アプリケーションノート 永久磁石同期モータのベクトル制御 RX62T 実装編 R01AN2155JJ0100 Rev.1.00 2014/9/26 要旨 本アプリケーションノートは RX62T マイクロコントローラを使用し、永久磁石同期モータをベクトル制御 で駆動するサンプルプログラム及び開発支援ツール「In Circuit Scope」のライブラリ使用方法について説明す ることを目的としています。 サンプルプログラムはあくまで参考用途であり、弊社がこの動作を保証するものではありません。サンプ ルプログラムを使用する場合、適切な環境で十分な評価をしたうえで御使用下さい。 特に、高電圧環境の取り扱いは非常に危険です。各開発環境のユーザーズマニュアルを良くお読みの上、 安全に御使用ください。本アプリケーションノート掲載開発環境での事故、損害等が発生した場合、一切の 責任を負いません。 動作確認デバイス サンプルプログラムの動作確認は下記のデバイスで行っております。 ・RX62T(R5F562TAADFP) 対象サンプルプログラム 本アプリケーションノートの対象サンプルプログラムを下記に示します。 ①RX62T100_T2001_SPM_LESS_FOC_CSP_V100 RX62T(R5F562TAADFP) T2001 向けセンサレスベクトル制御サンプルプログラム ②RX62T100_T1102_SPM_LESS_FOC_CSP_V100 RX62T(R5F562TAADFP) T1102 向けセンサレスベクトル制御サンプルプログラム 参考資料 ・RX62T グループ ユーザーズマニュアル ハードウェア編 (R01UH0034JJ0200) ・永久磁石同期モータのベクトル制御(アルゴリズム編) ・In Circuit Scope 取扱説明書、ICS を使用するための CubeSuite+の設定方法 (下記のサイトからダウンロードしてください) ダウンロードサイト:http://www.desktoplab.co.jp/download.html ・Trial series “T1102” 3kW 4kVA Inverter Unit User’s Manual ・Trial series “T2001” 50W 60VA Low Voltage Inverter Unit User’s Manual ・Trial series “T5201” RX62T 100pin CPU card User’s Manual R01AN2155JJ0100 Rev.1.00 2014/9/26 Page 1 of 43 永久磁石同期モータのベクトル制御 RX62T 実装編 目次 1. 概説 ................................................................................................................................................... 3 2. システム概要 ..................................................................................................................................... 4 3. 制御プログラム説明 ........................................................................................................................ 11 4. 開発支援ツール「In Circuit Scope」 .............................................................................................. 41 R01AN2155JJ0100 Rev.1.00 2014/9/26 Page 2 of 43 RX62T 実装編 永久磁石同期モータのベクトル制御 1. 概説 本アプリケーションノートでは、RX62T マイクロコントローラを使用した永久磁石同期モータ(PMSM)の ベクトル制御サンプルプログラムの実装方法及び開発支援ツール「In Circuit Scope」注 1(以降、ICS)のライブ ラリ使用方法について説明します。なお、このサンプルプログラムは「永久磁石同期モータのベクトル制御(ア ルゴリズム編)」のアルゴリズムを使用しています。 1.1 開発環境 本アプリケーションノート対象サンプルプログラムの開発環境を表 1-1 に示します。 表 1-1 サンプルプログラムの開発環境 サンプル プログラム 低電圧版 高電圧版 ① ② マイコン R5F562TAADFP R5F562TAADFP インバータボード T2001 注 T1102 1 注1 CubeSuite+ バージョン モータ FH6S20E-X81 注 BXM6200-A 注3 2 V2.02.00 V2.02.00 インバータボード T2001,T1102 の御購入、技術サポートにつきましては、弊社営業もしくは特約店にお問 い合わせ下さい。 注: 1. インバータボード T2001,T1102 及び開発支援ツール「In Circuit Scope」は、 株式会社デスクトップラボの製品です。 株式会社デスクトップラボ(http://www.desktoplab.co.jp/) 2. FH6S20E-X81 は、日本電産サーボ株式会社の製品です。 日本電産サーボ株式会社(http://www.nidec-servo.com/jp/) 3. BXM6200-A は、オリエンタルモーター株式会社の製品です。 オリエンタルモーター株式会社(http://www.orientalmotor.co.jp/) R01AN2155JJ0100 Rev.1.00 2014/9/26 Page 3 of 43 永久磁石同期モータのベクトル制御 2. RX62T 実装編 システム概要 本システムの概要を以下に説明します。 2.1 ハードウェア構成 ハードウェア構成を次に示します。 図 2-1 ハードウェア構成図(R5F562TAADFP+T2001 / 対象ソフト:①) R01AN2155JJ0100 Rev.1.00 2014/9/26 Page 4 of 43 RX62T 実装編 永久磁石同期モータのベクトル制御 RX62T A/Dコンバータ入力 P43 / AN003 P40 / AN000 P41 / AN001 P42 / AN002 P60 / AN0 母線電圧 IV_AIN AC240V入力 電源回路 IU_AIN 相電流 IW_AIN IPM温度 LED1 LED2 LED出力 PA2 PA3 MTU3出力 P71 / MTIOC3B (Up) Up P72 / MTIOC4A (Vp) P73 / MTIOC4B (Wp) P74 / MTIOC3D (Un) P75 / MTIOC4C (Vn) P76 / MTIOC4D (Wn) Vp Un Vn Wn 過電流検出入力 P70 / POE0# インバータ回路 Wp Iu 過電流検出 Iv Iw OC Vtemp Vw Vv Vu IPM温度検出 相電流検出 PMSM 図 2-2 ハードウェア構成図(R5F562TAADFP+T1102 / 対象ソフト:②) R01AN2155JJ0100 Rev.1.00 2014/9/26 Page 5 of 43 RX62T 実装編 永久磁石同期モータのベクトル制御 2.2 ハードウェア仕様 2.2.1 ユーザインタフェース 本システムのユーザインタフェース一覧を表 2-1 に示します。 表 2-1 ユーザインタフェース 項 目 インタフェース部品 対象ソフト① 対象ソフト② 機 能 回転速度 可変抵抗(VR1) - 回転速度指令値入力(アナログ値) START/STOP トグルスイッチ(SW1) - モータ回転開始/停止指令 ERROR RESET トグルスイッチ(SW2) - エラー状態からの復帰指令 LED1 黄緑色 LED 黄緑色 LED LED2 黄緑色 LED 黄緑色 LED ・モータ回転時:点灯 ・停止時:消灯 ・エラー検出時:点灯 ・通常動作時:消灯 プッシュスイッチ(RESET1) RESET プッシュスイッチ(RESET1) システムリセット 本システムの端子インタフェースを表 2-2 に示します。 表 2-2 端子インタフェース R5F562TAADFP 端子名 対象ソフト① 対象ソフト② 機 能 P43 / AN003 P43 / AN003 インバータ母線電圧測定 P62 / AN2 - 回転速度指令値入力用(アナログ値) P91 - START/STOP トグルスイッチ P92 - ERROR RESET トグルスイッチ PA2 PA2 LED1 点灯/消灯制御 PA3 PA3 LED2 点灯/消灯制御 P40 / AN000 P40 / AN000 U 相電流測定 P41 / AN001 P41 / AN001 V 相電流測定 P42 / AN002 P42 / AN002 W 相電流測定 - P60 / AN0 IPM 温度測定 P71 / MTIOC3B P71 / MTIOC3B 相補 PWM 出力(Up) P72 / MTIOC4A P72 / MTIOC4A 相補 PWM 出力(Vp) P73 / MTIOC4B P73 / MTIOC4B 相補 PWM 出力(Wp) P74 / MTIOC3D P74 / MTIOC3D 相補 PWM 出力(Un) P75 / MTIOC4C P75 / MTIOC4C 相補 PWM 出力(Vn) P76 / MTIOC4D P76 / MTIOC4D 相補 PWM 出力(Wn) P33 / MTCLKAA - エンコーダ A 相入力 P32 / MTCLKBA - エンコーダ B 相入力 P70 / POE0# P70 / POE0# 過電流検出時の PWM 緊急停止入力 R01AN2155JJ0100 Rev.1.00 2014/9/26 Page 6 of 43 RX62T 実装編 永久磁石同期モータのベクトル制御 2.2.2 周辺機能 本システムに使用する周辺機能一覧を表 2-3 に示します。 表 2-3 サンプルプログラム別周辺機能対応表 12bit A/D 10bit A/D CMT MTU3 相補 PWM 出力ポートの ① 回転速度指令値 ・各 U/V/W 相電流 1 [ms] ・インバータ母線電圧 インターバルタイマ 初期化 相補 PWM 出力 ② POE3 IPM 温度 (PWM 出力端子を ハイインピーダンス状態 にし、PWM 出力を停止) (1)12bitA/D コンバータ U 相電流(Iu)、V 相電流(Iv)、W 相電流(Iw)、インバータ母線電圧(Vdc)、を「12bitA/D コンバータ」を使用し て測定します。 動作モードは、サンプル&ホールド機能を使用した「1 サイクルスキャンモード」に設定します(ハードウェ アトリガを使用)。 (2)10bitA/D コンバータ 回転速度指令値と IPM 温度(Vtemp)を「10bitA/D コンバータ」を使用して測定します。 動作モードは「シングルモード」に設定します(ソフトウェアトリガを使用)。 (3) コンペアマッチタイマ(CMT) コンペアマッチタイマのチャネル 0 を、1 [ms]インターバルタイマとして使用します。 (4)マルチファンクションタイマパルスユニット 3(MTU3) 動作モードはチャネル毎に異なり、チャネル 3、4 では相補 PWM モードを使用して、デッドタイム付きの 出力(”High”アクティブ)を行います。 (5)ポートアウトプットイネーブル 3(POE3) 過電流検出時(POE0#端子の立ち下がりエッジ検出時)と出力短絡検出時は PWM 出力端子をハイイン ピーダンス状態にし、PWM 出力を停止し、相補 PWM 出力ポートの初期化を行います。 R01AN2155JJ0100 Rev.1.00 2014/9/26 Page 7 of 43 RX62T 実装編 永久磁石同期モータのベクトル制御 2.3 2.3.1 ソフトウェア構成 ソフトウェア・ファイル構成 サンプルプログラムのフォルダとファイル構成を下記に示します。 表 2-4 サンプルプログラムのフォルダとファイル構成(対象ソフト①) RX62T100_T2001_SPM_LESS _FOC_CSP_V100 inc main.h メイン関数、ユーザインタフェース制御ヘッダ mtr_common.h 共通定義用ヘッダ mtr_ctrl_t2001.h ボード依存処理ヘッダ mtr_ctrl_rx62t100.h RX62T依存処理ヘッダ mtr_spm_less_foc.h センサレスベクトル制御ヘッダ control_parameter.h 制御パラメータ用ヘッダ motor_parameter.h モータパラメータ用ヘッダ mtr_ctrl_rx62t100_t2001.h ボード&RX62T依存処理ヘッダ lib angle_speed_R5F562TAAxFP.obj 位置、速度推定用ライブラリ ics ICS_RX62T.obj ICSライブラリ ICS_RX62T.h ICS用ヘッダ src main.c メイン関数、ユーザインタフェース制御 mtr_ctrl_t2001.c ボード依存処理 mtr_ctrl_rx62t100.c RX62T依存処理 mtr_interrupt.c 割り込みハンドラ mtr_spm_less_foc.c センサレスベクトル制御 mtr_ctrl_rx62t100_t2001.c ボード&RX62T依存処理 表 2-5 サンプルプログラムのフォルダとファイル構成(対象ソフト②) RX62T100_T1102_SPM_LESS _FOC_CSP_V100 main.h メイン関数、ユーザインタフェース制御ヘッダ mtr_common.h 共通定義用ヘッダ mtr_ctrl_t1102.h ボード依存処理ヘッダ mtr_ctrl_rx62t100.h RX62T依存処理ヘッダ mtr_spm_less_foc.h センサレスベクトル制御ヘッダ control_parameter.h 制御パラメータ用ヘッダ motor_parameter.h モータパラメータ用ヘッダ mtr_ctrl_rx62t100_t1102.h ボード&RX62T依存処理ヘッダ lib angle_speed_R5F562TAAxFP.obj 位置、速度推定用ライブラリ ics ICS_RX62T.obj ICSライブラリ ICS_RX62T.h ICS用ヘッダ inc src R01AN2155JJ0100 Rev.1.00 2014/9/26 main.c メイン関数、ユーザインタフェース制御 mtr_ctrl_t1102.c ボード依存処理 mtr_ctrl_rx62t100.c RX62T依存処理 mtr_interrupt.c 割り込みハンドラ mtr_spm_less_foc.c センサレスベクトル制御 mtr_ctrl_rx62t100_t1102.c ボード&RX62T依存処理 Page 8 of 43 RX62T 実装編 永久磁石同期モータのベクトル制御 2.3.2 モジュール構成 サンプルプログラムのモジュール構成を図 2-3、表 2-6に示します。 アプリケーション層 ユーザインタフェース制御 モータ制御層 センサレスベクトル制御 H/W 制御層 マイコン依存処理部、インバータボード依存処理部 H/W インバータボード(T2001 , T1102) , マイコン(RX62T) 図 2-3 サンプルプログラムのモジュール構成 表 2-6 サンプルプログラムのモジュール構成 ① ② アプリケーション層 main.c main.c モータ制御層 mtr_spm_less_foc.c mtr_spm_less_foc.c mtr_ctrl_ rx62t100_t2001.c mtr_ctrl_ rx62t100_t1102.c mtr_ctrl_ rx62t100.c mtr_ctrl_ rx62t100.c mtr_ctrl_t2001.c mtr_ctrl_t1102.c H/W 制御層 R01AN2155JJ0100 Rev.1.00 2014/9/26 Page 9 of 43 RX62T 実装編 永久磁石同期モータのベクトル制御 2.4 ソフトウェア仕様 本システムのソフトウェアの基本仕様を下記に示します。ベクトル制御の詳細に関しては「永久磁石同期 モータのベクトル制御(アルゴリズム編)」を参照してください。 表 2-7 センサレスベクトル制御ソフトウェア基本仕様 (対象ソフト①) 項目 内容 制御方式 ベクトル制御 SW1(P91)のレベルにより判定(”Low”:回転開始 “High”:停止) モータ回転開始/停止 または ICS から入力 注1 回転子磁極位置検出 センサレス 入力電圧 DC 24V キャリア周波数(PWM) 20 [kHz] 制御周期 100 [μs] (キャリア周期の 2 倍) CW:0 [rpm] ~ 2000 [rpm] 回転速度範囲 CCW:0 [rpm] ~ 2000 [rpm] ・以下 4 つのうちいずれかの条件の時、モータ制御信号出力(6 本)を非アクティブにする 保護停止処理 1.各相の電流が 4.8 [A]を超過(100 [μs]毎に監視) 2.インバータ母線電圧が 28 [V]を超過(100 [μs]毎に監視) 3.インバータ母線電圧が 0 [V]未満(100 [μs]毎に監視) 4.回転速度が 4000 [rpm]を超過(100 [μs]毎に監視) ・外部からの過電流検出信号(POE0#端子に立ち下がりエッジ)及び出力短絡を検出した場合、PWM 出力端子をハイインピーダンスにする 表 2-8 センサレスベクトル制御ソフトウェア基本仕様 (対象ソフト②) 項目 内容 制御方式 ベクトル制御 モータ回転開始/停止 ICS から入力 回転子磁極位置検出 センサレス 注1 入力電圧 AC 240V(PFC 不使用) キャリア周波数(PWM) 20 [kHz] 制御周期 100 [μs] (キャリア周期の 2 倍) 回転速度範囲 CW:0 [rpm] ~ 3000 [rpm] CCW:0 [rpm] ~ 3000 [rpm] 保護停止処理 ・以下 5 つのうちいずれかの条件の時、モータ制御信号出力(6 本)を非アクティブにする 1.各相の電流が 4.8 [A]を超過(100 [μs]毎に監視) 2.インバータ母線電圧が 400 [V]を超過(100 [μs]毎に監視) 3.インバータ母線電圧が 100 [V]未満(100 [μs]毎に監視) 4.回転速度が 6000 [rpm]を超過(100 [μs]毎に監視) 5.IPM 温度出力値が 3[V] (60±10[℃])を超過(100 [μs]毎に監視) ・外部からの過電流検出信号(POE0#端子に立ち下がりエッジ)及び出力短絡を検出した場合、PWM 出力端子をハイインピーダンスにする 注: 1. 詳細に関しては「4. 開発支援ツール「In Circuit Scope」」を参照して下さい。 R01AN2155JJ0100 Rev.1.00 2014/9/26 Page 10 of 43 RX62T 実装編 永久磁石同期モータのベクトル制御 3. 制御プログラム説明 本アプリケーションノートの対象サンプルプログラムについて説明します。 3.1 3.1.1 制御内容 モータ起動/停止 モータの起動と停止は、SW1 の入力または ICS からの入力によって制御します。 SW1 には汎用ポート(P91)が割り当てられ、メイン・ループ内で、P91 端子を読み、”Low”レベルのときス タートスイッチが押されていると判断し、逆に”High”レベルのときはモータを停止すると判断します。 3.1.2 A/D 変換(モータ回転速度指令値、インバータ母線電圧、モータ3相電流、IPM 温度) (1)モータ回転速度指令値 モータの回転速度指令値は VR1 の出力値(アナログ値)を A/D 変換、または ICS から入力することによって 決定します。A/D 変換された VR1 の値は、以下の表のように、回転速度指令値として使用します。 表 3-1 回転速度指令値の変換比 項 目 サンプル ソフト 回転速度指令値 ① ②(不使用) 変換比 (指令値:A/D 変換値) CW 0 [rpm]~2000[rpm]:0200H~03FFH CCW 0 [rpm]~2000[rpm]:01FFH~0000H - チャネル AN2 - (2)インバータ母線電圧 以下の表のように、インバータ母線電圧を測定します。変調率の算出と過電圧検出(異常時は PWM 停止) に使用します。 表 3-2 インバータ母線電圧の変換比 項 目 サンプル ソフト インバータ母線電圧 変換比 (インバータ母線電圧:A/D 変換値) ① 0 [V]~111 [V]:0000H~0FFFH ② 0 [V]~686.5 [V] :0000H~0FFFH チャネル AN003 (3)U 相、W 相電流 以下の表のように、U 相、W 相電流を測定し、ベクトル制御に使用します。 表 3-3 U、W 相電流の変換比 項 目 U 相、W 相電流 サンプル ソフト 変換比 (U 相、W 相電流:A/D 変換値) チャネル ① -10 [A]~10 [A]:0000H~0FFFH Iu : AN000 ② -50 [A]~50 [A]:0000H~0FFFH Iw: AN002 R01AN2155JJ0100 Rev.1.00 2014/9/26 Page 11 of 43 RX62T 実装編 永久磁石同期モータのベクトル制御 (4)IPM 温度 以下の表のように、IPM 温度を測定し、IPM 温度異常検出に使用します。 IPM 温度と電圧の関係は IPM のデータシート等を参照してください。 表 3-4 IPM 温度の変換比 項 目 IPM 温度 R01AN2155JJ0100 Rev.1.00 2014/9/26 サンプル ソフト 変換比 (IPM 温度:A/D 変換値) チャネル ①(不使用) - - ② 0 [V]~5 [V] :0000H~03FFH AN0 Page 12 of 43 RX62T 実装編 永久磁石同期モータのベクトル制御 3.1.3 変調 本アプリケーションノート対象サンプルソフトでは、モータへの入力電圧はパルス幅変調(以降、PWM) によって生成し、PWM 波形は三角波比較法によって生成します。 (1) 三角波比較法 指令値電圧を実際に出力する方法の一つとして、キャリア波形(三角波)と指令値電圧波形を比較する事 で出力電圧のパルス幅を決める三角波比較法があります。指令値電圧がキャリア波電圧より大きければス イッチをオン、小さければオフにする事で、正弦波状の指令値電圧を擬似的に出力する事が出来ます。 U V W ωt 変調波:指令電圧 キャリア波(三角波):PWMタイマカウント U相スイッチング波形 ωt V相スイッチング波形 ωt U-V線間電圧 (U相の波形)ー(V相の波形) ωt 図 3-1 三角波比較法の概念図 R01AN2155JJ0100 Rev.1.00 2014/9/26 Page 13 of 43 RX62T 実装編 永久磁石同期モータのベクトル制御 ここで、図 3-2 のように、出力電圧パルスのキャリア波に対する割合をデューティと呼びます。 