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長崎市民を対象としたCOPD検診の導入
長崎市臨床内科医会COPD検診委員会真崎宏則、イ左々木豊裕、 隆杉正和、
山根
0はじめに
/、
、1曼、1生易司区到生1怖疾,宙、(chronic obstructive pulmo・
disease : COPD)は、タバコの煙などの有
nary
害物質を長期に吸入することによって気道や肺胞
に炎症がおこり、閉塞性換気障害を生じる1呼吸器
疾患である。しかしながら、 COPD という病名
よりも、肺気腫(病理学的診断)や慢性気管支炎
(臨床的診断)が、現在も診断名として汎用され
ているの力辺兜伏であろう。
今回、 COPDの現状にふれた後、長崎市臨床
内科医会が、長崎市民を対象としたCOPD検診
を立ち上げることにした経綺之現時点での問題点
について報告する。
OCOPDについて
COPD では、咳、疫、到H乍時の息、切れなどの
呼吸器症状がみられるが、1診伏が乏しく、病気と
してぎ忍識されていない(「年のせい」として見過
ごされ、受・診していない)ことも多い。 COPD
は、心臓病御桝生山や消化性潰傷を合併するこ
とが知られているが、近年、併存症として、骨斗乳
しょう症、糖尿病、逆流性食道炎、炎症性腸疾忠、、
うつ病など、全身ヘの影粋や精神面での影紳が注
目されている。
COPDの原因は、 90%がタバコの煙と考えら
れており、喫煙者の20%がCOPD を発症すると
言われている。したがって、禁煙の推進や受動1喫
煙を避ける啓発活動も並行して進めていや必要か
ある。
OCOPDの統計と「健康日本21」について
世界偶H座機関(WHO)の推計では、・世界の
COPD患者数は約2億人で、うち年問約300万
人が死亡している。今後、 2030年までに、死亡
原因の第3位になる可能性が指摘されている。厚
生労倒省の統計(2012年)でも、 COPD による
死亡者数は、年問 16,如2人と増加傾向にある。
このような状況を踏まえ、平成器年度以降の「健
康日本2U (第2次)の方向性において、新たな
豊
、
川原健治郎
課題として、肺年齢の改善(COPD、タバコ)が
挙げられた。また、生活習険病の発症予防と重症
化子心方の徹底が必要な疾患として、がん、循環器
疾患、糖尿病にCOPDが加えられた。そして、
今後、一次予防に重点を置いた対策を推進すると
ともに、合併症の発症や症状の進展などの重症化
の予防に重点を置いた対策を推進すべきであると
記載された。
0長崎市民を対魚としたCOPD検診の導入
わが国における如歳以上のCOPD有病率
(2000年)は 8.6%で、患者数郭0万人と推定
されており、先進諸国の有病率と同様である。
しかしながら、わが風において、推定患者数に
よる疾患ごとの受診率をみると、高血足性心疾患
が、 30%(6船万人/2400万人)、糖尿病が30%
(228万人/800万ノ゛であるのに対して、 COPD
は 13.フ%(72万人/詔0万人)と明らかに受診
率が低いの力誰見伏である。
COPDの受診率が低い理由としては、先述の
ように、由覚症状が軽度であったり、無症状のこ
ともあるために、病気という認、識がなされていな
いことが挙げられる。 COPD患者(軽症 中等
症) 1・よ、気道感染で息、切れ力却翻金したり、喘息、症
状で受診しても、症状が治まるとその後受診され
なくなることもしばしぱである。
今回、平成25年1月に長崎大学保健学科千住
秀明教授からCOPD検診について、長崎市晦床
内科懐会川原会長に相談があり、長崎市臨床内利
医会納テ峅内会)幹事会で、 COPDの早期診断、
早期治療を倒的として、長崎市民を対象とした
COPD検診を導入するか否かを本年2月よゆ膜
重に検討'した。
地域レベルでのCOPD検診は、長崎大学の千
住らが、平成玲年から松浦市の行政、医師会(松
浦市、北松、平戸市)の協力のもとにCOPD検
診による早期診断、早期治療の取り組みを継続し
ており、50歳以上の成人でCOPD有病率が8.8%
長崎県俵師会報第813号平成25年10月
61
学げ寄稿
と報告しているしかしながら、人口の多い都市機関りスト(40施設)から受診先を決めてぃた
で、行政がかかわらないCOPD検診は、全国的だき、病院を受診される場合は一必ず地域迎挑室
にみても行われていないのが現状である市臨内に述絲をして、受'今Πを決めてぃただくように配
会幹耶会では、長崎市において、COPD対策と点した
して、 COPD検診を導人することは意義がある
なお、検診で、 COPDの診断基準(表D を
が、長崎市のh政がかかわらない状況で検診が開満たさなかった力が1喫煙者の場合は、禁煙外来の
始されること、 COPD検診でCOPDの疑いと判受診をすすめることとした
