1 第 10 章 10.1 N Z Q R C 複素数 (数 II)・複素数平面 (数 III) 数の拡張 = = = = = 自然数 整数 有理数 実数 複素数 = = = = = {1, 2, 3, 4, · · · } {· · · , −2, −1, 0, 1, 2, 3, 4, · · · } Z + 分数・小数 Q + 無理数 R + 虚数 2 0.3 Z 整数 N 自然数 1, 2, 3, · · · 例えば、2i と i に大小関係がある とすると、 2i > i、 2i = i、 2i < i のどれかが成り立つはずです。 が成り立つとしましょう。 すると、2i > i を移項して i > 0。2 C 複素数 R 実数 Q 有理数 √ 複素数には大小関係がありません。 乗すると i2 > 0。ところが、i2 = −1 i なので −1 > 0 と矛盾。 1−i 1 2 2i と i はどちらが大きいか比較でき ません。ただ、|2i| = 2、|i| = 1 なの π 0, −1, −2, · · · の場合も矛盾します。だから、 で、大きさは比較できます。 z = x + iy の大きさ (絶対値) は p |z| = x2 + y 2 で計算します。 10.2 i は文字でなく数です。i2 = −1, i = √ −1 p √ √ √ √ 問 −1 = ( −1)2 = −1 −1 = (−1)(−1) = 1 = 1 のどこがおかしいか。 10.3 「a の平方根」と「平方根 a」の違い 「4 の平方根」とは、2 乗したら 4 になる数で、それは ±2 の 2 つあります。ちょうど、x2 = 4 を解 √ くことと同じです。それに対して、「平方根 4」とは、「ルート 4」のことで、記号で 4 と表します。 √ √ それは「4 の平方根」のうち、プラスの方のこと、すなわち 4 = 2 です。だから、 4 = ±2 として はいけません。これはルールです。 一般に、「a の n 乗根」とは、xn = a の解を指し、それは n 個あります。一方、「n 乗根 a 」は √ n a を指します。両者の関係は「a の n 乗根」のうち、実数のものが 1 つだけならそれが、「n 乗根 a 」。実数のものがプラスマイナスの 2 つあるときはプラスの方が「n 乗根 a 」です。 10.4 「1 の3乗根」= = ⇒ω オメガ √ √ −1 + 3i −1 − 3i , の 3 つが答えとなります。2 つの虚数解のどちらか一方を 2 2 ω とすると、もう一方は ω 2 となっています。自分で確認してください。 x3 = 1 == ⇒ x = 1, ω については、次が成り立ちます。 :ω 2 + ω + 1 = 0 :ω 3 = 1 A 2 10.5 解と係数の関係 2 次方程式の場合:ax2 + bx + c = 0 の 2 つの解を α, β とすると、 α+β = αβ = 3 次方程式の場合:ax3 + bx2 + cx + d = 0 の 3 つの解を α, β, γ とすると、 α+β+γ =− 10.6 b a αβ + βγ + γα = c a αβγ = − d a A=BQ+R、剰余の定理、因数定理、組立除法 A = BQ + R において、余り R は 割る式 B より次数が低い。 P (x) を (x − α) で割った余りは、P (α) 剰余の定理 b P (x) を (ax − b) で割った余りは、P ( ) 剰余の定理 a P (α) = 0 ⇐⇒ P (x) は (x − α) で割りきれる 因数定理 10.7 複素平面はベクトルと考え方は同じ、利点は回転にあり 複素数の和・差はベクトルと同様。ただし、始点は原点です。α + β は平行四辺形の対角線となり、 −→ β − α は αβ の始点を原点にしたときの終点の位置となります。 複素数の積・商は大きさと回転の両操作します。 積は大きさかけて、偏角たす。商は大きさ割って、偏角引く。 問 z = 1 + i に対し、z 2 、z 3 を計算し、複素平面上に表せ。 