V TON デューティ = TON TON + TOFF TOFF ×100[%] 平均電圧 t 図 3-2 デューティの定義 また、変調率 m を以下のように定義します。 m= m:変調率 V:指令値電圧 V E E:インバータ母線電圧 この変調率を、PWM デューティを決めるレジスタに反映させることで所望の制御を行います。 R01AN2155JJ0100 Rev.1.00 2014/9/26 Page 14 of 43 永久磁石同期モータのベクトル制御 3.1.4 RX62T 実装編 状態遷移 図 3-3 にセンサレスベクトル制御ソフトにおける状態遷移図を示します。 図 3-3 センサレスベクトル制御ソフトの状態遷移図(対象ソフト①,②) R01AN2155JJ0100 Rev.1.00 2014/9/26 Page 15 of 43 R01AN2155JJ0100 Rev.1.00 2014/9/26 ー ー Iq reference status flag speed reference status flag MTR_SPEED_ZERO (0) MTR_ID_UP (0) Id reference [A] 0 CP_OL_IQ_UP_SPEED_RPM CP_OL_TO_LESS_SPEED_RPM speed reference [rpm] 0 CP_OL_REF_IQ 0 Iq reference [A] CP_OL_REF_ID ー Id reference status flag MTR_BOOT_MODE ー RUN MODE CTRL MODE MTR_OL_SPEED_CHANGE_LOW (1) MTR_IQ_ZERO (0) MTR_OPENLOOP_MODE MTR_OL_SPEED_ CHANGE_HIGH (2) MTR_IQ_UP (2) MTR_ID_CONST (1) MTR_START_MODE MTR_SPEED_CONST (3) speed reference by input value Id=0 control MTR_SPEED_CHANGE (4) MTR_ID_ZERO_CTRL (3) MTR_CTRL_MODE speed PI output MTR_IQ_SPEED_PI_OUTPUT (1) MTR_ID_DOWN (2) MTR_LESS_FOC_MODE 永久磁石同期モータのベクトル制御 RX62T 実装編 センサレスベクトル制御ソフトの始動制御内容を図 3-4 に示します。d 軸電流、q 軸電流、速度それぞれの 指令値を管理するフラグによってモードをコントロールしています。 図 3-4 センサレスベクトル制御ソフトの始動制御内容(対象ソフト①,②) センサレスベクトル制御の詳細に関しましては「永久磁石同期モータのベクトル制御(アルゴリズム編)」 を参照してください。 Page 16 of 43 RX62T 実装編 永久磁石同期モータのベクトル制御 3.1.5 システム保護機能 本制御プログラムは、以下の 5 種のエラー状態を持ち、それぞれの場合に緊急停止機能を実現しています。 システム保護機能に関わる各設定値は表 3-5を参照してください。 ・過電流エラー ハードウェアからの緊急停止信号(過電流検出)により、PWM 出力端子にハイインピーダンス出力します。 また、過電流監視周期で U 相、V 相、W 相電流を監視し、過電流(過電流リミット値を超過)を検出した時 に、緊急停止します。(ソフトウェア検出) ・過電圧エラー 過電圧監視周期でインバータ母線電圧を監視し、過電圧(過電圧リミット値を超過)を検出した時に、緊急停 止します。ここで、過電圧リミット値は抵抗値の誤差と AC アダプタ等による供給電圧の誤差を考慮して設 定した値です。 ・低電圧エラー 低電圧監視周期でインバータ母線電圧を監視し、低電圧(低電圧リミット値を下回った場合)を検出した時に、 緊急停止します。 ・回転速度エラー 回転速度監視周期で速度を監視し、速度リミット値を超過した場合、緊急停止します。 ・IPM 温度エラー(対象ソフト②) IPM 温度監視周期で IPM 温度を監視し、高温(IPM 温度リミット値超過)の際、緊急停止します。 表 3-5 各システム保護機能設定値 過電流エラー 過電圧エラー 低電圧エラー 回転速度エラー IPM 温度エラー R01AN2155JJ0100 Rev.1.00 2014/9/26 ① ② 過電流リミット値 [A] 4.8 4.8 監視周期 [μs] 100 100 過電圧リミット値 [V] 28 400 監視周期 [μs] 100 100 0 100 監視周期 [μs] 100 100 速度リミット値 [rpm] 4000 6000 監視周期 [μs] 100 100 高温リミット値 [V] - 3 監視周期 [μs] - 100 低電圧リミット値 [V] Page 17 of 43 RX62T 実装編 永久磁石同期モータのベクトル制御 3.2 センサレスベクトル制御ソフト関数仕様 本制御プログラムでは、複数の制御関数を使用しています。制御関数の一覧を以下に示します。 より詳細な処理については、フローチャート、またはソースファイルを参照してください。 表 3-6 制御関数一覧 ファイル名 main.c 関数概要 処理概要 main ・ハードウェア初期化関数呼び出し 入力:なし ・ユーザ 出力:なし インタフェース初期化関数呼び出し ・メイン処理使用変数初期化関数呼び出し ・状態遷移及びイベント実行関数呼び出し ・メイン処理 ⇒メイン処理実行関数呼び出し ⇒ウォッチドッグタイマクリア関数呼び出し ics_ui ICS ユーザインタフェース使用 入力:なし 出力:なし ctrl_ui (対象ソフト : ①) ・モータステータスの変更 入力:なし ・回転速度指令値の決定 出力:なし software_init メイン処理にて使用する変数の初期化 入力:なし 出力:なし ① R_MTR_ChargeCapacitor (対象ソフト: ②) mtr_ctrl_t2001.c 入力:なし キャパシティ充電時間待機 出力:なし ② ic_gate_on (対象ソフト : ②) mtr_ctrl_t1102.c 入力:なし 突入電流防止の為のゲート信号 ON 出力:なし get_vr1 (対象ソフト : ①) VR1 の状態を取得 入力:なし 出力:(unit16)ad_data / A/D 変換結果 get_sw1 (対象ソフト : ①) SW1 の状態を取得 入力:なし 出力:(unit8)tmp_port/ SW1 のレベル get_sw2 (対象ソフト : ①) SW2 の状態を取得 入力:なし 出力:(unit8)tmp_port/ SW2 のレベル led1_on LED1 の点灯 入力:なし 出力:なし led2_on LED2 の点灯 入力:なし 出力:なし led1_off LED1 の消灯 入力:なし 出力:なし led2_off LED2 の消灯 入力:なし 出力:なし R01AN2155JJ0100 Rev.1.00 2014/9/26 Page 18 of 43 RX62T 実装編 永久磁石同期モータのベクトル制御 表 3-7 制御関数一覧 ファイル名 mtr_ctrl_rx62t100.c 関数名 処理概要 R_MTR_InitHardware クロックと周辺機能の初期化 入力:なし 出力:なし mtr_init_cmt CMT の初期化 入力:なし 出力:なし mtr_init_poe3 POE3 の初期化 入力:なし 出力:なし init_wdt WDT の初期化 入力:なし 出力:なし clear_wdt WDT クリア 入力:なし 出力:なし mtr_clear_oc_flag ハイインピーダンス状態解除 入力:なし 出力:なし mtr_clear_cmt0_flag 割り込みフラグクリア 入力:なし 出力:なし 表 3-8 制御関数一覧 ファイル名 mtr_interrupt.c 関数名 処理概要 mtr_over_current_interrupt 過電流検出処理 入力:なし ・イベント処理選択関数呼び出し 出力:なし ・モータステータス変更 ・ハイインピーダンス状態解除関数呼び出し mtr_mtu4_interrupt 100 [μs]毎に呼び出し 入力:なし ・ベクトル制御 出力:なし ・電流 PI 制御 mtr_cmt0_interrupt 1 [ms]毎に呼び出し 入力:なし ・始動制御 出力:なし ・速度 PI 制御 R01AN2155JJ0100 Rev.1.00 2014/9/26 Page 19 of 43 RX62T 実装編 永久磁石同期モータのベクトル制御 表 3-9 制御関数一覧 ファイル名 mtr_spm_less_foc.c 関数名 R_MTR_InitSequence 処理概要 シーケンス処理の初期化 入力:なし 出力:なし R_MTR_ExecEvent ・ステータスの変更を行う 入力:(uint8)u1_event / 発生イベント 出力:なし ・発生イベントに対して、適切な処理の実行関数を呼 び出し mtr_act_run ・モータ起動時変数初期化関数呼び出し 入力:(uint8)u1_state / モータステータス ・モータ制御開始関数呼び出し 出力:(uint8)u1_state /モータステータス mtr_act_stop モータ制御終了関数呼び出し 入力:(uint8)u1_state /モータステータス 出力:(uint8)u1_state /モータステータス mtr_act_none 処理なし 入力:(uint8)u1_state /モータステータス 出力:(uint8)u1_state /モータステータス mtr_act_reset グローバル変数の初期化 入力:(uint8)u1_state /モータステータス 出力:(uint8)u1_state /モータステータス mtr_act_error モータ制御終了関数呼び出し 入力:(uint8)u1_state /モータステータス 出力:(uint8)u1_state /モータステータス mtr_start_init モータ起動時に必要な変数だけ初期化 入力:なし 出力:なし mtr_angle_speed 位置、速度演算処理 入力:なし 出力:なし mtr_pi_ctrl 電流 PI 制御 入力:MTR_PI_CTRL *pi_ctrl/ PI 制御用構造体 出力:(float32)f4_ref / PI 制御出力値 mtr_set_variables モータ変数の設定 入力:なし 出力:なし R_MTR_IcsInput バッファの設定 入力:MTR_ICS_INPUT *ics_input / ICS 用構 造体 出力値:なし R_MTR_SetSpeed 速度指令値の設定 入力:(int16)ref_speed / 速度指令値 出力:なし R_MTR_SetDir 回転方向の設定 入力:uint8 dir/ 回転方向 出力:なし R_MTR_GetSpeed 速度演算値の取得 入力:なし 出力:(int16) s2_speed_rpm/ 速度 R_MTR_GetDir 回転方向の取得 入力:なし 出力:(uint8) g_u1_direction / 回転方向 R_MTR_GetStatus モータステータスを取得 入力:なし 出力:(uint8)g_u1_mode_system / モータス テータス R01AN2155JJ0100 Rev.1.00 2014/9/26 Page 20 of 43 RX62T 実装編 永久磁石同期モータのベクトル制御 表 3-10 制御関数一覧 ファイル名 mtr_spm_less_foc.c 関数名 mtr_error_check 処理概要 エラーの監視と検出 