固体の光学的性質

固体の光学的性質(教科書 p. 203-220)
目
標
次の用語の意味を正しく理解すること
①
②
③
④
⑤
透過、反射、吸収
励起子
直接遷移、間接遷移
光起電力
蛍光
①光の透過・反射・吸収(教科書 p. 204)
①光の透過・反射・吸収(教科書 p. 204)
ガラスは透明ですが、すりガラスは不透明です
①光の透過・反射・吸収(教科書 p. 204)
ダイヤモンドは透明ですが、ブリリアントカットすると不透明
①光の透過・反射・吸収(教科書 p. 204)
①光の透過・反射・吸収(教科書 p. 204)
すべてa-Al2O3単結晶ですが、色が違います。
サファイア
a-Al2O3+Ti
ルビー
a-Al2O3+Cr
不純物による光吸収
サファイア基板
a-Al2O3
①光の透過・反射・吸収(教科書 p. 204)
GaAs
Cu2O
Eg=1.4 eV
Eg=2.1 eV
ZnSe
Eg=2.7 eV
基礎吸収(バンドギャップ)
ZnS
Eg=3.6 eV
①光の透過・反射・吸収(教科書 p. 204)
SrTiO3
伝導電子による吸収
①光の透過・反射・吸収(教科書 p. 154)
吸収率 A、反射率 R、透過率 T、試料厚さ L、吸収係数α
A+R+T=1
試料内 x における光の強さ I は、dx だけ進む間に I–dI となる
–dI は I と dx の積に比例する → 比例係数を吸収係数α
–dI = α Idx
x=0 で I=(1–R)I0 として積分すると
I=(1–R)I0 exp (–αx) → I=(1–R)I0 exp (–αL)
試料裏面に到達した光は、さらに反射し、その反射光は
R(1–R)I0 exp (–αL)
となるので、結局透過する光の強さは
I=(1–R)2I0 exp (–αL)
透過率 T は I / I0 なので、
T=I / I0 =(1–R)2 exp (–αL)
試験に出します
①光吸収機構(教科書 p. 154-155)
①光吸収機構(教科書 p. 154-155)
②励起子(教科書 p. 154-155)
励起子:電子と正孔の対をなして安定化(電気的には中性)
②励起子(教科書 p. 154-155)
室温(26 meV)と近い
③直接遷移・間接遷移(教科書 p. 154-155)
バンドギャップよりもエネルギーの大きな光を照射(光励起)して生
成した電子-正孔対がそのまま再結合発光(基底状態に戻る)す
る?・・・ こうなる物質と、ならない物質がある
例: GaNは光るけれど、Siは光らない
GaNは直接遷移型、Siは間接遷移型半導体
③直接遷移・間接遷移(教科書 p. 154-155)
直接遷移型
間接遷移型
間接遷移型
③直接遷移・間接遷移(教科書 p. 154-155)
直接遷移型
間接遷移型
③直接遷移・間接遷移(教科書 p. 154-155)
③直接遷移・間接遷移(教科書 p. 154-155)
③直接遷移・間接遷移(教科書 p. 154-155)
光伝導
hn > Egの光照射によってできた電子-正孔が
電圧印加によってそれぞれ伝導すること。
光照射していない時の電流: 暗電流、このときの導電率をσとする
光照射時の導電率: ⊿σ+σ
④光起電力効果(教科書 p. 154-155)
・フォトダイオード (紫外線センサーなど)
・太陽電池
⑤蛍光(教科書 p. 154-155)
ルミネッセンス
(光、放射線、電気などのエネルギーを吸収して)
励起状態から基底状態に戻るときの光放射
・蛍光: 物質を外部から励起している間だけ光る
(※長残光もあり)
・りん光: 外部エネルギー供給をやめても光る
(※第一励起三重項状態を経由して発光)
⑤蛍光(教科書 p. 154-155)
蛍光体として良く知られているのは、
Y2O3: Eu3+ → 赤色
バンドギャップ約5 eVのY2O3結晶中に微量(数%)の
Eu3+を添加したもの。蛍光灯に使われている。