X線照射装置 仕 様 書 平成26年11月 国立大学法人 山口大学 目 次 I. 仕様書概要説明 1.調達の背景及び目的 2 2.調達物品名及び構成内訳 2 3.技術的要件の概要 2 4.その他 2.3 II. 調達物品に備えるべき技術的要件 (性能・機能に関する要件) (性能・機能以外に関する要件) 4.5 6.7 -1- Ⅰ. 仕様書概要説明 1.調達の背景及び目的 近年、免疫に関する研究の一法として、放射線照射による免疫能低下状態を作製する方法が標準 化されている。 また、 現有する X 線照射装置は導入後 23 年経過し老朽化により運用不可能となった。 本案件では、既存装置の更新を主目的とし、技術革新に伴う操作方法や放射線管理の容易さの向 上を図ることで、利用者の安全性並びに研究の継続を達成するために本装置を導入する。 2.調達物品名及び構成内訳 X 線照射装置 一式 (構成内訳) 1. X 線照射装置本体 2. 冷却装置 3. その他附属品 1台 1台 一式 以上、搬入、据付、配管、配線、調整及び既存 X 線照射装置の撤去、廃棄処理、並びに労働基準 監督署等への書類の提出に関する業務を含む。 (詳細については「Ⅱ 調達物品に備えるべき技術的要件」に示す。) 3.技術的要件の概要 (1)本調達物品に係る性能、機能及び技術等(以下「性能等」という。)の要求要件(以下「技術的要 件」という。)は、「Ⅱ 調達物品に備えるべき技術的要件」に示すとおりである。 (2)技術的要件はすべて必須の要求要件である。 (3)必須の要求要件は本学が必要とする最低限度の要求要件を示しており、入札機器の性能等が、これ らを満たしていないとの判定がなされた場合には不合格となり、落札決定の対象から除外する。 (4)入札機器の性能等が技術的要件を満たしているか否かの判定は、本学「X 線照射装置」技術審査職 員(以下「技術審査職員」という。)において、入札機器に係る技術仕様書を含む入札説明書で求 める提出資料の内容を審査して行う。 4.その他 (1)入札機器のうち医療用具に関しては、入札時点で薬事法に定められている製造の承認を得ている物 品であること。 -2- (2)入札機器は、入札時点で製品化されていることを原則とする。ただし、入札時点で製品化されてい ない物品で応札する場合は、技術的要件を満たすことが可能な旨の説明書、開発計画書、納期に間 に合うことの根拠を十分に説明できる資料及び確約書等を提出すること。なお、これらの成否は技 術審査による。 (3)提案に際しては、提案システムが本仕様書の要求要件をどのように満たすか、あるいはどのように 実現するかを要求要件ごとに具体的かつわかりやすく、資料等を添付するなどして説明すること。 従って、単に「できます」「有します」といった回答の提案は審査するに当たって提案の根拠が不 明確、説明が不十分で技術審査に重大な支障があると技術審査職員が判断した場合は、要求要件を 満たしていないものとみなすので、十分に留意して作成すること。 (4)提案された内容等について問合わせやヒアリングを行うことがあるので、誠実に対応すること。 (5)提出資料等には照会先を明記すること。 (6)導入スケジュールは本学と協議し、その指示に従うこと。 (7)納品完了日は平成 27 年(2015 年)3 月 31 日(火)までとする。 -3- Ⅱ. 調達物品に備えるべき技術的要件 (性能、機能に関する要件) 1. X 線照射装置本体 1 台に関しては以下の要件を満たすこと。 1-a 外観に関する項目として以下の要件を満たすこと。 1-a-1 本体外形寸法は、W(幅) 810 x D(奥行き) 910 x H(高さ) 1,810(㎜) 以下であること。 ただし扉の取手部等の厚みはこれに含めない。 1-a-2 本体重量は、930 (kg) 以下であること(設置場所の耐荷重等対策を取ること)。 1-a-3 試料室(照射室)は、W 620 x D 750 x H 550 (mm) 以上であること。 1-a-4 試料室内には、ターンテーブルが設置されていること。 1-b 1-b-1 1-b-2 1-b-3 1-b-4 1-b-5 X 線発生装置に関する性能、機能として以下の要件を満たすこと。 発生させる放射線は X 線であること。 X 線管の管電圧を 35 ∼ 150 (kV)まで 1 (kV)単位での調整が可能であること。 