入力:なし 出力:なし mtr_set_speed_ref 速度制御用指令値の設定 入力:なし 出力:なし mtr_set_iq_ref q 軸電流指令値の設定 入力:なし 出力:なし mtr_set_id_ref d 軸電流指令値の設定 入力:なし 出力:なし mtr_calc_mod 変調率の計算 入力:float32 f4_vu / U 相電圧 float32 f4_vv / V 相電圧 float32 f4_vw /W 相電圧 float32 f4_vdc/母線電圧 出力:なし R01AN2155JJ0100 Rev.1.00 2014/9/26 Page 21 of 43 RX62T 実装編 永久磁石同期モータのベクトル制御 表 3-11 制御関数一覧 ファイル名 関数名 ① mtr_init_mtu mtr_ctrl_rx62t100_t2001.c 入力:なし 処理概要 MTU3 の初期設定 出力:なし ② mtr_init_io_port mtr_ctrl_rx62t100_t1102.c 入力:なし IO ポートの初期設定 出力:なし mtr_init_ad_converter A/D コンバータの初期設定 入力:なし 出力:なし init_ui UI の初期化 入力:なし 出力:なし mtr_ctrl_start モータ起動処理 入力:なし 出力:なし mtr_ctrl_stop モータ停止処理 入力:なし 出力:なし mtr_get_vr1 (対象ソフト:①) VR1A/D 変換 入力:なし 出力:(unit16)u2_temp /VR1A/D 変換値 mtr_get_iuiwvdc U 相電流、W 相電流、インバータ母線電圧 A/D 変換 入力:( float32) *f4_iu_ad / U 相電 流 A/D 変換値 :( float32) *f4_iw_ad / W 相電 流 A/D 変換値 :( float32) *f4_vdc_ad / Vdc A/D 変換値 出力:なし mtr_get_ipm_temperature(対象ソ フト:②) IPM 温度 A/D 変換 入力:なし 出力:(int16) s2_temp/IPM 温度電 圧変換値 mtr_clear_mtu4_flag 割り込みフラグクリア 入力:なし 出力:なし mtr_inv_set_uvw PWM 出力設定 入力:float32 f4_modu,/U 相変調率 :float32 f4_modv, /V 相変調率 :float32 f4_modw /W 相変調率 出力:なし mtr_init_register バッファレジスタの初期化 入力:なし 出力:なし R01AN2155JJ0100 Rev.1.00 2014/9/26 Page 22 of 43 RX62T 実装編 永久磁石同期モータのベクトル制御 3.3 センサレスベクトル制御ソフト変数一覧 本制御プログラムで使用する変数一覧を次に示します。ただし、ローカル変数は記載していません。 表 3-12 変数一覧 変数名 型 内容 備考 int16 速度最大値 機械角 [rpm] int16 速度指令値 機械角 [rpm] g_u1_motor_status uint8 モータステータス g_u1_reset_req unit8 リセット要求フラグ g_s2_max_speed (対象ソフト:①) g_s2_ref_speed (対象ソフト:①) (対象ソフト:①) g_u1_sw1_cnt 0 : エラー状態時 SW2 ON 1 : エラー状態時 SW2 OFF unit8 SW1 判定カウンタ チャタリング除去 unit8 SW2 判定カウンタ チャタリング除去 int16 ユーザインタフェーススイッチ 0:ICS ユーザインタフェース使用 (対象ソフト:①) g_u1_sw2_cnt (対象ソフト:①) g_s2_sw_userif (対象ソフト:①) (デフォルト) 1:ボードユーザインタフェース 使用 g_u1_mode_system unit8 ステート管理 0:ストップモード 1:ランモード 2:エラーモード g_u2_run_mode unit16 運転モード管理 0:ブートモード 1:スタートモード 2:コントロールモード g_u2_ctrl_mode unit16 制御モード 1:オープンループモード 5:センサレスベクトル制御モード g_u1_error_status unit8 エラーステータス管理 1:過電流エラー 2:過電圧エラー 3:回転速度エラー 7:低電圧エラー 8:IPM 温度エラー(対象ソフト:②) 0xFF:未定義エラー g_f4_vdc_ad float32 インバータ母線電圧 [V] g_f4_vd_ref float32 d 軸出力電圧指令値 電流 PI 制御出力値[V] g_f4_vq_ref float32 q 軸出力電圧指令値 電流 PI 制御出力値[V] g_f4_iu_ad float32 U 相電流 [A] g_f4_pre_iu_ad float32 U 相電流前回値 [A] g_f4_iv_ad float32 V 相電流 [A] g_f4_iw_ad float32 W 相電流 [A] g_f4_pre_iw_ad float32 W 相電流前回値 [A] g_f4_offset_iu float32 U 相電流オフセット値 [A] g_f4_offset_iw float32 W 相電流オフセット値 [A] g_f4_id_lpf float32 d 軸電流 [A] g_f4_iq_lpf float32 q 軸電流 [A] g_f4_pre_id_lpf float32 d 軸電流前回値 [A] g_f4_pre_iq_lpf float32 q 軸電流前回値 [A] g_f4_kp_id float32 d 軸電流 PI 制御比例項ゲイン g_f4_ki_id float32 d 軸電流 PI 制御積分項ゲイン R01AN2155JJ0100 Rev.1.00 2014/9/26 Page 23 of 43 RX62T 実装編 永久磁石同期モータのベクトル制御 表 3-13 変数一覧 変数名 型 内容 備考 float32 q 軸電流 PI 制御比例項ゲイン g_f4_ki_iq float32 q 軸電流 PI 制御積分項ゲイン g_f4_lim_vd float32 d 軸電流 PI 制御出力リミット値 [V] g_f4_lim_vq float32 q 軸電流 PI 制御出力リミット値 [V] g_f4_lim_iq float32 速度 PI 制御出力リミット値 [A] g_f4_kp_speed float32 速度 PI 制御比例項ゲイン g_f4_ki_speed float32 速度 PI 制御積分項ゲイン g_f4_ilim_vd float32 d 軸電流 PI 制御積分項リミット値 [V] g_f4_ilim_vq float32 q 軸電流 PI 制御積分項リミット値 [V] g_f4_ilim_iq float32 速度 PI 制御積分項リミット値 [A] g_f4_id_ref float32 d 軸電流指令値 [A] g_f4_iq_ref float32 q 軸電流指令値 速度 PI 制御出力値[A] g_f4_speed_rad float32 速度演算値 電気角[rad/s] g_f4_ref_speed_rad_pi float32 速度 PI 制御用指令値 電気角[rad/s] g_f4_ref_speed_rad float32 速度指令値 電気角[rad/s] g_f4_angle_rad float32 回転子位置 [rad] g_f4_max_speed_rad float32 速度指令最大値 [rad/s] g_f4_refu float32 U 相電圧指令値 [V] g_f4_refv float32 V 相電圧指令値 [V] g_f4_refw float32 W 相電圧指令値 [V] g_f4_inv_limit float32 相電圧リミット値 [V] g_f4_speed_lpf_k float32 速度 LPF パラメータ g_f4_current_lpf_k float32 電流 LPF パラメータ g_f4_offset_lpf_k float32 電流オフセット値 LPF パラメータ vd MTR_PI_CTRL d 軸電流 PI 制御用構造体 vq MTR_PI_CTRL q 軸電流 PI 制御用構造体 speed MTR_PI_CTRL 速度 PI 制御用構造体 mtr_p MTR_PARAMETER モータパラメータ及び制御パラメータ g_u1_direction unit8 回転方向 g_u1_dir_buff unit8 指令回転方向 g_f4_kp_iq 0:CW 1:CCW 0:CW 1:CCW g_u1_enable_write unit8 ICS UI 用変数 ics_input MTR_ICS_INPUT ICS UI 用構造体 g_u2_cnt_adjust unit16 電流オフセット計算用カウンタ g_u1_flag_id_ref unit8 d 軸電流指令値管理フラグ 0:d 軸電流増加 1:d 軸電流一定 2:d 軸電流減少 3:d 軸電流 0 g_u1_flag_iq_ref unit8 q 軸電流指令値管理フラグ 0:q 軸電流 0 1:速度 PI 出力 2:q 軸電流増加 3:q 軸電流減少 float32 速度保存用変数 電気角[rad/s] g_f4_temp_ref_speed_rad float32 速度指令値保存用変数 電気角[rad/s] g_u1_flag_down_to_ol unit8 オープンループモード移行フラグ 0:維持 g_f4_temp_speed_rad 1:移行 R01AN2155JJ0100 Rev.1.00 2014/9/26 Page 24 of 43 RX62T 実装編 永久磁石同期モータのベクトル制御 表 3-14 変数一覧 変数名 g_u1_flag_offset_calc 型 unit8 内容 電流オフセット値計算フラグ 備考 0:ブートモード移行時計算 1:ブートモード移行時計算(初回のみ) g_f4_iq_down_step float32 q 軸電流減算値 [A] g_f4_emf_est float32 誘起電圧推定値 [V] g_f4_emf_calc float32 誘起電圧計算値 [V] g_f4_id_ref_buff float32 d 軸電流指令値保存用変数 [A] g_f4_iq_ref_buff float32 q 軸電流指令値保存用変数 [A] g_u2_cnt_speed_const uint16 指令速度一定時間カウンタ g_u1_flag_speed_ref uint8 速度指令値管理フラグ 0:速度 0 1:低速オープンループ時 2:高速オープンループ時 3:速度一定 4:速度変化 g_f4_i_gamma float32 γ軸電流 [A] g_f4_i_delta float32 δ軸電流 [A] g_f4_di_gamma float32 γ軸電流誤差 [A] g_f4_di_delta float32 δ軸電流誤差 [A] g_f4_k_emf float32 速度起電力推定ゲイン g_f4_k_theta float32 位置推定ゲイン g_f4_tdspeed_lpf float32 制御周期×速度差分 g_f4_pre_speed_rad float32 速度前回値 電気角[rad/s] g_f4_ol_to_less_speed_rad float32 センサレス制御切替え速度 電気角[rad/s] g_f4_ol_iq_up_speed_rad float32 q 