定された方のその後の診断、治療をどのように行
COPDの精査の結宋、 COPDと硫定診断され
うか、かかりっけ咲、呼吸器内科1表の連挑をどうた方には、 COPDのガイドラインに準じて、治
するか、COPDの勉強会をどうするかなど、COPD 療を開始してぃただくこととした。
検診導入後に起こりうる問題点も想定して議論を
駈ねた。
なお、精査を施hしている施設の先小方の負担
が増えないように、1叉n のように、記載する凱")
2月、 4 村、 6 村と市脇内会幹事会で検剥'したを少なく作成した啓類を、同劃'した。このような
粘巣、かかりっけ医の有無にかかわらず、〒J明診取り組みにより、知柳的には症状(惣、切れ)、呼
折、¥期治療を受けられる協力体制を長崎市臨床吸機能が改善し、長期的にはQOLの改善、争判
人」科疾会が中心となって構築する力針を決定した増悪の頻度の減少、COPDの進行の抑制、 4命
COPD検診の実施方法や検診後の連携のあり力予後の改善が期符される。
を、師 1 に水した。
COPD疑いと判定された力で、かかりつけ医
広報面での長崎市医師会、メディアのご協力
現11寺点では、長崎市の行政がかかわっておらず、
で精査を施行していない場合には、検診(移動診長崎市の広報を活用できないこと、検診会場の確
療所、保健所に印i削で発行された診療情報提供保が硴実に行えないことが問題貞としてあげられ
'1、をそのまま活用できるようにし、かかりっけ医るしかしながら、長崎市医師会のご協力により、
の負担が増えないように配慮したかかりつけ医 k崎市医師会句報発送時にCOPD検診関連の勉
がない力は、 COPDの精査を施行している医療強会の案内文を同封してぃただいたり、長崎市医
図 1 長崎市COPD検診のフローチャート
1次検診
メディア(新闇、テレビ,5ジオなど)による
(問診、 1秒貴測定)
広報
確定診断依頼番@
診断可能な施設の一覧疲⑤
^
別封筒
(確定診断依頼哲⑥,1次検診の結果報告哲②,
あり
確定診断の結果迎絡状③、返信用封問2通)
.
なし
確定診断依頼番①
1次検診の結果報告哲②
確定診断の結果連絡状③
・返信用封筒(1通)
COPD検査
施行している
医療機関
確定診断依頼舌λり封筒を
間封しτ検査を実施
2次検診(保険診療)
(気管支拡張剤吸λ前後の1秒測定)
施行していない
医療機関
COPD検査
施行している医療機関
(診療所、病院)
別封筒
確定診断依穎λりの別封簡
を聞封廿ず, COPD検査を
施行してし俗な施設^介
→
確定診断の結果連絡状③(原本)
Dかかりつけ医ヘ
{師一ー
,確定診断叫吉果連粘状③(コピー)
③の原本は確定診断を行った施設で保管
62
H
確定診断の結果迎絡状③(コピー)
DCOPD1典診叩甥局ヘ
長崎市COPD検診事務局確定診印結果齢状③ロビ→
゜"゜-1叩一加
ー.餌都艇師姉血歌暗
長崎県1公師会報第813寸
ド成25年10打
ず岑村
旬報、ホームヘージによる広報により、長崎市医
師会員の先生方に検診情報をお知らせL、検診を
セカンドオヒニオンとしても活用していただきた
師会員ヘの広報として、市医師会事務局からmed・
net を通して、 COPD検診に関する情報旧時、
場所、受診状況など)を月に2回配信いただいて
いる。また、メディア(長崎新聞社、 NHK、 NBC、
KTN)にご協力いただき、第1回長崎市COPD
検診勉強会(7月開催)や第1回長崎市COPD
いと考えている
おわりに
COPDの早期発見・早期診断をめざした取り
組みは、まだ始まったばかりでありますが、今後
も、長崎市医師会、長崎火学病院および関連病院
の先生方、長崎大学千住教室、メディアの皆様の
ご理解とご協力をいただきながら、 COPD対策
を進めて行きたいと考えております
検診(8月開催)を報道していただいたその後
も、新聞、テレビで、 COPD検診情報佃時、
会場)をお知らせいただき、広報面でご協力をい
ただいてぃる。 COPD検診を毎月メディアでお
知らせいただくことで、 COPDの認知度も上がっ
てぃくものと期待している mednetや市医師会
表 I COPD確定診断のフローチャート
.
(1^傑料)
(COPDの疑い)
巨
(_Ξ^(保醸痢V
努力性肺活量,1秒量測定脚
くン,,・・
気管支拡張剤を吸入泣
qJ・・
努力性肺活量,1秒量測定却
判定
気管拡張剤を吸入した後の1秒率カサ0%未満であれば,
呼吸機能検査上はCOPDと診断されます。
.
食盆む"2^泣気道^の負無^閲しほ
鑑別診断を行っていただき,他疾患の除外をお願い致します。
気道可逆性の有無にっきましては,下記をご参照願います
気道可逆性の判定基準
量量
1秒量の変化
長崎県医師会報第釘3号平成25年10月
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