KURENAI : Kyoto University Research Information Repository Title Author(s) Citation Issue Date URL Peripheral nerve regeneration across an 80-mm gap bridged by a polyglycolic acid (PGA)-collagen tube filled with laminincoated collagen fibers : a histological and electrophysiological evaluation of regenerated nerves( Abstract_要旨 ) Matsumoto, Kazuya Kyoto University (京都大学) 2000-03-23 http://hdl.handle.net/2433/180890 Right Type Textversion Thesis or Dissertation none Kyoto University 氏 名 まつ もと かず や 松 本 和 也 ( 医 学) 学位( 専攻分野) 博 士 学 位 記 番 号 医 博 学位授与の日付 2年 3 月 2 3日 平 成 1 学位授与の要件 学 位 規 則 第 4 条 第 1項 該 当 研 究 科 ・専 攻 医 学 研 究 科 外 科 系 専 攻 学 位論文題 目 Per i pher alne r ver e gener at i onacr os san 80-mm gapbr i dgedbyapol y・ 第 2 2 5 6号 gl yc ol i c aci d( PGA) -c ol l agen t ube f i l l e d wi t hl ami ni n-coat ed c ol l agen f i be r s:ahi s t ol ogl Caland el e c t r ophys i ol ogl Caleval uat i on ofr e gener at ed ne r ve s (ラ ミニ ンコー テ ィ ングを施 した コ ラーゲ ンフ ァイバ ーを充 漬 した ポ リグ リコー ル酸 ( PGA) -コ ラ-ゲ ンチ ュー ブに よ る長 さ 8 0mm の ギ ャ ップ にお け る末 梢神 経再生 に関す る研究 :再生神経の組織学的 ・電気生理学的評価 について) 論文調査委員 芽 ㌔ ) 井 出千 束 姶 教 授 笹 井 芳 樹 文 内 容 の 要 教 授 清 水 慶 彦 旨 Pe r i phe r a lne r ver e ge ne r a t i ona c r o s san8 0mm ga pbr i dge dbyapol ygl yc ol i ca c i d( PGA)c ol l a ge nt ubef i l l e d wi t hl a mi ni n・ c oa t e dc ol l a ge nf i be r s: ahi s t ol ogi c a la nde l e c t r ophys i ol ogi c a le va l ua t i onofr e ge ne r a t e dne r ve s (ラ ミ ' ニンコーティングを施 したコラーゲ ンファイバーを充項 したポ リグ リコール酸 ( PGA)- コラーゲ ンチューブによ る長 さ 8 0mm のギャップにおける末梢神経再生に関する研究 :再生神経の組織学的 ・電気生理学的評価について) 末梢神経の欠損部を再建する場合,種々の方法が報告 されている。 自家神経移植 は現在第-選択 とされている方法である が, グラフ トとして採取 しうる神経の量 に制限があり, また採取 した神経の支配領域の機能欠損か避 けられないという欠点 を有 している。 同種神経移植 も多 くの研究が報告 されているが,その大半 は 1 0- 4 5mm のギャップで行われたものであり 長距離での成功例は少ない。人工神経 チューブではグラフ トの量的制限や免疫抑制剤の使用 は考慮 しな くてよいという利点 があるが, これまで 5 0mm を越えるギャップでの成功例の報告はなか った0 本研究では新 しく開発 した人工神経 チューブ を用 いて末梢神経の 8 0mm のギャップにおける神経再生 を試み,その再生神経の組織学的 ・電気生理学的評価を行 った。 