軸電流指令値増加開始速度 電気角[rad/s] g_f4_ol_iq_up_step float32 オープンループ時 q 軸電流指令値加算 値 [A] g_f4_id_down_step float32 d 軸電流指令値減算値 [A] g_f4_ref_speed_const_time float32 速度指令値一定時間 [ms] g_f4_fluctuation_limit float32 速度ゆらぎリミット値 [rad/s] g_f4_ol_iq_down_step float32 q 軸電流指令値減算値 [A] g_f4_ol_id_up_step float32 オープンループ時指令 d 軸電流加算値 [A] g_f4_ol_ref_id float32 オープンループ時 d 軸電流指令値 [A] g_f4_ol_ref_iq float32 オープンループ時 q 軸電流指令値 [A] ics_input_buff MTR_ICS_INPUT ICS UI 用構造体 g_f4_less_to_ol_speed_rad float32 オープンループ切替え速度 g_f4_offset_calc_time float32 電流オフセット値計算時間 [ms] g_f4_accel float32 加速度 [rad/s ] g_f4_modu float32 U 相変調率 g_f4_modv float32 V 相変調率 g_f4_modw float32 W 相変調率 g_f4_ipm_temperature_ad float32 IPM 温度電圧変換値 uint8 ICS データ転送関数呼び出し間引きカ ウンタ g_s2_mode_system int16 ステート管理用変数 g_s2_enable_write int16 変数書き換え許可管理用変数 電気角[rad/s] 2 [V] (対象ソフト:②) g_u1_cnt_ics R01AN2155JJ0100 Rev.1.00 2014/9/26 Page 25 of 43 RX62T 実装編 永久磁石同期モータのベクトル制御 3.4 センサレスベクトル制御ソフト構造体一覧 本制御プログラムで使用する構造体一覧を次に示します。 表 3-15 構造体一覧 メンバ名 MTR_PI_CTRL MTR_PARAMETER MTR_ICS_INPUT 型 内容 備考 float32 偏差 f4_kp float32 PI 制御比例項ゲイン f4_ki float32 PI 制御積分項ゲイン f4_limit float32 PI 制御出力リミット値 f4_refi float32 PI 制御積分項出力値 f4_ilimit float32 PI 制御積分項リミット値 f4_mtr_r float32 抵抗 [Ω] f4_mtr_l float32 インダクタンス [H] f4_mtr_m float32 磁束 [Wb] f4_mtr_t float32 制御周期 [s] f4_mtr_t_l float32 f4_mtr_t / f4_mtr_l f4_mtr_t_m float32 f4_mtr_t / f4_mtr_m s2_ref_speed int16 速度指令値 s2_direction int16 回転方向 f4_err 機械角 [rpm] 0:CW 1:CCW f4_kp_speed float32 速度 PI 制御比例項ゲイン f4_ki_speed float32 速度 PI 制御積分項ゲイン f4_kp_id float32 d 軸電流 PI 制御比例項ゲイン f4_ki_id float32 d 軸電流 PI 制御積分項ゲイン f4_kp_iq float32 q 軸電流 PI 制御比例項ゲイン f4_ki_iq float32 q 軸電流 PI 制御積分項ゲイン f4_speed_lpf_k float32 速度 LPF パラメータ f4_current_lpf_k float32 電流 LPF パラメータ f4_mtr_r float32 抵抗 f4_mtr_l float32 インダクタンス [H] f4_mtr_m float32 磁束 [Wb] f4_offset_lpf_k float32 電流オフセット値 LPF パラメータ s2_max_speed int16 速度最大値 機械角 [rpm] s2_ol_to_less_speed int16 センサレス制御切替え速度 機械角 [rpm] s2_ol_iq_up_speed int16 q 軸電流指令値増加開始速度 機械角 [rpm] s2_less_to_ol_speed int16 オープンループ制御切替え速度 機械角 [rpm] f4_ol_ref_id float32 オープンループ時 d 軸電流指令値 [A] f4_ol_id_up_time float32 オープンループ時指令 d 軸電流加算時間 [ms] f4_id_down_time float32 指令 d 軸電流減算時間 [ms] f4_ref_speed_const_time float32 速度指令値一定時間 [ms] f4_accel float32 加速度 [rad/s ] f4_fluctuation_limit float32 速度ゆらぎリミット値 [rad/s] f4_ol_iq_down_time float32 指令 q 軸電流減算時間 [ms] f4_ol_ref_iq float32 オープンループ時 q 軸電流指令値 [A] f4_ol_iq_up_time float32 オープンループ時 q 軸電流指令値加算時間 [ms] float32 電流オフセット値計算時間 [ms] f4_offset_calc_time R01AN2155JJ0100 Rev.1.00 2014/9/26 [Ω] 2 Page 26 of 43 RX62T 実装編 永久磁石同期モータのベクトル制御 3.5 センサレスベクトル制御ソフトマクロ定義 本制御プログラムで使用するマクロ定義一覧を次に示します。 表 3-16 マクロ定義一覧 ファイル名 main.h マクロ名 ICS_UI 定義値 ①:0 備考 ICS ユーザインタフェース使用 ②:未定義 Board ユーザインタフェース使用 BOARD_UI ①:1 MAX_SPEED CP_MAX_SPEED_RPM 回転速度指令最大値(機械角) [rpm] OL_TO_LESS_SPEED_RPM CP_OL_TO_LESS_SPEED_RPM センサレス制御切り替え速度 ID_PI_KP CP_ID_PI_KP d 軸電流 PI 制御比例項ゲイン ID_PI_KI CP_ID_PI_KI d 軸電流 PI 制御積分項ゲイン IQ_PI_KP CP_IQ_PI_KP q 軸電流 PI 制御比例項ゲイン IQ_PI_KI CP_IQ_PI_KI q 軸電流 PI 制御積分項ゲイン SPEED_PI_KP CP_SPEED_PI_KP 速度 PI 制御比例項ゲイン SPEED_PI_KI CP_SPEED_PI_KI 速度 PI 制御積分項ゲイン EMF_EST_K CP_EMF_EST_K 速度起電力推定ゲイン THETA_EST_K CP_THETA_EST_K 位置推定ゲイン SPEED_LPF_K CP_SPEED_LPF_K 速度 LPF パラメータ CURRENT_LPF_K CP_CURRENT_LPF_K 電流 LPF パラメータ MAGNETIC_FLUX MP_MAGNETIC_FLUX 磁束 [Wb] RESISTANCE MP_RESISTANCE 抵抗 [Ω] INDUCTANCE MP_INDUCTANCE インダクタンス [H] OFFSET_LPF_K CP_OFFSET_LPF_K 電流オフセット値 LPF パラメータ OL_IQ_UP_SPEED CP_OL_IQ_UP_SPEED_RPM q 軸電流指令値増加開始速度(機械 角) [rpm] LESS_TO_OL_SPEED CP_LESS_TO_OL_SPEED_RPM オープンループ切替え速度(機械 角)[rpm] OL_REF_ID CP_OL_REF_ID オープンループ時指令 d 軸電流[A] OL_ID_UP_TIME CP_OL_ID_UP_TIME オープンループ時指令 d 軸電流加算 時間[ms] ID_DOWN_TIME CP_ID_DOWN_TIME 指令 d 軸電流減算時間[ms] REF_SPEED_CONST_TIME CP_REF_SPEED_CONST_TIME 速度指令値一定時間[ms] ACCEL_MODE0 CP_ACCEL_MODE0 スタートモード時の加速度[rad/s ] ACCEL_MODE1 CP_ACCEL_MODE1 コントロールモード時の加速度 ②:未定義 (機械角)[rpm] 2 2 [rad/s ] R01AN2155JJ0100 Rev.1.00 2014/9/26 Page 27 of 43 RX62T 実装編 永久磁石同期モータのベクトル制御 表 3-17 マクロ定義一覧 ファイル名 main.h マクロ名 定義値 備考 CP_FLUCTUATION_LIMIT 速度ゆらぎリミット値[rad/s] OL_IQ_DOWN_TIME CP_OL_IQ_DOWN_TIME 指令 q 軸電流減算時間[ms] OL_REF_IQ CP_OL_REF_IQ FLUCTUATION_LIMIT オープンループ時 q 軸電流指令値 [A] オープンループ時 q 軸電流指令値加 算時間[ms] OL_IQ_UP_TIME CP_OL_IQ_UP_TIME OFFSET_CALC_TIME CP_OFFSET_CALC_TIME 電流オフセット値計算時間[ms] SW_ON ①:0 “Low”アクティブ ②:未定義 SW_OFF ①:1 ②:未定義 CHATTERING_CNT ①:10 チャタリング除去 ②:未定義 VR1_SCALING ①:4 回転速度指令値作成用定数 ②:未定義 ADJUST_OFFSET ①:0x1FF ②:未定義 POLE_PAIRS MP_POLE_PAIRS 極対数 M_CW 0 回転方向 M_CCW 1 ICS_INT_LEVEL 6 R01AN2155JJ0100 Rev.1.00 2014/9/26 ICS 用割込優先レベル Page 28 of 43 RX62T 実装編 永久磁石同期モータのベクトル制御 表 3-18 マクロ定義一覧 ファイル名 motor_parameter.h マクロ名 定義値 ①:7 MP_POLE_PAIRS 備考 極対数 ②:5 磁束 [Wb] ①:0.006198f MP_MAGNETIC_FLUX ②:0.091f 抵抗 [Ω] ①:0.453f MP_RESISTANCE ②:1.69235f ①:0.0009477f MP_INDUCTANCE インダクタンス [H] ②:0.00889f 表 3-19 マクロ定義一覧 ファイル名 ① mtr_ctrl_rx62t100_t2001.h ② マクロ名 定義値 備考 MTR_PWM_TIMER_FR EQ 96.0f PWM タイマカウント周 波数 [MHz] MTR_CARRIER_FREQ 20.0f キャリア周波数 [kHz] MTR_DEADTIME ①:2 デッドタイム[μs] ②:3 mtr_ctrl_rx62t100_t1102.h MTR_DEADTIME_SET (uint16)(MTR_DEADTIME * MTR_PWM_TIMER_FREQ) デッドタイム設定値 MTR_AD_FREQ 48.0f A/D コンバータ動作周波 数[MHz] MTR_AD_SAMPLING_ CYCLE 26.0f A/D 変換サイクル数 MTR_AD_SAMPLING_T IME