UA-4 南極から地球・宇宙を観る 南極地域観測事業の最近の成果 宇宙 ドームふじ氷床コアから発見された、ふたつの地球外物質層 他の地球外物質堆積イベントとの関連を探る 起源物質を探る 過去 72 万年の記録を保持しているドームふじアイスコア から、地球外物質層を 2 層(43 万 4,000 年前と 48 万 1,000 年前に堆積)発見しました。ふたつの地球外物質層が、ドー ム C 氷床コアから報告されていた地球外物質層と同一であ ることも明らかになりました。 上層粒子は、コンドライト的な天体を起源としているこ とがわかりました。南極内陸域の氷と溶けた起源物質が酸 素同位体交換反応した証拠をつかみました。下層の粒子集 合体の起源物質も、始原的でした。微粒子の溶融集合体を つくる過程は、これまでに見られないものでした。 図:ドームふじ地球外物質 (2,641m 層)の酸素同 位体組成 図:ドームふじ地球外物質の元素存在度。 a は 2,641m 層、b は 2,691m 層 ▲ a、b:ドームふじ氷床コア中の地球外物質層(矢印) a は 2,641m 層、b は 2,691m 層 c、d、e:地球外物質の電子顕微鏡写真 c は 2,641m 層、d、e は 2,691m 層の粒子 形成過程を推定する 上層は、直径 100m を超える始原的な天体が東南極の氷床に衝突し、 氷クレーターを形成、その際に溶融して飛び散った粒子であること、 下層は、直径 100m サイズの彗星が上層大気中で爆発的に溶融し、微 粒子からなる集合体をつくり、氷床に降り積もったものであることが 明らかになりました。 図:地球外物質が降り積もった領域(直径 2,000 km)。赤丸は氷床コア掘削サイト 社会的 貢 献 ● このふたつの地球外物質層は新たに掘削される深層氷床コアとドームCおよびドームふじ氷床コア の年代を対比させる鍵層となります。 ● アイスレーダー探査により、43 万 4000 年前に形成された氷クレーターの発見が期待されます。 大規模氷クレーター形成による気候変動について、はじめて議論できるようになります。 大学共同利用機関法人 情報・システム研究機構 国立極地研究所 広報室 190-8518 東京都立川市緑町 10-3 [TEL]042-512-0655 [FAX]042-528-3105 http://www.nipr.ac.jp/ [E-mail][email protected] 2013.2 Copyright © National Institute of Polar Research All rights reserved.
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