ジオセル補強土構造物

ジオセル補強土構造物
振動台模型実験による改良型ジオセル補強盛土の耐震性の検討
Xinye HAN, 米良 有玄
Geo-disaster Mitigation Engineering
研究概要
本研究では、補強盛土における引張り補強材として改良型ジオセルの適用可能性を探るため、背面盛土を改良型
震
振
ジオセルで補強した擁壁とジオグリッドで補強した擁壁、及び従来型無補強擁壁の地震時安定性を、振動台実験に
より比較した。盛土材には珪砂7号(D50=0.18mm)を用いて気中落下法により相対密度約90%で作製した。
1100
U N IT : m m
360
260
100
50
200
200
875
50
300
: A c c e le r o m e t e r
: D is p la c e m e n t t r a n s d u c e r
a)
: L o a d c e ll
振動台模型実験概要図
ジオグリッド模型(リン青銅)
改良型ジオセル模型(H=25)
各擁壁の地震時安定性
a
488gal
b
c
790gal
877gal
擁壁の破壊状況と破壊加速度 a)従来型擁壁 b)ジオグリッド補強土擁壁 c)改良型ジオセル補強土擁壁
ル補強土擁壁は877galで崩壊した。重力式擁壁が脆性的に破壊したのに対
し、各補強土擁壁は破壊に至るまで大きな変形性能を示した。
-5
Residual settlement ratio, S/H [%]
 従来型擁壁は488gal、ジオグリッド補強土擁壁は790gal、改良型ジオセ
a
 改良型ジオセル補強土擁壁はジオグリッド補強土擁壁と比較して背面盛
5
10
Conventional w all
RW (G eogrid)
RW (G eocell)
ll)
15
20
0
200
400
600
 ジオグリッド補強土擁壁とジオセル補強土擁壁の底面における擁壁の水
平変位量にあまり差は見られないが、転倒角についてはジオグリッド補強土
擁壁の方が大きくなるタイミングが早い。これはジオグリッドの方がより低い
振動台加速度で背面盛土から引抜けている可能性を示唆している。
s
b
Residual wall bottom displacement, d (mm)
Base acceleration, α
c
800
1000
800
1000
b [g al]
-10
0
10
20
30
40
Conventional w all
G W (G eogrid)
G W (G eocell)
50
60
70
0
200
400
600
Base acceleration, α
b [g al]
-2
Residual overturning angle, θ(deg)
土の沈下量を抑制できており、より高い耐震性能を発揮している。
0
0
2
4
6
8
Coventional w all
RW (G eogrid)
RW (G eocell)
10
12
14
改良型ジオセルは補強盛土における引張り補強材として適
用可能であり、比較的高い耐震性能を発揮する
0
200
400
600
Base acceleration, α
800
1000
b [g al]
振動台加速度と a)背面盛土沈下量の
関係 b)擁壁の底面水平変位量の関係
c)擁壁の転倒角の関係
KIYOTA Lab., Institute of Industrial Science, University of Tokyo
2014