MTR_AD_SAMPLING_CYCLE / MTR_AD_FREQ A/D サンプリング時間 [μs] MTR_AD_TIME_SET (uint16)(MTR_PWM_TIMER_FREQ * MTR_AD_SAMPLING_TIME) A/D サンプリング時間カ ウント値 MTR_CARRIER_SET (uint16)((MTR_PWM_TIMER_FREQ * 1000 キャリア設定値 / MTR_CARRIER_FREQ / 2)+ MTR_DEADTIME_SET) MTR_HALF_CARRIER_ SET R01AN2155JJ0100 Rev.1.00 2014/9/26 (uint16)(MTR_CARRIER_SET / 2) キャリア設定値(中間値) Page 29 of 43 RX62T 実装編 永久磁石同期モータのベクトル制御 表 3-20 マクロ定義一覧 ファイル名 マクロ名 定義値 備考 ① MTR_PORT_UP PORT7.DR.BIT.B1 U 相(正相)出力ポート mtr_ctrl_rx62t100_t2001.h MTR_PORT_UN PORT7.DR.BIT.B4 U 相(逆相)出力ポート MTR_PORT_VP PORT7.DR.BIT.B2 V 相(正相)出力ポート ② MTR_PORT_VN PORT7.DR.BIT.B5 V 相(逆相)出力ポート mtr_ctrl_rx62t100_t1102.h MTR_PORT_WP PORT7.DR.BIT.B3 W 相(正相)出力ポート MTR_PORT_WN PORT7.DR.BIT.B6 W 相(逆相)出力ポート MTR_PORT_SW1 ①:PORT9.PORT.BIT.B1 SW1 入力ポート ②:未定義 MTR_PORT_SW2 ①:PORT9.PORT.BIT.B2 SW2 入力ポート ②:未定義 PORTA.DR.BIT.B2 LED1 出力ポート MTR_PORT_LED2 PORTA.DR.BIT.B3 LED2 出力ポート MTR_LED_ON 0 “Low”アクティブ MTR_LED_OFF 1 MTR_INPUT_V ①:24 MTR_PORT_LED1 電源電圧[V] ②:240*1.41421356 MTR_IC_GATE_ON_V ①:未定義- 電源電圧*80%[V] ②:(int32)(MTR_INPUT_V*0.8f) MTR_HALF_VDC MTR_INPUT_V/2.0f 電源電圧/2 [V] MTR_ADC_SCALING 0x7FF A/D コンバータオフセッ ト調整用定数 MTR_CURRENT_SCALI NG ①:20.0f/4095.0f 電流 A/D 変換値分解能 MTR_VDC_SCALING ①:111.0f/4095.0f ②:100.0f/4095.0f ②:686.8f/4095.0f インバータ母線電圧 A/D 変換値分解能 MTR_IPMTEMPERATU RE_SCALING ①:未定義 ②:5.0f/1023 IPM 温度 A/D 変換値分解 能 MTR_OVERCURRENT_ LIMIT 4.8f 電流リミット値 [A] MTR_OVERVOLTAGE_ LIMIT ①:28 高電圧リミット値 [V] MTR_UNDERVOLTAGE _LIMIT ①:0 MTR_OVERIPMTEMPE RATURE_LIMIT ①:未定義 MTR_PORT_IC_GATE ①:未定義- ②:400 IPM 温度リミット値[V] ②:3 ②:PORTB.DR.BIT.B3 MTR_IC_GATE_ON 低電圧リミット値 [V] ②:100 突入電流防止回路用 ポート ①:未定義②:1 R01AN2155JJ0100 Rev.1.00 2014/9/26 Page 30 of 43 RX62T 実装編 永久磁石同期モータのベクトル制御 表 3-21 マクロ定義一覧 ファイル名 mtr_spm_less_foc.h マクロ名 MTR_INT_DECIMATION MTR_CTRL_PERIOD 定義値 備考 1 割り込み間引き回数 (MTR_INT_DECIMATION + 1)/ 制御周期 [s] (MTR_CARRIER_FREQ*1000) MTR_CONTROL_FREQ (MTR_CARRIER_FREQ*1000)/ 制御周波数 [Hz] (MTR_INT_DECIMATI ON + 1) MTR_M MP_MAGNETIC_FLUX 磁束 [Wb] MTR_R MP_RESISTANCE 抵抗 [Ω] MTR_L MP_INDUCTANCE インダクタンス [H] MTR_T_L MTR_CTRL_PERIOD/MTR_L T/L [s/H] MTR_T_M MTR_CTRL_PERIOD/MTR_M T/M [s/Wb] MTR_POLE_PAIRS MP_POLE_PAIRS 極対数 MTR_TWOPI 2*3.14159265f 2π MTR_TWOPI_3 MTR_TWOPI/3 2π/3 MTR_SQRT_2 1.41421356f √2 MTR_SQRT_3 1.7320508f √3 MTR_SQRT_2_3 0.81649658f √(2/3) MTR_RPM_RAD MTR_TWOPI/60 2π/60 MTR_SPEED_LIMIT_RPM ①:4000 速度リミット値(機械角) [rpm] ②:6000 MTR_SPEED_LIMIT_RAD MTR_SPEED_LIMIT_RPM*MTR_R PM_RAD*MTR_POLE_PAIRS 速度リミット値(電気角) [rad/s] MTR_ID_PI_KP CP_ID_PI_KP d 軸電流 PI 制御比例項ゲイン MTR_ID_PI_KI CP_ID_PI_KI d 軸電流 PI 制御積分項ゲイン MTR_IQ_PI_KP CP_IQ_PI_KP q 軸電流 PI 制御比例項ゲイン MTR_IQ_PI_KI CP_IQ_PI_KI q 軸電流 PI 制御積分項ゲイン MTR_SPEED_PI_KP CP_SPEED_PI_KP 速度 PI 制御比例項ゲイン MTR_SPEED_PI_KI CP_SPEED_PI_KI 速度 PI 制御積分項ゲイン MTR_EMF_EST_K CP_EMF_EST_K 速度起電力推定ゲイン MTR_THETA_EST_K CP_THETA_EST_K 位置推定ゲイン MTR_SPEED_LPF_K CP_SPEED_LPF_K 速度 LPF パラメータ MTR_CURRENT_LPF_K CP_CURRENT_LPF_K 電流 LPF パラメータ MTR_OFFSET_LPF_K CP_OFFSET_LPF_K 電流オフセット値 LPF パラメータ MTR_LIMIT_IQ 4.5 速度 PI 制御出力リミット値[A] MTR_I_LIMIT_IQ 4.5 速度 PI 制御積分項リミット値[A] MTR_LIMIT_VD ①:12 d 軸電流 PI 制御出力リミット値 ②:120*1.41421356 [V] R01AN2155JJ0100 Rev.1.00 2014/9/26 Page 31 of 43 RX62T 実装編 永久磁石同期モータのベクトル制御 表 3-22 マクロ定義一覧 ファイル名 mtr_spm_less_foc.h マクロ名 MTR_LIMIT_VQ MTR_I_LIMIT_VD MTR_I_LIMIT_VQ 定義値 備考 ①:12 q 軸電流 PI 制御出力リミット値 ②:120*1.41421356 [V] ①:12 d 軸電流 PI 制御積分項リミット値 ②:120*1.41421356 [V] ①:12 q 軸電流 PI 制御比例項リミット値 ②:120*1.41421356 [V] MTR_MAX_SPEED_RPM CP_MAX_SPEED_RPM 最大速度(機械角) [rpm] MTR_MAX_SPEED_RAD MTR_MAX_SPEED_RPM 最大速度(電気角) [rad/s] *MTR_POLE_PAIRS*MTR_TWOPI /60 MTR_OL_TO_LESS_SPEED_ RPM CP_OL_TO_LESS_SPEED_RPM センサレス制御切替え速度(機械 角)[rpm] MTR_OL_TO_LESS_SPEED_ RAD MTR_OL_TO_LESS_SPEED_RPM センサレス制御切替え速度(電気 角) [rad/s] MTR_OL_IQ_UP_SPEED_RP M CP_OL_IQ_UP_SPEED_RPM q 軸電流指令値増加開始速度(機械 角) [rpm] MTR_OL_IQ_UP_SPEED_RA D MTR_OL_IQ_UP_SPEED_RPM*M TR_POLE_PAIRS*MTR_TWOPI/60 q 軸電流指令値増加開始速度(電気 角) [rad/s] MTR_LESS_TO_OL_SPEED_ RPM CP_LESS_TO_OL_SPEED_RPM オープンループ切替え速度(機械 角)[rpm] MTR_LESS_TO_OL_SPEED_ RAD MTR_LESS_TO_OL_SPEED_RPM オープンループ切替え速度(電気 角) [rad/s] MTR_OL_REF_ID CP_OL_REF_ID オープンループ時指令 d 軸電流[A] MTR_OL_ID_UP_TIME CP_OL_ID_UP_TIME オープンループ時指令 d 軸電流加 算時間[ms] MTR_OL_ID_UP_STEP MTR_OL_REF_ID / MTR_OL_ID_UP_TIME オープンループ時指令 d 軸電流加 算値[A] MTR_ID_DOWN_TIME CP_ID_DOWN_TIME 指令 d 軸電流減算時間[ms] MTR_ID_DOWN_STEP MTR_OL_REF_ID / MTR_ID_DOWN_TIME 指令 d 軸電流減算値[A] MTR_REF_SPEED_CONST_T IME CP_REF_SPEED_CONST_TIME 速度指令値一定時間[ms] MTR_ACCEL_MODE0 CP_ACCEL_MODE0 スタートモード時の加速度[rad/s ] MTR_ACCEL_MODE1 CP_ACCEL_MODE1 コントロールモード時の加速度 *MTR_POLE_PAIRS*MTR_TWOPI /60 *MTR_POLE_PAIRS*MTR_TWOPI /60 2 2 [rad/s ] MTR_FLUCTUATION_LIMIT CP_FLUCTUATION_LIMIT 速度ゆらぎリミット値[rad/s] MTR_OL_IQ_DOWN_TIME CP_OL_IQ_DOWN_TIME 指令 q 軸電流減算時間[ms] MTR_OL_IQ_DOWN_STEP 1/ MTR_OL_IQ_DOWN_TIME 指令 q 軸電流減算時間の逆数 MTR_OL_REF_IQ CP_OL_REF_IQ オープンループ時 q 軸電流指令値 [A] MTR_OL_IQ_UP_TIME R01AN2155JJ0100 Rev.1.00 2014/9/26 CP_OL_IQ_UP_TIME オープンループ時 q 軸電流指令値 加算時間[ms] Page 32 of 43 RX62T 実装編 永久磁石同期モータのベクトル制御 表 3-23 マクロ定義一覧 ファイル名 mtr_spm_less_foc.h マクロ名 定義値 備考 MTR_OL_REF_IQ / MTR_OL_IQ_UP_TIME オープンループ時 q 軸電流指令値 加算値[A] MTR_OFFSET_CALC_TIME CP_OFFSET_CALC_TIME 電流オフセット値計算時間[ms] MTR_EVERY_TIME 0 電流オフセット値をブートモード 移行時計算 MTR_ONE_TIME 1 電流オフセット値をブートモード 