Document 699650

ダクルインザ錠60mg
日本標準商品分類番号
87625
スンベプラカプセル100mg
日本標準商品分類番号
87625
平成26年9月∼平成27年3月
ダクルインザ錠60mg・スンベプラカプセル100mg共通
ダクルインザ・
スンベプラ併用療法
適正使用ハンドブック
新発売
新発売
【ダクルインザ錠60mg】
【スンベプラカプセル100mg】共通
【警告】
本剤は、
ウイルス性肝疾患の治療に十分な知識・経験を持つ医師のもとで、本剤の投与が適切と判断される患者に対
してのみ投与すること。
【ダクルインザ錠60mg】
【 禁 忌(次の患者には投与しないこと)】
(1)本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
(2)次の薬剤を使用中の患者:リファンピシン、
リファブチン、
フェニトイン、
カルバマゼピン、
フェノバルビタール、デキ
サメタゾン全身投与、
セイヨウオトギリソウ
(St. John s Wort、
セント・ジョーンズ・ワート)含有食品(「相互作用」
の項参照)
(3)妊婦又は妊娠している可能性のある婦人[動物実験で胚・胎児致死作用及び催奇形性作用等が報告されている。]
(「妊婦、産婦、授乳婦等への投与」
の項参照)
【スンベプラカプセル100mg】
【 禁 忌(次の患者には投与しないこと)】
(1)本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
(2)中等度以上(Child-Pugh分類B又はC)の肝機能障害又は非代償性肝疾患のある患者[本剤の血中濃度が上昇
する。]
(「薬物動態」
の項参照)
(3)次の薬剤を使用中の患者:アゾール系抗真菌剤(経口又は注射剤)、
クラリスロマイシン、
エリスロマイシン、
ジルチア
ゼム、ベラパミル塩酸塩、
コビシスタットを含有する製剤、HIVプロテアーゼ阻害剤、
リファンピシン、
リファブチン、
フェニトイン、
カルバマゼピン、
フェノバルビタール、
デキサメタゾン全身投与、
モダフィニル、非ヌクレオシド系逆転写
酵素阻害剤(リルピビリン塩酸塩を除く)、ボセンタン水和物、セイヨウオトギリソウ
(St. John s Wort、セント・
ジョーンズ・ワート)含有食品、
シクロスポリン、
フレカイニド、
プロパフェノン
(「相互作用」の項参照)
コンテンツ
1 概要・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 1
2 ダクルインザ・スンベプラ併用療法の流れ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 3
3 投与前・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 4
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 4
3-1. 対象(効能又は効果)
3-2. 禁忌・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 5
3-3. 妊娠・授乳について注意すること・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 6
3-4. 相互作用・ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 7
3-5. 治療開始前に患者に説明すること・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 10
・ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 12
3-6. 投与前の確認事項(フローチャート)
4 投与開始後・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 13
4-1. 用法及び用量・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 13
4-2. 併用薬の確認・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 14
4-3. 過量投与時の対応・ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 14
4-4. 検査・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 15
4-5. 投与中止・中断について・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 16
4-6. 副作用・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 17
4-7. 肝機能障害・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 20
5 臨床試験成績・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 27
6 薬剤耐性・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 30
6-1. 薬剤耐性変異とウイルス学的効果・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 30
6-2. ダクラタスビル及びアスナプレビルの主な耐性プロファイル(in vitro )・・・・・・・・・・・・・・・・ 31
7 Q&A・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 33
8 Appendix・ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 36
9 Drug Information・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 43
1
概要
1ダ
クルインザ錠(ダクラタスビル塩酸塩)は、NS5A複製複合体阻害剤で、スンベプラ
カプセル(アスナプレビル)はNS3/4Aプロテアーゼ阻害剤です。
2ダ
クルインザ・スンベプラ併用療法は、セログループ1(ジェノタイプ1)のC型慢性
肝炎又はC型代償性肝硬変におけるウイルス血症を改善する治療法です。
⇒効能又は効果についてはP4参照
3ダ
クルインザ・スンベプラ併用療法の治療期間は24週間です。投与開始時は、両剤を
同時に投与し、投与開始後は用量の変更及び投与の中断をしないでください。
⇒用法及び用量についてはP13参照
4 肝機能障害
・中等度(Child-Pugh分類B:7~9点)又は重度(Child-Pugh分類C:10~15点)の
肝機能障害又は非代償性肝硬変のある患者には投与しないでください。
【禁忌(スンベプラカプセル100mg)】
⇒Child-Pugh分類の算出法についてはP36参照
⇒肝機能障害被験者における薬物動態についてはP37~38参照
・ダクルインザ・スンベプラ併用療法の国内臨床試験において、重大な副作用として肝
機能障害が認められています。投与開始12週目までは少なくとも2週ごと、それ以降は
