今日学習する事項 信号処理 中間テスト答案返却 中間試験の解答と説明 演習問題解答 定期試験実施要領 第14回講義 2 中間試験 問1: 振幅スペクトルの対称性 実信号 xt のフーリエスペクトル をX とするとき, 振幅スペクトル X が 0に対して対称(偶関数 ) となることを証明せよ . 中間試験の解答 x t のフーリエ変換式 X x t e j t ( 2 . 1)より, dt ここで, e j t cos t j sin t なので X x t cos t j sin t dt x t cos t dt j x t sin t dt 1 4 中間試験 問2 同様に X は, x j t X t e jt dt ここで,e cost j sin t なので X xt cost j sin t dt xt sin t dt (2) xt が実数であるので, xt cost dt も xt cost dt 右図のように、アナログ信号x(t) のフーリエスペクトルXa() (=2f ) (ただし、Xa() は実部 のみとなるとする)が、-fc~ fc に 帯域制限されているとする。 xt cost dt j も実数. よって式(1), (2)より 2 折り返しスペクトルとエイリアシング 2 X xt cost dt xt sin t dt X X X となり,振幅スペクトルは 0に対して対称 Xa(f ) 1 この時、 x(t)をサンプリング周期 (1) T1 = 1/( 3fc ) (2) T2 = 2/( 3fc ) -fc でサンプリングしたときの、離散時 間信号 x(nT1), x(nT2)のフーリエ 変換の概略形状を、それぞれグラ フに描け。 0 5 6 離散時間信号の振幅スペクトル フーリエ変換と離散時間フーリエ変換の関係 x(t) (b) アナログ信号の振幅スペクトル (a) アナログ信号 X A フーリエ 変換 X A X D X D 折り返しスペクトル max max t x(nT) t s s 1 T X A k s k 折り返しスペクトル s s ……………. s s (d) 離散時間信号の振幅スペクトル X D (c) 離散時間信号 サンプリング 周期 T ……………. 周期T でサンプリング f fc フーリエ 変換 4 T 2 T 2 T 4 T7 4 T 2 T max max 2 T Xd (): 周期s=2/Tの周期関数 4 T 8 解答 解答 (1) サンプリング周期 T1 = 1/( 3fc ) の場合 折り返しスペクトルの周波数間隔は 3fc となるので、フーリエ スペクトルは下記のように重ならず、エイリアシングは発生しない。 (2) サンプリング周期 T2 = 2/( 3fc ) の場合 折り返しスペクトルの間隔は、 ( 3fc ) /2 となるので、フーリエス ペクトルは下記のように重なり、エイリアシングが発生する。 Xa(f ) fs=3fc 4fc 3fc 2fc Xa(f ) fs=3fc 1 T1 0 -fc fc 2fc fs 4fc 3fc f F x1 kT x2 nT kT x1 kT x2 nT kT e jnT k n k x1 kT e , X 2 F x1 kT x2 nT kT X 1 X 2 k n x2 nT e jnT なので 11 非周期信号 F x1 kT x2 nT kT x1 kT e jkT x2 nT e jnT k k n k 3 fc 2 -fc fc 2 0 3 fc 2 fs fc 2 fc fs 3 fc 2 2fc 3 fc 2 5 fc 2 エイリア シング 4fc 3fc f 周期信号 x1 kT e jkT x2 nT kT e j nT kT k n n k nの変数変換を適用し、 ここで,X 1 2fc 1 T2 連続時間信号 jkT 5 fc 2 3 fc 2 10 フーリエ解析の種類 (離散時間フーリエ変換のたたみ込み定理) fs 9 中間試験 問2 (P34 参照) 4fc 7 f c 3fc 2 3 fc 2 フーリエ級数 (Fourier series) フーリエ変換 (Fourier transform) 離散時間信号 離散時間フーリエ級数 (Discrete-time Fourier series) •離散時間フーリエ変換 (Discrete-time Fourier transform) •離散フーリエ変換 (Discrete Fourier transform) 12 部分分数展開法による逆z変換(4.4.2) 中間試験 問4 z変換X(z)が,次式で与えられるとき, その逆z変換 x[n] を求めなさい. X z b b z 1 b2 z 2 bM z M X z 0 1 a0 a1 z 1 a2 z 2 a N z N 1 1 0.5z 1 z 1 元々の X(z) X(z)の分母を、因数分解する。 