y B O x 3 問 α = −2 + 2i、β = 2i に対し、 α を計算し、複素平面上に表せ。 β y x O 10.8 複素数の表し方は2通り ( z = x + yi z = r(cos θ + i sin θ) 実部+虚部で表す。 大きさと偏角で表す。極形式 θ = arg z 、r = p x2 + y 2 ◦ θ の範囲は、ふつう 0◦ < = θ < 360 で考えるが、マイナスや一般角で考えることもあります。 問 z = −1 + 10.9 √ 3i を極形式で表せ。 共役な複素数の性質 z = x + yi に対して、z = x − yi を共役な複素数という。z についての性質をまとめると、 .z = r(cos θ + i sin θ) ⇐⇒ z = .z · z = 大きさの 2 乗 ベクトルとの違いチェック .α + β = バーは分けられる .αβ = .z = z ⇐⇒ .z + z = 0 ⇐⇒ .実係数の 2 次方程式の解が虚数なら、お互い共役となっている。α = β であり、β = α である。 10.10 ド・モアブルの公式 (cos θ + i sin θ)n = cos nθ + i sin nθ C 4 10.11 z n = 1 の解の位置 問 z 3 = 1 を解け y O x 問 z 4 = 1 を解け y O 10.12 x z n = α の解の位置 問 z 4 = 8(−1 + √ 3i) を解け y O D x 5 10.13 複素平面と図形 ベクトルで扱った内分・外分点の公式や直線・円のベクトル方程式は、そのまま複素数に置き換え ることができます。これから図形の問題を解く方針として、次の 3 つが考えられます。 .(x, y) の座標系で解く。 .ベクトルで解く。 .複素平面で解く。 10.14 原点以外の点を中心に回転するには 点 A(α) を点 B(β) を中心に θ 回転した点 C(z) は、 −−→ −−→ BC = BA × (θ 回転) と考えるとよいでしょう。 y 虚軸 原点を中心に回転することについては、10.7 を参照して欲しい。 C(z) そこから、z − β = (α − β)(cos θ + i sin θ) と複素数に変換す A(α) ればいいでしょう。 θ 特に、90◦ 回転は i を掛けることで得られます。 なぜなら、cos 90◦ + i sin 90◦ = i だからです。 B(β) O 実軸 x 問 点 A(3 + 2i) を点 B(−1 + i) を中心に 90◦ 回転した点 C を表す複素数 z を求めよ。 10.15 2直線のなす角 P (z1 ), Q(z2 ), R(z3 ) に対し、arg z3 − z1 は何を表すか。 z2 − z1 E 6 10.16 センター試験 — 複素数・複素数平面 / 1997 本試験 / 分 / 分 分 複素数平面上で α = 1 + i, β = 4 + 5i の表す点をそれぞれ A、B とする。 ア である。β − α の表す点を原点 O を中心に 90◦ 回転すると、 (1) このとき、 β − α の絶対値は その点を表す複素数は、− イ + (2) 線分 AB の中点を表す複素数は、 i である。 ウ エ + カ i である。 オ (3) 複素数 γ = x + 2i (ただし、 x は実数)の表す点を P とする。 ´ ³ ´ ³ ケ − コ x i x2 − キ x + ク + β−γ このとき、 = となる。 α−γ x2 − サ x + シ q ± ス P が AB を直径とする円周上にあるのは、x = セソ のときである。 タ / 1997 追試験 / 分 分 / 分 複素数平面上で 4 + 8i, − 4 − 4i, 8 − 8i を表す3点をそれぞれ A、B、C とする。線分 BC を 3 : 1 に内分する点を D、線分 AC を 3 : 1 に内分する点を E、線分 AB を 1 : 3 に内分する点を F とすれ ば、D、E、F を表す複素数はそれぞれ、 ア − イ i , ウ − エ i , オ + カ i となる。 