. 単調増加関数・単調減少関数の性質 y = f (x) が単調増加関数とする。このとき、α 5 β ⇐⇒ f (α) 5 f (β) y = f (x) が単調減少関数とする。このとき、α 5 β ⇐⇒ f (α) = f (β) y y f (β) f (α) f (β) f (α) O α β x O x α β 9. 直線や曲線の通過領域 問 t が実数のとき、y = O 3 (x − t)2 − t2 − 1 が通過する領域を xy 平面上に図示せよ。 4 17 2.2 実践演習 1996 y 軸上の点 (0, a) を中心とする半径 r の円は、放物線 y = 1 x2 と異なる 2 つの点で接する。す 2 なわち 2 つの共有点を持ち、おのおのの共有点で、円に引いた接線と放物線に引いた接線が一致 する。 (1) このような円が存在する r の範囲を求めよ。 (2) a を r で表せ。 (3) r = 2 のとき、円と放物線とで囲まれる部分の面積を求めよ。 1997 2 平面上に放物線 y = x − 5x + 6 と直線 y = kax − a2 − 5a がある。 (1) すべての実数 a に対して、放物線と直線が異なる 2 点で交わるような定数 k の範囲を求めよ。 (2) (1) で求めた範囲にあって、放物線と直線で囲まれる部分の面積が a によらず一定になるよう な定数 k を求めよ。 1998 放物線 y = x2 上の点 A(a, a2 ) における接線 ` と、点 B(b, b2 ) における接線 m との交点を C とおく。ただし、a < b とする。 (1) 2 直線 `、m と放物線 y = x2 とで囲まれる部分の面積 S を a と b で表せ。 (2) 点 C が放物線 y = 1 x2 − x − 2 の上を動くときの面積 S の最小値を求めよ。 2 1999 (1) 曲線 y = x3 と直線 y = 3x + a が異なる 3 点で交わるような a の範囲を求めよ。 (2) a が (1) の範囲を動くとき、3 つの交点を A、B、C とし、点 (a, 4a) を D とする。3 つの線 分の長さの積 DA·DB·DC の最大値を求めよ。 2000 c を正の定数とし、f (x) = x3 + 3x2 、g(x) = x3 + 3x2 + c とする。直線 ` は点 P(p, f (p)) で曲 線 y = f (x) と接し、点 Q(q, g(q)) で曲線 y = g(x) と接する。 (1) c を p で表せ。 (2) 直線 ` と曲線 y = f (x) の P 以外の交点を R とする。2 つの線分の長さの比 PQ : QR を求 めよ。 P 18 2003 f (x) = x3 − x2 − x − 1、g(x) = x2 − x − 1 とする。 (1) 方程式 f (x) = 0 はただひとつの実数解を α をもつことを示せ。また、1 < α < 2 であること を示せ。 (2) 方程式 g(x) = 0 の正の解を β とする。α と β の大小を比較せよ。 (3) α2 と β 3 の大小を比較せよ。 2004 a は実数とし、f (x) = x3 + ax2 − 8a2 x、g(x) = 3ax2 − 9a2 x とする。 (1) 曲線 y = f (x) と y = g(x) の共有点 P において両方の曲線と接する直線が存在する。このと き P の座標を a で表せ。 (2) 次の条件 (i) および (ii) をみたす直線 ` が 3 本存在するような点 (u, v) の範囲を図示せよ。 (i) ` は点 (u, v) を通る。 (ii) ` は曲線 y = f (x) と y = g(x) の共有点 P において両方の曲線と接する。 2005 a を定数とし、x の 2 次関数 f (x)、g(x) を次のように定める。 2 f (x) = x2 − 3、g(x) = −2(x − a)2 + a 3 (1) 2 つの放物線 y = f (x) と y = g(x) が 2 つの共有点をもつような a の範囲を求めよ。 (2) (1) で求めた範囲に属する a に対して、2 つの放物線によって囲まれる図形を Ca とする。Ca の面積を a で表せ。 (3) a が (1) で求めた範囲を動くとき、少なくとも 1 つの Ca に属する点全体からなる図形の面積 を求めよ。 2006 3 a、b を正の定数とする。関数 y = x − ax のグラフと、点 (0, 2b3 ) を通る直線はちょうど 2 点 P、Q を共有している。ただし、P の x 座標は負、Q の x 座標は正である。 (1) 直線 PQ の方程式を a と b で表せ。 (2) P および Q の座標を a と b で表せ。 (3) ∠POQ = 90◦ となる b が存在するような a の値の範囲を求めよ。ただし、O は原点とする。 2007a a を定数とし、f (x) = x3 − 3ax2 + a とする。x 5 2 の範囲で f (x) の最大値が 105 となるよう な a をすべて求めよ。 Q 19 2007b 放物線 y = ax2 + bx (a > 0) を C とする。C 上に異なる 2 点 P、Q をとり、その x 座標をそれ ぞれ p、q (0 < p < q) とする。 (1) 線分 OQ と C で囲まれた部分の面積が 4OPQ の面積の 3 倍であるとき、p と q の関係を求 2 めよ。ただし、O は原点とする。 (2) Q を固定して P を動かす。4OPQ の面積が最大となるときの p を q で表せ。また、そのと きの 4OPQ の面積と、線分 OQ と C で囲まれた部分の面積との比を求めよ。 2009 (1) 任意の角 θ に対して、−2 5 x cos θ + y sin θ 5 y + 1 が成立するような点 (x, y) の全体から なる領域を xy 平面上に図示し、その面積を求めよ。 (2) 任意の角 α、β に対して、−1 5 x2 cos α + y sin β 5 1 が成立するような点 (x, y) の全体から なる領域を xy 平面上に図示し、その面積を求めよ。 2010 a を実数とする。傾きが m である 2 つの直線が、曲線 y = x3 − 3ax2 とそれぞれ点 A、点 B で 接している。 (1) 線分 AB の中点を C とすると、C は曲線 y = x3 − 3ax2 上にあることを示せ。 (2) 直線 AB の方程式が y = −x − 1 であるとき、a、m の値を求めよ。 2011 xy 平面上に放物線 C : y = −3x2 + 3 と 2 点 A(1, 0)、P(0, 3p) がある。線分 AP と C は、A と は異なる点 Q を共有している。 (1) 定数 p の存在する範囲を求めよ。 (2) S1 を C と線分 AQ で囲まれた領域とし、S2 を C 、線分 QP、および y 軸とで囲まれた領域 とする。S1 と S2 の面積の和が最小となる p の値を求めよ。 2012a a を 0 以上の定数とする。関数 y = x3 − 3a2 x のグラフと方程式 |x| + |y| = 2 で表される図形 の共有点の個数を求めよ。 R 20 2012b 定数 a、b、c、d に対して、平面上の点 (p, q) を点 (ap + bq, cp + dq) に移す操作を考える。た \ (1, 0, 0, 1) である。k を 0 でない定数とする。放物線 C : y = x2 − x + k 上の だし、(a, b, c, d) = すべての点は、この操作によって C 上に移る。 (1) a、b、c、d を求めよ。 (2) C 上の点 A における C の接線と、点 A をこの操作によって移した点 A’ における C の接線 は、原点で直交する。このとき、k の値および点 A の座標をすべて求めよ。 2013 原点を O とする xy 平面上に、放物線 C : y = 1 − x2 がある。C 上に 2 点 P(p, 1 − p2 )、 Q(q, 1 − q 2 ) を p < q となるようにとる。 (1) 2 つの線分 OP、OQ と放物線 C で囲まれた部分の面積 S を p、q で表せ。 (2) q = p + 1 であるとき、S の最小値を求めよ。 (3) pq = −1 であるとき、S の最小値を求めよ。 S 21 T 22 2.3 ヒントと解答 1996 y についての 2 次方程式が正の重解を持つ。 (1) r > 1 √ (3) 3 3 − 4 π 3 2 (2) a = r + 1 2 1997 連立して D > 0。その結果は 2 次不等式とは限りません。a によらず ⇐⇒ a についての恒等式。 (1) 2 5 k < 13 6 (2) k = 2 1998 C を (x, y) として、条件から S を x で表して考えるとよい。 √ 6 (1) 1 (b − a)3 (2) 12 2 1999 A(α, 3α + a)、B(β, 3β + a)、C(γ, 3γ + a) として考える。 √ 160 30 (1) −2 < a < 2 (2) 9 2000 R(r, f (r)) とすると、f (x) − ` = (x − p)2 (x − r)。g(x) と ` の Q 以外の交点の x 座標を t とすると、 f (x) + c − ` = (x − q)2 (x − t)。|q − p| : |r − q| = 1 : x として、x 求める。 (1) c = −4(p + 1)3 (ただし、p < −1) (2) 2 : 1 2003 (1) は f (x) の増減を調べる。(2) は f (β) の符号を調べる。(3) は g(α2 ) と g(β 3 ) の大小比較。 (1) 省略 (2) α > β (3) α2 < β 3 2004 直線が 3 本存在 ⇐⇒ a の 3 次方程式が 3 つの異なる実数解をもつ。 ³ ´ (1) P(a, −6a3 ) ただし、a = 0 のときは、g(x) = 0 (2) v 4 u3 + v < 0 の示す領域。図は省略。 9 となるので、除外する考えもある。 2005 y = g(x) の通過領域を考える。 (1) −3 < a < 3 (2) 4 (9 − a2 ) 32 27 √ (3) 4 5 2006 P で接して、Q で交わることを示し、3 次方程式の解と係数の関係利用。x = b2 とおくと、x の 2 次方程式となり、x > 0 の実数解を持つ条件を求める。 (1) y = (3b2 − a)x + 2b3 (3) a = 4 3 U (2) P(−b, ab − b3 )、Q(2b, 8b3 − 2ab) 23 2007a a を場合分けして、増減表で考える。f (2) と極大値のいずれかが最大値。a = −3, 105 2007b b > 0、b = 0、b < 0 のいずれの場合も同じ計算であることを確認。OQ と C で囲まれた面積を S、 OP と C、PQ と C をそれぞれ T、U とすると、4OPQ は S − T − U 、− a (β − α)3 を利用。 6 q 3 (1) q = 3p または q = p (2) p = 、4OPQ : S = 3 : 4 2 2 2009 (1) は合成してから。(2) は cos α、sin β それぞれの最大・最小を考える。 √ (1) グラフ省略。 4 π + 3 (2) グラフ省略。 8 3 3 2010 A、B の x 座標を α、β とおき、解と係数の関係利用。C も直線上。 (1) C(a, −2a3 ) になる。 (2) a = 1、m = 3 2011 (1) 1 5 p < 2 (2) p = 2 − √1 2 2012a 原点対称から、x = 0 または x 5 0 のどちらかで考える。 √ √ √ √ 6 2 3 6 2 3 05a< 、 < a のとき、2 個。a = 、 のとき、4 個。 3 √ 3 3 3 √ 6 2 3 <a< のとき、6 個。 3 3 2012b (1) (a, b, c, d) = (−1, 0, 2, 1) µ√ √ ¶ µ √ √ ¶ 2 2 2 2 1 (2) k = 、 , 1− 、 − , 1+ 2 2 2 2 2 2013 (1) 1 (q − p)(p2 + pq + q 2 + 3) 6 (3) 4 (p = −1、q = 1) 3 (2) 13 (p = − 1 、q = 1 ) 24 2 2 V 24 第 3 章 図形問題 3.1 重要事項のまとめ この章では図形に関する問題を扱います。解答する手段としては、中学で学習した幾何の知識をベー スとして、正弦定理や余弦定理といった数 I の「三角比」で学習した事項、直線や円や領域などを方 程式や不等式で表し、幾何の問題を代数的に解くといった数 II の「図形と方程式」で学習した事項、 そして、数 B の「ベクトル」で学習した事項が中心となります。 