4週ごとに肝機能検査を行ってください。肝機能の悪化が認められた場合には、
より頻
回に検査を行い、投与を中止するなど適切な処置を行ってください。
ALT
(GPT)
が基準
値上限10倍以上に上昇した場合には、直ちに投与を中止し、再投与しないでください。
【重大な副作用】
⇒肝機能障害についてはP20~26参照
5 妊娠
・妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には投与しないでください。
【禁忌(ダクルインザ錠60mg)】
・投与中は、適切な避妊を徹底するようご指導ください。
⇒妊娠についてはP5~6参照
1
6 薬
剤耐性
投与前のNS5A耐性変異と有効性
・ベースラインにY93Hが検出された患者は14.0%(30/214例)でした。SVR24達
成割合は、Y93Hが検出された患者で43.3%(13/30例)、Y93Hが検出されなかっ
た患者で91.3%(168/184例)でした。
・ベースラインにL31M/Vが検出された患者は3.7%(8/214例)でした。SVR24達
成割合は、L31M/Vが検出された患者で25.0%(2/8例)、検出されなかった患者で
86.9%(179/206例)でした。
⇒薬剤耐性についてはP30~32参照
2
2
ダクルインザ・スンベプラ併用療法の流れ
ダクルインザ・スンベプラ併用療法の開始にあたり、いくつかの注意事項があります。
次のフローチャートに従い各頁をご参照ください。
投与前には「警告」、
「禁忌」、
「効能又は効
対象患者の選択
果」、
「相互作用」等をご確認ください。
投与前
⇒P4∼9参照
患者に治療について説明する際、
「治療開
患者指導について
用法及び用量に
ついて
始前に患者に説明すること」をご参照くだ
さい。
⇒P10∼11参照
投与時には「用法及び用量」、
「併用薬の
確認」、
「過量投与時の対応」等をご確認
ください。
⇒P13∼14参照
投与期間中は定期的なウイルス量、肝機能
投与開始後
検査について
検査を行ってください(肝機能検査:投与
開 始 1 2 週目までは少なくとも2週ごと、
それ以降は4週ごと)。
⇒P15参照
副作用等の理由により、やむを得ず治療を
投与中止について
中止することがあります。
「投与中止・中断
について」をご確認ください。
副作用について
治療終了
3
⇒P16参照
治療による、副作用の発現に十分注意して
ください。
⇒P17∼26参照
3
投与前
【ダクルインザ錠60mg】
【スンベプラカプセル100mg】共通
投与前
【警告】
本剤は、ウイルス性肝疾患の治療に十分な知識・経験を持つ医師のもとで、本剤の投与が適切と判断
される患者に対してのみ投与すること。
3-1.対象(効能又は効果)
投与開始後
以下の、セログループ1(ジェノタイプ1)のC型慢性肝炎又はC型代償性肝硬変における次のいずれか
のウイルス血症の改善
・インターフェロンを含む治療法に不適格の未治療あるいは不耐容の患者
・インターフェロンを含む治療法で無効となった患者
【留意事項】
●血中のHCV RNAが陽性であることをご確認ください。
●組織像又は肝予備能、血小板数等により、非代償性肝硬変でないことをご確認ください。
●ウイルス性肝疾患の治療に十分な知識・経験を持つ医師が臨床成績の内容を熟知した上で、投与の
可否を判断してください。
●インターフェロンを含む治療法のうち、他のプロテアーゼ阻害剤による既治療患者に対する投与経
験はありません。これらの患者に対しては、前治療の種類、前治療に対する反応性、耐性変異の有無、
患者の忍容性等を考慮してください。
⇒臨床試験成績についてはP27~29参照
臨床試験成績
⇒交差耐性についてはP40参照
薬剤耐性
以下のような患者が対象となります。
◆インターフェロンを含む治療法に不適格の未治療:インターフェロンを含む治療を受けたことがなく、
例えば貧血、
好中球減少症、
血小板減少症、
うつ病、
その他の合併症又は高齢などの理由によりインター
フェロンを含む治療を受けることができない患者
◆インターフェロンを含む治療法に不耐容:インターフェロンを含む治療を受けたが、副作用により
治療を中止した患者
◆イ ンターフェロンを含む治療法で無効:インターフェロンを含む治療を受けたが、HCV RNAが
定量下限未満(検出せず)にならなかった患者
Q&A
ジェノタイプ1aについて
ダクルインザ・スンベプラ併用療法において、ジェノタイプ1aのC型慢性肝炎患者に対する有効性
は確立していません。
なお、海外で実施された臨床試験において、ジェノタイプ1(1a及び1b)のC型慢性肝炎患者のうち、
過去のペグインターフェロン アルファ及びリバビリンとの併用療法で無効となった患者(null
responder)を対象として、
ダクラタスビル及びアスナプレビルを24週間併用投与したとき、投与終
了24週後のHCV RNA陰性化の割合は36.4%(4/11例)
であり、そのうちジェノタイプ1aの患者で
は22.2%(2/9例)でした。
(海外第2相試験:AI 447011試験1))
Appendix
1)
Lok AS et al. N Engl J Med. 2012; 366
(3)
: 216-224
4
投与前
3-2.禁忌
ダクルインザ錠及びスンベプラカプセルの添付文書で【禁忌】となる患者には、投与することができま
せん。事前の問診により、必ずご確認ください。
【禁忌】
解説
過敏症状が発現する可能性があります。
過敏症
本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
胎児等への
影響
<ダクルインザ錠>
妊婦又は妊娠している可能性のある婦人
肝機能障害、
肝疾患
<スンベプラカプセル>
中等度以上(Child-Pugh分類B又はC)の肝機能障
害のある患者
⇒Child-Pugh分類の算出法についてはP36参照
ダクルインザ錠に含まれる添加剤:無水乳糖、結晶
セルロース、クロスカルメロースナトリウム、二酸化ケ
イ素、ステアリン酸マグネシウム、ヒプロメロース、酸
化チタン、マクロゴール400、青色2号アルミニウム
レーキ、黄色三二酸化鉄
スンベプラカプセルに含まれる添加剤:中鎖脂肪酸
トリグリセリド、カプリル酸カプリン酸モノグリセリド、
ポリソルベート80、ジブチルヒドロキシトルエン
カプセル本体(ゼラチン、
トウモロコシデンプン由来
糖アルコール液、濃グリセリン、酸化チタン)
ダクラタスビルの動物実験で胚・胎児致死作用及び
催奇形性作用等が報告されており、胎児等への影響
が疑われます。
アスナプレビルの血中濃度を上昇させるおそれがあ
ります。
非代償性肝疾患のある患者
次の薬剤を使用中の患者
⇒相互作用についてはP7〜9、41~42参照
併用禁忌
5
<ダクルインザ錠>
リファンピシン、リファブチン、フェニトイン、カルバ
マゼピン、フェノバルビタール、デキサメタゾン全身
投与、セイヨウオトギリソウ(St. John’
s Wort、セン
ト・ジョーンズ・ワート)含有食品
<スンベプラカプセル>
アゾール系抗真菌剤(経口又は注射剤)、クラリスロ
マイシン、エリスロマイシン、ジルチアゼム、ベラパ
ミル塩酸塩、コビシスタットを含有する製剤、HIVプ
ロテアーゼ阻害剤、リファンピシン、リファブチン、
フェニトイン、カルバマゼピン、フェノバルビタール、
デキサメタゾン全身投与、モダフィニル、非ヌクレオ
シド系逆転写酵素阻害剤(リルピビリン塩酸塩を
除く)、ボセンタン水和物、セイヨウオトギリソウ(St.
