ス リ ム ダ ク ト UD 仕 様 書

RD-UD-SPEC-001-4
ス リ ム ダ ク ト UD
仕
様
2014年
10月
書
1日
因幡電機産業株式会社
技術開発センター
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RD-UD-SPEC-001-4
目
次
ページ
1.
適 用
3
2.
製品仕様
3
3.
耐候性
3
4.
フタかん合抜け強度
4
5
ハンガー抜け強度
5
6
熱伸縮長さ
6
7
7-1
7-2
施工要領
配管収納例
施工手順
6
6
7
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1.適 用
本仕様書はスリムダクト UD シリーズについて適用します。
また、スリムダクト UD シリーズは、平成 25 年度 国土交通省仕様品です。
2.製品仕様
スリムダクト UD シリーズの製品仕様を 表-1に示す。
表-1 製品仕様
分 類
品
ダクト本体
継 手
部 材
支持材
名
型 番
用 途
スリムダクト UD
UD
直線ダクト
UD コーナー 90°
UDE
90°曲がり
UD コーナー 45°
UDF
45°曲がり
材
質
硬質
ポリ塩化ビニル*
UD ジョイント
UDJ
直線ダクト継手
UD 端末カバー
UDCN
端末処理
T 型ジョイント
UDT
分岐継手
ウォールプレート
AWP
化粧プレート
アルミ合金#1100
UD サポート
UDS
配管支持
ステンレスバネ鋼
UD ハンガー
UDH
UD ハンガー直付用
UDZ
ダクト支持
UD 立管支持金具
アンカーボルトセット
UDY
色 調
アイボリー
(マンセル
5Y8/1,日塗工
D25-80B)
ステンレス鋼
SUS 304
ADB-S
*硬質ポリ塩化ビニルは難燃性を有する。
3.耐候性
スリムダクト UD シリーズ用塩化ビニル製試験片を促進耐候試験にかけ、
時間の経過に伴う物性
の変化状況を確認する。
(1) 試験項目
促進耐候試験を 0~2000 時間行い、200 時間毎に下記の項目を測定する。
・引張強さ
・曲げ最大応力
(2) 試験片
・引張試験用 :JIS K 6745 に準ずる。
・曲 げ 試 験 用:JIS K 7203 に準ずる。
(3) 試験装置
・促進耐候試験機:サンシャインカーボンウェザーメーター
照射時間は JIS D 0205 に準ずる。
・強 度 試 験 機:京都市工業試験場設備
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(4) 結 果
試験結果を 図-1 に示す。
2000 時間で、割れ、クラック等の異常なし。
なお、色別による有意差なし。
図-1
4.フタかん合抜け強度
スリムダクト UD シリーズのかん合抜け強度を確認する。
(1) 供試品
スリムダクト UD 長さ:250 ㎜ (UD-70,90,120)
(2) 使用機械
引張試験機
(3) 試験方法
図-2 に示す様に、スリムダクト UD のフタ底をかん合させた状態でそれぞれ上下にかん
合が外れるまで引張る。
図-2
(4) 結 果
かん合抜け強度を 表-2 に示す。
表-2 かん合抜け強度
サ イ ズ
かん合抜け強度
UD- 70
UD- 90
UD-120
1568N (160kgf)
(注) かん合抜け強度は、スリムダクト UD の長さを
2mに換算した数値で示す。
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5.ハンガー抜け強度
スリムダクト UD シリーズのハンガー抜け強度を確認する。
(1) 供試品
スリムダクト UD(UD-70,90,120)
UD ハンガー(UDH-70,90,120)
(2) 使用機械
圧縮試験機
(3) 試験方法
図-3 に示す様に、スリムダクト UD を固定した状態で UD ハンガーのずれが発生するま
で圧縮する。
図-3
(4) 結 果
ハンガー抜け強度を 表-3 に示す。
表-3 ハンガー抜け強度
サ イ ズ
ハンガー抜け強度
UD- 70
UD- 90
UD-120
245N 以上
(25kgf 以上)
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6.熱伸縮長さ
スリムダクト UD の温度変化による伸縮長さを確認する。
(1) 供試品
UD-70 アイボリー
長さ:フタ部=150 ㎜、底部=150 ㎜
(2) 測定条件