X 線管の管電流は 5、 10、 15、 20 (mA) の選択が可能なであること。 主回路は、高圧回路としてインバーター方式であること。 最大照射線量 50 (Gy/min) 以上であること(ただし、フィルター無し、焦点距離 250 (mm)の 場合)。 1-b-6 操作制御は、カラー表示のタッチパネル方式であること。 1-b-7 照射制御は、設定した積算線量値で X 線照射を自動的に遮断できること。 1-b-8 漏れ線量は、1 (μSv/h) 以下であること。 1-b-9 フィルターは、標準装備で次の 5 種の組み合わせが可能であること。 1.0 (mmAl)、 2.0 (mmAl)、 0.5 (mmAl) + 0.1 (mmCu)、 0.5 (mmAl) + 0.2 (mmCu)、 0.5 (mmAl) + 0.3 (mmCu)、 1-b-10 エイジングが必要な場合は、本装置が自動判断し、通知すること。 1-c 試料室に関する性能、機能、制御及び操作性は以下の要件を満たすこと。 1-c-1 ターンテーブルの上下動は、電動式でストローク 290 (mm)以上 、焦点距離 250 ∼ 550 (mm)、 リニア式上下機構であること。 1-c-2 ターンテーブルは、直径 400 (mm)、4 kg の重量物までを積載可能であること。 1-c-3 ターンテーブルの回転速度は、7.2 ±10 % (rpm) であること(ただし電源周波数が 60 Hz の 場合)。 1-c-4 試料室内に線量計を標準で搭載し、タッチパネルより操作が可能であること。 1-c-5 X 線照射中に試料室(照射室)の状態の様子が確認できる観察窓が設置されていること。 1-c-6 X 線照射中は、試料室(照射室)の扉にインターロック機能を有すること。 1-d その他、以下の要件を満たすこと。 1-d-1 使用する電源は、単相交流 200 (V) ± 10 %、容量 6 (kVA) 、D 種接地であること(ただ し電源周波数が 60 Hz の場合)。 -4- 1-d-2 以下の環境条件にて運転可能であること。 周囲温度 5 ∼ 35 ℃ 相対湿度 35 ∼ 85 % (ただし結露しないこと) 1-d-3 X 線照射中に停電した場合、復電時に再開できる積算線量記録機能を有すること。 1-d-4 サポートメッセージ機能として、万が一の故障時にエラー内容や対処方法を操作パネルに 表示させる機能を有すること。 1-d-5 緊急時運転停止ボタンが専用で配置されていること。 1-d-6 放射線漏えいのない構造、材料の使用で構成されていること(前述 1-b-8 の範囲内であること)。 2.冷却装置1台に関しては以下の要件を満たすこと。 2-a 冷却装置本体に関する項目として以下の要件を満たすこと。 2-a-1 本体外形寸法は、W 640 x D 510 x H 1,250 (mm) 以下であること。 2-a-2 本体重量は、170 (kg) 以下であること(設置予定場所の耐荷重等対策を取ること)。 2-b 冷却装置に関する性能、機能として以下の要件を満たすこと。 2-b-1 X 線照射装置本体からの指示に基づき冷却機能を有すること。 2-b-2 冷却装置には、専用電源を有しないこと。 2-b-3 冷却剤にオイルを使用、あるいは空冷式機能を有すること(給排水設備を使用しないこと)。 2-b-4 以下の環境条件にて運転可能であること。 周囲温度 5 ∼ 35 ℃ 相対湿度 35 ∼ 85 % (ただし結露しないこと) 2-5 X 線照射装置本体とは一体型で運転できるシステム構成であること。 3.その他附属品一式に関しては以下の要件を満たすこと。 3-a 3-a-1 3-a-2 3-b 3-c 3-c-1 3-c-2 3-c-3 3-c-4 3-d 3-e X 線照射時に使用する専用マウス用ケージおよび専用ラット用ケージを各1個用意すること。 使用するマウスケージは、12 匹を一度に照射できる機能を有すること。 使用するラットケージは、4 匹を一度に照射できる機能を有すること。 試料室に炭酸ガスを混合した混合ガスを供給する吸入口があること。混合比は自由に設定でき る機能を有すること。 タッチパネルには、条件プリセット機能を有すること。 管電圧、管電流、フィルター、ターンテーブル高、照射線量を最大 50 件まで記録可能である こと。 呼び出し時条件が自動入力され、ターンテーブルは自動昇降する機能を有すること。 