線分 EC を E を中心として 90◦ 回転し、さらに長さを x 倍した線分を EP とすれば、P を表す複素 ³ ´ 数は、 キ x + ク + x − ケ i である。 線分 FA を F を中心として 90◦ 回転し、さらに長さを y 倍した線分を FQ とすれば、Q を表す複 ³ ´ シ + ス y i である。 素数は、 コ − サ y + 線分 DP と線分 DQ のなす角が 90◦ であるとき、xy = F セ である。 7 / 1998 本試験 / 分 / 分 分 この問題では、複素数の偏角はすべて 0◦ 以上 360◦ 未満とする。 √ α = 2 2(1 + i) とし、等式 |z − α| = 2 を満たす複素数 z を考える。 q ³ ´ (1) z の中で絶対値が最大となるものは、 ア イ ウ +i である。 q エ β (2) z の中で偏角が最大となるものを β とおくと、 の絶対値は α で、 オ ◦ 偏角は カキ また、β = である。 q q ク ケ − コ q q シ + サ さらに、β の偏角は + ス セ i である。 ソ ◦ タチ である。 1 5 n 5 100 の範囲で、β n が実数になる整数 n は / 1998 追試験 ツ 個ある。 / 分 / 分 分 係数が実数の 4 次方程式 x4 + ax3 + bx2 + cx + d = 0 が 1+ √ (1) (1 + (1 ± (1 + 1 ···················· ° 3 i を解にもつとする。 √ √ √ q 3 i)2 = アイ 3 i)3 = オカ 4 3 i) = キク + ウ i 、(1 − エ q − ケ i、(1 − コ √ √ q 3 i)2 = − アイ ウ エ i q 4 3 i) = キク + ケ コ i である。 √ 1 の解であることが分かる。 (2) (1) の計算から、1 − 3 i も ° √ √ {x − (1 + 3 i)}{x − (1 − 3 i)} = x2 − サ x + シ であるから、c, d は a, b を用いて、c = 1 の左辺は、 ° ³ x2 − サ x + ´n シ ス ³ x2 + a + − セ b、 d = ´ チ ソ a+ ´o ³ x+ タ b と表され、 ツ a+b と因数分解される。 1 が異なる四つの解をもち、その絶対値がすべて等しく、かつ四つの解の和が 1 (3) さらに、方程式 ° 1 は であるならば、方程式 ° x4 − x3 + テ x2 − ト x+ ナニ = 0 となる。 G 8 / 1999 本試験 / 分 / 分 分 実数係数の方程式 x3 + ax2 + bx + c = 0 1 ···················· ° が x = 2 を解にもつとする。このとき、c = − ア a − イ b − ウ であり、 n o となる。 x3 + ax2 + bx + c = (x − 2) x2 + (a + エ )x + オ a + b + カ 1 の解を 2, α, β とし、複素数平面において 3 点 2, α, β が正方形の異なる三つの頂点になって ° √ いるとする。さらに、この正方形の一辺の長さが 5 2 で、α、β の実部が負であるならば、α、β は キク ± ケ i である。このとき、a = / 1999 追試験 コ , b= サシ , c = / 分 スセソ となる。 / 分 分 a を正の実数とし、4 次方程式 x4 − (a2 − 3)x2 − ax + 2 = 0 1 ···················· ° を考える。 ´³ ³ 1 の左辺は、 x2 + ax + (1) 方程式 ° ア ´ x2 − ax + イ と因数分解される。 q 1 が実数解のみをもつのは a = (2) 方程式 ° つの虚数解をもつのは、 オ <a< ウ q カ エ キ のときであり、異なる二つの実数解と二 のときである。 