温度範囲:-20~60℃
放置時間:3 時間
(3) 使用機器
ノギス、恒温槽
(4) 測定方法
恒温槽内に供試品を入れ、設定温度後3時間放置し、ノギスで測定する。
(5) 結 果
温度変化による伸縮長さを 表-4 に示す。
表-4 熱伸縮長さ
温 度
供試品
長さ:㎜
-20℃
23℃
60℃
蓋
部
149.7
150
150.5
底
部
149.75
150
150.4
蓋部=0.80 ㎜(変化率 0.5%)
、底部=0.65 ㎜(変化率 0.4%)
7.施工要領
7-1.配管収納例
スリムダクト UD シリーズの配管収納例を 図-4 に示します。
図-4 収納配管例
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7-2.施工手順
スリムダクト UD シリーズの工法は、スリムダクト UD の底部を取付けた後、配管施工し、
フタ部を取付ける(A)従来ダクト方式と、ラッキングのように配管施工した後、スリムダ
クト UD のフタ部と底部を同時に取付ける(B)ラッキング方式の2種類の施工方式が可能で
す。それぞれの施工手順を 図-5 に示します。
なお、スリムダクト UD シリーズの使用温度範囲は-20~60℃です。この範囲内の環境下
でご使用ください。
(1) スリムダクト UD サイズ選定
(2) 壁面貫通穴あけ
(A)従来ダクト方式
(B)ラッキング方式
(A-3) 支持金具(UDH または UDZ)
取付け
(B-3) 支持金具(立管バンド用T字足は
羽子板)取付け
(A-4) 貫通スリーブの製作
(B-4)貫通スリーブの製作
(A-5)壁面設置固定及び止水処理
(B-5)壁面設置固定及び止水処理
(A-6) スリムダクト UD 底部取付け
(B-6)配管施工
(A-7) 配管施工
(B-7)立て管バンド取付け
(A-8) UD サポート取付け
(B-8)貫通スリーブ内部止水処理
(A-9) 貫通スリーブ内部止水処理
(B-9)スリムダクト UD(フタ部、底部)
取付け
(A-10) スリムダクト UD フタ部取付け
(B-10)UD 立管支持金具取付け
(11) コーナー 90°取付け
(12) 端末カバー取付け
(13) コーキング処理
図-5 施工手順
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●(A)従来ダクト方式施工手順
(1) スリムダクト UD サイズ選定
スリムダクト UD のサイズ選定表を 表-5 に示します。
表-5 サイズ選定表
配管保温材厚(液管×ガス管)
10×10
10×20
スリムダクト UD
サイズ
UD-70
φ6.35×φ15.88
UD-90
φ12.70×φ25.40
φ9.52×φ15.88
UD-120
(φ6.35×φ12.70)×2 組
φ15.88×φ28.58
単位:mm
20×20
φ12.70×φ19.05
※ 液管側φ6.35 及びφ9.52 の保温材厚さは 8 ㎜仕様。
配管にはドレンホース DH-16 相当と制御ケーブルを含む。
なお、 表-5 に示すサイズの配管以外に使用する場合は、図-6 及び
表-6 に示す寸法を参考にして、スリムダクト UD のサイズを選定します。
図-6 スリムダクト UD シリーズ断面図
表-6 被覆銅管仕上り外径寸法表 単位:mm
銅管サイズ
仕上り外径 d
呼び径
外径 Do
保温厚 10 ㎜
タイプ
保温厚 20 ㎜
タイプ
1/4
6.35
24※
48
3/8
9.52
※
51
1/2
12.70
34
54
5/8
15.88
37
57
3/4
19.05
41
61
7/8
22.22
44
64
1
25.40
47
67
1 1/8
28.58
50
70
1 1/4
31.75
53
73
1 3/8
34.92
57
76
1 1/2
38.10
60
80
1 5/8
41.28
64
84
1 6/8
44.45
66
86
27
※ 保温厚 10 ㎜タイプの内φ6.35 及びφ9.52 のみ保温厚 8 ㎜
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(2)
壁面貫通穴あけ
壁面配管の取出し部に、スリムダクト UD のスリーブを貫通させるための貫通穴を表-7 に示
す径に準じて設けます。
表-7 貫通穴径
スリムダクト UD
単位:mm
適用コアドリル径
サイズ
UD-70
φ90
UD-90
φ110
UD-120
φ150