1. 三角形の四心 (傍心を除く) A A A || || A 1 ° B O C B 重心 || • C B • 外心 H I || || G || 2 ° C B || 内心 C 垂心 • 重心 G・ ・ ・3 つの中線の交点。 • 外心 O・ ・ ・3 辺の垂直二等分線の交点。外接円の中心。 • 内心 I ・ ・ ・3 つの内角の二等分線の交点。内接円の中心。 • 垂心 H・ ・ ・3 つの頂点からの垂線の交点。 2. 平行・垂直条件 (1) 2 直線 y = m1 x + n1 と y = m2 x + n2 が平行 ⇐⇒ m1 = m2 (2) 2 直線 y = m1 x + n1 と y = m2 x + n2 が垂直 ⇐⇒ m1 × m2 = −1 (3) 2 直線 a1 x + b1 y + c1 = 0 と a2 x + b2 y + c2 = 0 が平行 ⇐⇒ a1 : b1 = a2 : b2 ⇐⇒ a1 b2 = a2 b1 (4) 2 直線 a1 x + b1 y + c1 = 0 と a2 x + b2 y + c2 = 0 が垂直 ⇐⇒ a1 a2 + b1 b2 = 0 ~a = (a1 , a2 )、~b = (b1 , b2 ) とし、|~a| = \ 0、|~ \ 0 とする。 b| = (5) ~a // ~b ⇐⇒ ~a = k~b ⇐⇒ a1 : a2 = b1 : b2 ⇐⇒ a1 b2 = a2 b1 (6) ~a ⊥ ~b ⇐⇒ ~a · ~b = 0 ⇐⇒ a1 b1 + a2 b2 = 0 3. 同一直線上・同一平面上 −→ −→ ・3 点 A、B、C が同一直線上 ⇐⇒ AC = k AB となる実数 k が存在する。 −→ −→ −→ ・4 点 O、A、B、C が同一平面上 ⇐⇒ OC = k OA + `OB となる実数 k 、` が存在する。 W 25 4. 余弦定理 or 内積 問題 AB = 6、BC = 4、CA = 5 の三角形の辺 AB を 1 : 2 の比に内分する点を P とする。CP の長 さを求めよ。 A P B C 5. 三角形の面積 1 bc sin A 2 q 1 |~a|2 |~b|2 − (~a · ~b)2 ・S = 2 q 1 |~a|2 |~b|2 − (~a · ~b)2 を証明せよ。 問題 S = 2 ・S = 1 問題 ~a = (a1 , a2 )、~b = (b1 , b2 ) とする。S = |a1 b2 − a2 b1 | を証明せよ。 2 X 26 6. 直線の対称点 問題 y = 2x に関して、その直線上にない点 P(a, b) の対称点 Q の座標を求めよ。 y x O 7. 最短距離 問題 図の OX 上を点 P が動き、OY 上を点 Q が動くとき、AP + P Q + QA を最小にする 点 P、Q の位置を図示せよ。 X •A O Y 27 8. 点と直線の距離の公式 \ 0、 問題 直線 ` : ax + by + c = 0 と点 A(x1 , y1 ) との (最短) 距離の公式を導け。ただし、a = \ 0 として考えてよい。 b= y • A O x 28 9. 円と放物線の交点 問題 中心が (0, a) で半径 1 の円が放物線 y = x2 と共有点を持つとき、定数 a の値の範囲を 求めよ。 y O x 10. 円上の点 円 x2 + y 2 = r2 上の点は、(r cos θ, r sin θ) とおける。 11. 軌跡と領域 ( x = 2 − cos θ 問題 y = 2t − sin θ (0 5 θ 5 2π, −1 5 t 5 1) のとき、(x, y) の存在範囲を図示せよ。 y O A x 29 12. 最大・最小問題 図形の辺の長さや面積、体積の最大値・最小値問題は特別な点になることが多い。基本的には、 2 次関数なら平方完成。3 次・4 次関数なら微分。t + 1 の形の分数関数なら相加・相乗平均を t 用いる。 4 のとき、p の範囲を求めよ。 問題 実数 p、q が (1 + p2 )(1 + q 2 ) = 3 問題 実数 t > 0 のとき、(t − 1)( 4 − 1) の最大値を求めよ。 3t 13. 不等式 ・|x| ∼ |y| 5 |x + y| 5 |x| + |y| ∼ は大きい方から小さい方の差 例えば、|~x| = 3、|~y| = 2 のとき、1 5 |~x + ~y| 5 5 となる。 ~x と ~y が同じ方向のとき最大値 5。反対方向のとき最小値 1 となる。 ・−|~a||~b| 5 ~a · ~b 5 |~a||~b| ~a · ~b = |~a||~b| cos θ で、−1 5 cos θ 5 1 だから B 30 3.2 実践演習 2013a −→ −→ 平面上の 4 点 O、A、B、C が OA = 4、OB = 3、OC = 2、OB · OC = 3 を満たすとき、4ABC の面積の最大値を求めよ。 2013b t を正の定数とする。原点を O とする空間内に、2 点 A(2t, 2t, 0)、B(0, 0, t) がある。 −→ −→ −→ −→ −→ −→ また動点 P は、OP · AP + OP · BP + AP · BP = 3 を満たすように動く。OP の最大値が 3 となるような t の値を求めよ。 2012 xyz 空間内の平面 z = 2 上に点 P があり、平面 z = 1 上に点 Q がある。直線 PQ と xy 平面の 交点を R とする。 (1) P(0, 0, 2) とする。点 Q が平面 z = 1 上で点 (0, 0, 1) を中心とする半径 1 の円周上を動くと き、点 R の軌跡の方程式を求めよ。 (2) 平面 z = 1 上に 4 点 A(1, 1, 1)、B(1, −1, 1)、C(−1, −1, 1)、D(−1, 1, 1) をとる。点 P が平面 z = 2 上で点 (0, 0, 2) を中心とする半径 1 の円周上を動き、点 Q が正方形 ABCD の周上を動 くとき、点 R が動きうる領域を図示し、その面積を求めよ。 2011a π となるようにとり、θ = ∠AOB 2 とおく。この円周上に点 C を、線分 OC が線分 AB と交わるようにとり、線分 AB 上に点 D を とる。また、点 P は線分 OA 上を、点 Q は線分 OB 上をそれぞれ動くとする。 点 O を中心とする半径 r の円周上に、2 点 A、B を ∠AOB < (1) CP + PQ + QC の最小値を r と θ で表せ。 (2) a = OD とおく。DP + PQ + QD の最小値を a と θ で表せ。 (3) さらに、点 D が線分 AB 上を動くときの DP + PQ + QD の最小値を r と θ で表せ。 2011b a、b、c を正の定数とする。空間内に 3 点 A(a, 0, 0)、B(0, b, 0)、C(0, 0, c) がある。 (1) 辺 AB を底辺とするとき、4ABC の高さを a、b、c で表せ。 (2) 4ABC、4OAB、4OBC、4OCA の面積をそれぞれ S、S1 、S2 、S3 とする。ただし、O は √ 原点である。このとき、 3 S = S1 + S2 + S3 を示せ。 (3) (2) の不等式において、等号が成り立つための条件を求めよ。 C 31 2010 原点 O とする xyz 空間内で、x 軸上の点 A、xy 平面上の点 B、z 軸上の点 C を、次を満たす ように定める。∠OAC = ∠OBC = θ、∠AOB = 2θ、OC = 3 ただし、A の x 座標、B の y 座標、C の z 座標はいずれも正であるとする。さらに、4ABC 内 の点のうち、O からの距離が最小の点を H とする。また、t = tan θ とおく。 (1) 線分 OH の長さを t で表せ。 (2) H の z 座標を t で表せ。 2009a 1 辺の長さが 2 の正三角形 ABC を平面上におく。4ABC を 1 つの辺に関して 180◦ 折り返す という操作を繰り返し行う。辺 BC に関する折り返しを TA 、辺 CA に関する折り返しを TB 、辺 AB に関する折り返しを TC とする。4ABC は、最初 3 点 A、B、C がそれぞれ平面上の 3 点 O、 B’、C’ の上に置かれているとする。 (1) TA 、TC 、TB 、TC 、TA の順に折り返し操作を施したときの頂点 A の移り先を P とする。TA 、 TC 、TB 、TA 、TC 、TB 、TA の順に折り返し操作を施したときの頂点 A の移り先を Q とす る。θ = ∠POQ とするとき、cos θ の値を求めよ。 −→ −−→ −−→ (2) 整数 k 、l に対して、OR = 3k OB’ + 3lOC’ により定められる点 R は、TA 、TB 、TC の折り 返し操作を組合せることにより、点 A の移り先になることを示せ。 2009b p、q を実数とする。放物線 y = x2 − 2px + q が、中心 (p, 2q) で半径 1 の円と中心 (p, p) で半 径 1 の円の両方と共有点をもつ。この放物線の頂点が存在しうる領域を xy 平面上に図示せよ。 2008a a を正の実数とする。点 (x, y) が、不等式 x2 5 y 5 x の定める領域を動くとき、 1 5 (x − a)2 + y 5 2 となる。a の値の範囲を求めよ。 常に 2 2008b 正四面体 OABC の 1 辺の長さを 1 とする。辺 OA を 2 : 1 に内分する点を P、辺 OB を 1 : 2 に内分する点を Q とし、0 < t < 1 をみたす t に対して、辺 OC を t : 1 − t に内分する点を R と する。 (1) PQ の長さを求めよ。 (2) 4PQR の面積が最小となるときの t の値を求めよ。 D 32 2006a 大きさがそれぞれ 5、3、1 の平面上のベクトル ~a、~b、~c に対して、~z = ~a + ~b + ~c とおく。 (1) ~a、~b、~c を動かすとき、|~z| の最大値と最小値を求めよ。 (2) ~a を固定し、~a · ~z = 20 をみたすように ~b、~c を動かすとき、|~z| の最大値と最小値を求めよ。 2006b 座標平面上に 1 辺の長さが 2 の正三角形 ABC がある。ただし、4ABC の重心は原点の位置に あり、辺 BC は x 軸と平行である。また、頂点 A は y 軸上にあって y 座標は正であり、頂点 C の x 座標は正である。直線 y = x に関して 3 点 A、B、C と対称な点をそれぞれ A’、B’、C’ とする。 (1) C’ の座標を求めよ。 (2) 4ABC と 4A’B’C’ が重なる部分の面積を求めよ。 2005 原点を中心とする半径 1 の円を C とし、0 < a < 1、b > 1 とする。A(a, 0) と N(0, 1) を通る 直線が C と交わる点のうち N と異なるものを P とおく。また、B(b, 0) と N を通る直線が C と 交わる点のうち N と異なるものを Q とおく。 (1) P の座標を a で表せ。 (2) AQ // PB のとき、AN·BN= 2 となることを示せ。 (3) AQ // PB、∠ANB = 45◦ のとき、a の値を求めよ。 2004 H を 1 辺の長さが 1 の正六角形とする。 (1) H の中にある正方形のうち、1 辺が H の 1 辺と平行なものの面積の最大値を求めよ。 (2) H の中にある長方形のうち、1 辺が H の 1 辺と平行なものの面積の最大値を求めよ。 2003 a、c を実数とする。 空間内の 4 点 O(0, 0, 0)、A(2, 0, a)、B(2, 1, 5)、C(0, 1, c) は同一平面上にある。 (1) c を a で表せ。 (2) 四角形 OABC の面積の最小値を求めよ。 E 33 2002a a、b、c は 0 以上の実数とする。3 点 A(a, 0)、B(0, b)、C(1, c) は、∠ABC = 30◦ 、∠BAC = 60◦ をみたす。 (1) c を求めよ。 (2) AB の長さの最大値と最小値を求めよ。 2002b 頂点が z 軸上にあり、底面が xy 平面上の原点を中心とする円である円すいがある。この円す いの側面が、原点を中心とする半径 1 の球に接している。 (1) 円すいの表面積の最小値を求めよ。 (2) 円すいの体積の最小値を求めよ。 2001a 放物線 y = x2 上に、直線 y = ax + 1 に関して対称な位置にある異なる 2 点 P、Q が存在する ような a の範囲を求めよ。 2001b −→ −→ −→ −→ −→ −→ −→ 四面体 OAPQ において、|OA| = 1、OA ⊥ OP、OP ⊥ OQ、OA ⊥ OQ で、 ∠PAQ = 30◦ である。 (1) 4APQ の面積 S を求めよ。 −→ (2) |OP| のとりうる範囲を求めよ。 (3) 四面体 OAPQ の体積 V の最大値を求めよ。 2000a 三角すい ABCD において辺 CD は底面 ABC に垂直である。AB = 3 で、辺 AB 上の 2 点 E、 F は AE = EF = FB = 1 をみたし、∠DAC = 30◦ 、∠DEC = 45◦ 、∠DBC = 60◦ である。 (1) 辺 CD の長さを求めよ。 (2) θ = ∠DFC とおくとき、cos θ を求めよ。 2000b −→ −→ −→ −→ 1 −→ 三角形 ABC において、|AC| = 1、AB · AC = k である。辺 AB 上に AD = AB をみたす点 3 −→ −→ D をとる。辺 AC 上に |DP| = 1 |BC| をみたす点 P が 2 つ存在するための k の条件を求めよ。 3 F 34 1999 −→ −→ −→ 三角形 ABC において、|AB| = 4、|AC| = 5、|BC| = 6 である。辺 AC 上の点 D は BD ⊥ AC をみたし、辺 AB 上の点 E は CE ⊥ AB をみたす。CE と BD の交点を H とする。 −→ −→ (1) AD = rAC となる実数 r を求めよ。 −→ −→ −→ (2) AH = sAB + tAC となる実数 s、t を求めよ。 1998 4ABC の 3 辺 BC、CA、AB を t : 1 − t の比に内分する点をそれぞれ A1 、B1 、C1 とおき、 4A1 B1 C1 の 3 辺 B1 C1 、C1 A1 、A1 B1 を t : 1 − t の比に内分する点を A2 、B2 、C2 とおく。た だし、0 < t < 1 とする。 (1) 4A2 B2 C2 の辺 B2 C2 が 4ABC のいずれかの辺と平行となる t の値を求めよ。 (2) (1) のとき、4A2 B2 C2 は 4ABC に相似であることを示し、その相似比を求めよ。 1997 原点を中心とする半径 r の円と放物線 y = 交するものがある。r の値を求めよ。 G 1 x2 + 1 との両方に接する直線のうちに、互いに直 2 35 3.3 ヒントと解答 2013a 内積から ∠BOC = 60◦ 。O を原点とする座標平面上に B(3, 0)、C(1, √ 3) と設定し、中心 O で半径 4 の円上を動く点 A を図形的に考える。 別解として、A(4 cos θ, 4 sin θ) として、三角関数の合成利用する。 √ √ 3 3+4 7 2 2013b ベクトル方程式を変形して、P が球面上にあることを示す。球の中心 C と原点 O、点 P の位置関係 から t を求める。 t= 4 3 2012 −→ −→ R(x, y, 0)、Q(s, t, 1) とする。s2 + t2 = 1、PR = 2PQ から。(2) は AB 上を点 Q が動くとして R の 範囲を求め、対称性を利用。 (1) x2 + y 2 = 4, z = 0 (2) 図は省略。π + 28 2011a 点 C の OA、OB に対する対称点をとって考える。 (1) 2r sin θ (2) 2a sin θ 2011b CH⊥AB となる点 H を AB 上にとって考える。 r a2 b2 + b2 c2 + c2 a2 (1) (2) 省略 a2 + b2 (3) 2r sin θ cos θ 2 (3) a = b = c のとき 2010 4OAB を底面、高さを OC として四面体の体積を求め、さらに、4ABC の面積を求めてから OH を求めるのが一般的であるが、4ADC が AC=BC の二等辺なので、H の位置が AB の垂直二等分線 上にあることがわかるので相似利用。 3 (1) OH= √ (2) z = 4 32 t +t +1 t4 + t 2 + 1 2009a √ −→ −−→ −−→ −→ −−→ −−→ 丁寧に図を描く。B’(2, 0)、C’(1, 3) として考える。OP = 2OB’ + 2OC’、OQ = 4OB’ + OC’ であ −−→ −−→ −−→ −−→ る。3OB’ や −3OB’ は TA 、TB 、TC で表せる。3OC’ や −3OC’ についても同様。 √ 5 7 (1) cos θ = (2) 省略 14 2009b 放物線の軸上に中心のある半径 1 の円と放物線の交点問題。 −1 5 2x2 + y 5 5 かつ −1 5 x − y 5 5 の表す領域。 4 4 H 36 2008a x2 5 y 5 x の領域が 1 5 (x − a)2 + y 5 2 の領域に含まれればよい。 2 2008b 余弦定理か、ベクトルの内積。S = 下して考えてもよい。 (1) √1 3 1 2 15a5 √ 2 q |~a|2 |~b|2 − (~a · ~b)2 利用してもよいし、R から PQ に垂線を (2) t = 2 11 2006a 大きさは 2 乗で考える。 (1) 最大値は 9、最小値は 1 (2) 最大値は √ 31、最小値は √ 19 2006b 丁寧に図を描く。y = x の対称点。 µ √ ¶ 3 (1) C’ − , 1 3 (2) 3 − √ 3 2005 (3) は余弦定理がよい。角度の問題は tan の加法定理を用いるのが常套だが、a4 + 4a − 1 = 0 とい う 4 次方程式が出てくる。 µ ¶ 2 2a a − 1 (1) P (2) 省略 , a2 + 1 a2 + 1 p √ √ q p √ √ − 2+ 4 2−2 (3) a = または、a = 2− 2 2−1 、 2 2004 図を描いてみると、頂点が周上にあるときに最大になることに気づく。 √ √ (1) 12 − 6 3 (2) 3 2003 q −→ −→ −→ OC = sOA + tOB と表せる。S = 1 |~a|2 |~b|2 − (~a · ~b)2 利用。 2 √ (1) c = −a + 5 (2) a = 4 のとき、2 6 2002a ∠AOB = ∠ACB = 90◦ より、4 点は同一円周上にある。よって、∠AOC = ∠ABC = 30◦ となる。 4ABC は相似形より、AB の最大最小は AC が最大最小となる時と同じ。 √ √ 4 3 2 3 1 (1) c = √ (2) 最大値 、最小値 3 3 3 I 37 2002b x = 0 での断面図を描く。 (1) 4π √ (2) 3 π 2 2001a P(p, p2 )、Q(q, q 2 ) として、p、q を解とする 2 次方程式が異なる 2 つの実数解をもつ。 