離散最適化基礎論 (9) 演習問題 2014 年 12 月 12 日 岡本 吉央 提出締切: 2014 年 12 月 19 日 今回の演習問題はすべて,最小費用全域木問題を扱う.最 とにする. 小費用全域木問題では,無向グラフ G = (V, E) と非負辺費 minimize 用関数 c : E → R が入力として与えられたとき,G の全域 subject to とは,その辺の費用の和であるとする. ∑ xe ≤ |C| − 1 ∑ 題としての定式化として,次のものを考え,(P1) と呼ぶこ xe = |V | − 1, e∈E xe ∈ {0, 1} とにする. subject to (∀ e ∈ E) 次の図で表される入力を考える. c(e)xe 1 e∈E ∑ (∀ C : G の閉路), e∈C 復習問題 9.1 最小費用全域木問題に対する 01 整数計画問 ∑ c(e)xe e∈E 木で費用が最小のものを出力する.ただし,全域木の費用 minimize ∑ xe ≤ |C| − 1 3 (∀ C : G の閉路), 1 1 1 1 e∈C ∑ xe ≥ 1 (∀ S ⊆ V : S 6= ∅, S 6= V ), 1 e∈δ(S) xe ∈ {0, 1} (∀ e ∈ E). ただし,各辺の横に書かれている数がその辺の費用を表す ものとする. ただし,δ(S) は S に一方の端点,V − S にもう一方の端点 1. 上の図で表される入力に対して,定式化 (P2) によっ を持つ辺全体の集合を表す. て得られる 01 整数計画問題を具体的に書き下してみ 次の図で表される入力を考える. よ.その際,グラフの各辺には適当な名前を与えて, 1 区別できるようにせよ.また,最適解の 1 つと最適 2 3 1 値を答えよ.(ヒント:Kruskal のアルゴリズムなど, 最小費用全域木問題に対するアルゴリズムを用いても 2 よい.) ただし,各辺の横に書かれている数がその辺の費用を表す 2. 小問 1 で得られた定式化の線形計画緩和 (LP2) を書 き下してみよ. ものとする. 1. 上の図で表される入力に対して,定式化 (P1) によっ て得られる 01 整数計画問題を具体的に書き下してみ よ.その際,グラフの各辺には適当な名前を与えて, 区別できるようにせよ.また,最適解の 1 つと最適 値を答えよ.(ヒント:Kruskal のアルゴリズムなど, 最小費用全域木問題に対するアルゴリズムを用いても 3. (LP2) の許容解で,その目的関数値が (P2) の最適値 未満となるものを見つけよ. 復習問題 9.3 最小費用全域木問題に対する 01 整数計画問 題としての定式化として,次のものを考え,(P3) と呼ぶこ とにする. よい.) minimize 2. 小問 1 で得られた定式化の線形計画緩和 (LP1) を書 ∑ c(e)xe e∈E き下してみよ. subject to 3. (LP1) の許容解で,その目的関数値が (P1) の最適値 ∑ xe ≥ 1 (∀ S ⊆ V : S 6= ∅, S 6= V ), e∈δ(S) ∑ 未満となるものを見つけよ. xe = |V | − 1, e∈E xe ∈ {0, 1} 復習問題 9.2 最小費用全域木問題に対する 01 整数計画問 題としての定式化として,次のものを考え,(P2) と呼ぶこ (∀ e ∈ E) 次の図で表される入力を考える. 1 3 2 3 2 2 3 ただし,各辺の横に書かれている数がその辺の費用を表す ものとする. 1. 上の図で表される入力に対して,定式化 (P3) によっ て得られる 01 整数計画問題を具体的に書き下してみ よ.その際,グラフの各辺には適当な名前を与えて, 区別できるようにせよ.また,最適解の 1 つと最適 値を答えよ.(ヒント:Kruskal のアルゴリズムなど, 最小費用全域木問題に対するアルゴリズムを用いても よい.) 2. 小問 1 で得られた定式化の線形計画緩和 (LP3) を書 き下してみよ. 3. (LP3) の許容解で,その目的関数値が (P3) の最適値 未満となるものを見つけよ. 追加問題 9.4 問題 9.1 の設定において,その問において与 えられている入力とは違う入力で,(LP1) のある許容解の 目的関数値が (P1) の最適値未満となるものを見つけてみ よ.特に,そのような入力の中で,頂点数が最小のものを 見つけてみよ. 2
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