(A-3) 支持金具(UDH)の取付け
スリムダクト UD を取付ける経路に沿って 1m以内のピッチで壁面にアンカーを打ち込みます。
次に、
スリムダクト UD の壁面からの浮かし高さ H を決め、
ボルトを所定の長さに切断した後、
アンカーに固定し、UD ハンガーを仮止めします。
(注)アンカーボルトは必ずステンレス製、またはドブ漬け製のものをご使用ください。
また、アンカーボルトの長さは、 図-7 に示す UD ハンガーの寸法を考慮に入れた上で
決めてください。
図-7
図-8
(A-4) 貫通スリーブの製作
図-9に示す「スリムダクト UD の壁浮かし高さ H」+「壁厚 W」+「AD ウォールプレート厚 P」
の長さに UD ダクトを切断して作製します。
単位:mm
ス
リ
ム
ダ
ク
ト
U
D
スリーブ用
スリムダクト UD
図-9
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スリムダクト UD
サイズ
AD ウォールプレート厚
P
UD-70
14
UD-90
15
UD-120
16
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(A-5) 壁面設置固定及び止水処理
壁面貫通穴に製作したスリーブを貫通させ、図-10 に示す様にコーキング材を隙間に充填し、
スリーブの壁面固定と同時に止水処理を施してください。また、この時スリーブの溝部及び
かん合部から雨水侵入の恐れがある場合は、コーキング材で止水処理を施してください。
コーキング材が硬化する前に、両側の壁にウォールプレート AWP で固定しますが、AMP のビ
スが壁面に効かない場合は、AWP 裏面にもコーキング材を塗布して壁面に貼付けてください。
隙間
溝部
屋
屋
嵌合部
外
内
溝部
側
AWP
AWP
隙間
側
図-10
(A-6) スリムダクト UD 底部取付け
スリムダクト UD 底部を配管経路に合わせて寸法出しをします。
ここで、貫通スリーブとスリムダクト UD 底部との接合部は 図-11 に示す様に、貫通スリ
ーブ底面からの面合わせとなります。
次に、寸法出ししたスリムダクト UD 底部とフタ部を重ね合わせて、金のこ又は高速カッター
等で切断し、切断したスリムダクト UD 底部だけを UD ハンガーにかん合させた後、UD ハンガ
ーのナットを締めこんで固定します。
図-11
図-12
(A-7) 配管施工
冷媒管、ドレンホース、ケーブル等がよじれない様に注意して配管していきます。粘着テー
プで何箇所か束ねておくと楽に作業を行う事ができます。
図-13
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(A-8) UD サポート取付け
配管類がスリムダクト UD 底部に収納されるように、UD サポートで配管類を押し込みながら
固定していきます。
図-14
図-15
(A-9) 貫通スリーブ内部止水処理
図-16に示す様にスリーブ内部の配管との隙間に止水パテを詰めて完全に隙間を塞ぎます。
なお、配管作業及び止水パテ詰め作業は、前記(B-5)のコーキング材が完全に硬化していない
とスリーブが動きますのでご注意ください。
止水パテ
150mm 以内の位置で支持
図-16
(A-10) スリムダクト UD フタ部取付け
スリムダクト UD フタ部を底部にかん合させます。
図-17
(11) コーナー90°取付け
図-18 に示す様にコーナー90°をスリムダクト UD と貫通スリーブにかん合させた後、コ
ーナー90°付属のタッピングビスを締め込んで固定します。
図-18
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図-19
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(12) 端末カバー取付け
スリムダクト UD 内に収納される配管径に応じて、端末カバーの口元を切断し、スリムダクト
UD 端末部にかん合させた後、ビス止めして固定します。
図-20
(13) コーキング処理
スリムダクト UD シリーズは防水構造ではありません。雨水侵入の恐れのある箇所の接合部や
かん合部にはシリコーンシーラント等で必ずコーキング処理を施して下さい。
特に、 図-21 に示す位置の処理を怠りますと、屋内への雨水侵入の原因となりますのでご
留意下さい。
AWP のビス穴
スリーブの溝部
