CT CT1‐2‐6 CT を用いた足部屈筋腱の観察における Sn フィルタの導入についての検討 東邦大学医療センター大森病院 中央放射線部 ○竹田 川田 智/本田 浩紀/中野 拓也/跡部 秀治/島田 俊 豊 では、 8 0kV/1 4 0kV+Sn の管電圧の組み合わせが、わずか 【目的】 ではあるが、傾きが大きくなり、腱の描出能が高い結果と 当施設では、整形外科領域において Dual Energy CT による足部屈筋腱の撮影を行っている。今回、従来の撮影 と比較し、Sn フィルタを使用する場合の撮影条件の検討 なった。また、視覚評価の結果、8 0kV/1 4 0kV+Sn の管電 圧の組み合わせで統計的有意な結果となった。 実験②:従来の約6 0%の線量で撮影した画像は、視覚評 を行った。 価と Tendon 画像より腱の描出に影響は少なかった。 【方法】 【考察】 実験①:従来の撮影は、管電圧の組み合わせを A 管球 実験①:8 0kV/1 4 0kV+Sn の管電圧の組み合わせは、 1 4 0kV、B 管球8 0kV で行っていた。今回この組み合わせ 従来の組み合わせと比較して CT 値の差はわずかだが、測 に加えて、A 管球(8 0kV、1 0 0kV) 、Sn フィルタを入れた 定した CT 値をプロットしたグラフで傾きが大きくなり、 B 管球1 4 0kV+Sn の組み合わせでファントムを撮影した。 2-Material Decomposition を用いる Tendon で腱と他の組 得られた画像から腱と脂肪の CT 値を測定し 2-Material 織との分離能が良くなったため、有意差があったと考えら Decomposition 法のグラフと、SIEMENS 社製腱描出アプ れる。1 0 0kV/1 4 0kV+Sn は、他の組み合わせと比較して、 リケーション(以下 Tendon)を用いた画像で視覚評価を 低管電圧側の脂肪の CT 値に変化が見られるため腱の描出 行い、管電圧の組み合わせを検討した。 が困難だったと考えられる。 実験②:検討した管電圧の組み合わせを使用して、従来 実験②:従来の線量の約6 0%以上であれば腱の評価が可 の線量から約2 0%ずつ線量を下げてファントムを撮影し、 能であると考えられる。正常ボランティアを撮影して Ten- 線量変化によるファントムの腱描出を視覚評価した。Sn don を用いた画像(Fig. 1)より、検討した条件は臨床画 フィルタを使用した撮影条件で正常ボランティアの足部屈 像でも利用可能であると考えられる。 筋腱の撮影を行った。 ファントムには、骨、腱、脂肪が含まれる豚足を使用し た。 今後は、ピッチやローテーションタイムを変化させ短時 間での撮影を検討し、以前より検討しているストレス撮影 での臨床症例につなげたい。 【結果】 実験①:測定した CT 値を Table1に示す。A 管球 B 管 球を入れ替えても、また、Sn フィルタの有無でも CT 値 の変化は少なかった。1 0 0kV/1 4 0kV+Sn の管電圧の組み 合わせの低管電圧の脂肪だけが他の低管電圧の CT 値に比 べ高い値となった。2-Material Decomposition 法のグラフ Table1 測定した CT 値 Fig. 1 臨床画像 第6 8回東京部会春期学術大会 後抄録 39
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