John’
s Wort、セント・ジョーンズ・ワート)含有食
品、シクロスポリン、フレカイニド、プロパフェノン
<ダクルインザ錠>
本剤と併用した場合に、本剤の治療効果を減弱させ
る可能性があります。
<スンベプラカプセル>
本剤と併用した場合に、本剤の治療効果の減弱又は
肝機能障害リスクの増強、あるいは併用薬の血中濃
度を上昇させる可能性があります。
3-3.妊娠・授乳について注意すること
妊婦又は
妊娠している
可能性のある
婦人
投与前
添付文書に記載のある妊娠・授乳に関する注意は以下の通りです。事前の問診によりダクルインザ・
スンベプラ併用療法が適切な患者であるかご確認ください。
投与しないでください【禁忌(ダクルインザ錠 60mg)】。
投与開始後
・投与に際しては、妊娠検査を行い、妊娠していないことをご確認
ください。
妊娠する
可能性のある
婦人
・ダクルインザ錠及びスンベプラカプセル投与中及び投与終了後5週
間は適切な避妊を徹底してください。
・スンベプラカプセルは、エチニルエストラジオール含有製剤(経
口避妊薬)の血中濃度を低下させるおそれがあります。
臨床試験成績
・ダクルインザ錠及びスンベプラカプセル投与中に妊娠が確認され
た場合又は疑われた場合には、直ちに投与を中止してください。
授乳中の婦人
・投与することを避けてください。
・やむを得ず投与する際は授乳を中止してください。
※詳細は、DIのページを参照
薬剤耐性
Q&A
Appendix
6
投与前
3-4.相互作用
ダクルインザ錠は、CYP3A4及びP糖蛋白(P-gp)の基質です。また、P-gp、有機アニオントランスポー
ター(OATP)1B1、1B3及び乳癌耐性蛋白(BCRP)の阻害作用を有します。
スンベプラカプセルは、CYP3A、P-gp、OATP1B1及び2B1の基質です。また、CYP2D6、 OATP
1B1、1B3、2B1及びP-gpに対する阻害作用及びCYP3A4の誘導作用を有します。
ダクルインザ・スンベプラ併用療法を行う際、下記薬剤との併用は、本剤(ダクルインザ錠、スンベプラ
カプセル)
又は併用薬剤の血中濃度に影響を与えることから、
併用禁忌・併用注意に設定されています。
■併用禁忌(併用しないこと)
薬剤名等
スンベプラ ダクル
カプセル インザ錠
アゾール系抗真菌剤
(経口又は注射剤)
ケトコナゾール(国内未承認)
イトラコナゾール(イトリゾール)
フルコナゾール(ジフルカン)
ホスフルコナゾール(プロジフ)
ボリコナゾール(ブイフェンド)
ミコナゾール(フロリード)
禁
注意
テラプレビル
禁
注意
クラリスロマイシン(クラリス)
エリスロマイシン(エリスロシン)
禁
ジルチアゼム(ヘルベッサー)
ベラパミル塩酸塩(ワソラン)
禁
コビシスタットを含有する製剤
(スタリビルド)
禁
HIVプロテアーゼ阻害剤
リトナビル(ノービア)
アタザナビル硫酸塩(レイアタッツ)
インジナビル硫酸塩エタノール付
加物(クリキシバン)
サキナビルメシル酸塩
(インビラーゼ)
ダルナビルエタノール付加物
(プリジスタ)
ネルフィナビルメシル酸塩
(ビラセプト)
ホスアンプレナビルカルシウム
水和物(レクシヴァ)
ロピナビル/リトナビル(カレトラ)
7
:上昇 禁
血中濃度
スンベプラカプセル/
ダクルインザ錠
併用薬剤
:低下
機序・危険因子
肝臓に関連した有害事
象が発現し、また重症化
するおそれがあります。
これらの薬剤の強力又は
中程度のCYP3Aの阻害
作用により、本剤(ダクル
インザ錠・スンベプラカ
プセル)の代謝が阻害さ
れます。
肝臓に関連した有害事
象が増加し、また重症化
するおそれがあります。
これらの薬剤のCYP3A
及び/又はOATP1B1、
2B1の阻害作用により、
本剤(ダクルインザ錠・
スンベプラカプセル)の
代謝が阻害されます。
注意
注意
注意
薬剤名等
禁
禁
抗てんかん剤
フェニトイン(アレビアチン)
カルバマゼピン(テグレトール)
フェノバルビタール(フェノバール)
禁
禁
禁
禁
デキサメタゾン全身投与
(デカドロン)
モダフィニル(モディオダール)
非ヌクレオシド系逆転写酵素阻害剤
(リルピビリン塩酸塩を除く)
エファビレンツ(ストックリン)
エトラビリン(インテレンス)
ネビラピン(ビラミューン)
機序・危険因子
治療効果を減弱させる
おそれがあります。
これらの薬剤の強力又は
中程度のCYP3A誘導作
用により、本剤(ダクルイ
ンザ錠・スンベプラカプ
セル)の代謝が促進され
ます。
本剤(スンベプラカプセ
ル)の肝臓への取り込み
が減少し、本剤の治療効
果を減弱させるおそれ
があります。
シ ク ロ ス ポリン は 、
OATP1B1を阻害します。
禁
禁
禁
セイヨウオトギリソウ(St. John’
s
Wort、セント・ジョーンズ・ワート)含
有食品
禁
シクロスポリン(サンディミュン)
禁
禁
注意
(エファ
ビレンツ)
臨床試験成績
ボセンタン水和物(トラクリア)
フレカイニド
(タンボコール)
プロパフェノン(プロノン)
併用薬剤
投与開始後
リファンピシン(リファジン)
リファブチン(ミコブティン)
血中濃度
スンベプラカプセル/
ダクルインザ錠
投与前
スンベプラ ダクル
カプセル インザ錠
禁
薬剤耐性
不整脈が起こ 本剤(スンベプラカプセ
のCYP2D6阻害作用
るおそれがあ ル)
により、
これらの薬剤
(治療
ります。
域が狭いCYP2D6の基
質)
の代謝が阻害されます。
禁 :併用禁忌 注意:併用注意
Q&A
Appendix
8
投与前
■併用注意(併用に注意すること)
薬剤名等
スンベプラ
カプセル
血中濃度
ダクル
スンベプラカプセル/
インザ錠
ダクルインザ錠
ジゴキシン
注意
注意
ロスバスタチン
注意
アトルバスタチン
フルバスタチン
シンバスタチン
ピタバスタチン
プラバスタチン
デキストロメトルファン
臭化水素酸塩
注意
併用薬剤
:低下
機序・危険因子
本剤(ダクルインザ錠・スンベ
プラカプセル)のP-gp阻害作
併用する場合には、ジ 用により、ジゴキシンのバイオ
ゴキシンの血中濃度を アベイラビリティが増加しま
モニタリングし、投与量 す。
を調節してください。
注意
本剤
(ダクルインザ錠・スンベプ
ラカプセル)
は、OATP1B1及び
1B3を介したロスバスタチンの
肝臓への取り込みを阻害します。
ダクルインザ錠:また、本剤
(ダク
ルインザ錠)
のBCRP阻害作用
により、
ロスバスタチンの肝臓及
び腸からの排出を阻害します。
注意
本剤(ダクルインザ錠・スンベ
プ ラ カプ セ ル )は 、O A T P
1B1及び1B3を介したこれら
の薬剤の肝臓への取り込みを
阻害します。
注意
本剤(スンベプラカプセル)の
CYP2D6の阻害作用により、
デキストロメトルファンの代謝
が阻害されます。
注意
本剤(スンベプラカプセル)の
弱いCYP3A4の誘導作用に
より、ミダゾラムの代謝が促進
されます。
注意
本剤(スンベプラカプセル)の
弱いCYP3A4の誘導作用によ
り、エチニルエストラジオール
の代謝が促進されます。
ノルゲスチメートとの相互作用
の機序は不明です。
ミダゾラム
エチニルエストラジオー
ル含有製剤
エチニ ル エストラジ
オール-ノルゲスチメー
ト
(国内未承認)等
:上昇 注意:併用注意
※グレープフルーツジュースは強いCYP3A4阻害作用を有するため、ダクルインザ・スンベプラ
併用療法中の飲用は避けてください。
Check
チェック
現在服薬中の薬剤に、
こちらに記載されている薬剤に該当するものがありませんでしたか?
