細胞チップを用いた 単一細胞機能解析および診断技術 (独)産業技術総合研究所 健康工学研究部門 バイオマーカー解析研究グループ 山村 昌平 1 新技術の概要 新規高集積型細胞チップシステム マイクロチップの設計・作製 金型射出成型 高集積化 100個単位で1万穴→100万個 300 m 212 m 105 m 50 m 細胞チップ マイクロチャンバー:1万穴 68 m 共焦点レーザースキャナ 表面処理(親水化処理) 単一層(高精度) 細胞の展開 産総研独自の基盤技術 ・100万個レベルで均一・単一層に配置 ・細胞レベルでの検出 洗浄 検出装置の改造 高感度・高精度 検出 特開 WO 2010/027003、13/060531(米国)、09811528.0(EPC) 疾患の発症前の超早期診断が可能 2 従来技術とその問題点 従来の代表的な細胞解析手法としてフローサイトメトリーが あるが、短時間で大量の細胞を検出できる反面、 ・分離能としては、一般的に0.01%程度である。 ・標的単一細胞の詳細な機能解析はできない。 ・刺激前後の細胞のシグナル解析はできない。 以上等の問題があり、例えば疾患の病因となる極少数(10100万に1個)の標的細胞を検出、解析するのが困難な場合 がある。 3 新技術の特徴・従来技術との比較 • 世界最大級の細胞数(数百万個)を均一かつ単一層に 配置し、高感度検出が可能 • 簡易操作で正確に検出でき、検出後の詳細な機能解析 も可能 • 疾患の病因となる極少数(100万個に1個)の細胞を正確 にかつ高感度に解析できる早期診断システム 4 想定される用途 • 疾患の病因となる希少な細胞を正確にかつ高感度に解析 できる早期診断システム • 細胞の刺激応答、薬剤評価なども含めたハイスループット スクリーニング • 標的単一細胞の遺伝子解析も含めた詳細な細胞機能解析 5 新技術の応用例 (1)マラリア感染症の診断技術の開発 (2)血中循環がん細胞(CTC)の検出技術の開発 Fluorescence intensity (PE-cytokeratin) Cytokeratin 105 104 EpCAM NCI-H1650 103 102 Leukocytes 101 Merge 簡易・迅速・超高感度なマラリア検出技術の 構築 101 102 intensity 100 Fluorescence 103 104 105 (APC-EpCAM) 一細胞レベルでの正確なCTC検出技術の構築 ・PLoS One 5, e13179. (2010) ・PLoS One 7, e32370 (2012) ・科研費若手(B) (平成22~23年度) ・科研費基盤研究(C) (平成24~26年度) ・民間共同研究(資金提供有)(平成23年度~) ・民間共同研究(デバイス提供有)(平成23~25年度) ・民間共同研究(資金提供有)(平成22年度~) 6 実用化に向けた課題 • 検出システムの開発として、装置やプロトコール などの自動化、安定化等の検討 • 周辺機器、技術の開発 • 診断システム開発の場合は、臨床試験による 臨床データの蓄積および検証が必要。 7 企業への期待 • 現在 進行 し て いる 共 同 研 究 以 外 の 新 規 ア プ リ ケーションに関する研究、応用範囲を広げる研究 • 検出、診断システムおよび周辺機器の開発 • 試作から量産化段階までのある程度精度の高い マイクロチップの開発 8 本技術に関する知的財産権 • 発明の名称 :細胞検出方法及び該方法に用いる マイクロアレイチップ • 出願番号 :特開 WO 2010/027003、13/060531(米国)、 09811528.0(EPC) • 出願人 :(独)産業技術総合研究所 • 発明者 :山村昌平、八代聖基、片岡正俊 9 産学連携の経歴 • 2010年-現在 CTC検出に関する民間共同研究実施中 • 2011年-現在 マラリア検出に関する民間共同研究実施中 10 お問い合わせ先 産業技術総合研究所 ライフサイエンス分野研究企画室 TEL : 029-862-6032 FAX : 029-862-6048 e-mail : [email protected] 11
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