天ぷら油火災における強化液消火器(アルカリ性 消火薬剤及び中性薬剤

消防科学研究所報 30号(平成5年)
天ぷら油火災における強化液消火器(アルカリ性
消火薬剤及び中性薬剤)の消火比較実験について
Comparisono
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薩佐之久*
鈴木
豊川
概 要
天ぷら油火災には、強化液消火器(アルカリ性消火糸行1
1)が最も効民的て、あることが判っているが、こ
れに対し仰化液消火器(中 '
1
'
1薬剤)の場合は一旦、火が i
'
iえでもすぐに再燃する場合や、即座に消火でき
"
lは 3リットル J
f
J
強化液消火器の消火効果そ実験を j
l
1jして比較確認し、
ないことがあると言われており、今 l
今後 ω郎氏指導等に活用していくことを目的に実験を行った。
こ
とな結 !思は次のとおりである。
1.9
"性薬斉1
1
はアルカリ性本剤に比較して消火時に火炎の拡大を生じる。この火炎の拡大や消火時の吹き
返しが、 I
町
接
)
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'
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[
J
t
lの可燃物を燃焼させる危険性がある。
2.消火器の操作時には、間欠放射は避け、必ず述続放射することが大切で ある。
b
3 赤外線制像世間による飢祭では、中内薬剤放射叫に炎の拡大や吹き返しによる I":J泊流が大井を忌い、
台所等と他の用途との境にある ~[ï:れ !立に衝突し、消火者 の 背後を襲う回り込み現象が観察された。
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いことや金同に対する腐食性が少ないなどの利点
l はじめに
が上げられる。
e
本来、強化液消火薬斉[
I
は
、 pHがおおよそ 1
3の強
今 D,[はこの 3 型強化液消火器のアルカリ性及
アルカリ性であるが、近年従来のもののほかに pH
び中性薬剤の両方の消火効果を実験を通し比較確
が 7科度の中性に近いな一斉[
I
の強化液消火器が版光
認した。
されるようになった。
2 観察内容
この中性来剤は、目などに入っても刺激が少な
(
l
) 点火から発火に至るまでの天ぷら油の温度曲
'第←研究明
・
・'
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線
(
2
) 発火してから炎が 1
0
0
c
mに達するまでの時間
(
5
0
)
コ ン ロ の 最 大 発 熱紙 は
、 2
1
0
0
k
c
a
l
/
hであ
(
3
) 消火終了までの各熱電対の位置における温度
測定の比較
る。
(
4
) 薬剤放射時間
U
r
U による消火成功、不成功
ウなべ
加熱用なべとして図 2に示す天ぷらなべを
の比較
(
5
) 消火薬剤放射時の炎の拡大の比較
使用した。
(
6
) 消火者の体感
N¥ J
F
J
:
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J?
m
3 実験装置
(1)桜擬ハウス
実験用模擬ノ、ウスを燃焼実験室内に設け、図
lのようにほぼ 5畳間に近い一般家庭の台所を
想定して製作した。
前面と右側面を開放とし、笑験中の状況が観
8
c
mの
測し易いようにし、この部分に天井から 4
垂れ壁を設けた。
8T
7
図 2 天ぷらなぺ
エ天ぷら油
天ぷら油には、大豆しらしめ油を使用し、
油虫 は各実験共に 8
0
0
c
cとした。
4. 対 象 薬 剤
本実験は、検定に合格した消火器及び薬剤を使
用し、あくまで強化液消火器 のア ルカリ性薬剤l
と
中性薬剤の天ぷら油火災に対する消火効果を比較
について比較を
実験するものであり、次の薬剤l
平 宇三一
面
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行った。
可二〕
なお現在、強化液消火薬剤は、消火器と同様に
2
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tを取り入れており、代表され
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るメーカーで強化液消火薬剤 3 型アルカリ 性 3
社、中性 2社、また参考に供し得る目的で家庭用
e
強化液消火器 1 型 アル カリ性 I社
、 中性 I社
、
温度測定ケ所(熱電対設置位置)
図 1 実験用模擬ハウス
機械泡消火器、粉末消火器、訓練用消火器(水)
各 l社の製品について比較実験を行 った。
(
2
) 実験器材
各消火器の略号を表 lに示す。
ア 加熱機器
5
.測 定 方 法
図 1f
こ示すように床面からの高きが 8
5
c
mの
位置に 2ロガスコンロを 置 き、そのうち の一
(
1
) 天ぶ ら油が発火して消火開始に 至る まで、次
!