この人工神経チューブは表面を抽出コラーゲ ンでコ-ティングした内径 4mm のポ リグ リコール酸 ( PGA)メッシュチュー ブの内部に約 8 0本の ラミニンコーティングした直径 5 0t L m のコラーゲ ンファイバーを充填 したものであるol 2頭の ど-グ ル成犬の左郷骨神経 に長 さ 8 0mm のギ ャップを作成 し,欠損部に人工神経 チューブを埋め込んだ。また,別の 4頑では左排 骨神経 に長 さ 8 0mm のギャップのみを作成 して人工神経チューブは埋め込みは行わず陰性対照 としたo手術 1 2ヶ月後の人 工神経チューブによる置換部の組織学的所見では正常神経 より線維径が小さく.薄い ミエ リン鞘に包まれた有髄神経及び無 髄神経が多数再生 しているのが認め られた。手術 1 2ヶ月後の再生有髄神経線維の形態学的分析では線維径の分布 は正常神 経のそれ と異な っていた。電気生理学的評価では手術 3ヶ月後 には人工神経 チューブを埋 め込んだほとんどの犬で c om- a k poundmus c l ea c t i onpot e nt i a l , mot ore voke dpot e nt i a l , s oma t os e ns or ye voke dpot e nt i alが記録 されたOこれ らのpe a mpl i t udeや pe a kl a t e nc yは術後の時間経過 と共に徐々に正常神経の値に近づいたが, これは再生神経が標的器官 と機能 2ヶ月後で も正常 と同等の レベルまでは 的連絡を回復 したことを示 していると思われた。しか しなが ら,これ らの値 は手術 1 達 していなか った。 さらに,手術 1 2ヶ月後 に神経再生部 より末梢の緋骨神経を刺激 して第 6腰椎で記録 された電位では Aα,Ao及び Cf i be rがその l a t e nc yの差より判別可能であり,痛覚や触覚を担 う求心性線維 も再生 していることが示唆 さ れた。負荷を加えない場合の歩行パ ター ンは 1 0- 1 2ヶ月後 にはほとんど正常 と変わ らない状態まで回復 した。陰性対照の -7 0 3- 動物では手術 1 2ヶ月後で もこのよ うな組織学的及 び電気生理学的な神経再生の所見 は認め られず,歩行パ ター ンにおいて も左足関節の背屈 は不良で しば しば披行が認め られた。 これ らの結果よ り, この新 しい人工神経チューブはこれまで報告 さ れた他の人工神経 チューブと比べてより長 いギ ャップにおいて も,機能的回復を伴 う末梢神経再生を誘導 しうる事が示され た。 論 文 審 査 の 結 果 の 要 旨 人工神経チューブを用いて末梢神経欠損部を再建す る場合,長 さ 5 0mm を越えるギャップでの神経再生 は困難であると されていた。本研究では,新 しく開発 した人工神経 チューブによる末梢神経の長距離 ギャップにおける神経再生を検討 した. コラーゲ ンコーテ ィングしたポ リグ リコール酸 ( PGA) メッシュチューブの内部 にラ ミニ ンコーテ ィングしたコラーゲ ン 0mm のギャップに埋め込んだO 術後 ファイバ ーを充壊 した人工神経チューブを, ビーグル成大の左聯骨神経 に作成 した 8 1 2ヶ月の組織学 的所見 で は多数 の有髄神経及 び無髄神経 が再生 して いた。電気生理学 的評価では手術 3ヶ月後 に c ompoundmus c l ea c t i onpot e nt i al , mot ore voke dpot e nt i al , s omat os e ns or ye voke dpot e nt i alが記録 され, これ らの pe ak ampl i t udeや pe akl at e nc yは術後の時間経過 と共 に徐 々に正常神経の値 に近づいた。 歩行パ ターンに関 して も 1 0- 1 2ヶ 月後 にはほとんど正常 と変わ らない状態 まで回復 した。 これ らの結果よ り, この人工神経 チューブはこれまで報告された他 の人工神経 チューブと比べてより長 いギ ャップで も,機能回復を伴 う末梢神経再生を誘導 しうることが示 された。 以上の研究 は人工神経 チューブの改良 に貢献 し,長距離末梢神経欠損部の治療に寄与す るところが多い。 したが って,本論文 は博士 ( 医学)の学位論文 として価値あるものと認める。 なお,本学位授与申請者 は,平成 1 2年 3月 8日実施の論文内容 とそれに関連 した試問を受 け,合格 と認 め られたものであ るo -7 0 4-
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