1 が異なる二つの実数解 u1 、u2 (u1 < u2 ) と二つの虚数解 z1 、z2 をもつとする。 (3) 方程式 ° 2 次方程式の解と係数の関係により、u1 + u2 = ク 、u1 u2 = ケ である。 複素数平面において、z1 と z2 を結ぶ直線と実軸との交点を v とする。u1 が v と u2 とを結ぶ線 q サ シ 分の中点であるならば、 コ u1 − 2u2 = −a である。このとき、a = である。 ス / 2000 本試験 分 / / 分 分 k を定数とし、c を正の定数とする。方程式 x3 − kx2 + kcx + c2 = 0 1 ···················· ° 1 が x = −1 を解にもつとする。このとき、k = を考える。方程式° 辺は H Ã 3 2 2 ア − イ 1 の左 であり、° ! 2 x − kx + kcx + c = (x + 1) x − ウ x+ エ オ と因数分解される。 9 1 の −1 以外の解で、虚部(虚数単位 i の係数)が正のものを α とすると、 したがって、° q ケ キ α= カ + i となる。 ク コ 複素数平面において、原点を O とし、α, −1 を表す点をそれぞれ A、B とする。三角形 OAB が二 等辺三角形となるのは c = q ³ α+1= シ cos サ のときである。このとき、α + 1 を極形式で表すと、 ◦ / 2000 追試験 ◦´ + i sin スセ スセ であり、(α + 1)6 = / 分 ソタチ である。 / 分 分 複素数平面上で、複素数 α、β を表す点をそれぞれ A、B とする。2 点 A、B は原点 O を中心と する半径 1 の円 C 上にあって、 √ √ 2αβ − 2α + 1 + i = 0 1 ···················· ° を満たしているとする。このとき、α、β を求めよう。 (1) γ = √1 (1 + i) とするとき、γ を極形式で表すと、γ = cos 2 を表す点 P も円 C 上にある。 ◦ アイ 1 を変形すれば、α − γ = αβ となるので、 α − γ = (2) 等式 ° 考えれば、点 A は点 P を原点 O のまわりに ± エオ ウ + i sin ◦ アイ となり、γ となる。三角形 OAP の形を ◦ だけ回転して得られる点であることがわ かる。 (3) したがって、虚部(虚数単位 i の係数)が負となる α の偏角 θ は、−180◦ 5 θ < 180◦ の範囲で は θ = − カキ q ク α= ◦ で、 q + ケ コ である。( ク , q + q サ − シ i ス ケ は解答の順序を問わない。) q タ セ γ そのとき β は、β = 1 − = − i である。 α ソ チ I 10 / 2001 本試験 / 分 / 分 分 (1) 方程式 z 3 = 2 + 2i 1 ···················· ° を解こう。 q 複素数 2 + 2i を極形式で表すと、2 + 2i = ³ ア イ ◦ cos ウエ ◦ ◦´ + i sin ウエ とな ◦ 1 を満たす r 、θ (r > 0、0 5 θ < 360 ) を求めると、 る。z = r (cos θ + i sin θ) とおき、° q ◦ ◦ r= オ 、θ = カキ 、 クケコ 、255◦ となる。 1 の解は、− サ したがって、複素数平面上の第 2 象限にある° + i である。 (2) 次に方程式 z 6 − 4z 3 + 8 = 0 2 ···················· ° の解について考えよう。 2 は (z 3 − 2)2 = − シ 、すなわち、z 3 = 2 ± ° ス i となるから、(1) と同様に考えると、第 q q セ − ソ チ + ツ +i と + iの タ テ 2 の解は (1) で求めた − サ 2 象限にある° 2 個であり、他の解は第 1 象限に 1 個、第 3 象限に ト 個、第 4 象限に ナ 個存在する。 