講演資料 - 地球環境産業技術研究機構

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革新的環境技術シンポジウム 2014
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CO2地中貯留における
光ファイバー測定技術開発とその応用
(公財)地球環境産業技術研究機構(RITE)
CO2貯留研究グループ・主席研究員
せつ
薛
じきゅう
自求
目 次
光ファイバーセンシング技術開発動向
油・ガス田開発/ CO2地中貯留
CO2地中貯留安全性評価への適用
地層安定性監視、CO2挙動モニタリング
関連分野への応用及び課題
地盤変状や斜面崩壊、地中構造物等の
長期監視(メンテナンス)
2
光ファイバーについて
(迷光をコアに戻し、伝送損失を抑える)
(光の伝送)
(外部環境や物理的損傷から保護)
www.ni.com
3
光ファイバーセンシング技術
電気センサー
(電圧、電流)
光ファイバー
電気 光
(光波の強さ、位相、周波数)
多点型
分布型
(Dria, SPE/DL 2012)
4
光ファイバーの計測原理
変化
Incident
Back Scattering
ラマン散乱光,ブリルアン散乱光,レイリー散乱光
(Raman)
(Brillouin)
(Rayleigh)
Brillouin & Rayleigh
Scattering
ひずみ・温度
の変化量測定に利用
5
散乱光によるひずみ計測の原理
• 光ファイバーにパルス光を入射すると散乱光が発生
• 散乱光は媒質固有の周波数だけシフト(周波数シフト)
• ひずみが加わると散乱光の周波数シフトが変化
計測器
散乱光周波数シフト(f2-f1) ∝ ひずみの大きさ
散乱光
散乱光強度
f2
f1 周波数
f1
f2 光の周波数
6
坑井管理/生産に光ファイバー利用
(Hennings et al., 2005)

深度方向に連続的な温度データ取得: DTS
ケーシングや地層の変形も計測できる?
7
光ファイバーセンシング技術@CCS
QUEST Project
CO2漏洩検知
温度
音波
坑井健全性監視
8
貯留層&遮蔽層の力学的安定性評価
遮蔽層の
安定性に影響
InSAR解析結果
CO2圧入井付近の
地表隆起
地下深部の変形
どのように地表まで
CO2圧入による
地層圧の増加
(Ohnuma and Ohkawa, 2008)
深度方向に連続的なデータ取得方法?
9
砂岩試料を用いた室内実験
束取り
砂岩試料(ひずみ・圧力)
恒温室内
束取り
束取り
束取り(温度)
(ひずみ・圧力)
(ひずみ・圧力)
圧力容器内
10
不均質な砂岩試料(複雑な地層)
●:粗粒部 ●:境界部 ●:細粒部
500
封圧上昇
⑭
⑬
⑫
⑪
⑩
⑨
⑧
⑦
⑥
⑤
④
③
②
①
-100
ひずみ,
-200
-300
圧縮
-400
-500
※ひずみ
+ 膨張
- 圧縮
-600
-700
0
2
4
6
8
封圧, MPa
•
•
10
12
14
境界部
粗粒部
間隙圧上昇
⑭
⑬
⑫
⑪
⑩
⑨
⑧
⑦
⑥
⑤
④
③
②
①
400
ひずみ,
0
細粒部
300
膨張
200
100
0
0
2
4
6
8
10
12
間隙圧, MPa
ひずみは粗粒部で大きく、細粒部で小さい
粗粒部と細粒部のひずみの違いが判別できる
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地層中のわずかな流体移動の検出
CO2 migrating from BTM to TOP
TOP
BTM
CO2フロントの
移動による変形を検知
TOP
⑩
⑨
⑧
⑦
⑥
⑤
④
③
BTM
12
12
光ファイバーを用いた現場試験
掘削
ケーシング挿入
ファイバー設置
CO2の圧入
セメンチング
パーフォレション
流量計
圧力調整器
7’ケーシング
加温器
観測室
CO2ボンベ
CO2
掘進長
300m
ノンコア
(0-250m)
ビット径
9’5/8
オールコア
(250-300m)
光ファイバー
セメンチング
坑壁
チュービング
パッカー
パーフォ
レーション
CO2圧入
13
CO2圧入時の地層変形
12
24
36
時間
ひずみ換算
周波数シフト
-27.4
4.2
16.0[με]
-2.5 [GHz]
膨張 圧縮
有限要素法
数値解析に
よって確認
3層ケーブル レイリーのひずみ換算結果
(温度分離後)
14
新坑井からの注水試験
15
注水に伴う地層変形の測定結果
30.6με(-4.8 GHz)
圧入区間
設置器具の影響
圧入区間
-30.6με(4.8 GHz)
1層アーマードケーブルの
レイリー結果(温度補償なし)
5.5m離れた地点からの水圧入
で生じた地層変形を数10με
のひずみとして計測
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パッカー動作時のケーシング変形測定
荷重
2.5t
光ファイバー
パッカー設置時
のひずみ計測
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パッカー動作に伴うケーシングのわずか変形
Rayleigh frequency shift [GHz]
5
2.5GHz
0
-5
パッカー荷重
周波数シフト
2.5ton f
2.0
1.5
1.0
0.5
0 (開放)
155
Depth [m]
2GHz
157.5
1層アーマードケーブルのレイリー計測結果
(計測時間:4分間隔)
-0.6GHz
-40
-20
0
20
40
Strain []
レイリー計測は0.2GHz(換算ひ
ずみ数με)程度まで計測可能
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地中浅部の温度変化(坑口~50m)
1.0
1/26 14:50~1/29 08:15の温度変化
(データ間隔:約30分)
温度(℃)
-1.0
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波及効果 ①: 地すべり対策
地すべり面(粘土層)の検出
(雨水滲入時の温度、圧力変化)
地すべり抑止策や警報
(地層変位より警報発令)
熊本県庁HPより
大雨が降り続くと地下に水がたくさんしみ込み、水を通しにくい粘土層の上に水がたくさん
溜まる。その力に持ち上げられて粘土層をさかいに上の地面がゆっくりと動き出す。
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波及効果②: 地中配管類の補修管理
損傷程度診断
損傷箇所特定
漏洩診断
東部ガスHPより
地中の導管類に光ファイバーを取り付ける  メンテナンス
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まとめ
 光ファイバーによるひずみ測定手法を確立し、ひずみゲージ
と同等精度で測定できることが確認できた。粗粒部と細粒部
を有する砂岩試料を用いた測定実験より、複雑な地層特性も
適切に反映できた。
 地中に埋設した光ファイバーは、深部貯留層圧力の変化に
よって生じた地層変形を連続的に測定できる。深度方向の地
層変形が地表の変状との関連性の検討が可能となり、遮蔽
層の力学的安定性評価に利用できるほか、CO2漏洩の早期
検出にも役立つ。
 温度・圧力・ひずみの測定結果を基に、地すべりや斜面崩壊
の対策検討、地中配管等の構造物の補修管理にも活用でき
る。
 大深度・長尺の埋設型光ファイバーケーブル製作&設置、導
入コストの低減や観測・解析・管理のパッケージ化が求められ
ている。
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謝辞
本研究は経済産業省の「二酸化炭素回収・貯蔵安全性評価技術開発」委託業務
の成果の一部であり、記して謝意を表します。また、光ファイバー測定技術開発に
ご協力いただいた(株)ニューブレクス、(株)フジクラ、(株)関東建設、(株)物理計測
コンサルタント、RITE貯留研究グループの関係者には厚く御礼を申し上げます。
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