第二級総合無線通信士 第二級海上無線通信士

答案用紙記入上の注意:答案用紙のマーク欄には、正答と判断したものを一つだけマークすること。
BK・YK609
第二級総合無線通信士
第二級海上無線通信士
「無線工学の基礎」試験問題
25 問 2 時間 30 分
A – 1 図 1 に示す回転軸 OP を中心として回転できるような長方形のコイル L を図 2 に示すように磁束密度が B〔T〕の一様な磁界中に L
の面を磁界と平行に、また回転軸 OP を磁界に対してπ/2〔rad〕の角度になるように置き、L に I〔A〕の直流電流を流した。このとき、L
に生ずるトルクの大きさとして、正しいものを下の番号から選べ。ただし、L の巻数を 1、面積を A〔m2〕とする。
1
2
3
4
BIA
BIA2
B2IA
BI 2A
〔N・m〕
〔N・m〕
〔N・m〕
〔N・m〕
B
P
A
P
I
L
OP:L の回転軸
L
O
O
図1
図2
A – 2 図に示す環状鉄心 M の内部に生ずる磁束 φ を表す式として、正しいものを下の番号から選べ。ただし、漏れ磁束及び磁気飽和は
ないものとする。
I
l
1 φ = μNIl/S 〔Wb〕
N :コイルの巻数
N
2 φ = μNI/(Sl) 〔Wb〕
I :コイルに流す直流電流〔A〕
μ
3 φ = NIS/(μl) 〔Wb〕
l :M の平均磁路長〔m〕
4 φ = μNIS/l 〔Wb〕
S :M の断面積〔m2〕
S
μ :M の透磁率〔H/m〕
環状鉄心 M
A – 3 図に示す静電容量が C1、C2 及び C3 の直列回路において、C2 に蓄えられている電荷の量 Q 2 及び両端の電圧 V2 の値の組合せと
して、正しいものを下の番号から選べ。
Q2
1
2
3
4
32
32
16
16
〔μC〕
〔μC〕
〔μC〕
〔μC〕
V2
8 〔V〕
4 〔V〕
8 〔V〕
4 〔V〕
C1 = 2〔μF〕
V = 28〔V〕
V2
C2 = 4〔μF〕
C3 = 8〔μF〕
V :直流電圧
A – 4 次の記述は、均一な磁界中の電子の運動について述べたものである。このうち、誤っているものを下の番号から選べ。
1
2
3
4
静止している電子は、磁界から力を受けない。
磁界の方向に対して平行に進んでいる電子は、磁界から力を受け速度を増加させる。
磁界の方向に対して直角に進んでいる電子は、円運動をする。
磁界から電子が受ける力を、ローレンツ力という。
A – 5 図に示す回路において、可変抵抗 R の値が 32〔Ω〕のときの消費電力が 2〔W〕であった。次に R の値を 4〔Ω〕にしたときの消費
電力の値として、正しいものを下の番号から選べ。ただし、直流電源の電圧 V〔V〕は一定とし、内部抵抗は零とする。
1
2
3
4
12〔W〕
14〔W〕
16〔W〕
18〔W〕
V
R
(BK・YK609-1)
A – 6 次の記述は、図に示す回路において交流電源電圧V〔V〕の角周波数 ω〔rad/s〕を変えたときの電源から流れる電流 I〔A〕について
述べたものである。
内に入れるべき字句の正しい組合せを下の番号から選べ。ただし、共振角周波数を ω0〔rad/s〕とする。
(1) ω > ω0 のとき、I は、V よりも位相が
A
いる。
(2) ω = ω0 のとき、I と V の位相差は、
B
となる。
A
遅れて
進んで
進んで
遅れて
1
2
3
4
B
0
0
π/2
π/2
I
R
R:抵抗〔Ω〕
V
ω
L:自己インダクタンス〔H〕
C:静電容量〔F〕
〔rad〕
〔rad〕
〔rad〕
〔rad〕
C
L
A – 7 図に示す長さが正弦波交流電圧の実効値を表すベクトルV1〔V〕及びV2〔V〕の差の電圧(V1-V2)の実効値として、最も近いも
のを下の番号から選べ。
虚軸(+j )〔V〕
1
2
3
4
2√2
2√5
3√5
√10
〔V〕
〔V〕
〔V〕
〔V〕
4
V2
3
2
1
V1
0
1
2
3
4
5
実軸〔V〕
A – 8 次の記述は、図 1 に示す回路の端子 ab 間に R0 = 10〔Ω〕の抵抗を接続したとき、テブナンの定理を用いて R0 に流れる電流 I0 を求
内に入れるべき字句の正しい組合せを下の番号から選べ。ただし、図 2 は、図 1 の回路を
める過程について述べたものである。
