Document 671682

今日学習する事項
信号処理

中間テスト答案返却

中間試験の解答と説明

演習問題解答

定期試験実施要領
第14回講義
2
中間試験 問1: 振幅スペクトルの対称性
実信号 xt のフーリエスペクトル をX  とするとき,
振幅スペクトル X   が  0に対して対称(偶関数 )
となることを証明せよ . 中間試験の解答
x t のフーリエ変換式
X   

  x t  e
 j t
( 2 . 1)より,
dt
ここで, e  j t  cos  t   j sin  t  なので
X   

  x t  cos  t   j sin  t dt


  x t  cos  t dt  j  x t sin  t dt


 1
4
中間試験 問2
同様に X    は,

x

j t
X     
t  e jt dt
ここで,e
 cost   j sin t  なので

X      xt  cost   j sin t dt


 xt sin t dt  (2)



xt が実数であるので,
 xt cost dt も  xt cost dt


右図のように、アナログ信号x(t)
のフーリエスペクトルXa()
(=2f ) (ただし、Xa() は実部
のみとなるとする)が、-fc~ fc に
帯域制限されているとする。
xt  cost dt  j
も実数.
よって式(1), (2)より
2
折り返しスペクトルとエイリアシング
2


X     xt  cost dt    xt sin t dt   X   

  
 
 X    X   となり,振幅スペクトルは  0に対して対称
Xa(f )
1
この時、 x(t)をサンプリング周期
(1) T1 = 1/( 3fc )
(2) T2 = 2/( 3fc )
-fc
でサンプリングしたときの、離散時
間信号 x(nT1), x(nT2)のフーリエ
変換の概略形状を、それぞれグラ
フに描け。
0
5
6
離散時間信号の振幅スペクトル
フーリエ変換と離散時間フーリエ変換の関係
x(t)
(b) アナログ信号の振幅スペクトル
(a) アナログ信号
X A  
フーリエ
変換
X A  
X D  
X D   
折り返しスペクトル
max max
t
x(nT)
t
s
s
1
T

 X A   k s 
k  
折り返しスペクトル
s
s
…………….
s
s
(d) 離散時間信号の振幅スペクトル
X D  
(c) 離散時間信号
サンプリング
周期 T

…………….
周期T でサンプリング
f
fc
フーリエ
変換


4
T

2
T

2
T
4
T7

4
T

2
T
max  max
2
T
Xd (): 周期s=2/Tの周期関数
4
T

8
解答
解答
(1) サンプリング周期 T1 = 1/( 3fc ) の場合
折り返しスペクトルの周波数間隔は 3fc となるので、フーリエ
スペクトルは下記のように重ならず、エイリアシングは発生しない。
(2) サンプリング周期 T2 = 2/( 3fc ) の場合
折り返しスペクトルの間隔は、 ( 3fc ) /2 となるので、フーリエス
ペクトルは下記のように重なり、エイリアシングが発生する。
Xa(f )
fs=3fc
4fc
3fc
2fc
Xa(f )
fs=3fc
1
T1
0
-fc
fc
2fc
fs 
4fc
3fc
f
  


 
F   x1 kT x2 nT  kT      x1 kT x2 nT  kT  e  jnT


k  
 n    k  


x1 kT e
,
X 2   
 

 F   x1 kT x2 nT  kT   X 1    X 2  
k  



n  
x2 nT e  jnT なので
11
非周期信号



 
F   x1 kT x2 nT  kT    x1 kT e  jkT  x2 nT e  jnT
 k  
k  
n  
k  

3 fc
2
-fc

fc
2
0
3 fc
2
fs 
fc
2
fc
fs 
3 fc
2
2fc
3 fc
2
5 fc
2
エイリア
シング
4fc
3fc
f
周期信号

 
 x1 kT e  jkT   x2 nT  kT e  j nT kT  
k  

 n  
n  k  nの変数変換を適用し、
ここで,X 1   
2fc
1
T2
連続時間信号

 jkT
5 fc
2
3 fc
2
10
フーリエ解析の種類
(離散時間フーリエ変換のたたみ込み定理)


fs 
9
中間試験 問2 (P34 参照)

4fc  7 f c 3fc
2
3 fc
2
フーリエ級数
(Fourier series)
フーリエ変換
(Fourier transform)
離散時間信号
離散時間フーリエ級数
(Discrete-time
Fourier series)
•離散時間フーリエ変換
(Discrete-time
Fourier transform)
•離散フーリエ変換
(Discrete Fourier transform)
12
部分分数展開法による逆z変換(4.4.2)
中間試験 問4

z変換X(z)が,次式で与えられるとき,
その逆z変換 x[n] を求めなさい.
X z  
b  b z 1  b2 z 2    bM z  M
X z   0 1
a0  a1 z 1  a2 z  2    a N z  N
1
1  0.5z 1  z 
1
元々の X(z)