注 この問題において,複素数平面の象限とは,実軸を x 軸,虚軸を y 軸とした座標平面にお ける象限のことをいう。 / 2001 追試験 / 分 / 分 A(i) 虚軸 y 分 点 O を原点とする複素数平面上に、三つの複素 数 i(虚数単位)、β 、γ を表す点 A、B、C が ∠COB = 120◦ , ∠BAC = 60◦ , OB = 2OC, B(β) C(γ) AB = AC を満たし、図のように与えられている O とする。 (1) \COB = 120◦ 、OB = 2OC より、β = „ − ア « イ i γ である。 q + q 0 ウ また、\BAC = 60 , AB = AC より、γ − i = @ ◦ + 1 エ i オ J q したがって、β = − q カ キ +i , γ= ク ケ 実軸 x +i である。 A (β − i) である。 11 q (2) 線分 BC の長さ |γ − β| は、 コ であり、arg(γ − β) = θ とすると、 サ q cos θ = シ q スセ 14 , sin θ = / 2002 本試験 ソ タ である。 14 / 分 / 分 分 (1) 相異なる二つの複素数 a、b に対して、arg z − a = ±90◦ を満たす z は、複素数平面上の、ある z−b 円の周上にある。この円は a、b を用いて、 z − + ア イ = − エ ウ オ で表さ カ れる。ただし、arg z は複素数 z の偏角を表す。 (2) 以下、複素数の偏角は 0◦ 以上 360◦ 未満とする。 2 次方程式 x2 − 2x + 4 = 0 の二つの解を α、β とする。ただし、α の虚部は正とする。このとき、 q ◦ ◦ arg α = キク 、arg β = ケコサ 、α2 + β 2 = シス 、α2 − β 2 = セ ソ i であ q 2 z − α = 90◦ を満たす z が描く図形は、 z + タ る。したがって、arg = チ ツ で z − β2 ◦ 表される円のうち、 テトナ 2002 追試験 < arg z < / ◦ ニヌネ を満たす部分である。 / 分 複素数平面上の 3 点 A(α)、B(β)、C(γ) について、AB : AC = / 分 √ 分 3 : 6、∠BAC = 30◦ が成り立って いるとする。また、w = −4α + 6β − γ で表される点を D(w) とおく。 q (1) z = w − α とするとき、z + 1 の絶対値と偏角はそれぞれ、|z + 1| = ア 、 γ−α q カ ◦ エ arg(z + 1) = ± イウ なので、z + 1 = ± i である。 オ キ したがって、|z| = ク , arg z = ± ケコ ◦ である。 (2) 三角形 ABC と三角形 ACD の面積比は、4ABC : 4ACD = 1 : サ である。 q q (3) α = 1、β = 0 のとき、γ = シス + セ i, w = ソタ − チ q q γ = シス − セ i, w = ソタ + チ i である。 i または、 K 12 / 2003 本試験 分 / / 分 分 √ 4{(1 − sin θ) + i cos θ} 2 の表す 複素数平面上で、z0 = ( 3 + i)(cos θ + i sin θ)、z1 = 、z2 = − (1 − sin θ) − i cos θ z1 点をそれぞれ P0 、P1 、P2 とする。ただし、0◦ < θ < 90◦ とする。また、arg z は複素数 z の偏角を 表すものとし、偏角は −180◦ 以上 180◦ 未満とする。 (1) |z0 | = ◦ ア 、arg z0 = イウ + θ である。 (2) z1 の分母と分子に (1 − sin θ) + i cos θ をかけて計算すると、z1 = よって、|z1 | = (3) z1 z0 = ◦ オ , arg z1 = ク 、arg z1 = z0 カキ ◦ ケコ エ (− sin θ + i cos θ) となる。 + θ である。 q であるから、P0 P1 = サ シ である。 (4) 原点 O、P0 、P1 、P2 の 4 点が同一円周上にある場合を考える。このとき、 ∠OP2 P1 を考えると、 ◦ z − z2 arg 1 であるから、 ソ cos 2θ − タ = 0 が成り立つ。 = − スセ −z2 q チ よって、sin θ = となる。 ツ / 2003 追試験 分 / 分 / 分 二つの複素数 α、β に対して、複素数平面上で α、α2 、α3 が表す点をそれぞれ A1 、A2 、A3 とし、 β 、β 2 、β 3 が表す点をそれぞれ B1 、B2 、B3 とする。ただし、α、β の虚部はどちらも正とする。 以下では、arg z は複素数 z の偏角を表し、その大きさは 0◦ 以上 360◦ 未満とする。 Ã ! ア − α α (1) 三角形 A1 A2 A3 は正三角形とする。∠A2 A1 A3 = arg = arg(α + ウ ) であるか α イ −α ら、arg(α + ウ )= ◦ エオ である。したがって、α = である。また、A1 A2 = A1 A3 であるから、|α + q コ キク + i となる。 ケ ケ ウ |= カ (2) 三角形 B1 B2 B3 は ∠B2 B1 B3 = 90◦ であるような直角三角形とする。(1) と同様に考えると、 の偏角は 90◦ であることがわかるので、β の実部は サシ である。 q さらに、∠B3 B2 B1 = 60◦ が成り立つとき、β の虚部は ス で、arg β = セソタ q したがって、β 2 = チツ − テ ト i, β 3 = ナ である。 β+ ウ ◦ となる。 (3) α、β は (1)、(2) で定めた数とする。このとき、三角形 B1 B2 B3 の面積は三角形 A1 A2 A3 の面積 L の ニヌ ネ 倍である。 13 / 2004 本試験 / 分 / 分 分 \ 0 を満たし、かつ 1、z 、z 2 、z 3 は相異なるとする。 複素数 z = x + yi(x、y は実数)は y = また、z に共役な複素数を z = x − yi とする。 (1) 複素数平面において 1、z 、z 2 、z 3 の表す点をそれぞれ A0 、A1 、A2 、A3 とする。線分 A0 A1 と 線分 A2 A3 が両端以外で交わる条件を求めよう。線分 A0 A1 と線分 A2 A3 が両端以外の点 B で交 わるとする。点 B を表す複素数を w とする。点 B が線分 A0 A1 を a : (1 − a) に内分していれば、 w = az + 1 − a と表される。ここで 0 < a < 1 である。点 B が線分 A2 A3 を b : (1 − b) に内分し ていれば、w = bz 3 + (1 − b)z 2 と表される。ここで 0 < b < 1 である。ゆえに、 ³ ´³ ´ bz 3 + (1 − b)z 2 = az + 1 − a。すなわち、 z − ア イ z2 + z + 1 − ウ = 0 である。 z は実数ではないから、z + z = − y を用いて表すと、a = キ + x 1 エ ク , zz = 1− オ である。これから a と b を、x と カ +y ケ コ x , b=− 1 サ x である。 したがって、0 < a < 1、0 < b < 1 より、線分 A0 A1 と線分 A2 A3 が両端以外で交わる条件は、 ´2 ³ シス x< + y 2 < タ である。 かつ x + ソ セ (2) z 4 の表す点を A4 とする。z が (1) の条件を満たすとき、すなわち、線分 A0 A1 と線分 A2 A3 が両 端以外で交わるとき、線分 A3 A4 と線分 A1 A2 は両端以外で チ 。 チ に当てはまるものを、次の 0 ∼ 2 のうちから一つ選べ。 0 必ず交わる 1 交わることはない 2 交わることも、交わらないこともある 2004 追試験 / 分 / 分 / 分 複素数平面上で複素数 0、α、β の表す点をそれぞれ O、A、B とする。