端子 ab から見て書き換えたものである。また、直流電源 V1 及び V2 の内部抵抗は零とする。
(1) R0 を接続しないとき、端子 ab から見た抵抗 Rab は、図 2 より Rab = A 〔Ω〕である。
(2) R0 を接続しないとき、端子 ab 間の電圧 Vab は、Vab = B 〔V〕である。
(3) Rab と Vab を用いて I0 を求めると I0 は、I0 = C 〔A〕となる。
a I0
1
2
3
4
A
18
18
4
4
B
10
12
14
18
C
1
0.5
1
0.5
1
2
3
4
A
真性半導体
不純物半導体
真性半導体
不純物半導体
R2= 6〔Ω〕
V1 = 26〔V〕
V2 = 8〔V〕
R1、R2 :抵抗
V1、V 2:直流電源電圧
A – 9 次の記述は、半導体について述べたものである。
シリコン(Si)などの 4 価の
生ずる。
R1=12〔Ω〕
A
a
R0
R1=12〔Ω〕
R2= 6〔Ω〕
V1 = 26〔V〕
V2 = 8〔V〕
b
図1
Rab Vab
b
図2
内に入れるべき字句の正しい組合せを下の番号から選べ。
にインジウム(In)などの 3 価の物質を不純物として少量加えると、In 原子 1 個につき 1 個の
B
が
B
ホール(正孔)
自由電子
自由電子
ホール(正孔)
A –10 次の記述は、各種電子素子の特性と主な用途について述べたものである。このうち誤っているものを下の番号から選べ。
1
2
3
4
バラクタダイオードは、可変静電容量として用いられる。
ホール素子は、光センサとして用いられる。
ツェナーダイオードは、基準定電圧源として用いられる。
発光ダイオードは、表示装置などに用いられる。
(BK・YK609-2)
A –11 図に示す二つのトランジスタ Tr1 及び Tr2 を接続した回路において、Tr1 のベース電流 IB が 10〔μA〕であるとき、電流 I1 及び I2 の最
も近い値の組合せとして、正しいものを下の番号から選べ。ただし、Tr1 及び Tr2 のエミッタ接地直流電流増幅率は、それぞれ
hFE1 = 200 及び hFE2 = 100 とする。
I2
Tr1 C
I2
I1
IB
B
1 2 〔mA〕
160 〔mA〕
C
2 2 〔mA〕
200 〔mA〕
E
I
1
3 5 〔mA〕
160 〔mA〕
C : コレクタ
Tr2
B
E
:
エミッタ
4 5 〔mA〕
200 〔mA〕
E
B : ベース
A –12 次の記述は、接合形電界効果トランジスタ(FET)と比べたときのバイポーラトランジスタの一般的な特徴について述べたものである。
内に入れるべき字句の正しい組合せを下の番号から選べ。ただし、FET はソース接地で用い、バイポーラトランジスタはエミッタ
接地で用いるものとする。
(1) 基本的に、入力
A
で出力電流を制御する増幅素子である。
(2) 入力インピーダンスは、
(3) 熱暴走が起き
1
2
3
4
A
電圧
電圧
電流
電流
C
B
。
。
B
小さい
大きい
小さい
大きい
C
にくい
にくい
やすい
やすい
内に入れるべき字句の正しい組合せを下の番号
A –13 次の記述は、図 1 に示す FET 増幅回路の動作について述べたものである。
から選べ。ただし、FET の特性を図 2 とする。なお、同じ記号の
内には、同じ字句が入るものとする。
(2) vi が 0〔V〕から±0.1〔V〕の変化をしたとき ID は、
1
2
3
4
A
3
3
6
6
B
±1.5
±3
±1.5
±3
〔mA〕
〔mA〕
〔mA〕
〔mA〕
A
である。
A
を中心に約
B
変化する。
ID
〔mA〕
〔mA〕
〔mA〕
〔mA〕
FET D
G
D:ドレイン
S :ソース
G:ゲート
vi
R:抵抗
V1、V2:直流電源
VGS
R = 2〔kΩ〕
VDS
S
-0.2〔V〕
4
-0.3〔V〕
-0.4〔V〕
2
0
V2 =12〔V〕
V1 = 0.3〔V〕
VGS = -0.1〔V〕
6
→ ID〔mA〕
(1) 入力電圧 vi が 0〔V〕のとき、ドレイン電流 ID は、
4
図1
8
12
→ VDS〔V〕
図2
A –14 図に示す論理回路の真理値表として正しいものを下の番号から選べ。ただし、正論理とし、A 及び B を入力、X を出力とする。