9
3-5. 治療開始前に患者に説明すること
投与前
ダクルインザ・スンベプラ併用療法の有効性と安全性を理解していただくために、特に、服用方法(飲
み忘れ防止)、副作用に関して患者にご説明ください。
■薬剤の説明
ダクルインザ錠及びスンベプラカプセルは、体内のHCVに直接作用し、減少させる経口薬です。2剤を
24週間併用して服用することで、セログループ1(ジェノタイプ1)のC型慢性肝炎又はC型代償性肝硬
変におけるウイルス血症を改善します。
投与開始後
⇒効能又は効果についてはP4参照
■服薬遵守
ダクルインザ錠及びスンベプラカプセルは1日の服用回数が異なります(ダクルインザ錠:1日1回、ス
ンベプラカプセル:1日2回)。飲み忘れにより、期待される効果が得られない場合があるため、飲み忘
れが無いよう患者にご指導ください。
⇒用法及び用量についてはP13参照
臨床試験成績
■定期的な検査を行うこと
ダクルインザ・スンベプラ併用療法中は、血中HCV RNA量測定及び肝機能検査を定期的に行うこと
を患者にご説明ください(肝機能検査:投与開始12週目までは少なくとも2週ごと、それ以降は4週
ごと)。
⇒検査についてはP15参照
■併用に注意が必要な薬剤
薬剤耐性
ダクルインザ・スンベプラ併用療法中に、他の薬剤を併用した場合、本剤(ダクルインザ錠・スンベプ
ラカプセル)の血中濃度の上昇または低下、併用薬の血中濃度に影響を与える可能性があるため、治療
開始前に、併用薬剤をご確認ください。
⇒併用禁忌・併用注意についてはP7〜9参照
■副作用
注1)基準値上限5倍超
注2)基準値上限2.5倍超
⇒副作用一覧についてはP17〜19参照
⇒肝機能障害についてはP20~26参照
Appendix
重大な副作用
・肝機能障害(ALT(GPT)増加 8.2%注1)、AST(GOT)増加 5.9%注1)、血中ビリルビン増加 0.8%注2))
が起こる可能性があります。
Q&A
ダクルインザ・スンベプラ併用療法中に、副作用があらわれることがあります。何か体調に変化を感じ
た場合は、自己判断で服用を中止せず、医師または薬剤師に相談するようご指導ください。
・ダクラタスビル・アスナプレビル併用療法を行った国内臨床試験において、255例中158例
(62.0%)に副作用が認められました。
・主な副作用は、ALT(GPT)増加 45例(17.6%)、AST(GOT)増加 36例(14.1%)、頭痛 33例
(承認時)
(12.9%)、発熱 30例(11.8%)等でした。
10
投与前
Check
次のことを、患者にご指導ください。
チェック
飲み忘れが無いようにしてください。
他院、
他科を受診するときは、
医師、
歯科医師、
薬剤師にダクルインザ・スンベプラ併用療法中である
ことを伝えてください。
治療中、
新たに服用する薬剤について主治医に伝えてください。
何か体調に変化を感じた場合は、
自己判断で服用を中止せず、
医師及び薬剤師に相談してください。
患者資材として
「ダクルインザ錠・スンベプラ
カプセル併用療法で治療を開
始される患者さんへ」を用意し
て お り ま す の で 、患 者 指 導 に
ご活用ください。
患 者 さんとご 家 族 の 方 へ
C 型慢性肝炎について
ダクルインザ錠、スンベプラカプセル
について
ダクルインザ錠・スンベプラカプセル併用療法で
治療を開始される患者さんへ
C型肝炎ウイルス(HCV)に感染して、肝臓が慢性的に炎
症を起こし、その結果、肝臓の機能が低下する病気です。
しかし、HCV感染による自覚症状はほとんどありません。
かん こう へん
HCV感染を知らずに治療をしないでおくと、肝硬変や肝が
んなどの病状に進展しやすくなります。最近の調査結果で
この冊 子は、ダクルインザ錠・スンベプラカプセル併用療 法で
は、肝がんの原因の約70%がC型慢性肝炎といわれてい
治療を行うにあたって知っていただきたい内容を記載しています。
●どんなくすり?
ダクルインザ錠、スンベプラカプセルは、C型慢性肝炎の治
療に用いる抗ウイルス剤です。2剤を併せて服用すること
で、ウイルスが増える時に必要なタンパク質に直接作用し、
ウイルス排除を目指します。
ますが、ウイルス排除により発がんの抑制を目指すことが
できます。早期に適切な治療をすることが重要です。
肝硬変や肝がんに
進展する前に、
できるだけ早く治療を
することが重要です。
医療機関名
ダクルインザ錠
スンベプラカプセル
(実物大の写真)
(実物大の写真)
●保管方法
医師名
直射日光が当たらず、湿気の少ない涼しい所に保管してくだ
さい。
子どもの手の届かない所に保管してください。
他の人が服用しないように保管してください。
ブリストル・マイヤーズ株式会社
東京都新宿区西新宿6-5-1
11
監修
2014年7月作成
DKSV/14-06/0016/16-05
虎の門病院肝臓センター
3
4
3-6. 投与前の確認事項(フローチャート)
HCV RNAは陽性でしたか?
投与前
ダクルインザ・スンベプラ併用療法が適切であるか確認するために、下のフローチャートをご利用
ください。
いいえ ⇒P4参照
はい
いいえ 投与開始後
非代償性肝硬変、
Child-Pugh分類B
又はCでないことを確認しましたか?
⇒P4参照
はい
臨床試験成績
過去にインターフェロンによるHCV
治療を行い、治療効果がみられなかっ
た又は副作用のため治療を継続でき
⇒P4参照
なかった方ですか?
インターフェロンを含む治療
を受けたことがない理由が、
既往歴
(貧血、
好中球減少症、
いいえ いいえ 血小板減少症、
うつ病、その
適応ではありません
他の合併症)
又は高齢による
⇒P4参照
ものですか?
はい
はい
本 剤(ダクル イン ザ 錠 及 び
スンベプラカプセル)の成分に
対し過敏症の既往歴があり
⇒P5参照
ますか?
はい
いいえ
薬剤耐性
現在服用中の薬剤の中に、併
用禁忌の薬剤がありますか?