点 O、A、B を頂点とする三角形 α > 0◦ とする。ただし、複素数 z の偏角を arg z で表し、−180◦ < arg z 5 180◦ は正三角形であり、arg β とする。 q オ i ◦ α = ウ であるから、β = エ − (1) arg α = アイ α である。 であり、 β β カ q キ − ク i 三角形 OAB の重心 G を表す複素数を γ とすると、γ = α である。 ケ M 14 (2) さらに、複素数平面上で 6 の表す点を C とする。点 C が辺 AB 上にあるように、点 A、B が動く q とする。このとき、∠OAB = 60◦ であるから、点 A が描く図形は δ = コ + サ i が表す q ◦ ◦ ス の円周の セソタ 5 arg(α − δ) 5 チツ を満たす部 点を中心とする半径 シ 分である。したがって、三角形 OAB の重心 G が描く図形は、 テ を表す点を中心とする半径 ´ ³ ◦ ◦ ト の円周の ナニヌ ≦ arg γ − テ 5 ネノ を満たす部分である。 / 2005 本試験 / 分 / 分 分 二つの複素数 p、q と三つの異なる複素数 α、β 、γ は 1 ···················· ° 2 ···················· ° 3 ···················· ° α+β+γ =0 αβ + βγ + γα = p αβγ = q を満たすとする。複素数 α、β 、γ が複素数平面上で表す点をそれぞれ A、B、C とし、三角形 ABC は AB = AC の直角二等辺三角形であるとする。このとき、 ¯ ¯ ◦ ¯ γ−α ¯ γ−α ¯ ¯= ウ arg = ± アイ , ¯ β−α β−α ¯ である。ここで、複素数 z の偏角 arg z は −180◦ 5 arg z < 180◦ を満たすとする。 ◦ γ−α 1 を用いると 以下、arg = アイ であるとする。このとき、° β−α β= + エオ カ i − クケ α, γ = キ コ i α サ 2 、° 3 から である。さらに、° p= シ α セ , q= ス ソ チ α タ である。したがって、p と q は ツテ p ト = ナニ q ヌ を満たさなければならない。 さらに、複素数平面上に点 D があり、四角形 ABDC が正方形であるとき、 点 D を表す複素数は ネノ α である。 / 2005 追試験 / 分 / 分 分 複素数 z = a (cos α + i sin α), w = b (cos β + i sin β) は zw = 4i, arg z = 60◦ w を満たしているとする。ただし、a、b は正の実数、α、β は 0◦ 以上 180◦ 以下の角とし、arg の偏角を表す。 N (1) このとき、ab = したがって、α = ア , α+β = ◦ カキ , β= ◦ イウ , α−β = ◦ クケ である。 ◦ エオ である。 z は z w w 15 (2) 0◦ < θ < 180◦ を満たす θ に対して、z 0 = z (cos θ + i sin θ) , w0 = w (cos θ + i sin θ) とおく。 積 z 0 w0 と和 z 0 + w0 がともに実数になるような a, b, θ の値を求めよう。 まず、積 z 0 w0 が実数となるのは、θ = ◦ ◦ コサ または θ = シスセ のときである。 √ ³ ´ ◦ 3 θ = コサ のとき、和 z 0 + w0 の虚部は ソ + タ である。 2 ³ ´ ソ と タ は解答の順序を問わない。 したがって、この場合 z 0 + w0 は実数にはならない。 ³ ´ ◦ 1 また、θ = シスセ のとき、z 0 + w0 の虚部は チ − ツ である。 2 したがって、和 z 0 + w0 も実数となるような a、b、θ の値は、それぞれ a = θ= ◦ シスセ テ 、b = ト 、 である。