l
j;.:t:を行った。
の条件にて d
方(右側)を実験用に供した。
イ加熱源
ア
使用したコンロのガスは、都市ガス(l3A)
ガスの遮断時期
天ぷらなべが発火しでもガスを遮断せず、
を使用した。
消火器で消火してから遮断するようにした。
(
5
1
)
ビュータで処理を行い、画面上で連続的にプ
表 l 各消火器の略号
l
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各熱電対の測定位同を [
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ビデオカメラを用い、映像を連続撮影した。
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(
3
) ビデオテープレコーダーによる測定
装慣の設定位置は、右側面に設定し、画面上
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なお、ビデオ凶像により消火器の放射時間を
測定'し、放射時間
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赤外線撮像裂 i
置を用い、アルカリ性薬剤及び
五 件 間 I ~ 政財
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:
1
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中性薬剤の放射熱の比較金行った。
う/ダ人
計器の設定位 i
白は、ほぽビデオカメラと同じ
号ング/、
位置とした。
づングノ
、
6. 観 察 結 果
(
1
) 天ぷら油の温度曲線
ノ〉ダム
代表 される天ぷら油のコンロ点火から、発火
ランゾJ
・ │
読
む略 L
;
'
j
,
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"
j 山!, JJU'
j
J験 I
1刑 判 な る。
イ
C
t
J:)の比較とした。
(
4
) 放射熱の測定
して消火完了までの温度状況を図 3及 び 4の T
lに示す。
消火山の r~ j
;さ、ノズルからなべまでの距離
消火探の白i
さは、ノズルが床面から 1
4
0
c
mと
天ぷらを揚げるのに最適とされる温度 1
8
0C
0
し、ノズルからなべ中心まて'
U
)
W
Q離が 1
5
0
c
mと
に到達する時間はコンロ点火からおおよそ 5~
なるように、消火山ぷZ ü'I~ 台を設け各実験とも
一
一
一
一
同一 条件て hつた。
iCI
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醐 I
ただし、家庭用強化液消火器 1 型は、設
7
0
0
1
U~'l:台を使J. IJ せずいl 位i古 から手で持ゥて消火を
わった。
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ぶ
五三
L
なお、消火器の凶作者は全ての実験ともに
川ーノ¥が行った。
ウ 消 火1
1
.
.
)朋
天ぷらなべが発火して、目視で背而の観察
用メッシュと対比させながら炎 ω
ω さが 100
l
J
mになった│時、フにじら油国jに向けて消火を開
始した。
(SJ
一
一
一
一
一1
5
--_.T-6
(
2
) 温度 i
!
I
J定
-T
ー7
- ~
天ぷらなべ内の i
Ui¥J豆、発火してからの炎の温
度及び天井面の視役ーを測定するため、天ぷら泊
-j8
<
9
)'
中 I点、なべの中心から上一方へ霊山に天井まで
L
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mの 3点、その天井の
油r
J去を中心に、ド径五 Ocm 及び~lO OC I1lの 4 点、計 8 点の
j
品問 i
!