誤ってプリセットを上書きされないようパスワードによる保護機能があること。 プリセットの名称を全角 5 文字(半角 10 文字)以上設定可能であること。 履歴機能として照射日時、条件等を最大 50 件まで記録できること。また、履歴から照射条件 の呼び出しが可能な機能を有すること。 暗証番号にて利用者認証が可能な機能を有すること。この時利用(運転)時間の管理も可能な 機能を有すること。また、これらの記録は USB メモリー,SD カード又は MO を X 線照射装置に 直接接続し、CSV 出力可能であること。 -5- (性能・機能以外に関する要件) 1. 設置条件等 (1) 設置場所 本装置は、山口大学総合科学実験センター生命科学実験施設 4 階 X 線照射室の指定する場所およ び空間内に収まるよう設置すること。 (2) 設置要件 本装置に必要な一次側設備については、本学が用意する。それ以外に必要な設備があれば、落札 者によって用意すること。 (3) 搬入、据付、配管、配線、設備との接続、調整 装置の搬入、据付、配管、配線、設備との接続、調整については、本学の運営に支障をきたさな いよう当施設の職員と協議の上その指示によること。また、搬入の際には落札者が立会い、本学 の施設に損傷を与えないよう十分な注意を払うように務め、必要があれば搬入経路に養生等を施 すこと。また、万一、本学の建物、設備等に損傷を与えた場合は、供給者の責任において現状に 復すること。 (4) 搬入に際して、クレーン等を利用しての搬入は建物構造及び他設備設置場所等の関係から無理で あるため、既存のエレベータを利用しての搬入となること。このエレベータの間口は、W 900 x H 2,100 (mm) であり、エレベータかごの内寸は、W 1,600 x D 1,600 (一部 1,500 ) x H 2,250 (mm)、 最大積載可能重量 1,000 (kg)である。 2.工事等 (1) 本装置設置に特別に必要となる設備がある場合は、本施設担当者と協議し、その指示に従うこと。 (2) 設置工事は、納期、工事期間のスケジュールを事前に当施設担当者と打ち合わせをし、そのスケ ジュールに従い完了すること。 (3) 既存 X 線照射装置一式(①本体:日立製 MBR-1520 (外寸 W 800 x D 900 x H 1,750 (mm)、重量 870 (kg)、②冷却装置:日立製(外寸 W 630 x D 600 x H 1,240 (mm)、重量 160 (kg) 、③電源 装置:日立製(外寸 W 770 x D 630 x H 1,085 (mm)、重量 550 (kg) )を分解、撤去し、学外へ 移動させること。 この場合は、産業廃棄物処理業社等への処理依頼、経費を受注者が請け負うこと。あるいは産業 廃棄物として処理すること。 (4) 本既存設備以外の既存設備等の移動や床面補強等が伴うことが判明した場合、本学職員ならびに 設備側工事担当業者との入念な打ち合わせを行い、通常の施設運営および本装置設置に影響を与 えないようにすること。 3.保守体制等 (1) 保守体制 本装置が正常に作動するように納入検査確認後 1 年間は無償で定期的に点検、調整を行うこと。 (2) 障害が発生した場合は、速やかに運用を再開できるように電話もしくは電子メール等で連絡が取 れる等に緊急時の保守体制を備えておくこと。なお、平日(土・日・休日・年末年始以外を除く) -6- の 8 時 30 分から 17 時 15 分における障害発生時には、障害発生通報後 24 時間以内に復旧作業を 開始できる体制であること。 (3) 保証期間 納入検査確認後から 1 年間は通常の使用により故障又は障害が発生した場合の無償修理に応じ ること。 4.その他 (1) 操作マニュアルは各装置について日本語版 を 3 部提供すること。また簡易マニュアルを 1 部用 意すること。 (2) 取扱説明に関する教育訓練は、本施設が指定する日時、場所で行うこと(納品完了後、2 回を予 定)。また、納入後 1 年間は、随時、電話あるいは派遣技術員により対応し、その経費について は無償であること。 (3) 労働基準監督署等に提出する書類について必要書類およびデータを提供し、作成すること。 -7-
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