で、設計現場のワークスタイルを変革 干渉チェックや構造

Case Study
「スマートなミーティング」
で、
設計現場のワークスタイルを変革
干渉チェックや構造解析の結果を設計に反映する手間を大幅に軽減
シャープ株式会社 ¦ http://www.sharp.co.jp/
シャープ株式会社(以下、シャープ)のビジネスソリューション事業推進本部は 2014 年 5 月、長年にわたって使用してきた PTC の 3 次元 CAD
ソフトウェアを最新の PTC Creo 2.0 にアップグレードした。結果、設計現場では断面・平面を移動しながら視覚的に干渉箇所を特定できる
ようになり、製品全体の干渉チェックや構造解析の結果を設計に反映する時間を大幅に短縮している。同部が提唱するスマートなミーティ
ングを設計現場に適用するツールとしても、PTC Creo は欠かせない存在だ。
設計現場にスマートなミーティングを適用
シャープのビジネスソリューション事業推進本部は、
「スマート
なミーティング」を提唱している。これは、企業が多大な時間を
費やす会議の進め方を改善し、社内コミュニケーションの円滑
化をはじめ、業務の効率化、意思決定の迅速化、そして創造的な
アイデアの発掘を目指すコンセプトだ。
ビジネスソリューション事業推進本部 システム機器事業部 商
品企画部 副参事 吉村 斉氏は、
「多くの企業ではコスト削減や生
産性の向上を達成するための施策として、ワークスタイルの変
革に着手しています。座席を固定しないフリーアドレス化、私用
のスマートフォンやタブレット端末を業務に活用する BYOD、業
務システムやデータのクラウド移行などは典型的な例です。わ
れわれは、
『会議の進化を、ビジネスの進化に』をテーマに、ス
マートなミーティングを具現化する電子会議ソリューション
(タッチディスプレイリンク 2)を開発しました」と語る。
スマートなミーティングを実現する製品は、
第 2 世代となる 70 V
型/ 60 V 型タッチディスプレイ
「 BIG PAD 」
と 15.6 インチの高精
細 IGZO 液晶ディスプレイを搭載するタブレット端末
「 RW-16G1」
。
BIG PAD の特長は、
電源を入れてから 5 秒で立ち上がると軽快さ
と、取 り 込 ん だ 資 料 を 高 精 細 に 表 示 で き る こ と だ。一 方 の
RW-16G1 は 3,200 × 1,800 ドットの高解像ディスプレイを搭載
し、
A 4 サイズデータをほぼ原寸で表示できる。
256 段階の筆圧検
知に対応したデジタイザーペンを使って、
画面上の資料に書き込
むことができ、
キーボードやマウスを接続すれば通常業務に利用
するパワフルなデスクトップ PC として使用できるのが特長だ。
ビジネスソリューション事業推進本部 システム機器事業部 商
品企画部 部長 加藤 久嗣氏は、
「BIG PAD と複数の RW-16G1 を連
携させ、互いの画面を同期できるのがポイントです。たとえば、
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BIG PAD と RW-16G1 のディスプレイ上で書き込んだ文字や図
形は双方の画面にリアルタイムに反映されます。また、RW-16G1
に保存するデータを BIG PAD に送れば、参加者全員が大画面で
情報を閲覧できます」と話す。
設計現場にスマートなミーティングを取り入れた場合、どのよ
うな働き方が実現するだろう。たとえば、複数の部署をまたがる
開発メンバーが集う会議では、全員がタブレット上で 3 次元の設
計モデルや図面などを共有・閲覧しながら議論することができ
る。設計変更を行う意図を伝える会議でも参加者の理解がはか
どる。タブレットそのものがパワフルなため、3 次元 CAD をイン
ストールして設計に使用するタブレットをミーティングの場に
持ち込めば、3 次元モデルをその場で素早く修正できる。
ビジネスソリューション事業推進本部 ディスプレイ事業部
第二技術部 係長 山東 雅弥氏は、
「設計変更の要望があればその
場でモデルを修正し、結果をすぐにフィードバックできます。
会議での意思決定スピードを高速化し、設計プロセス全体をス
リム化するために、スマートなミーティングの実現は欠かせま
せん」と語る。
1 週間で慣れる使い勝手の良さがメリット
シャープのビジネスソリューション事業推進本部が、
3次元 CAD を
用いた製品設計に着手したのは1990年代のことだ。
以来、
PTC 製の
3次元 CAD を10年以上にわたって使用し、
設計業務を行ってきた。
シャープのビジネスソリューション開発本部 要素技術開発セン
ター IT 推進室 室長 小木 尚人氏は、
「平面図と断面図を組み合わ
せて立体をイメージする 2 次元 CAD と、立体で形状を視覚的に
つかむ 3 次元 CAD への移行には、頭の切り替えが必要です。当初
は抵抗もあったようですが、3 次元の方が確実な設計をできると
PTC.com
Case Study
いう共通認識はすぐに生まれました。以来、PTC の 3 次元 CAD は、無駄な設計変