l
J
I
定を行った。
なお、熱電 対はクロメルーアルメ/レ熱屯対を
" 曙 ( 免 )
図 3 温度測定結果(アルカリ薬剤放射)
用い、データロガーを介してパーソナルコン
(
5
2
)
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│
J
j
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j
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図 5 炎の高さと時間の関係
1
田
│
泊
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800
。
。
700
図4
温
600
500
6分であった。
また、油温が 2
0
0Cを越えてからi'1 1!~( (
出l
州)
0
400
が発生し、温度が上列するにつれて白煙の発生
t
特釘の央気 も激
が多くなり、あわせて天ぷら証l
しくなった。
発火温度は 360~3800C の範囲内て\早くて
15~16分で発火に至 った。
YUUMMUMYYMYMYMYMMYYYYUU
なお、図中 T2から1'8は、図 1に示す温度
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33333333333
:33333331 li
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2
専
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・
・
測定的│所における温度状況である。
『
図6 ;
I
I
I
J定点 T 1における温度
(
2
) 発火してから炎が 100cmに達するまでの時間
天ふ。
ら 泊が発火して、目視により炎が 1
0
0
c
mに
800
0
0
c
mまで
達した時消火を開始したが、発火から 1
700
の炎の高さと時間との関係を図 5に示す。
炎の高さと経過時間に幅が生じるが、 1
0
0
c
mま
1
1 600
1
0秒から 7
0秒と幅があり中でも 5
0秒から 6
0
秒
で5
5
0
0
までに 集中 している。
400
0秒から 6
0秒
したがって、発火しておおよそ 5
でlOO
c
m
'
こ達し、発火から極めて短時間で火炎が
l
f 300
成長し、周閤や天井に延焼していくなど初期消
~
200
火のチャ ンス が限定される。
1
0
0
(
3
) アルカリ性薬剤、中性薬剤l
の消火終了までの
e
{
lにおける温度調J
I
定の比較
各熱屯対の位 U
YUUMMUMYYMYMYMYMMYYYYUU
AAAAA^ANNNNNNNNNNN^Nõ~ 1
各実験の T1から T8の必 rt.J温度を測定点、ご
1
:1
: 33
:1
: 33333333:)31
:1
:3 1I
;
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.
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!
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'
<
;
!
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'
ζ
3に示す。
とに比較した結果を、図 6から図 1
!;'釘嶋崎,、
旬、
図 7 測定点 T 2における温度
(
5
3
)
900
- i
定 200
:
i 200
1
0
0
1
0
0
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日
ー
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﹁ー
YUUMMUMYYMYMYMYMMYYYYUU
ÁÄÁ~~Á^N NN NNNNNNNN^N;&'
33333
: 3333333 J
:3
:3333Ill
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33333333 ;
j 3333333 33
! 1届!."
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図1
1 測定点、 T 6における温度
図 8 測 定 点、T 3における温度
一寸
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0
0
700
j
Q
6
00
i
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0
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5
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度
3
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YUUMMUMYYMYMYMYMMYYYYUU
YUUMMUMYYMYMYMYMMYYYYUU
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2 測 定 点 T7における温度
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J定点、 T4における温度
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図1
0 測 定 点 T5における温度
、
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型アルカリ性薬剤と中性薬剤l
の比較
ア
イ
(
7
) T1から T3の炎に近い場所では、アルカ
e
中性薬剤 3 型は、放射時聞が短いと消火
されず、むしろ火炎の拡大を助長するような
ではあまり最高温度に廷
リ性薬剤と中性薬剤l
形となり、消火には至らない。
は見られなし〉。
一 日、消火して再発火という現象は見られ
このことは Tl及び T2は天ぷら油が発火
ず、ある程度の薬斉IJ JI~: が放射された後に消火
してからの油温及び炎が 1
0
0
c
mに達するまで
成功となる。
また、 6秒以上連続して油商に放射した場
の火炎そのものの温度を示しており、また T
答却はお
合消火成功となった。この時の薬剤l
3にもその影響力f現れている。
およそ 5
5
0
m
{前後である。
付) これに対して、炎から縦れた T4から T 8
ウ 参考に供し得る目的で実験を行った家庭用
における天井商の各測定点は顕著な差がみら
e
強化液消火器 1 型アルカリ性薬剤は 3秒放
れる。
これは、明らかに消火薬剤の違いによる火
射後消火し、 7
.