移行時計算(初回のみ) MTR_CW 0 回転方向 MTR_CCW 1 MTR_FLG_CLR 0 MTR_FLG_SET 1 MTR_ID_UP 0 d 軸電流増加 MTR_ID_CONST 1 d 軸電流一定 MTR_ID_DOWN 2 d 軸電流減少 MTR_ID_ZERO_CTRL 3 d 軸電流 0 MTR_IQ_ZERO 0 q 軸電流 0 MTR_IQ_SPEED_PI_OUTPUT 1 速度 PI 出力 MTR_IQ_UP 2 q 軸電流増加 MTR_IQ_DOWN 3 q 軸電流減少 MTR_SPEED_ZERO 0 速度 0 MTR_OL_SPEED_CHANGE_L OW 1 低速オープンループ時 MTR_OL_SPEED_CHANGE_H IGH 2 高速オープンループ時 MTR_SPEED_CONST 3 速度一定 MTR_SPEED_CHANGE 4 速度変化 MTR_BOOT_MODE 0x00 ブートモード MTR_START_MODE 0x01 スタートモード MTR_CTRL_MODE 0x02 コントロールモード MTR_ZERO_PEC_MODE 0x00 0 速位置推定モード MTR_OPENLOOP_MODE 0x01 オープンループモード MTR_HALL_120_MODE 0x02 ホールセンサ 120 度運転モード MTR_LESS_120_MODE 0x03 BEMF センサレス 120 度運転モー ド MTR_ENCD_FOC_MODE 0x04 エンコーダベクトル運転モード MTR_LESS_FOC_MODE 0x05 センサレスベクトル制御モード MTR_OVER_CURRENT_ERR OR 0x01 過電流エラー MTR_OVER_VOLTAGE_ERR OR 0x02 過電圧エラー MTR_OVER_SPEED_ERROR 0x03 高速度エラー MTR_TIMEOUT_ERROR 0x04 タイムアウトエラー MTR_UNDER_VOLTAGE_ER ROR 0x07 低電圧エラー MTR_OVER_IPMTEMPERATU RE_ERROR ①:未定義 IPM 温度エラー MTR_UNKNOWN_ERROR 0xff MTR_OL_IQ_UP_STEP R01AN2155JJ0100 Rev.1.00 2014/9/26 フラグ管理 ②:0x08 未定義エラー Page 33 of 43 RX62T 実装編 永久磁石同期モータのベクトル制御 表 3-24 マクロ定義一覧 ファイル名 mtr_spm_less_foc.h マクロ名 定義値 備考 0x00 停止状態 MTR_MODE_RUN 0x01 回転中 MTR_MODE_ERROR 0x02 エラー状態 MTR_SIZE_STATE 3 状態数 MTR_EVENT_STOP 0x00 モータ停止イベント MTR_EVENT_RUN 0x01 モータ起動イベント MTR_EVENT_ERROR 0x02 モータエラーイベント MTR_EVENT_RESET 0x03 モータリセットイベント MTR_SIZE_EVENT 4 イベント数 MTR_MODE_STOP 表 3-25 マクロ定義一覧 ファイル名 control_parameter.h マクロ名 CP_ID_PI_KP 定義値 ①:3.0 備考 d 軸電流 PI 制御比例項ゲイン ②:10.8227f CP_ID_PI_KI ①:0.002 d 軸電流 PI 制御積分項ゲイン ②:0.1f CP_IQ_PI_KP ①:3.0 q 軸電流 PI 制御比例項ゲイン ②:10.8227f CP_IQ_PI_KI ①:0.004 q 軸電流 PI 制御積分項ゲイン ②:0.08f CP_SPEED_PI_KP ①:0.001 速度 PI 制御比例項ゲイン ②:0.01f CP_SPEED_PI_KI ①:0.0005 速度 PI 制御積分項ゲイン ②:0.00003f CP_EMF_EST_K ①:0.2 速度起電力推定ゲイン ②:1.935f CP_THETA_EST_K ①:0.2 位置推定ゲイン ②:0.0948f CP_SPEED_LPF_K ①:0.04 速度 LPF パラメータ ②:0.0136f 電流 LPF パラメータ CP_CURRENT_LPF_K ①:1.0 CP_OFFSET_LPF_K 0.1 電流オフセット値 LPF パラメータ CP_MAX_SPEED_RPM ①:2000 最大速度(機械角) [rpm] CP_OL_TO_LESS_SPEED_RPM 600.0f ②:0.8f ②:3000.0f R01AN2155JJ0100 Rev.1.00 2014/9/26 センサレス制御切替え速度(機械 角)[rpm] Page 34 of 43 RX62T 実装編 永久磁石同期モータのベクトル制御 表 3-26 マクロ定義一覧 ファイル名 control_parameter.h マクロ名 CP_OL_IQ_UP_SPEED_RPM CP_LESS_TO_OL_SPEED_RPM CP_OL_REF_ID 定義値 備考 ①:450.0f q 軸電流指令値増加開始速度(機械角) ②:500.0f [rpm] ①:350.0f ②:300.0f オープンループ切替え速度(機械 角)[rpm] ①:1.0f オープンループ時指令 d 軸電流[A] ②:1.25f ②:64.0f オープンループ時指令 d 軸電流加算時 間[ms] CP_ID_DOWN_TIME ①:512.0f 指令 d 軸電流減算時間[ms] CP_REF_SPEED_CONST_TIME 256.0f 速度指令値一定時間[ms] CP_ACCEL_MODE0 ①:0.2 スタートモード時の加速度[rad/s ] CP_OL_ID_UP_TIME ①:128.0f ②:1024.0f 2 ②:0.5f CP_ACCEL_MODE1 CP_FLUCTUATION_LIMIT ①:0.2 コントロールモード時の加速度 ②:0.5f [rad/s ] ①:20.0f 速度ゆらぎリミット値[rad/s] 2 ②:50.0f CP_OL_IQ_DOWN_TIME 100.0f 指令 q 軸電流減算時間[ms] CP_OL_REF_IQ 0.6f オープンループ時 q 軸電流指令値[A] CP_OL_IQ_UP_TIME 512.0f オープンループ時 q 軸電流指令値加算 時間[ms] CP_OFFSET_CALC_TIME 256 電流オフセット値計算時間[ms] R01AN2155JJ0100 Rev.1.00 2014/9/26 Page 35 of 43 永久磁石同期モータのベクトル制御 3.6 3.6.1 RX62T 実装編 制御フロー(フローチャート) メイン処理 図 3-5 メイン処理フローチャート(対象ソフト①) R01AN2155JJ0100 Rev.1.00 2014/9/26 Page 36 of 43 永久磁石同期モータのベクトル制御 RX62T 実装編 図 3-6 メイン処理フローチャート(対象ソフト②) R01AN2155JJ0100 Rev.1.00 2014/9/26 Page 37 of 43 永久磁石同期モータのベクトル制御 3.6.2 RX62T 実装編 100 [μs]周期割り込み処理(センサレスベクトル制御時) 図 3-7 100 [μs]周期割り込み処理フローチャート(センサレスベクトル制御時) R01AN2155JJ0100 Rev.1.00 2014/9/26 Page 38 of 43 永久磁石同期モータのベクトル制御 3.6.3 RX62T 実装編 1 [ms]割り込み処理 図 3-8 1 [ms]割り込み処理フローチャート R01AN2155JJ0100 Rev.1.00 2014/9/26 Page 39 of 43 永久磁石同期モータのベクトル制御 3.6.4 RX62T 実装編 過電流検出割り込み処理 図 3-9 過電流検出割り込み処理フローチャート R01AN2155JJ0100 Rev.1.00 2014/9/26 Page 40 of 43 永久磁石同期モータのベクトル制御 4. 4.1 RX62T 実装編 開発支援ツール「In Circuit Scope」 概要 本アプリケーションノート対象サンプルプログラムでは開発支援ツール「In Circuit Scope」によるユーザイ ンタフェース(回転/停止指令、回転速度指令等)が使用可能です。ICS はターゲットシステム上で実行される プログラムのグローバル変数値をリアルタイムにパソコン上に波形表示することができるツールです。使用 方法などの詳細は「In Circuit Scope 取扱説明書」及び「ICS を使用するための CubeSuite+の設定方法」を参 照してください。 図 4-1 In Circuit Scope 外観 4.2 ライブラリ使用方法 低電圧版で ICS を使用する場合、ICS に関連する関数を呼び出す必要があります。ICS 関連関数は条件コン パイル(#ifdef--#endif)で設定しています。ICS を使用する場合は下記の通り設定してください。尚、高電圧版 はソースコード変更無しで ICS を使用することができます。 【ファイル名】mtr_common.h 【変更箇所】下記の宣言を加えてください。 #define ICS_USE R01AN2155JJ0100 Rev.1.00 2014/9/26 Page 41 of 43 RX62T 実装編 永久磁石同期モータのベクトル制御 4.3 ICS 用変数一覧 ICS 用変数の一覧を表 4-1 に示します。この ICS 用変数を変更した時点では、モータ制御層変数には反映さ れません。モータ制御層の変数は、com_s2_enable_write に g_s2_enable_write と同じ値を書込んだタイミング で書き変わります。ただし、(*)が付けられた変数は com_s2_enable_write に依存しません。 表 4-1 ICS 用変数一覧 ICS 用変数名 com_s2_sw_userif (*) 型 int16 (対象ソフト:①) 内容 反映先変数(モータ制御層変数) ユーザインタフェーススイッチ 書き換えた時点で 0:ICS ユーザインタフェース使用 g_s2_sw_userif に反映 (デフォルト) 1:ボードユーザインタフェース使用 com_s2_mode_system(*) int16 ステート管理 0:ストップモード 1:ランモード 書き換えた時点で g_s2_mode_system に反映 3:リセット com_s2_direction int16 回転方向 0:CW g_u1_direction 1:CCW com_s2_ref_speed_rpm int16 速度指令値 (機械角)[rpm] g_s2_ref_speed com_f4_kp_speed float32 速度 PI 制御比例項ゲイン g_f4_kp_speed com_f4_ki_speed float32 速度 PI 制御積分項ゲイン g_f4_ki_speed com_f4_kp_id float32 d 軸電流 PI 制御比例項ゲイン g_f4_kp_id com_f4_ki_id float32 d 軸電流 PI 制御積分項ゲイン g_f4_ki_id com_f4_kp_iq float32 q 軸電流 PI 制御比例項ゲイン g_f4_kp_iq com_f4_ki_iq float32 q 軸電流 PI 制御積分項ゲイン g_f4_ki_iq com_f4_k_emf float32 速度起電力推定ゲイン g_f4_k_emf com_f4_k_theta float32 位置推定ゲイン g_f4_k_theta com_f4_speed_lpf_k