1 X z b0 b1 z 1 b2 z 2 bM z M a0 1 1 z 1 1 2 z 1 1 N z 1 (4.38) i i 1,2, N , M N : X z の極(分母多項式 0となる根) ただし、M N , i は互いに異なると仮定 17 18 部分分数展開法による逆z変換(4.4.2) 部分分数展開法による逆z変換(4.4.2) X(z)を、一つの極1)を有する部分分数の和に展開する。 (部分分数展開) X z q0 q1 1 1 z 1 qi 1 i z 1 X z q2 1 2 z 1 z i i 1,2, N b q0 0 q1 q N a0 i : X z の極 qN 1 N z 1 (4.39) 各分数項の逆z変換を, z変換対(P53)から求める。 qN q1 q2 Z 1X z Z 1 q0 1 1 z 1 1 2 z 1 1 N z 1 Z変換 の線形性 Z変換 の線形性 (4.40) (4.41) 証明は,P50 Column 6 を参照 のこと 19 (4.42) q N q1 q2 Z 1q0 Z 1 Z 1 Z 1 1 1 z 1 1 2 z 1 1 N z 1 1 1 q0Z 11 q1Z 1 q 2Z 1 1 1 1 1 z 1 2 z 1 q N Z 1 1 N z 1 20 解答 部分分数展開法による逆z変換(4.4.2) 1 1 q2Z 1 Z 1X z q0Z 11 q1Z 1 1 1 z 1 1 2 z 1 P52 表4.1 参照 X z 1 Z 1 i n 1 1 i z 1 0.5z 1 z の逆z変換 x[n] を求めよ。 1 (4.42) 1 1 q N Z 1 qi Z 1 1 i z 1 1 N z 1 Z 11 n 1 1 P52 表4.1 参照 X z を部分分数展開する と、 1 X z 1 0.5 z 1 1 z 1 q1 q2 q0 1 0.5 z 1 1 z 1 xn q0 n q1 1 n qi i n q N N n 21 式(4.40)(4.41)より、 q1 1 0.5 z 1 X z q2 1 z 1 X z ここで,X z q0 X z z 0.5 z 1 1 1 z 1 z 0.5 1 1 0.5z 1 1 1 0.5z 1 z 1 1 z 1 X z 1 1 1 0.5 1 1 1 0.5z 1 z 1 0 1 2 Z 1 21n 2 1 1 z 従って、 Z 1X z xn は、 n 1 xn 2 2 2 1 0.5z 1 z n なので, a0 1, b0 1 1 2 1 0.5z 1 z 1 1 1 Z 1 , 2 1 0.5 z 1 1 2 1 0. 5 1 1 なので,右辺の各項を逆z変換すると 1 b0 q1 q2 1 2 1 1 0 1 a0 1 22 n 1 もしくは xn un 2un 2 1 23 24 教科書 p80 「演習問題17: システムの安定性判別」 次の伝達関数をもつシステムの安定性判別を行なえ。 H1 z 演習問題解答 H 2 z 12: システムの安定性 H 3 z 1 1 1.2944 z 1 0.64 z 2 1 0.64 1.2944 z 1 z 2 1 z 4 1 z 1 H1(z), H2(z) : 伝達関数の極配置(式5.67)から判定 H3(z) : 伝達関数を変形し、直接インパルス応答h[n] を推定し、インパルス応答に対する安定性 判別条件(式5.65)を利用して判定 28 「演習問題12: システムの安定性判別」 解答 H1 z 1 1 1.2944 z 1 0.64 z 2 1 z 1 z 1 1 2 1 2 0.64722 0.64 1 0.6472 0.4702 j 1 0.64722 0.64 1 0.6472 0.4702 j 2 1 0.6472 1 2 1 0.64722 0.47022 0.6472 z 2 1 0.64 1 1z 1 1 z 2 1 0.64722 0.64 1 0.6472 0.4702 j 0.64 0.6472 よって,式(5.67)の条件より,全ての極の絶対値が1未満 30 0.64 0.64722 0.64 1 0.6472 0.4702 j 1 1 2 0.64 0.7999 1 のためシステムは安定である. 