1
2
4
3
A
B
X
A
B
X
A
B
X
A
B
X
0
0
1
1
0
1
0
1
0
1
1
1
0
0
1
1
0
1
0
1
1
1
1
0
0
0
1
1
0
1
0
1
0
1
1
0
0
0
1
1
0
1
0
1
1
0
0
1
A
X
B
A –15 図に示す理想的な演算増幅器(AOP)を用いた回路の出力電圧 Vo の大きさの値として、正しいものを下の番号から選べ。ただし、入
Rf = 10〔kΩ〕
力電圧 V1 及び V2 をそれぞれ 0.5〔V〕及び 0.1〔V〕とする。
1
2
3
4
3.1
2.5
2.1
1.5
〔V〕
〔V〕
〔V〕
〔V〕
R1 = 5〔kΩ〕
V1
R1、R2、Rf :抵抗
AOP
+
V2
R2 = 2〔kΩ〕
Vo
(BK・YK609-3)
A –16 次の記述は、図 1 に示す変成器 T を用いた A 級電力増幅回路の動作について述べたものである。
内に入れるべき字句の
正しい組合せを下の番号から選べ。ただし、トランジスタ(Tr)のバイアスは最適であり、T に損失はないものとし、T の一次側の巻数及
び二次側の巻数をそれぞれ N1 及び N2 とする。
A 〔Ω〕である。
(1) T の一次側から見た負荷抵抗 Ra は、Ra =
(2) 図 2 に示す動作点 K0 は、コレクタ-エミッタ間電圧 VCE が V〔V〕で、コレクタ電流 IC は、V/Ra〔A〕の点である。
B 〔W〕である。
(3) 最大出力電力 Pom は、VCE と IC が K0 を中心として点 K1 から K2 まで変化したときであるから、Pom=
1
2
3
4
A
(N2/N1)2RL
(N1/N2)2RL
(N1/N2)2RL
(N2/N1)2RL
B
V 2/Ra
V 2/Ra
V 2/(2Ra)
V 2/(2Ra)
C:コレクタ
E:エミッタ
B:ベース
R :抵抗〔Ω〕
RL:負荷抵抗〔Ω〕
C:結合コンデンサ〔F〕
Vi :入力電圧(正弦波交流)
V:直流電源電圧〔V〕
Tr
C
T
C
B
N1
N2
RL
IC〔A〕
K1
交流負荷線
E
R
K0
V/Ra
Vi
VCE〔V〕
V
0
図1
V
図2
K2
A –17 最大目盛値が 300〔mA〕の直流電流計で最大許容誤差の大きさが 3.0〔mA〕であるとき、この電流計の精度階級の階級指数(級)とし
て、正しいものを下の番号から選べ。
1
2
3
4
0.5(級)
1.0(級)
1.5(級)
2.5(級)
A –18 図に示す回路において、抵抗 R〔Ω〕の両端の電圧を内部抵抗 RV が 80〔kΩ〕の直流電圧計 V を用いて測定するときに生ずる誤差
の大きさの値として、最も近いものを下の番号から選べ。ただし、誤差は、電圧計の内部抵抗 RV によってのみ生ずるものとする。
1
2
3
4
1.68
2.11
2.68
3.21
R0
〔V〕
〔V〕
〔V〕
〔V〕
抵抗:R0 = 84〔kΩ〕
R = 20〔kΩ〕
V:直流電圧
V = 52〔V〕
R
V RV
A –19 図に示す交流ブリッジ回路において、抵抗 RA 及び RB がそれぞれ 1,000〔Ω〕及び 100〔Ω〕のとき、回路が平衡状態になった。この
とき、自己インダクタンス LX 及び抵抗 RX の値の組合せとして、正しいものを下の番号から選べ。
LX
LS
LX
RX
RX
RS
1 20 〔mH〕
1.2 〔Ω〕
G
2 20 〔mH〕
2.4 〔Ω〕
抵抗:RS = 12〔Ω〕
2.4 〔Ω〕
3 2 〔mH〕
RB
自己インダクタンス:LS = 20 〔mH〕
1.2 〔Ω〕
4 2 〔mH〕
RA
V :交流電源〔V〕
G :検流計
V
A –20 次の記述は、電気計測における零位法と偏位法について述べたものである。
番号から選べ。
(1) 零位法と偏位法を比べたとき、一般に精密な測定ができるのは、
(2) ホイートストンブリッジを用いて抵抗を測定する方法は、
1
2
3
4
A
偏位法
偏位法
零位法
零位法
B
A
内に入れるべき字句の正しい組合せを下の
である。
である。
B
零位法
偏位法
零位法
偏位法
(BK・YK609-4)
B – 1 次の記述は、図に示すように、方向が紙面に平行で磁束密度が B〔T〕の一様な磁界中で、長さ 1〔m〕の直線導体 M を矢印の方向に