float32 速度 LPF パラメータ g_f4_speed_lpf_k com_f4_current_lpf_k float32 電流 LPF パラメータ g_f4_current_lpf_k com_f4_mtr_r float32 抵抗[Ω] mtr_p com_f4_mtr_l float32 インダクタンス[H] mtr_p com_f4_mtr_m float32 磁束[Wb] mtr_p com_f4_offset_lpf_k float32 電流オフセット値 LPF パラメータ g_f4_offset_lpf_k com_s2_max_speed_rpm int16 速度最大値(機械角) [rpm] g_s2_max_speed com_s2_ol_to_less_speed_rpm int16 センサレス制御切替え速度(機械角) [rpm] g_s2_ol_to_less_speed_rad com_s2_ol_iq_up_speed_rpm int16 q 軸電流指令値増加開始速度(機械角) [rpm] g_s2_ol_iq_up_speed _rad com_s2_less_to_ol_speed_rpm int16 オープンループ切替え速度(機械角) [rpm] g_s2_less_to_ol_speed_rad com_f4_ol_ref_id float32 オープンループ時指令 d 軸電流[A] g_f4_ol_ref_id com_f4_ol_id_up_time float32 オープンループ時指令 d 軸電流加算時間[ms] g_f4_ol_id_up_step com_f4_id_down_time float32 指令 d 軸電流減算時間[ms] g_f4_id_down_step com_f4_ref_speed_const_time float32 速度指令値一定時間[ms] g_f4_ref_speed_const_time com_f4_accel float32 加速度[rad/s ] g_f4_accel com_f4_fluctuation_limit float32 速度ゆらぎリミット値[rad/s] g_f4_fluctuation_limit com_f4_ol_iq_down_time float32 指令 q 軸電流減算時間[ms] g_f4_ol_iq_down_step com_f4_ol_ref_iq float32 オープンループ時 q 軸電流指令値[A] g_f4_ol_ref_iq com_f4_ol_iq_up_time float32 オープンループ時 q 軸電流指令値加算時間[ms] g_f4_ol_iq_up_step com_f4_offset_calc_time float32 電流オフセット値計算時間[ms] g_f4_offset_calc_time int16 変数書き換え許可 com_s2_enable_write R01AN2155JJ0100 Rev.1.00 2014/9/26 2 Page 42 of 43 永久磁石同期モータのベクトル制御 RX62T 実装編 ホームページとサポート窓口 ルネサス エレクトロニクスホームページ http://japan.renesas.com/ お問合せ先 http://japan.renesas.com/contact/ すべての商標および登録商標は,それぞれの所有者に帰属します。 R01AN2155JJ0100 Rev.1.00 2014/9/26 Page 43 of 43 改訂記録 Rev. 1.00 発行日 2014/9/26 ページ - 改訂内容 ポイント 新規発行 A-1 製品ご使用上の注意事項 ここでは、マイコン製品全体に適用する「使用上の注意事項」について説明します。個別の使用上の注意 事項については、本ドキュメントおよびテクニカルアップデートを参照してください。 1. 未使用端子の処理 【注意】未使用端子は、本文の「未使用端子の処理」に従って処理してください。 CMOS製品の入力端子のインピーダンスは、一般に、ハイインピーダンスとなっています。未使用 端子を開放状態で動作させると、誘導現象により、LSI周辺のノイズが印加され、LSI内部で貫通電 流が流れたり、入力信号と認識されて誤動作を起こす恐れがあります。未使用端子は、本文「未使用 端子の処理」で説明する指示に従い処理してください。 2. 電源投入時の処置 【注意】電源投入時は,製品の状態は不定です。 電源投入時には、LSIの内部回路の状態は不確定であり、レジスタの設定や各端子の状態は不定で す。 外部リセット端子でリセットする製品の場合、電源投入からリセットが有効になるまでの期間、端子 の状態は保証できません。 同様に、内蔵パワーオンリセット機能を使用してリセットする製品の場合、電源投入からリセットの かかる一定電圧に達するまでの期間、端子の状態は保証できません。 3. リザーブアドレス(予約領域)のアクセス禁止 【注意】リザーブアドレス(予約領域)のアクセスを禁止します。 アドレス領域には、将来の機能拡張用に割り付けられているリザーブアドレス(予約領域)がありま す。これらのアドレスをアクセスしたときの動作については、保証できませんので、アクセスしない ようにしてください。 4. クロックについて 【注意】リセット時は、クロックが安定した後、リセットを解除してください。 プログラム実行中のクロック切り替え時は、切り替え先クロックが安定した後に切り替えてくださ い。 リセット時、外部発振子(または外部発振回路)を用いたクロックで動作を開始するシステムでは、 クロックが十分安定した後、リセットを解除してください。また、プログラムの途中で外部発振子 (または外部発振回路)を用いたクロックに切り替える場合は、切り替え先のクロックが十分安定し てから切り替えてください。 5. 製品間の相違について 【注意】型名の異なる製品に変更する場合は、製品型名ごとにシステム評価試験を実施してくださ い。 同じグループのマイコンでも型名が違うと、内部ROM、レイアウトパターンの相違などにより、電 気的特性の範囲で、特性値、動作マージン、ノイズ耐量、ノイズ輻射量などが異なる場合がありま す。型名が違う製品に変更する場合は、個々の製品ごとにシステム評価試験を実施してください。 ご注意書き 1. 本資料に記載された回路、ソフトウェアおよびこれらに関連する情報は、半導体製品の動作例、応用例を説明するものです。お客様の機器・システムの設計におい て、回路、ソフトウェアおよびこれらに関連する情報を使用する場合には、お客様の責任において行ってください。これらの使用に起因して、お客様または第三 者に生じた損害に関し、当社は、一切その責任を負いません。 2. 本資料に記載されている情報は、正確を期すため慎重に作成したものですが、誤りがないことを保証するものではありません。万一、本資料に記載されている情報 の誤りに起因する損害がお客様に生じた場合においても、当社は、一切その責任を負いません。 3. 本資料に記載された製品デ-タ、図、表、プログラム、アルゴリズム、応用回路例等の情報の使用に起因して発生した第三者の特許権、著作権その他の知的財産権 に対する侵害に関し、当社は、何らの責任を負うものではありません。当社は、本資料に基づき当社または第三者の特許権、著作権その他の知的財産権を何ら許 諾するものではありません。 4. 当社製品を改造、改変、複製等しないでください。かかる改造、改変、複製等により生じた損害に関し、当社は、一切その責任を負いません。 5. 当社は、当社製品の品質水準を「標準水準」および「高品質水準」に分類しており、 各品質水準は、以下に示す用途に製品が使用されることを意図しております。 標準水準: コンピュータ、OA機器、通信機器、計測機器、AV機器、 家電、工作機械、パーソナル機器、産業用ロボット等 高品質水準: 輸送機器(自動車、電車、船舶等)、交通用信号機器、 防災・防犯装置、各種安全装置等 当社製品は、直接生命・身体に危害を及ぼす可能性のある機器・システム(生命維持装置、人体に埋め込み使用するもの等) 、もしくは多大な物的損害を発生さ せるおそれのある機器・システム(原子力制御システム、軍事機器等)に使用されることを意図しておらず、使用することはできません。 たとえ、意図しない用 途に当社製品を使用したことによりお客様または第三者に損害が生じても、当社は一切その責任を負いません。 なお、ご不明点がある場合は、当社営業にお問い 合わせください。 6. 当社製品をご使用の際は、当社が指定する最大定格、動作電源電圧範囲、放熱特性、実装条件その他の保証範囲内でご使用ください。当社保証範囲を超えて当社製 品をご使用された場合の故障および事故につきましては、当社は、一切その責任を負いません。 7. 当社は、当社製品の品質および信頼性の向上に努めていますが、半導体製品はある確率で故障が発生したり、使用条件によっては誤動作したりする場合がありま す。また、当社製品は耐放射線設計については行っておりません。当社製品の故障または誤動作が生じた場合も、人身事故、火災事故、社会的損害等を生じさせ ないよう、お客様の責任において、冗長設計、延焼対策設計、誤動作防止設計等の安全設計およびエージング処理等、お客様の機器・システムとしての出荷保証 を行ってください。特に、マイコンソフトウェアは、単独での検証は困難なため、お客様の機器・システムとしての安全検証をお客様の責任で行ってください。 8. 当社製品の環境適合性等の詳細につきましては、製品個別に必ず当社営業窓口までお問合せください。ご使用に際しては、特定の物質の含有・使用を規制する RoHS指令等、適用される環境関連法令を十分調査のうえ、かかる法令に適合するようご使用ください。お客様がかかる法令を遵守しないことにより生じた損害に 関して、当社は、一切その責任を負いません。 9. 本資料に記載されている当社製品および技術を国内外の法令および規則により製造・使用・販売を禁止されている機器・システムに使用することはできません。ま た、当社製品および技術を大量破壊兵器の開発等の目的、軍事利用の目的その他軍事用途に使用しないでください。当社製品または技術を輸出する場合は、「外 国為替及び外国貿易法」その他輸出関連法令を遵守し、かかる法令の定めるところにより必要な手続を行ってください。 10. お客様の転売等により、本ご注意書き記載の諸条件に抵触して当社製品が使用され、その使用から損害が生じた場合、当社は何らの責任も負わず、お客様にてご負 担して頂きますのでご了承ください。 11. 本資料の全部または一部を当社の文書による事前の承諾を得ることなく転載または複製することを禁じます。 注1. 本資料において使用されている「当社」とは、ルネサス エレクトロニクス株式会社およびルネサス エレクトロニクス株式会社がその総株主の議決権の過半数 を直接または間接に保有する会社をいいます。 注2. 本資料において使用されている「当社製品」とは、注1において定義された当社の開発、製造製品をいいます。 http://www.renesas.com ■営業お問合せ窓口 ※営業お問合せ窓口の住所は変更になることがあります。最新情報につきましては、弊社ホームページをご覧ください。 ルネサス エレクトロニクス株式会社 〒100-0004 千代田区大手町2-6-2 (日本ビル) ■技術的なお問合せおよび資料のご請求は下記へどうぞ。 総合お問合せ窓口: http://japan.renesas.com/contact/ © 2014 Renesas Electronics Corporation. 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