X(z)の分母を、因数分解する。
1
X z  
b0  b1 z 1  b2 z 2    bM z  M


 
a0 1  1 z 1 1   2 z 1  1   N z 1

(4.38)
i i  1,2, N , M  N 
: X z の極(分母多項式  0となる根)
ただし、M  N , i は互いに異なると仮定
17
18
部分分数展開法による逆z変換(4.4.2)

部分分数展開法による逆z変換(4.4.2)
X(z)を、一つの極1)を有する部分分数の和に展開する。
(部分分数展開)
X  z   q0 
q1
1  1 z 1



qi  1  i z 1 X z 
q2
1   2 z 1
z  i
i  1,2, N 
b
q0  0  q1    q N 
a0
i : X z の極
  
qN
1   N z 1
(4.39)

各分数項の逆z変換を, z変換対(P53)から求める。


qN
q1
q2
Z 1X z   Z 1 q0 

  


1  1 z 1 1   2 z 1
1   N z 1 
Z変換
の線形性
Z変換
の線形性
(4.40)
(4.41)
証明は,P50
Column 6 を参照
のこと
19
(4.42)

 q N
 q1 
 q2

 Z 1q0   Z 1 
 Z 1 
 Z 1 



1  1 z 1 
1   2 z 1 
1   N z 1 




1
1
 q0Z 11  q1Z 1 
 q 2Z 1 
 
1 
1 
1  1 z 
1   2 z 


1
  q N Z 1 

1   N z 1 
20
解答
部分分数展開法による逆z変換(4.4.2)




1
1
 q2Z 1 
Z 1X z   q0Z 11   q1Z 1 

  
1  1 z 1 
1   2 z 1 
P52
表4.1
参照
X z  


1
Z 1 
 i n
1 
1   i z 
1  0.5z 1  z 
の逆z変換 x[n] を求めよ。
1
(4.42)




1
1
   q N Z 1 
  qi Z 1 


1   i z 1 
1   N z 1 
Z 11   n
1
1
P52
表4.1
参照
X z  を部分分数展開する と、
1
X z  
1  0.5 z 1 1  z 1
q1
q2
 q0 

1  0.5 z 1
1  z 1




 

xn  q0 n  q1 1 n    qi  i n    q N  N n
21
式(4.40)(4.41)より、


q1  1  0.5 z 1 X z 

q2  1  z
1
X z 
ここで,X z  
q0 
 X z  
z  0.5
z 1

1
1  z 
1
z  0.5
1
1  0.5z 

1
1
1  0.5z 1  z 
1
1
z 1
X z  
1

1
1
0.5
 1
1
1  0.5z 1  z 
1
0
1
 2 
Z 1 
 21n  2
1 
1  z 
従って、 Z 1X z   xn は、
n
1
xn     2
2
2
1  0.5z  1  z 


n
なので,
a0  1, b0  1
1
2
1  0.5z  1  z 
1
 1 
1


Z 1 
  ,

2
1  0.5 z 1 
1

2
1  0. 5
1
1
なので,右辺の各項を逆z変換すると
1
b0
 q1  q2     1  2   1  1  0
1
a0
1
22
n
1
もしくは xn    un  2un
2
1
23
24
教科書 p80 「演習問題17: システムの安定性判別」
次の伝達関数をもつシステムの安定性判別を行なえ。

H1 z  
演習問題解答
H 2 z  
12: システムの安定性
H 3 z  
1
1  1.2944 z 1  0.64 z  2
1
0.64  1.2944 z 1  z  2
1  z 4
1  z 1
H1(z), H2(z) : 伝達関数の極配置(式5.67)から判定
H3(z) : 伝達関数を変形し、直接インパルス応答h[n]
を推定し、インパルス応答に対する安定性
判別条件(式5.65)を利用して判定
28

「演習問題12: システムの安定性判別」 解答
H1 z  
1
1  1.2944 z
1
 0.64 z
2


1   z 1   z 
1
1
2
1
2 
 0.64722  0.64  1  0.6472  0.4702 j
1 
 0.64722  0.64  1  0.6472  0.4702 j
2 
1
0.6472 
1   2 
1
0.64722  0.47022
0.6472 
z
2


1
0.64 1  1z
1
1   z 
2
1
 0.64722  0.64  1  0.6472  0.4702 j
0.64
0.6472 
よって,式(5.67)の条件より,全ての極の絶対値が1未満
30
0.64
 0.64722  0.64  1  0.6472  0.4702 j
1
1   2 
0.64
 0.7999  1
のためシステムは安定である.
0.64  1.2944 z
1
a  0.64, b  1.2944  2  0.6472 c  1なので
a  1, b  1.2944  2  0.6472 c  0.64なので
1 
1
2次方程式の解公式より
となるような,極1, 2は,
となるような,極1, 2は,
2次方程式の解公式より
0.6472 
「演習問題11: システムの安定性判別」 解答
H 2 z  
1
29
0.64
0.64722  0.47022
0.64
0.7999