a < − √1 、 √1 < a 2 2 2001b 座標空間に丁寧に図を描く。 √ 3 (1) 6 −→ (2) 0 < |OP| < √1 3 (3) √ 2 3−3 18 2000a CD = x とすると、AC、EC、BC が x で表せる。4ABC と 4ACE で余弦定理。 √ 3 5 (1) CD = (2) cos θ = √1 5 10 2000b −→ −→ AP = tAC として、t の 2 次方程式の解について調べる。 1 5 k 5 2、k = \ 1 2 1999 −→ −→ まず、AB · AC を求める。 (1) r = 1 10 (2) s = 1 、t = 3 7 35 1998 −→ −→ AB = ~b、AC = ~c として、始点 A からの各点の位置ベクトルを求めるか、頂点以外の点 O を始点 として考えてもよい。 (1) t = 1 、1 、2 (2) 1 : 4 と 1 : 3 3 2 3 1997 放物線上の x = a、x = b における接線の方程式を立てて、円の中心との距離が半径と直交条件。 √ √ 3 2 r= 、 2 4 J 38 第 4 章 場合の数と確率 4.1 重要事項のまとめ 1. n Pr , n Cr の公式 n Pr = n(n − 1)(n − 2) · · · (n − r + 1) = n Pn = n(n − 1)(n − 2) · · · 3 · 2 · 1 = n! n Cr = n Pr r! = n! (n − r)! n(n − 1)(n − 2) · · · (n − r + 1) n! = r(r − 1) · · · 3 · 2 · 1 r!(n − r)! 0! = n P0 = nC0 = 1 n Cn−r = n Cr n Cr = n−1 Cr + n−1 Cr−1 2. 集合と確率 P (A ∪ B) = P (A) + P (B) − P (A ∩ B) P (A ∩ B) = P (A) · P (B) P (A) = 1 − P (A) A∪B =A∩B 和の法則 独立のとき 余事象 A∩B =A∪B ド・モルガンの法則 3. 二項定理・多項定理 ・(a + b)n = n C0 an + n C1 an−1 b + n C2 an−2 b2 + · · · + n Cn−1 abn−1 + n Cn bn 一般項は n Ck ak bn−k (k = 0, 1, 2, · · · , n) ・(a + b + c)n の一般項は n! ap bq cr ただし、p + q + r = n p! q! r! 4. 同じものを並べる順列 n 個の赤玉と m 個の白玉を 1 列に並べる順列の総数は、 (m + n)! = m+n Cm n! · m! 5. 反復試行 (独立試行) の確率 確率 p の事象が n 回中 r 回起こる確率は n Cr pr (1 − p)n−r 6. 期待値の公式 E(X) = n X X k pk = X 1 p1 + X 2 p 2 + · · · + X n pn k=1 E(X + Y ) = E(X) + E(Y ) E(aX + bY ) = aE(X) + bE(Y ) X と Y が独立のとき、E(XY ) = E(X) × E(Y ) 7. 実験して規則性を捉える 8. 対等性の利用 9. n = 1, 2 などが特別な場合にあたるかどうかのチェック K 39 10. X の公式 n X (1) 1= (3) k=1 n X k2 = k=1 (5) n X (2) ark−1 = k=1 n X 問 (4) k=1 n X k= k3 = k=1 (n − k + 1) = k=1 n X n X k を示せ。 k=1 11. f (n) の大小比較 f (n + 1) − f (n) の差を考えるほかに、f (n) > 0 のときは、 f (n + 1) > 1 ⇐⇒ f (n + 1) > f (n) f (n) f (n + 1) もある。 f (n) f (n + 1) < 1 ⇐⇒ f (n + 1) < f (n) f (n) 問 f (k) = n Ck を最大にする k を n で表せ。 L 40 12. a > b > c となる場合の数 (1) 1、2、3、4、5 の数字から 3 つ選んで 3 ケタの数 abc をつくる。 このとき、a > b > c となっている確率を求めよ。 (i) 数え上げる方法で解く。 (ii) 対応を考えて計算で解く。 (2) 1、2、3、4 の数字から重複を許して 3 つ選んで 3 ケタの数 abc をつくる。 このとき、a 5 b 5 c となっている確率を求めよ。 (i) 数え上げる方法で解く。 (ii) 対応を考えて計算で解く。 M 41 13. x + y + z = n の自然数解の個数 (1) n を自然数とする。x + y + z = n をみたす自然数 (x, y, z) の組はいくつあるか。 (i) 直線上の格子点の数を集めるアイデアで解く。 (ii) 対応を考えて解く。(区切りの位置を選ぶ。しきり棒のアイデア。) N 42 14. x + y + z 5 n の整数解の個数 (1) n を自然数とする。x + y + z 5 n をみたす負でない整数 (x, y, z) の組はいくつあるか。 (i) 平面上の格子点の数を集めるアイデアで解く。 (ii) 対応を考えて解く。ダミーのアイデア。 O 43 15. 漸化式の解法 (1) p1 = 5 、pn+1 = 1 pn + 1 8 8 2 (2) a1 = 1、b1 = 0、an+1 = 1 an + 1 bn 、an + bn = 2 3 ³ 5 6 ´n−1 P 44 4.2 実践演習 2013 一橋 サイコロを n 回投げ、k 回目に出た目を ak とする。また、sn を sn = n X 10n−k ak で定める。 k=1 (1) sn が 4 で割り切れる確率を求めよ。 (2) sn が 6 で割り切れる確率を求めよ。 (3) sn が 7 で割り切れる確率を求めよ。 2012 一橋 最初に 1 の目が上面にあるようにサイコロが置かれている。その後、4 つの側面から 1 つの面 を無作為に選び、その面が上面となるように置き直す操作を n 回繰り返す。なお、サイコロの向 かい合う面の目の和は 7 である。 (1) 最後に 1 の面が上面にある確率を求めよ。 (2) 最後に上面にある目の数の期待値を求めよ。 