第 29 回日本臨床リウマチ学会 The 29th Annual Meeting of the Japanese Society for Clinical Rheumatology and Related Research ランチョンセミナー 7 RA治療における生物学的製剤と 医療経済:バイオシミラーへの期待 座長 近藤 正一 先生 近藤リウマチ・整形外科クリニック 院長 演者 松原 司 先生 松原メイフラワー病院 院長 11/30 日 12:20-13:20 福岡国際会議場 2 階 第 2会場 The 29th Annual Meeting of the Japanese Society for Clinical Rheumatology and Related Research Luncheon Seminar 7 *本セミナーの整理券配布はございません 共催:第 29 回 日本臨床リウマチ学会/日本化薬株式会社 共催:第 29 回 日本臨床リウマチ学会/日本化薬株式会社 RA治療における生物学的製剤と 医療経済:バイオシミラーへの期待 演者 松原 司 先生 松原メイフラワー病院 院長 関節リウマチ (RA)の治療は数々の生物学的製剤の開発により大きく変わり、その治療戦略は著しい変 貌を遂げている。生物学的製剤は、現在わが国で 7 剤が使用可能となっているが、これらの製剤には問題 点もある。即ち、これらの薬剤は薬価が高額であるにもかかわらず、有効例と無効例が存在し、副作用発 現のために投与中止や他の薬剤への切り替えを余儀なくされることなどである。患者のアンケート結果で も生物学的製剤の一次無効、二次無効や副作用発現は大きな不安材料となっている。 したがって、これらのことに配慮しながら薬剤の費用対効果を分析することは RA治療の医療効率をあ げる上で必要不可欠である。我々は各生物学的製剤治療患者の後ろ向き追跡調査を行い、治療開始 6ヵ月 および 12ヵ月間の疾病活動性の変化量に対する薬剤費を算出した。その結果、中等度から高度の疾病活動 性を低下させるほうがより安価につくことが明らかになった。さらに、薬剤減量が可能であり、治療継続 性が高い薬剤がより安価につくことも強く示唆された。 近年、抗 TNF抗体や TNF受容体融合蛋白のバイオシミラーの開発が盛んに行われ、一部のものは本邦 において本年上市されることが決定している。これらの薬剤は先行バイオ医薬品(以下、先行品)の約 70% の薬価になる可能性が大きい。治験結果からみれば、有効性と副作用のプロフィールは先行品とほぼ類似 している。費用対効果の観点からこれらの薬剤への期待は大きい。一方、これらの薬剤については長期使 用における安全性や二次無効などの解析が今後の課題として残っていることも事実である。生物学的製剤 を含めた RA治療の経済的側面の解析が、本邦における今後の医療動向を決定づける大きな要因の一つと なることは疑う余地もない。 <略歴> 昭和 54 年 3 月 神戸大学医学部 卒業 昭和 59 年 3 月 神戸大学大学院医学研究科外科学系整形外科専攻 修了(医学博士) 昭和 59 年 6 月 兵庫県のじぎく療育センター 整形外科医員 昭和 60 年 6 月 米テキサス大学医学部(ダラス) リウマチ科研究教官 昭和 61 年 9 月 神戸大学整形外科講座 助手 平成 3 年 9 月 同上 講師 平成 6 年 7 月 松原クリニック 院長 平成 11 年 5 月 同上 退職(現:理事長) 平成 11 年 6 月 松原メイフラワー病院 院長 現在に至る 本ランチョンセミナーでは、下記のいずれかの日整会単位を取得できます。 (日整会認定番号:14-2739-018) ・日本整形外科学会教育研修会【専門医資格継続単位(N) 】1 単位 必須分野「06:リウマチ性疾患、感染症」又は「14:医療倫理・医療安全・医療制度等」 ・日本整形外科学会教育研修会【リウマチ医資格継続単位(R) 】1 単位 ※複数の単位が認定されていますが、参加者が取得申請できるのは 1 単位のみです。 また、日本リウマチ財団登録医の教育研修単位を1単位取得することもできます。 (日本リウマチ財団認定番号:26-495-02)
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