はい
⇒P5参照
いいえ
〈女性の方に〉
現在、妊娠中ですか?
はい
⇒P6参照
Q&A
いいえ
妊娠している可能性又は妊
娠する可能性がありますか?
はい
いいえ
ダクルインザ錠及びスンベプラカプセルの投与中及び投与終
⇒P6参照
了後5週間は適切な避妊を徹底してください。
いいえ
はい
⇒P6参照
やむを得ず投与する場合には授乳を
⇒P6参照
中止してください。
はい
はい
Appendix
いいえ
はい
⇒P6参照
⇒P6参照
授乳中ですか?
妊娠検査の結果妊娠していましたか?
ダクルインザ・スンベプラ併用療法を行うことができます。
※本剤投与中に妊娠が確認された場合又は疑われた場合には、直ちに投与を中止してください。
12
4
投与開始後
4-1. 用法及び用量
ダクルインザ錠・スンベプラカプセルは必ず併用し、24週間投与してください。
ダクルインザ錠60mg
スンベプラカプセル100mg
1回
2回
1日投与回数
製剤
(写真)
サイズ
垂線9.1mm×厚さ4.6mm
1回投与量(通常成人)
60mg 1錠
長径14.9mm×短径9.3mm
100mg 1カプセル
服薬スケジュール例
0:00
朝服薬を開始する場合
ダクルインザ錠
12:00
19:00
AM
12:00
夜服薬を開始する場合
7:00
PM
19:00
0:00
7:00
PM
AM
スンベプラカプセル
用法及び用量に関して
◆投与開始時は、ダクルインザ錠及びスンベプラカプセルを同時に投与してください。
◆投与量の調節はしないでください。
腎機能障害患者へ投与する際も、
投与量の調節は不
・軽度(Child Pugh分類A)の肝機能障害患者※1、
要です。
⇒肝機能障害患者における薬物動態についてはP37〜38参照、
腎機能障害患者における薬物動態についてはP39参照
※1 スンベプラカプセル【禁忌(次の患者には投与しないこと)】より抜粋
(2)中等度以上(Child-Pugh分類B又はC)の肝機能障害又は非代償性肝疾患のある患者[本剤の血中濃度が上昇する。]
◆ダクルインザ錠・スンベプラカプセルの吸収は、食事の影響を受けません。
⇒食事の影響についてはP37参照
Check
次のことを、患者にご指導ください。
チェック
ダクルインザ錠及びスンベプラカプセルの単剤投与での有効性及び安全性は確立されていない
ため、必ず2剤を併用してください。
服用を開始する時は、
ダクルインザ錠及びスンベプラカプセルを同時に服用してください。
服用開始
後は、
用量の変更及び服用の中断をしないでください。
何か体調に変化を感じた場合は、
自己判断で服用を中止せず、
医師及び薬剤師に相談してください。
飲み忘れを防ぐ為に、
毎日できるだけ同時刻に、
1回分を服用してください。
13
参考:飲み忘れ時の対応(各薬剤毎に次の服用予定時刻までの時間によって対応する)
投与前
◆次の服用までに4時間以上空いている場合
・気づいた時点で直ちに飲み忘れた分を服用してください。次の服用は通常のスケジュール通
りに1回分を服用してください。
◆次の服用まで4時間未満の場合
・飲み忘れた分はスキップして、次の服用分(1回分)を通常のスケジュール通りに服用してく
ださい。
(*2回分を1度に服用しないでください。)
朝7:00にダクルインザ錠を飲み忘れた場合
投与開始後
例)朝7:00に2剤(ダクルインザ錠1錠、スンベプラカプセル1カプセル)、夜19:00に1剤(スンベプラカプ
セル1カプセル)を服用している患者
朝7:00または夜19:00に
スンベプラカプセルを飲み忘れた場合
7:00
7:00
4時間
4時間
3:00
3:00
朝服用分
臨床試験成績
夜服用分
飲み忘れに気づいた時点で
ダクルインザ錠を服用
飲み忘れに
気づいた時点で
スンベプラ
カプセルを服用
15:00
19:00
19:00
4時間
飲み忘れた分は服用しない
(1回分スキップ)
薬剤耐性
4-2. 併用薬の確認
⇒相互作用についてはP7~9、41〜42参照
Check
次のことを、患者にご指導ください。
チェック
他院、他科を受診するときは、医師、歯科医師、薬剤師にダクルインザ・スンベプラ併用療法中で
あることを伝えてください。
Q&A
治療中、
新たに服用する薬剤について主治医に伝えてください。
4-3. 過量投与時の対応
Check
次のことを、患者にご指導ください。
Appendix
ダクルインザ錠及びスンベプラカプセルの過量投与に対する解毒剤はありません。過量投与時の処
置には、バイタルサインのモニタリングや臨床症状の観察等の一般的な支持療法を行ってください。
ダクルインザ錠及びスンベプラカプセルは分子量が大きく血漿蛋白結合率が高いため、透析は血中
濃度減少に有効ではありません。
チェック
誤って多く服用してしまった場合は、
医師及び薬剤師に相談してください。
14
投与開始後
4-4. 検査
①ウイルス量検査
Check
チェック
抗ウイルス効果を確認するため、投与期間中は定期的に血中HCV RNA量の測定を実施してく
ださい。
②肝機能検査
重大な副作用として、肝機能障害(ALT(GPT)増加 8.2%注1)、AST(GOT)増加 5.9%注1)、血中ビリル
ビン増加 0.8%注2))が報告されています。
注1)基準値上限5倍超 注2)基準値上限2.5倍超
⇒肝機能障害についてはP20~26参照
Check
チェック
投与開始12週目までは少なくとも2週ごと、それ以降は4週ごとに肝機能検査を行う等、観察を
十分行ってください。
肝機能の悪化が認められた場合には、より頻回に検査を行い、投与を中止するなど適切な処置を
行ってください。
15
4-5. 投与中止・中断について
投与前
投与中止
下記のような場合には、投与を中止してください。
①ALT(GPT)が基準値上限10倍以上に上昇
ALT(GPT)が基準値上限10倍以上に上昇した場合には、直ちに投与を中止し、再投与しないでくだ
さい。国内臨床試験では、中止後、全例で回復しました。
投与開始後
②妊娠
ダ クルインザ錠及びスンベプラカプセル投与中に妊娠が確認された場合又は疑われた場合には、
直ちに投与を中止してください。
⇒妊婦への投与についてはP6参照
臨床試験成績
③ウイルス学的ブレイクスルー
ウイルス学的ブレイクスルー(投与中に血中HCV RNA量が最低値から1 log10を超えて増加)が発
現した場合は、ダクルインザ錠及びスンベプラカプセルの投与中止を考慮してください。ジェノタイ
プ1bのC型慢性肝炎患者を対象にダクラタスビル塩酸塩及びアスナプレビルを併用投与した臨床試