7秒後に再発火し、更に1.3
秒
炎の拡大、或いは消火時の吹き返しによるも
4
.
4秒後に再度発火し、。司 6秒放射で
放射し 1
のである。
4
5
2
m
tを消費して消火成功した。
e
また、家庭用強化液消火器 1Q型中性薬剤
家庭用消火器 1 型について
イ
は
、 4
.
5秒の連続放射で消火成功した。しかも
'
アルカリ性薬剤及び中性薬剤共に各温度淵j
e
;
J
:2
8
9
m
{と少 :
;
J
:で消火成功となってい
薬剤耐:'
定点、は、 3 型のアルカリ性薬剤と同様な温
e
度傾向を示し、特に中れ薬剤は 3 型でみら
る
。
機械泡消火器 6 e
型界面活性剤は、1.8
秒放
れるような高温傾向は示さなかった。
ウ 機械 i
泡、粉末
(ABC) 薬剤、水について
.
3秒放射して消
射時火炎拡大があり、その後 4
e
機械泡及び水は、 3 型強化液薬剤と比較
火に至った。
'の温度分布に似て
して T4、 T5は中性薬斉j
0型は、一旦 3.
8
秒の放射で消火
粉末消化器 1
よりも 1
0
i
h
Uで3
5
0'
C
おり、また T6は中性薬剤l
成功し、その後 4
.
1秒後に再発火し、 2回目の
以上の温度を示した。
放射で消火に至った。
これとは逆に粉末
(ABC) 薬剤は、 3e
訓練用消火器 3Q型により水を放射したが、
型強化液消火器のアルカリ性薬剤と各測定点
火炎を抑制することができず、火炎の拡大を
共に同様な温度傾向を刀、した。
あおるのみで危険になったため中止した。
(
4
) 薬剤の放射時間 ( ~:.ít) による消火成功、不成
(
5
) 消火薬剤放射時の炎の拡大の比較
3e
刑強化液消火薬剤l
のアルカリ性及び中性
功の比較
の典型的な薬剤放射時、アルカリ性誌剤、中性
各薬剤の放射時間 (
il
U による消火比較をま
共に天ぷらなべの上方に炎の拡大が見られ
薬剤l
とめると表 2のとおりである。
なお、薬剤の放射方法については、
の間欠放射、
2~3 秒間の間欠放射、
l秒以下
は高温域の菌i
紛が小さく、
るが、アルカリ性薬剤l
3 秒以上
天)¥
、
を尚温域が這 って消火者側に向かうものの
途中で消滅してしまう。
の長時間放射と放射時聞を変えて観祭を行 った
。
ア
e
アルカリ性薬剤 3 型は、知│時開放射でも
アルカリ性薬剤の場合、放射してからの炎の
拡大の寿命は瞬時で短時間であった。
ほとんど不消火は見られず、一旦、消火はす
これに対して中性薬剤は、放射後炎の拡大が
るが薬沿不足のため再発火し、薬剤量がある
激しく高温域の副.fj!