2011 一橋 A と B の2人が、1 個のサイコロを次の手順により投げ合う。1 回目は A が投げる。1、2、3 の目が出たら、次の回には同じ人が投げる。4、5 の目が出たら次の回には別の人が投げる。6 の 目が出たら、投げた人の勝ちとしそれ以降は投げない。 (1) n 回目に A がサイコロを投げる確率 an を求めよ。 (2) ちょうど n 回目のサイコロ投げで A が勝つ確率 pn を求めよ。 (3) n 回以内のサイコロ投げで A が勝つ確率 qn を求めよ。 1999 一橋 箱 A、箱 B のそれぞれに赤玉が 1 個、白玉が 3 個、合計 4 個ずつ入っている。1 回の試行で箱 A の玉 1 個と箱 B の玉 1 個を無作為に選び交換する。この試行を n 回繰り返した後、箱 A に赤 玉が 1 個、白玉が 3 個入っている確率 pn を求めよ。 2010 一橋 n を 3 以上の自然数とする。サイコロを n 回投げ、出た目の数をそれぞれ順に X1 、X2 、· · · 、 Xn とする。i = 2, 3, · · · , n に対して Xi = Xi−1 となる事象を Ai とする。 (1) A2 、A3 、· · · 、An のうち少なくとも 1 つが起こる確率 pn を求めよ。 (2) A2 、A3 、· · · 、An のうち少なくとも 2 つが起こる確率 qn を求めよ。 Q 45 2002 一橋 最初の試行で 3 枚の硬貨を同時に投げ、裏が出た硬貨を取り除く。次の試行で残った硬貨を同 時に投げ、裏が出た硬貨を取り除く。以下この試行をすべての硬貨が取り除かれるまで繰り返す。 (1) 試行が 1 回目で終了する確率 p1 、および 2 回目で終わる確率 p2 を求めよ。 (2) 試行が n 回以上行われる確率 qn を求めよ。 2000 一橋 1 個のサイコロを n 回投げる。 (1) n = 2 のとき、1 の目が少なくとも 1 回出て、かつ 2 の目も少なくとも 1 回出る確率を求めよ。 (2) n = 3 のとき、1 の目が少なくとも 2 回出て、かつ 2 の目も少なくとも 1 回出る確率を求めよ。 2008 一橋 n を 3 以上の整数とする。2n 枚のカードがあり、そのうち赤いカードの枚数は 6、白いカード の枚数は 2n − 6 である。これら 2n 枚のカードを箱 A と箱 B に n 枚ずつ無作為に入れる。2 つ の箱の少なくとも一方に赤いカードがちょうど k 枚入っている確率を pk とする。 (1) p2 を n の式で表せ。さらに、p2 を最大にする n をすべて求めよ。 (2) p1 + p2 < p0 + p3 をみたす n をすべて求めよ。 2007 一橋 1 が書かれたカードが 1 枚、2 が書かれたカードが 1 枚、· · · 、n が書かれたカードが 1 枚の全 部で n 枚のカードからなる組がある。この組から 1 枚を抜き出し元に戻す操作を 3 回行う。抜き 出したカードに書かれた数を a、b、c とするとき、得点 X を次の規則に従って定める。 (i) a、b、c がすべて異なるとき、X は a、b、c のうちの最大でも最小でもない値とする。 (ii) a、b、c のうちに重複しているものがあるとき、X はその重複した値とする。 1 5 k 5 n をみたす k に対して、X = k となる確率を pk とする。 (1) pk を n と k で表せ。 (2) pk が最大となる k を n で表せ。 R 46 2003 一橋 1 が書かれたカードが 2 枚、2 が書かれたカードが 2 枚、· · · 、n が書かれたカードが 2 枚の合 計 2n 枚のカードがある。カードをよく混ぜ合わした後、1 枚ずつ左から順に並べる。このとき、 カードに書かれている数の列を a1 , a2 , · · · , a2n とする。ak = ak+1 (1 5 k < 2n) となる最小の k を X とする。 (1) X = 1 となる確率を求めよ。 (2) X = n となる確率を求めよ。 (3) m は 1 5 m < n をみたす整数とする。X = m となる確率を求めよ。 2001 一橋 1 から n までの数字を 1 つずつ書いた n 枚のカードがある。ただし、n = 2 とする。 (1) この n 枚のカードから一度に 2 枚選び、大きい方の数字を X とする。X の期待値 E1 を求 めよ。 (2) この n 枚のカードから 1 枚選び、その数字を X1 とする。そのカードを元に戻し、改めて 1 枚選び、その数字を X2 とする。X1 と X2 の小さくない方の数字を Y とする。Y の期待値 E2 を求めよ。 2009 一橋 X 、Y 、Z と書かれたカードがそれぞれ 1 枚ずつある。この中から 1 枚のカードが選ばれたと き、xy 平面上の点 P を次の規則に従って移動する。 • X のカードが選ばれたとき、P を x 軸の正の方向に 1 だけ移動する。 • Y のカードが選ばれたとき、P を y 軸の正の方向に 1 だけ移動する。 • Z のカードが選ばれたとき、P は移動せずそのままの位置にとどまる。 (1) n を正の整数とする。最初、点 P を原点の位置におく。X のカードと Y のカードの 2 枚から 無作為に 1 枚を選び、P を上の規則に従って移動するという試行を n 回繰り返す。 (i) n 回の施行後に P が到達可能な点の個数を求めよ。 (ii) P が到達する確率が最大の点をすべて求めよ。 (2) n を正の 3 の倍数とする。最初、点 P を原点の位置におく。X のカード、Y のカード、Z の カードの 3 枚から無作為に 1 枚を選び、P を上の規則に従って移動するという試行を n 回繰 り返す。 (i) n 回の施行後に P が到達可能な点の個数を求めよ。 (ii) P が到達する確率が最大の点をすべて求めよ。 S 47 2006 一橋 1、2、3、4 が 1 つずつ記された 4 枚のカードがある。これらのカードから 1 枚を抜き出し元に 戻す試行を n 回繰り返す。抜き出した n 個の数の和を Xn とし、積を Yn とする。 (1) Xn 5 n + 3 となる確率を n で表せ。 (2) Yn が 8 で割り切れる確率を n で表せ。 2005 一橋 A と B の 2 人があるゲームを繰り返し行う。1 回ごとのゲームで A が B に勝つ確率は p、B が A に勝つ確率は 1 − p であるとする。