験において、ブレイクスルーが発現した患者では、概してダクラタスビルの耐性変異(NS5A-Y93及
び/又はL31の置換)がアスナプレビルの耐性変異(NS3-D168の置換)とともに認められています。
投与中断
薬剤耐性
ダクルインザ・スンベプラ併用療法は、
治療開始後24週間投与を継続することが原則となりますが、
副作用の発現によりやむをえず投与を中断する場合には、ダクルインザ錠及びスンベプラカプセル
を同時に中断してください。投与再開の可否については、リスクとベネフィットを考慮して慎重に判
断し、投与を再開する場合は、ダクルインザ錠及びスンベプラカプセルを同時に再開してください。
Check
チェック
ALT(GPT)が基準値上限10倍以上に上昇した場合には、直ちに投与を中止し、再投与しないで
ください。
Q&A
投与中に妊娠が確認された場合又は疑われた場合には、直ちに投与を中止してください。
ウイルス学的ブレイクスルー(投与中に血中HCV RNA量が最低値から1 log10を超えて増加)
が発現した場合は、ダクルインザ錠及びスンベプラカプセルの投与中止を考慮してください。
副作用により、やむをえず投与を中断する場合は、ダクルインザ錠及びスンベプラカプセルを同
時に中断、再開してください。
Appendix
16
投与開始後
4-6. 副作用
■副作用一覧:国内第2相試験
(AI 447017試験)
及び国内第3相試験
(AI 447026試験)
ダクラタスビル・アスナプレビル併用療法を行った国内臨床試験において、255例中158例(62.0%)
に副作用が認められました。主な副作用は、ALT(GPT)増加 45例(17.6%)、AST(GOT)増加 36例
(14.1%)、頭痛 33例(12.9%)、発熱 30例(11.8%)等でした。
(承認時)
副作用
器官別大分類
基本語
前治療無効患者
合計
(98例)
(255例)
副作用が発現した患者の合計
96(61.1%)
62(63.3%)
158(62.0%)
臨床検査
46(29.3%)
20(20.4%)
66(25.9%)
アラニン・アミノトランスフェラーゼ増加
30(19.1%)
15(15.3%)
45(17.6%)
アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ増加
22(14.0%)
14(14.3%)
36(14.1%)
6(3.8%)
4(4.1%)
10(3.9%)
6(2.4%)
血中ビリルビン増加
好酸球数増加
6(3.8%)
0
γ-グルタミルトランスフェラーゼ増加
3(1.9%)
3(3.1%)
6(2.4%)
血中アルカリホスファターゼ増加
4(2.5%)
0
4(1.6%)
リパーゼ増加
3(1.9%)
1(1.0%)
4(1.6%)
血中アルブミン減少
3(1.9%)
0
3(1.2%)
血中リン減少
2(1.3%)
0
2(0.8%)
単球数増加
2(1.3%)
0
2(0.8%)
血小板数減少
1(0.6%)
1(1.0%)
2(0.8%)
プロトロンビン時間延長
1(0.6%)
1(1.0%)
2(0.8%)
アミラーゼ増加
1(0.6%)
0
1(0.4%)
血中クレアチンホスホキナーゼ増加
1(0.6%)
0
1(0.4%)
血中乳酸脱水素酵素増加
1(0.6%)
0
1(0.4%)
血圧上昇
0
1(1.0%)
1(0.4%)
C-反応性蛋白増加
0
1(1.0%)
1(0.4%)
プロトロンビン時間短縮
0
1(1.0%)
1(0.4%)
体重減少
1(0.6%)
0
1(0.4%)
白血球数増加
1(0.6%)
0
1(0.4%)
29(18.5%)
23(23.5%)
52(20.4%)
胃腸障害
下痢
9(5.7%)
8(8.2%)
17(6.7%)
悪心
5(3.2%)
7(7.1%)
12(4.7%)
腹部不快感
5(3.2%)
2(2.0%)
7(2.7%)
便秘
4(2.5%)
3(3.1%)
7(2.7%)
上腹部痛
3(1.9%)
1(1.0%)
4(1.6%)
腹部膨満
1(0.6%)
2(2.0%)
3(1.2%)
口内炎
1(0.6%)
2(2.0%)
3(1.2%)
嘔吐
2(1.3%)
1(1.0%)
3(1.2%)
腹痛
1(0.6%)
1(1.0%)
2(0.8%)
下腹部痛
1(0.6%)
0
1(0.4%)
アフタ性口内炎
1(0.6%)
0
1(0.4%)
口唇炎
消化不良
胃食道逆流性疾患
17
例数(%)
IFNを含む治療法に不適格の
未治療患者/不耐容患者
(157例)
0
1(1.0%)
1(0.4%)
1(0.6%)
0
1(0.4%)
0
1(1.0%)
1(0.4%)
歯肉痛
1(0.6%)
0
1(0.4%)
口の感覚鈍麻
1(0.6%)
0
1(0.4%)
例数(%)
IFNを含む治療法に不適格の
未治療患者/不耐容患者
(157例)
前治療無効患者
合計
(98例)
(255例)
1(0.6%)
0
1(0.4%)
1(0.6%)
0
1(0.4%)
歯痛
1(0.6%)
0
1(0.4%)
一般・全身障害および投与部位の状態
27(17.2%)
17(17.3%)
44(17.3%)
発熱
16(10.2%)
14(14.3%)
30(11.8%)
倦怠感
7(4.5%)
4(4.1%)
11(4.3%)
疲労
7(4.5%)
1(1.0%)
8(3.1%)
悪寒
0
4(4.1%)
4(1.6%)
1(0.6%)
0
1(0.4%)
胸部不快感
1(0.6%)
0
1(0.4%)
神経系障害
末梢性浮腫
19(12.1%)
20(20.4%)
39(15.3%)
頭痛
16(10.2%)
17(17.3%)
33(12.9%)
0
2(2.0%)
2(0.8%)
1(0.6%)
1(1.0%)
2(0.8%)
頭部不快感
傾眠
1(0.6%)
0
1(0.4%)
1(0.6%)
0
1(0.4%)
感覚鈍麻
0
1(1.0%)
1(0.4%)
片頭痛
重症筋無力症
皮膚および皮下組織障害
0
1(1.0%)
1(0.4%)
1(0.6%)
0
1(0.4%)
16(10.2%)
14(14.3%)
30(11.8%)
発疹
8(5.1%)
3(3.1%)
11(4.3%)
そう痒症
3(1.9%)
7(7.1%)
10(3.9%)
0
3(3.1%)
3(1.2%)
脱毛症
皮膚嚢腫
皮膚乾燥
1(0.6%)
0
1(0.4%)
0
1(1.0%)
1(0.4%)
