F式と前回値を利用した脂質項目の精度管理方法 ~系統的誤差の検出 ◎松本 浩靖、竹内秀史、栗本誠一、木戸口公一 日本医学株式会社 目(TC、TG、HDLC、 LDLC)の系統的誤差を検出する ② TC 実測値 TC 計算値 HDLC LDLC TG 精度管理方法の検討を試みたので報告する。 TC 実測値と TC 計算値とは近似した結果であった。 【対象と方法】当施設で 2014 年 4 月~5 月に依頼のあった 極端な性別および年齢の偏りがなければ、今回測定値=前回 8116 名について①TC と LDLC について実測値とF式計算 値で精度管理に運用して問題ないと思われた。 値との相関を TG 濃度別(全検体、TG<400、TG<200、 【まとめ】実際の精度管理運用方法としては、①TC 実測値 TG<150)で算出。②TC、TG、HDLC、 LDLC、F式によ とF式による TC 計算値を比較し、実測値>計算値・実測値 る TC 計算値(LDLC+HDLC+TG/5)について、今回測 =計算値・実測値<計算値の人数をカウントし明らかな差を 定値・前回値を男女年代別に平均値差、上昇・同値・下降の 認めれば、実測値優位で TC↑or(HDLC+LDLC+TG/5) 人数を調査した。 ↓、計算値優位で TC↓or(HDLC+LDLC+TG/5)↑と判断 【結果】相関は 2 項目とも TG 濃度を絞るほど良化した。 する。②TC、TG、HDLC、 LDLC の各々について今回測 【はじめに】フリードワルドの計算式(以下F式)はコレス テロールの関係を示すものとして良く知られており、当施設 でも個々の検体に対しては脂質項目のバランスチェックに 利用してきた。今回、F式と前回値を組み合わせた脂質4項 平均値差 +1.0 単位 +1.1 単位 +0.3 単位 +0.9 単位 -0.2 単位 上昇 4209 名 4249 名 3943 名 4258 名 3916 名 同値 171 名 173 名 546 名 228 名 104 名 下降 3736 名 3694 名 3627 名 3630 名 4096 名 ① 全検体 TG<400 TG<200 TG<150 定値・前回値を比較し、今回>前回・今回=前回・今回<前 TC 0.9655 0.9807 0.9858 0.9879 回の人数をカウントし、①の判断と合致する差を認める項目 LDLC 0.9575 0.9760 0.9824 0.9847 があれば系統的誤差の可能性が示唆される。 精度管理への運用には TG<200 の TC 計算値を採用した。
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