n 回目のゲームで初めて A と B の双方が 4 勝以上になる確 率を xn とする。 (1) xn を p と n で表せ。 (2) p = 1 のとき、xn を最大とする n を求めよ。 2 2004 一橋 n 枚のカードがあり、1 枚目のカードに 1、2 枚目のカードに 2、· · · 、n 枚目のカードに n が書 かれている。これら n 枚のカードから無作為に 1 枚を取り出してもとに戻し、もう一度無作為に 1 枚を取り出す。取り出されたカードに書かれている数をそれぞれ x、y とする。また、k を n の 約数とする。 (1) x + y が k の倍数となる確率を求めよ。 (2) さらに、k = pq とする。ただし、p、q は異なる素数である。xy が k の倍数となる確率を求 めよ。 T 48 4.3 ヒントと解答 2013 (1) 2 ケタ以上なら下 2 ケタが 4 の倍数ならよい。(2) サイコロの目は 3 の剰余系に対等。 (3) sn = 10sn−1 + an から漸化式を立てる。 (1) 1 (n = 1 のとき)、 1 (n = 2 のとき) (2) 1 6 ½ 4 6 ³ ´n−1 ¾ 1 1 (3) 1− − 7 6 2012 1 の面が側面にあるとき、1 が上面に移る確率と下面に移る確率は対等。 ½ ³ ´n−1 ¾ (1) pn = 1 1 − − 1 (2) 7 6 2 2 2011 n 回目に B が投げる確率を bn として、連立漸化式を立てる。 ½³ ´ ¾ ½³ ´ ¾ ³ ´ ³ ´ 5 n−1 + 1 n−1 5 n−1 + 1 n−1 (1) an = 1 (2) pn = 1 2 6 6 12 6 6 ³ ´n ³ ´n 3 1 5 1 1 (3) qn = − − 5 2 6 10 6 1999 箱 A、B の赤玉の個数に着目すると、(A, B) = (2, 0)、(1, 1)、(0, 2) の 3 通りに分かれる。対等性 1 より、(A, B) = (2, 0) と (0, 2) となる確率は等しく、 (1 − pn )。n 回目の箱の状態から、pn+1 と 2 pn の漸化式立てる。 ³ ´n pn = 4 + 3 1 7 7 8 2010 (1) pn = 1 − ³ 5 6 ´n−1 (2) qn = 1 − n + 4 5 ³ 5 6 ´n−1 2002 n − 1 回までに硬貨が残るパターンを調べることでも解けるが、計算が煩雑で大変である。硬貨を 投げる試行はお互いに影響しないから独立である。独立と余事象をうまく使うとすっきり解ける。 P (試行が n 回以上行われる) ⇐⇒ 1 − P (3 枚とも n − 1 までに裏が出る) ⇐⇒ 1 − {P (1 枚が n − 1 までに裏が出る)}3 ½ ³ ´n−1 ¾3 (1) p1 = 1 、p2 = 19 (2) qn = 1 − 1 − 1 8 64 2 2000 一般的な解答が導けないときは、n = 4 ぐらいで実験して、その場合の答えを出しておくと、部分 点がもらえるかも。 余事象とド・モルガン利用するとすっきり解ける。サイコロを n 回投げて、1 の目が 1 回も出ない事 象を A、サイコロを n 回投げて、2 の目が 1 回も出ない事象を B とする。(1) は A ∩ B の確率である。 ³ ´n ³ ´n ³ ´n ³ ´n (1) 1 − 2 5 (2) 1 − n + 10 5 + 2 + n+4 2 6 3 5 6 4 3 U 49 2008 (1) 2n−6 Cn−2 において、2n − 6 = n − 2 より、n = 3 と n = 4 で場合分けが必要となる。(2) p0 + p1 + p2 + p3 = 1 に気づくとよい。 15n(n − 1)(n − 3) (1) p2 = 、n = 7, 8 4(2n − 1)(2n − 3)(2n − 5) (2) n = 3, 4 2007 n = 1, 2 では (i) がないことに注意。(2) は平方完成。 (1) 13 {−6k 2 + 6(n + 1)k − 3n − 2} n (2) n が奇数のとき、k = n + 1 。n が偶数のとき、k = n 、n + 2 。 2 2 2 2003 カードは 1a , 1b , 2a , 2b , · · · , na , nb とすべて区別して考える。(2) は a1 < a2 < · · · < an となる確 率に等しい。(3) P (a1 < a2 < · · · < am ) のこと。 2n + n C2 × 22 P (X = 1) = P (a1 = a2 ) + P (a1 > a2 ) = 2n P2 n C × 2m n (1) (2) 2 (3) n m 2n − 1 2n Pn 2n Pm 2001 P (X = k) (2 5 k 5 n) や P (Y = k) (1 5 k 5 n) の確率を求めて、期待値計算。 2(n + 1) (n + 1)(4n − 1) (1) E1 = (2) E2 = 3 6n E1 > E2 であることがわかる。 2009 (1) (i) n + 1 ³ ´ ³ ´ ³ ´ (ii) n が奇数のとき、 n − 1 , n + 1 、 n + 1 , n − 1 n が偶数のとき、 n , n 2 2 2 2 2 2 ³ ´ n n (2) (i) (n + 1)(n + 2) (ii) , 2 3 3 2006 (1) しきり棒のアイデアですっきり解ける。3 つのボールを n + 1 個の部屋に分配すると考える。n + 1 番目の部屋はダミー。(2) は余事象を考え、2 と 4 の出る個数で場合分けするとよい。 2 (n + 1)(n + 2)(n + 3) ³ 1 ´n 7n + 8 (1) (2) 1 − n +n+3 6 4 2 2005 x 反復試行の確率。(2) は n+1 と 1 を比較。 xn (n − 1)(n − 2)(n − 3) 4 (1) xn = 0 (n 5 7)、xn = p (1 − p)4 {(1 − p)n−8 + pn−8 } (n = 8) 6 (2) n = 8 2004 (1) は n = 6、k = 3 で実験してみる。(2) n = 12、k = 6 (p = 2、q = 3) で実験して、答えの形を推 測する。 (2p − 1)(2q − 1) (1) 1 (2) k p2 q 2 V
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