1(0.6%)
0
1(0.4%)
紅斑
1(0.6%)
0
1(0.4%)
爪の障害
1(0.6%)
0
1(0.4%)
皮膚亀裂
1(0.6%)
0
1(0.4%)
中毒性皮疹
0
1(0.4%)
7(7.1%)
27(10.6%)
好酸球増加症
12(7.6%)
3(3.1%)
15(5.9%)
血小板減少症
3(1.9%)
3(3.1%)
6(2.4%)
貧血
2(1.3%)
1(1.0%)
3(1.2%)
リンパ球減少症
2(1.3%)
0
2(0.8%)
リンパ節症
1(0.6%)
0
1(0.4%)
筋骨格系および結合組織障害
7(4.5%)
8(8.2%)
15(5.9%)
関節痛
1(0.6%)
5(5.1%)
6(2.4%)
筋骨格硬直
2(1.3%)
2(2.0%)
4(1.6%)
背部痛
1(0.6%)
1(1.0%)
2(0.8%)
筋痙縮
筋肉痛
0
1(1.0%)
1(0.4%)
1(0.6%)
0
1(0.4%)
0
1(1.0%)
1(0.4%)
頚部痛
1(0.6%)
0
1(0.4%)
四肢痛
1(0.6%)
0
1(0.4%)
シェーグレン症候群
1(0.6%)
0
1(0.4%)
感染症および寄生虫症
9(5.7%)
9(9.2%)
18(7.1%)
鼻咽頭炎
8(5.1%)
5(5.1%)
13(5.1%)
Appendix
筋骨格痛
Q&A
1(0.6%)
20(12.7%)
血液およびリンパ系障害
薬剤耐性
薬疹
臨床試験成績
浮動性めまい
味覚障害
投与開始後
口腔浮腫
口の錯感覚
投与前
副作用
器官別大分類
基本語
18
投与開始後
例数(%)
副作用
器官別大分類
基本語
気管支炎
前治療無効患者
合計
(98例)
(255例)
1(0.6%)
1(1.0%)
2(0.8%)
胃腸炎
0
1(1.0%)
1(0.4%)
歯肉炎
1(0.6%)
0
1(0.4%)
インフルエンザ
0
1(1.0%)
1(0.4%)
マイコバクテリア感染
0
1(1.0%)
1(0.4%)
1(0.6%)
0
1(0.4%)
口腔ヘルペス
歯周炎
0
1(1.0%)
1(0.4%)
肺炎
0
1(1.0%)
1(0.4%)
代謝および栄養障害
9(5.7%)
2(2.0%)
11(4.3%)
食欲減退
6(3.8%)
2(2.0%)
8(3.1%)
高尿酸血症
2(1.3%)
0
2(0.8%)
0
1(1.0%)
1(0.4%)
脱水
糖尿病
1(0.6%)
0
1(0.4%)
高カリウム血症
1(0.6%)
0
1(0.4%)
呼吸器・胸郭・縦隔障害
6(3.8%)
2(2.0%)
8(3.1%)
口腔咽頭痛
2(1.3%)
1(1.0%)
3(1.2%)
鼻出血
1(0.6%)
1(1.0%)
2(0.8%)
上気道炎
2(1.3%)
0
2(0.8%)
咳嗽
1(0.6%)
0
1(0.4%)
精神障害
2(1.3%)
1(1.0%)
3(1.2%)
不眠症
2(1.3%)
1(1.0%)
3(1.2%)
心気症
1(0.6%)
0
1(0.4%)
眼障害
3(1.9%)
1(1.0%)
4(1.6%)
眼精疲労
1(0.6%)
1(1.0%)
2(0.8%)
アレルギー性結膜炎
1(0.6%)
0
1(0.4%)
眼乾燥
1(0.6%)
0
1(0.4%)
1(0.4%)
視力障害
1(0.6%)
0
血管障害
4(2.5%)
1(1.0%)
5(2.0%)
高血圧
4(2.5%)
0
4(1.6%)
1(0.4%)
血腫
0
1(1.0%)
1(0.6%)
2(2.0%)
3(1.2%)
耳不快感
0
1(1.0%)
1(0.4%)
聴覚障害
1(0.6%)
0
1(0.4%)
突発難聴
0
1(1.0%)
1(0.4%)
腎および尿路障害
1(0.6%)
1(1.0%)
2(0.8%)
頻尿
耳および迷路障害
1(0.6%)
0
1(0.4%)
尿失禁
0
1(1.0%)
1(0.4%)
心臓障害
1(0.6%)
1(1.0%)
2(0.8%)
動悸
1(0.6%)
1(1.0%)
2(0.8%)
肝胆道系障害
2(1.3%)
0
2(0.8%)
肝機能異常
1(0.6%)
0
1(0.4%)
肝障害
1(0.6%)
0
1(0.4%)
免疫系障害
1(0.6%)
0
1(0.4%)
季節性アレルギー
1(0.6%)
0
1(0.4%)
0
1(1.0%)
1(0.4%)
良性、悪性および詳細不明の新生物
(嚢胞およびポリープを含む)
19
IFNを含む治療法に不適格の
未治療患者/不耐容患者
(157例)
線維腫
0
1(1.0%)
1(0.4%)
生殖系および乳房障害
0
1(1.0%)
1(0.4%)
外陰腟痛
0
1(1.0%)
1(0.4%)
MedDRA Version:16
4-7. ‌肝機能障害:国内第2相及び第3相試験
投与前
■肝機能検査値異常
国内臨床試験にて発現した、Grade 3又は4のALT増加、AST増加及び総ビリルビン増加の発現状況は
以下の通りでした。
AST増加
総ビリルビン増加
Grade 3以上の発現頻度注1)
7.8%(20/255例)
5.9%(15/255例)
0.8%(2/255例)
発現時期の中央値(範囲)注2)
76.5(27, 169)日
71(27, 155)日
(29, 90)日
全例回復
全例回復
全例回復
16(3, 43)日
15(3, 30)日
(19, 46)日
転帰
初回増加から改善 注3)までの
日数の中央値(範囲)
12例:不適格未治療患者/不耐容患者9例
前治療無効患者3例
投与中止の原因となった肝機能検査値異常
ALT増加、AST増加及び総ビリルビン増加:3例
(うち1例の総ビリ
ルビン増加はGrade 2)
臨床試験成績
投与中止例
投与開始後
ALT増加
⇒個別症例についてはP23~26参照
ALT増加及びAST増加:7例
ALT増加:1例
AST増加:1例
処置
投与を中止した12例のうちプレドニゾロンを投与された1例並びにグリチルリ
チン酸及びウルソデオキシコール酸を投与された1例を除く10例は、治験薬の
投与中止のみで慎重に経過観察した結果、全例で肝機能検査値異常が回復した
薬剤耐性
予測因子
Grade 3又は4のALT増加又はAST増加の発症を予測できるベース
ライン因子は、特定されていない。Grade 3又は4のALT増加又は
AST増加の発現頻度は、ベースライン因子(年齢、性別、体重、肝硬変
の有無、ベースラインのALT/AST値、IFN治療歴及びIFNに対する反