l
がアルカリ性薬剤に比べて
止になると消火成功に至る。
程度の l
再発火に至る時間経過は、長いもので十数
大きく、天井を這って消火者側へ到達しており
また炎の寿命も長くなっている。
秒のものもあり、少ない引の~i'TIj でも一時的
実験用模擬ハウスで消火者の頭上部分に垂れ
に火炎を抑制していることがうかがえる。
'
に比べ
相対的にアルカリ薬剤は、中性都庁j
壁があるが、中竹一薬剤放射時拡大した炎が瞬時
:
t:が少ない傾向を示して
消火成功までの薬剤 r
ではあるが、消火者の頭ヒまで到達し、その温
いる。
0
0Cを越えるものであった。
度は 5
0
(
5
5
)
表 2 薬剤l
の放射時間(量)による消火比較
2
1
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鑓
司
中性火薬剤
①
①
②
②
ノ官
スツ
目ク
はの
c
m
てフ
な べの位置
消火者の一胸部の位置
③
J
マ
③
④
@
⑤
⑤
① から⑤まで約 l秒
① から⑤まで約 1
.5
秒
写真
赤外線撮影装置による薬剤放射時の状況
(
;
if
i
)
赤外線撮像装世による薬斉J
I
放射時の温度状況
を写真 に示 す
。
が燃焼した)
(
4
) 消火器の操作時には‘間欠放射は避け、必ず
連続放射することが大切である。
(
6
) 消火者の体感
(特に 3e
型中性薬剤は、間欠放射すると炎の
全て同一人が炎の高さが 1
0
0
c
mに達した時に
消火薬剤を放射した。
拡大を あおる)
e
の飛散は小 さく 、炎の拡大もなぺ上部
油や薬剤l
(
5
) 赤外線縦像装自 による観察では、 3e
型中性
会5
剤放射時に‘炎の拡大や吹き返しによる高温
だけで消火者に不安を与えるようなことはな
流が天井を這い、 台所存(J川房)と他の用途と
冶
カ った
。
の境にある乗れ墜に衝突し、消火者の背後を襲
相対的に 3 明アルカリ液剤放射時、*-ぷら
e
は、放射時炎の舷
これに対し 3 型中性薬剤l
う回 り込み現象が観察 δれた。
大が大きく、その吹き返しが天井面を這って垂
8 おわりに
れ壁にぶ つか り、消火者 ω ~JLL にまで達し、頭
廷が 1
.1.¥げたり、耳たぶが火似令す ることもあっ
今回各:ょ:験を通じて、実際に消火器の傑作を行
う上で M,~じられた 'J(項は、次のとおりである。
た
。
e
家庭用消火探 1 型は、アルカリ性及び中性
(
1
)
:
1
e
型消火器は一般家庭におけ る天ぷら油火
共に簡単に消火でき、炎の拡大をあおるような
災の消火器としては大きくて重いため、年配者ー
恐怖感はなかった。
や女竹では確実に作ち上げ、ガステープル上の
e
天ふらなべに 低い 後勢のままで確実 に放射する
また、機械泡及び水は:1 ~強化被消火薬剤
の中性と同様々炎の拡大を示し、
i
'
i火者に不安
を感じさせた。
のが難しし '
0
(
2
) 中性薬剤│放射l
時{士、天ぷらなべからある程度
とくに水は、炎の拡大、油、水の飛散が激し
く、人体に危険性が感じ られた。
o)~miMt をと る 必要がある。
e
(
3
) 3 型中性消火器は炎の拡大をあおることか
なお、粉末 ABC消火薬剤は、放射時なべ上
部へ炎の拡大があったものの、消火者側への熱
ら、心珂的な不安も大きし、。
(
4
)
1
eJ\IJ.~{ 庭用消火黙は小刑粍 lain で、消火 時に
tつ
の彬響は小さく、比"攻的スムーズに消火に :
は炎の吹き返しが少なく、消火時間も短くて済
。
む ことか ら、これからの高齢化社会にお ける米
~ ,伊
ただ、放射を開始してから室内に薬剤が充満
消火黙として、有用と思
ぷら油火災時 0)家庇F!J
し、火点を見極めるのに難しさが感じられた。
われる。
7 考 察
(1)今回 の実験条件では、天ぷら油 の油温は 5
~6 分で J80 C に達し、また 15 から 16分経過して
0
発火に至た。
したがって、天ぷらなべを火にかけた時は絶
対にその場を離れないことと、短時間でも出~れ
る時はコ ンロの火を消すことが大切である 。
(
2
) 天ぷら油が発火してか ら炎の尚さが 1
0
0
c
mに
達するのは、約 50~60 秒であった。
(
3
) 3
e
型強化泌消火器の中性薬剤はアル カリ 性
薬剤に比較して消火時に一時的に火炎の拡大を
生じた。
この火炎の拡大や消火時の吹き返しが、直接
周囲の可燃物を燃焼主せ る危険性があった 。(
実
際に熱'
,
U対を回定しているアルミニウムテープ
(
5
7
)