v〔m/s〕の速度で動かしたとき、M に生ずる誘導起電力 e について述べたものである。
内に入れるべき字句を下の番号から選べ。
ただし、M は紙面に対して直角に保ち、B の方向と v の方向との角度を θ とする。
(1) 図のⅠに示すように、θ が π/2〔rad〕のとき、e の大きさは、
(2) (1)のとき、e の方向はフレミングの
イ
ア
〔V〕である。
の法則から、紙面の
(3) 図のⅡに示すように、θ が π/4〔rad〕のとき、e の大きさは、
(4) 図のⅢに示すように、θ が 0〔rad〕のとき、e の大きさは、
オ
ウ
エ
である。
〔V〕である。
〔V〕である。
M
M
θ
2 左手
7 右手
4 Bv/√3
9 Bv/√2
3 表から裏
8 裏から表
v
B
B
Ⅰ
5 0
10 2Bv
θ
θ v
θ=π/2〔rad〕
1 Bv
6 Bv/2
M
v
θ=π/4〔rad〕
B
θ=0〔rad〕
Ⅲ
Ⅱ
内
B – 2 次の記述は、図に示す静電容量 C 〔F〕、自己インダクタンス L〔H〕及び抵抗 R〔Ω〕の直列回路について述べたものである。
に入 れるべき字句を下の番号から選べ。ただし、交流電圧 V 〔V〕の角周波数を ω〔rad/s〕、共振角周波数を ω0〔rad/s〕とする。
I
a
(1) ω0 は、ω0 = ア 〔rad/s〕である。
VC
(2) ω < ω0 のとき、回路に流れる電流Iの位相は、Vよりも イ いる。
C
(3) ω > ω0 のとき、 |VC| は |VL | よりも、 ウ 。
VCL
(4) ω = ω0 のとき、VR は、 エ 〔V〕に等しい。
L
VL
V
VR:R の両端の電圧〔V〕
(5) ω = ω0 のとき、VCL の大きさは、 オ 〔V〕である。
ω
b
VL:L の両端の電圧〔V〕
VR
R
VC:C の両端の電圧〔V〕
1 V/2
2 遅れて
3 大きい
4 1/√LC
5 V
VCL:端子 ab 間の電圧〔V〕
6 0
7 進んで
8 小さい
9 1/(LC)
10 2V
B – 3 次の記述は、図に示す電界効果トランジスタ(FET)について述べたものである。
(1) FET の構造は、N チャネル接合形である。
(2) N チャネルに流れる多数キャリアは、
(3) 一般に、ドレイン-ソース間には、
である。
ア
イ
の電圧を加えて用いる。
(4) FET の相互コンダクタンス gm は、電圧及び電流の変化分を Δ を付けて
表すと、gm =
ウ
、単位に
エ
を用いる。
(5) (3)の場合、VGS = 0〔V〕のとき、ID は
オ
。
1 電子
2 D に負(-)、S に正(+)
3 ΔID/ΔVDS
4 〔S〕
6 ホール(正孔)
7 D に正(+)、S に負(-)
8 ΔID/ΔVGS
9 〔Ω〕
内に入れるべき字句を下の番号から選べ。
D:ドレイン
S:ソース
G:ゲート
VDS:D-S 間電圧〔V〕
VGS:G-S 間電圧〔V〕
ID:ドレイン電流〔mA〕
D
FET
ID
G
S
VDS
VGS
5 流れない
10 流れる
B – 4 次の記述は、図に示す LC 発振回路の原理について述べたものである。このうち正しいものを 1、誤っているものを 2 として解答せよ。
ただし、回路は発振状態にあるものとする。
T
Tr
C
Tr:トランジスタ
C
B
ア 回路は、コレクタ同調形発振回路である。
C : コレクタ
L1 L2 VL2
VCE
イ VBE とVCE の位相は、同相である。
E :エミッタ
VBE E
ウ L2 の両端の電圧VL2 が、帰還電圧である。
B :ベース
エ 帰還率は、主に T の巻数比で決まる。
C:静電容量〔F〕
L1、L2:自己インダクタンス〔H〕
オ 発振周波数は、主に静電容量 C と L2 で決まる。
T:変成器
V :ベース-エミッタ間電圧〔V〕
BE
VCE:コレクタ-エミッタ間電圧〔V〕
B – 5 次の表は、電気磁気量の単位記号を表した表である。
内に入れるべき字句を下の番号から選べ。
電気磁気量
電気量
導電率
電界の強さ
起磁力
磁界の強さ
単位記号
ア
イ
ウ
エ
オ
1 C
6 F
2 S/m
7 S
3 V
8 V/m
4 A
9 T
5 A/m
10 H/m
(BK・YK609-5)