薄型難削加工装置を搭載した両頭フライス盤の開発

平成 25 年度
新技術・地域資源開発補助事業を活用した取組
事 業 名
薄板難削加工装置を搭載した両頭フライス盤の開発
市町村名
福井市
企業等概要
企業等の名称
株式会社武田機械
代表者氏名
代表取締役社長
所 在 地
福井市南居町81-1-70
連 絡 先
0776-33-0043
U R L
http://www.takeda-kikai.co.jp/
山口 博徳
平成 27 年1月現在
【事業者概要】
金属工作機及び機器の製造・販売。特に、プレート加工用の両頭フライス盤やプレー
トミル、油圧内臓式マシンデバイス等の工作機器の製造を得意分野としている。
【事業概要】
◇背景・経緯
従来、機械部品等に使用される部材の切削加工は、一
般機械製造業者によって規格材(角型引き抜き鋼材)を
切断・端面加工し製造されていた。近年は、ユーザーの
ニーズが多品種少量の傾向にあるため、切削加工機等を
使用し、金属プレート製造業者が生産する仕組みが主流
となっている。
金属プレートの製造は、まず外周の4面を4面加工機で削り、次に薄板面を縦型フラ
イス加工機で片面ずつ削る2つの工程で行っている。薄板加工は片面のみを削ると、プ
レートに反りが発生するため、表裏を交互に削りながら歪みを取り、反りの無いプレー
トを製造している。このように、プレート加工は、高い精度が求められるため、作業工
程を分割して行っており、生産効率があまりよくない。4面加工機を利用して、表裏を
同時に加工しようとすると、加工振動や材料の固有振動が起こり、高精度・高品質の製
品となっていないのが現状である。
本事業は、プレート製造の作業効率を上げるため、自社で開発した4面加工機の加工
技術を応用し、表裏を同時に加工可能な2面特殊加工機を開発するもの。
連続して削ると加工材料に反りがでる
両面同時に削るとビビリが発生
◇研究開発の概要
削りにくい材質・加工材料(薄板材)である難削材を、高精度・高品質を維持しつつ
加工時間を短縮する両頭フライス盤を開発する。3次元CADデータを用いて振動解
析・構造解析を行い、試作機を製作。切削テスト、ビビリ等の振動を測定し、解析結果・
測定結果を評価し、改良を行った。
【成果】
◇新規性・特徴
・高精度、高品質なプレート製造を可能にした2面特殊加工機。
・加工条件
①ワーク材質:機械構造用炭素鋼(S50C)、合金工具鋼鋼材
②ワークサイズ:L260mm×H190mm×W12~7mm
(受注量が多い B5~A4 サイズを想定)
③表面粗さ:Ra=2.5μm以下
・加工時間を 1/3 程度に短縮できる。
加工するワークサイズ
◇商品化・販売先
2面同時加工が可能な両頭フライス盤を試作。
ビビリ振動が発生していたワークの2倍の高さまでビビリ振動の発生を抑えることが
可能となった。
材質や切削条件によって、ワークサイズ L260×H190×W7 の加工が良好になった。
開発したフライス盤
【今後の展望】
切削工具の改良や加工制御技術を高め、商品化を目指している。
プレート材は、自動車産業や半導体産業等多分野で使用されており、東アジア等の新
興国においても需要が増えていることから、今後の量産化・販路拡大が期待できる。