0.64 1.2944 z 1 a 0.64, b 1.2944 2 0.6472 c 1なので a 1, b 1.2944 2 0.6472 c 0.64なので 1 1 2次方程式の解公式より となるような,極1, 2は, となるような,極1, 2は, 2次方程式の解公式より 0.6472 「演習問題11: システムの安定性判別」 解答 H 2 z 1 29 0.64 0.64722 0.47022 0.64 0.7999 1.2498 1 0.64 よって,式(5.67)の条件より,システムは不安定である. 31 「演習問題11: システムの安定性判別」 解答 H 3 z 1 z 4 1 z 1 この場合,分子の方が次数が高いため,分子を分母で割り算すると H 3 z 1 z 1 z 1 1 z 2 z 3 1 z 演習問題解答 1 z 2 z 3 (eq1) 1 z インパルス応答h[n]のz変換が伝達関数H 3 z となるため, 1 式(4.1)の定義から H 3 z 13: 低域通過フィルタの例 hn z n h[0] h[1]z 1 h[2]z 2 h[3]z 3 (eq 2) n 0 よって, (eq1)と(eq 2)のz n の係数比較により h[0] 1, h[1] 1, h[ 2] 1, h[3] 1, h[4] 0, h[5] 0, hn となるため,式(5.65)より,システムは安定である. n 0 32 次の伝達関数H(z)をもつフィルタについて下記に 答えよ. H z 33 (1)このフィルタの振幅特性を式の形で求めよ 0.5 周波数特性を求めるため 1 0.5 z 1 H 2 z (1)このフィルタの振幅特性を式の形で求めよ. (2)このフィルタはFIRシステムかIIRシステムか 答えよ 1 0.5 z 1 0.5 1 0.5e j のz 1にe j を代入すると、 0.5 1 0.5 cos j 0.5 sin 従って振幅特性は、 (3) 周波数特性の観点から,このフィルタは H 2 どのような機能をもつか答えよ (4) このフィルタの安定性を判別せよ. H 2 0.5 34 0.5 1 0.5 cos 2 0.5 sin 2 0.5 1.25 cos 35 (2) このフィルタはFIRシステムかIIRシステムか答えよ インパルス応答 hn は, H 2 z 伝達関数 H z の逆 z変換なので 0 .5 hn Z 1 1 0 .5 z 1 H 2 1 1 Z 1 2 1 0 .5 z 1 1 0.5 z 1 H 2 0.5 1.25 cos 左の振幅特性より 周波数が高くなると減衰す る特性をもつため、低域通 過フィルタである。 振幅応答 (dB) 0 -1 振幅特性 -3 z = e j より得られる周波数 特性で使われる「周波数」は, 正確には「正規化角周波数」 特性で評価すべき正規化角 周波数の範囲は 0 ~ のみ. -4 n 1 -5 -6 -7 -8 ゼロでないインパルス 応答 hn が無限に続くので このフィルタは IIR システム 0 .5 -2 振幅 (dB) n 11 1 22 2 (3)周波数特性の観点から,フィルタの機能を答えよ -9 -10 0 0 36 0.1 0.2 0.3 0.4 0.5 0.6 0.7 正規化周波数 ( ラジアン/サンプル) 正規化角周波数 0.8 0.9 (4) このフィルタの安定性を判別せよ. H z 0 .5 1 0 .5 z 1 定期試験の 実施方法・出題範囲 1 この伝達関数 H z の極は のみ 2 全ての極が複素平面の 単位円の内側に 存在するので ,このシステムは安定 38 37 成績評価方法 定期試験の要領 日時: 2月6日(木) 10:30-12:00 A21教室 持ち込み不可 30分以上の遅刻は受験不可 出題範囲 教科書 情報エレクトロニクス学科2年Cクラス (再履修者も含む) 2/3以上の出席 (15回×2/3=10, 第1章-第5章の内容から出題 (ただし,5.4.2位相スペクトル,は範囲としない) 10回以上) 演習問題提出完了で出席とする. 要再提出者は,1/31夕方までに再提出完了のこと (再提出で返却されたまま未提出の場合, 出席として記録されていない.) 出席が10回未満のものは,定期試験の受験不可 中間試験の評価 演習問題,中間試験の類似問題を中心に出題 中間試験の無断欠席者は,定期試験の受験不可 定期試験で合格点(60点以上)をとること. 再試験は行わない予定 40 41 Webダウンロード可能資料 以上で今年度の 「信号処理」の講義を 終了します. 今期の授業用プレゼンファイル(14回分) 毎回実施した演習問題 中間試験問題 昨年度の定期試験,再試験問題 42 43
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