そのとき z 0 , w0 は 2 次方程式 ナ の解になる。ただし、 ナ に当て はまるものを、次の 0 ∼ 9 から一つ選べ。 0 x2 + 2x + 4 = 0 1 x2 + 2x − 4 = 0 2 x2 − 2x + 4 = 0 √ 4 x2 + 3x + 4 = 0 √ 6 x2 + 2 3x + 4 = 0 √ 8 x2 − 2 3x + 4 = 0 3 x2 − 2x − 4 = 0 √ 5 x2 + 3x − 4 = 0 √ 7 x2 + 2 3x − 4 = 0 √ 9 x2 − 2 3x − 4 = 0 O 16 10.17 センター試験解答 — 複素数平面 1997 本試験 ア 5 イ 4 ウ 3 エ 5 オ 2 カ 3 キ 5 ク 1 ケ 7 コ 4 サ 2 シ 2 ス 5 セソ 21 1997 追試験 ア 5 イ 7 ウ 7 エ 4 オ 2 カ 5 キ 4 ク 7 ケ 4 コ 2 サ 3 シ 5 ス 2 セ 3 1998 本試験 ア 3 イ 2 ウ 1 エ 3 オ 2 カキ 30 1998 追試験 ウ 2 エ 3 オカ −8 キク −8 ケ 8 ケ 2 コ 6 コ 3 サ 2 サ 2 シ 3 シ 4 ス 2 ス 8 セ 6 セ 2 タ 4 ト 4 ナニ 16 1999 本試験 ア 4 イ 2 ウ 8 エ 2 オ 2 カ 4 キク −3 1999 追試験 ア 2 イ 1 ウ 2 エ 2 オ 2 カ 2 キ 2 ク a ケ 1 コ 4 サ 6 シ 5 ス 5 2000 本試験 ア c イ 1 ウ c エ c オ 2 カ c キ 1 ク 2 ケ 3 コ 2 サ 1 シ 3 スセ 30 2000 追試験 アイ 45 2001 追試験 2002 本試験 ウ 1 エオ 60 オ 2 ク 6 カキ 15 ト 2 ナ 1 ア 1 イ 3 ウ 1 エ 3 オ 2 カ 3 キ 3 ア a イ b ウ 2 エ a オ b カ 2 キク 60 イウ 30 エ 3 オ 2 カ 3 2003 本試験 ア 2 イウ 30 エ 4 オ 4 カキ 90 ア 3 イ 2 ナ 8 ニヌ 56 ア 1 イ b 2004 追試験 2005 本試験 2005 追試験 アイ 60 ト 2 アイ 90 サシ 22 クケコ 135 サ 2 サ 1 シ 6 ク 3 ケ 6 セ 1 ス 2 コ 7 ケコサ 300 チ 2 ツ 8 ツ 2 スセソ −68 ス 4 シ 4 タチ 75 ソ 2 セ 1 サ 3 ソ 3 シ 3 シス −4 ソタチ −27 タ 3 タ 2 スセ 21 セ 4 チ 2 ソ 3 チ 1 ソ − タ 2 チ 2 ソタ −2 チ 3 タ 1 チ 7 ツ 3 テ 2 タ 7 ツ 3 ニヌネ 240 ア 3 2004 本試験 コ 4 コ 4 イ 2 2002 追試験 2003 追試験 ケ 2 ア 2 テトナ 120 ウエ 45 カキ 15 ケ 5 ソ 2 ソ 8 テ 6 2001 本試験 P アイ −2 ク 3 タ 2 ウ 1 ク 1 カ 1 ク 2 ケコ 60 ケコ 60 キク −1 サ 6 ケ 2 サ 2 シス −2 コ 3 シ 3 セ 3 スセ 90 サシ −1 ソ 8 ス 3 セソタ 120 ツ 4 チツ −2 テ 2 ト 3 ソ 1 タ 1 チ 0 ネ 3 ウ a ウ 1 エ b エ 1 ナニヌ −60 ウ 1 エオ 60 キ 2 オ a オ 3 カ b カ 2 キ 1 キ 3 ク 2 ク 3 ケ 2 ケ 6 コ 2 コ 3 サ 2 サ 3 シス −1 シ 2 ス 3 セ 2 セソタ −30 チツ 90 テ 2 ネノ 60 エオ −1 ト 3 ナニ 27 ヌ 2 ア 4 イウ 90 エオ 60 カ 3 キ 2 クケ −1 コ 3 サ 2 シ 3 ス 2 セ 2 ソ 5 タ 2 チ 3 ツテ 50 ネノ −2 カキ 75 クケ 15 コサ 45 シスセ 135 ソ a タ b チ b ツ a テ 2 ト 2 ナ 6
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