 1.2498  1
0.64
よって,式(5.67)の条件より,システムは不安定である.
31

「演習問題11: システムの安定性判別」 解答
H 3 z  
1  z 4
1  z 1
この場合,分子の方が次数が高いため,分子を分母で割り算すると
H 3 z  
1  z 1  z
1
1
 z  2  z 3
 1 z
演習問題解答
1
 z  2  z 3 (eq1)
1 z
インパルス応答h[n]のz変換が伝達関数H 3 z となるため,
1
式(4.1)の定義から
H 3 z  
13: 低域通過フィルタの例

 hn z n  h[0]  h[1]z 1  h[2]z 2  h[3]z 3 
(eq 2)
n 0
よって,
(eq1)と(eq 2)のz  n の係数比較により
h[0]  1, h[1]  1, h[ 2]  1, h[3]  1, h[4]  0, h[5]  0,

  hn   となるため,式(5.65)より,システムは安定である.
n 0
32
次の伝達関数H(z)をもつフィルタについて下記に
答えよ.
H z  
33
(1)このフィルタの振幅特性を式の形で求めよ
0.5
周波数特性を求めるため
1  0.5 z 1
H 2 z  
(1)このフィルタの振幅特性を式の形で求めよ.
(2)このフィルタはFIRシステムかIIRシステムか
答えよ
1  0.5 z 1
0.5
1  0.5e  j
のz 1にe  j を代入すると、

0.5
1  0.5 cos    j 0.5 sin 
従って振幅特性は、
(3) 周波数特性の観点から,このフィルタは
H 2   
どのような機能をもつか答えよ
(4) このフィルタの安定性を判別せよ.
H 2   
0.5
34
0.5
1  0.5 cos  2  0.5 sin  2

0.5
1.25  cos 
35
(2) このフィルタはFIRシステムかIIRシステムか答えよ
インパルス応答 hn は,
H 2 z  
伝達関数 H z の逆 z変換なので


0 .5
hn   Z 1 

1  0 .5 z 1 
H 2  


1
1
 Z 1 

2
1  0 .5 z 1 
1  0.5 z 1
H 2   
0.5
1.25  cos 
左の振幅特性より
周波数が高くなると減衰す
る特性をもつため、低域通
過フィルタである。
振幅応答 (dB)
0
-1
振幅特性
-3
z = e j より得られる周波数
特性で使われる「周波数」は,
正確には「正規化角周波数」
特性で評価すべき正規化角
周波数の範囲は 0 ~ のみ.
-4
n 1
-5
-6
-7
-8
 ゼロでないインパルス 応答 hn が無限に続くので このフィルタは IIR システム
0 .5
-2
振幅 (dB)
n
11
1
    
22
2
(3)周波数特性の観点から,フィルタの機能を答えよ
-9
-10
0
0
36
0.1
0.2
0.3
0.4
0.5
0.6
0.7
正規化周波数 ( ラジアン/サンプル)
正規化角周波数

0.8
0.9

(4) このフィルタの安定性を判別せよ.
H z  
0 .5
1  0 .5 z 1
定期試験の
実施方法・出題範囲
1
この伝達関数 H z の極は のみ
2
全ての極が複素平面の 単位円の内側に
存在するので ,このシステムは安定
38
37
成績評価方法
定期試験の要領





日時: 2月6日(木) 10:30-12:00
A21教室
持ち込み不可
30分以上の遅刻は受験不可
出題範囲
 教科書
情報エレクトロニクス学科2年Cクラス
(再履修者も含む)
 2/3以上の出席
(15回×2/3=10,


第1章-第5章の内容から出題

(ただし,5.4.2位相スペクトル,は範囲としない)
10回以上)
演習問題提出完了で出席とする.
要再提出者は,1/31夕方までに再提出完了のこと
(再提出で返却されたまま未提出の場合,
出席として記録されていない.)
出席が10回未満のものは,定期試験の受験不可
 中間試験の評価
 演習問題,中間試験の類似問題を中心に出題

中間試験の無断欠席者は,定期試験の受験不可
 定期試験で合格点(60点以上)をとること.
 再試験は行わない予定
40
41
Webダウンロード可能資料
以上で今年度の
「信号処理」の講義を
終了します.
今期の授業用プレゼンファイル(14回分)
 毎回実施した演習問題
 中間試験問題
 昨年度の定期試験,再試験問題

42
43