AWP 全周の壁面設置部
UD コーナー90°の嵌合部
AWP の突合せ部
スリーブと UD コーナー90°
の接合部
スリーブの嵌合部
スリーブの溝部
スリーブと AWP の接合部
AWP のビス穴
図-21
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●(B)ラッキング方式施工手順
(1)
スリムダクト UD サイズ選定
表-8 に示す寸法より束ねる配管の大きさを考え、
使用する鋼管用立管バンドのサイズを求
めた後、表-9 よりスリムダクト UD のサイズ選定をします。
表-8 被覆銅管仕上り外径寸法表 単位:mm
銅管サイズ
仕上り外径 d
呼び径
外径 Do
保温厚 10 ㎜
タイプ
保温厚 20 ㎜
タイプ
1/4
6.35
24※
48
3/8
9.52
27※
51
1/2
12.70
34
54
5/8
15.88
37
57
3/4
19.05
41
61
7/8
22.22
44
64
1
25.40
47
67
1 1/8
28.58
50
70
1 1/4
31.75
53
73
1 3/8
34.92
57
76
1 1/2
38.10
60
80
1 5/8
41.28
64
84
1 6/8
44.45
66
86
※ 保温厚 10 ㎜タイプの内φ6.35 及びφ9.52 のみ保温厚 8 ㎜
表-9
(2)
スリムダクト UD
鋼管用立管バンド
UD- 90
50A 以下
UD-120
80A 以下
壁面貫通穴あけ
P.9 /16 ●(A)従来ダクト方式施工手順 (2) 参照
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(B-3) 支持金具(立管バンド用 T 字足又は羽子板)取付け
スリムダクト UD を取付ける経路に沿って 1m以内のピッチで壁面に立管用の T 字足又は羽子
板を取付けます。
(注)立管バンド用T字足又は羽子板は必ずステンレス製、またはドブ漬け製の 表-10 に示す寸法のもの
をご使用下さい。
表-10 立管バンド用T字足又は羽子板寸法 単位:mm
寸法
幅
20~35
立管バンドとの組み合わせ厚
5~8
図-22
(B-4) 貫通スリーブの製作
P.9 /16 ●(A)従来ダクト方式施工手順 (A-4) 参照
(B-5) 壁面設置固定及び止水処理
P.10 /16 ●(A)従来ダクト方式施工手順 (A-5) 参照
(B-6) 配管施工
冷媒管、ドレンホース、ケーブル等がよじれない様に注意して配管していきます。粘着テー
プで何箇所か束ねておくと楽に作業を行う事ができます。
図-23
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(B-7) 立管バンド取付け
(B-3)で取付けた立管バンド用 T 字足又は羽子板に立管バンドを取付けながら配管を固定し
ていきます。
(注)この時使用する立管バンドはステンレス製、またはドブ漬け製の 表-11 に示すサイズのものをご
使用下さい。
表-11
スリムダクト UD
鋼管用立管バンド
UD- 90
50A以下
UD-120
80A以下
図-24
(B-8) 貫通スリーブ内部止水処理
P.11 /16 ●(A)従来ダクト方式施工手順 (A-9) 参照
(B-9) スリムダクト UD(フタ部、底部)取付
立管バンドの支持位置にくる部分のスリムダクト UD のかん合部を 図-25 に示す様に切
り欠きます。この作業はスリムダクトUDの内面にカットラインが設けてあるため、金ノコ
で 2 ヶ所切り込みを入れれば簡単に折り取れます。
次に、 図-26 に示す様にダクトの切り欠き部を立管バンドの支持位置に合わせて、両側
からはめ込みます。
図-25
図-26
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図-27
RD-UD-SPEC-001-4
(B-10) UD 立管支持金具取付け
UD 立管支持金具を取付け、UD ダクトを完全に支持固定します。
図-28
(11) コーナー 90°取付け
P.11 /16 ●(A)従来ダクト方式施工手順 (11) 参照
(12) 端末カバー取付け
P.12 /16 ●(A)従来ダクト方式施工手順 (12) 参照
(13) コーキング処理
P.12 /16 ●(A)従来ダクト方式施工手順 (13) 参照
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