更を避け、開発期間の短縮やコスト削減に寄与してくれています」と話す。
2014 年、同社は 3 次元 CAD を最新の PTC Creo 2.0 にアップグレードするプロ
ジェクトに着手し、5 月末から部門ごとに PTC Creo 2.0 を段階稼働させた。まず
は、トレーニングを受講済みの約 40 人の設計者から PTC Creo の使用をスター
ト。切り替えに伴う設計者のとまどいはほとんどなかったという。PTC Creo の機
能を知った設計者から、むしろ「早く PTC Creo にアップグレートしてほしい」と
いう声が大きかった事実もある。数ある IT ツールを利用してきた同社にあって、
これは初めてのケースだったという。
設計者から最も評価されているのは、その使い勝手だ。Microsoft Office ライクな
リボン UI を採用する PTC Creo は、直感的に操作できる。また PTC Creo は、無駄
なマウスの移動やクリックを省略する合理的な UI を備え、コマンド名を入力し
てメニューの位置を検索する機能も実装する。旧バージョンの経験者であれば、
だれもが 1 週間で PTC Creo に習熟する印象という。
神志那 典彦氏
村山 監氏
干渉箇所を視覚的に把握し、迅速な設計変更が可能
PTC Creo 2.0 の最大のメリットは、
断面・平面を移動しながら干渉箇所を特定でき
るクリッピング機能だ。
部品・ユニット間の干渉を視覚的に確認・回避しながら設
計作業を行えるため、
試作品を製作する工数・コストを大幅に削減できる。
ビジネスソリューション事業推進本部 ディスプレイ事業部 第二技術部 副参事
神志那典彦氏は、
「 CT スキャンのように、視覚的に干渉箇所を見極めて即座に修
正できるため、時間のかかる製品全体の干渉チェックや構造解析を行う回数を減
らすことができます。この新機能は、積層構造をとるタブレット端末や薄型ディ
スプレイのさらなる軽量化や省スペース化の実現に欠かせません」と語る。
シャープ株式会社の関係メンバー
写真左から BIG PAD、
手に持っているのは IGZO 15.6
型 Windows タブレット
『 RW-16G1 』
、
前に置いている
のは IGZO 32 型 4K2K 液晶ディスプレイ
『 PN-K321 』
そのほか、資料作成時に輪郭線を付けられるデータキャプチャ、押し出しで勾配
を付けてフィーチャ数を減らす仕組み、ジオメトリパターンを作成してきょう体
設計工数を下げる工夫など、PTC Creo 2.0 の新機能の多くが、同社の設計業務の
効率化に大きな役割を果たせそうだという。
同社では、
BIG PAD と RW-16G1 で構成する電子会議ソリューションを使って3次元
データを全員で共有するなど、
設計現場にスマートなミーティングを取り入れてい
る。
この環境をモデルケースとして運用し、
成功体験を積み上げることで、
設計プロセ
スを合理化したい顧客に説得力のあるソリューション提案を行っていく。
ビジネスソリューション事業推進本部 システム機器事業部 第二技術部 副参事
村山 監氏は、
「ある製造拠点で行う会議では、すでに紙の図面を持ち込むことな
く、全員がタブレットを見ながら活発な議論を行っています。お客様先に持ち込
んで、シミュレーション結果をタブレット上で確認して不具合がないことを
チェックしてもらうことも可能です。今後、さらに PTC との協業を深め、設計現
場のワークスタイルの変革を強力に支援していきます」と話している。
Corporate Profile
シャープ株式会社(Sharp Corporation)
設立
:1935 年 5 月
所在地
:大阪市阿倍野区長池町 22 番 22 号
代表者
:代表取締役社長 髙橋興三
資本金
:1,218 億 8,400 万円(2014 年 3 月 31 日現在)
連結社員数 :50,253 名(2014 年 3 月末現在)
詳細については、
PTC.com/product/creo をご覧ください。
<お問い合わせ先>
TEL:03-3346-3659 Email:[email protected]
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ません。本文中で言及されている顧客事例は、単一のユーザー エクスペリエンスおよびかかる顧客の証言に基づいています。PTC 製品およびサービス、または PTC が関係している市場に関するアナリストなどによる将来の見通しは、その
アナリスト自身の見通しであり、PTC はその根拠または正確性について何ら言明いたしません。PTC、Windchill、Integrity、およびすべての PTC の製品名およびロゴは、米国およびその他の国における PTC またはその子会社、あるいはその両
方の商標または登録商標です。その他の製品名または企業名はすべて、各所有者の商標または登録商標です。新製品や新機能のリリース時期は予告なく変更されることがあります。
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