応性、並びにHCV RNA 量)によらず、概ね同様であった
チェック
重症の肝機能検査値異常を早期に発見するために、
投与開始12週目までは少なくとも2週ごと、
そ
れ以降は4週ごとに肝機能検査を実施し、
肝機能の悪化が認められた場合には、
より頻回に検査を行
い、
投与を中止するなど適切な処置を行ってください。
Appendix
Check
Q&A
注1)
ALT及びASTの重症度分類
(グレード)
の基準
Grade 4:基準値上限の10倍超
Grade 3:基準値上限の5.1倍以上10倍以下
総ビリルビンの重症度分類
(グレードの)
基準
(成人)
Grade 4:基準値上限の5倍超
Grade 3:基準値上限の2.6倍以上5.0倍以下
Grade 2:基準値上限の1.6倍以上2.5倍以下
注2)
Grade 3又は4となった最初の日
注3)
改善の定義:Grade 3又は4から1Grade以上改善し、
かつGrade 2以下
ALT
(GPT)
が基準値上限の10倍以上に上昇した場合には、
直ちに投与を中止し、
再投与しないでく
ださい。
20
投与開始後
■ALTの推移図
投与開始後、ALTが150 IU/L以上に増加した患者のALTの推移は下記のとおりです。
IFNを含む治療法に不適格の未治療患者/不耐容患者
(IU/L)
700
投与期間
投与継続中
投与終了後
投与中止時点
(肝機能検査値
異常による)
600
500
ALT
400
300
200
100
0
0
10
12
14
16
18
20
22
24
26
28 (週)
2
4
6
8
(14) (28) (42) (56) (70) (84) (98) (112)(126)(140)(154)(168)(182)(196)
(日)
投与開始後日数
前治療無効患者(null responder・partial responder)
(IU/L)
700
投与期間
投与継続中
投与終了後
投与中止時点
(肝機能検査値
異常による)
600
500
ALT
400
300
200
100
0
0
2
4
6
8
10
12
14
16
18
20
22
24
26
28 (週)
(14) (28) (42) (56) (70) (84) (98) (112)(126)(140)(154)(168)(182)(196)
(日)
投与開始後日数
21
投与前
●国内臨床試験において、ALT増加の発現時期の分布範囲は広く、明らかな好発時期は確認され
ませんでした。
●ALTが増加した症例で、増加傾向が確認されてからGrade 4に達するまでの期間は、最も短い
もので5日、多くの症例で28日以内でした。
●国内臨床試験において、最も早く確認されたGrade 3又は4のALT増加は投与開始27日後で
あり、それ以前には発現していません。また、投与12週後までは2週間ごと、それ以降は4週間ご
とに肝機能検査値を測定し、肝機能異常発見時にダクルインザ錠及びスンベプラカプセルの投
与を中止する等適切な対応を行った結果、肝機能異常に関連する死亡や生命を脅かす重大な有
害事象は認められませんでした。
●国内臨床試験において、
Grade 3又は4のALT増加により投与を中止した症例において、
中止後、
慎重に経過観察を行った結果、
全例で回復しました。
投与開始後
⇒Gradeの定義についてはP20参照
臨床試験成績
薬剤耐性
Q&A
Appendix
22
投与開始後
■症例概要1:ALT/AST及び血中ビリルビン増加により投与を中止した症例
国内臨床試験において、
ALT/AST増加及び血中ビリルビン増加により投与を中止した症例は3例*でした。
このうち1例の症例概要を示します。
患者区分
IFNを含む治療法に不適格の未治療であったジェノタイプ1bのC型慢性肝炎患者
年齢、性別
70代、男性
患者背景
肝硬変なし/血小板減少症あり
飲酒歴:350mL/月を50年間
投与開始時の
臨床検査値
ALT:48 IU/L、AST:36 IU/L、総ビリルビン:1.6mg/dL、ALP:212 IU/L、
I N R:1.07、HCV RNA:6.4 log IU/mL
経過及び処置
投与1日目
ダクルインザ錠60mg/回/日及びスンベプラカプセル100mg×2回/日投
与開始。
投与55日目
ALT、ASTの増加が認められた(ALT:109 IU/L、AST:58 IU/L)。
投与69日目
ALT、
ASTのさらなる増加が認められた
(ALT:312 IU/L、
AST:181 IU/
L)。血中ビリルビンの増加(総ビリルビン:2.1mg/dL、直接ビリルビン:
0.7mg/dL)
、
INRの増加
(1.18)
が認められた。
ALPは、
正常範囲内であった。
投与中止
(投与90日目)
血中ビリルビンの増加が認められた(総ビリルビン:3.2mg/dL、直接ビ
リルビン:1.1mg/dL)。血中ビリルビン増加、ALT増加(235 IU/L)及
びAST増加(141 IU/L)によりダクルインザ錠及びスンベプラカプセル
の投与を中止した。ALPは、正常範囲内であった。肝生検、ウイルス検査
(EBV、HSV、CMVなど)は行わなかった。好酸球増加、発疹、発熱は認め
られなかった。
中止18日後
肝機能検査値(ALT、AST、血中ビリルビン)、INRは全て回復した。
投与終了
24週後
SVR24を達成した。
*上記症例以外の2例中1例については、
P25をご参照ください。
残りの1例については、
ALT:203 IU/L、
AST:219 IU/L、
血中ビリルビン
(総ビリ
ルビン:3.0mg/dL、
直接ビリルビン:1.2mg/dL)
及びマイコバクテリア感染により、
投与160日目に投与が中止されました
(SVR24達成)
。
23
検査値の推移
(IU/L)
(mg/dL)
ALT
投与期間
3.5
AST
総ビリルビン
300
3.0
2.0
150
1.5
100
1.0
50
0.5
0
20
40
60
80
臨床試験成績
200
投与開始後
2.5
総 ビリルビン
250
0
投与33日前
投与前
350
0
90
100 108
118(日)
(投与中止)
(10)(18) (28)
薬剤耐性
Q&A
Appendix
24
投与開始後
■症例概要2:肝酵素、好酸球数の増加及び発熱により投与を中止した症例
肝機能検査値異常、好酸球数増加及び発熱*などの一連の臨床症状の発現により中止に至った症例は
2例**でした。このうち、1例の症例概要を示します。
患者区分
pegIFNα-2b/RBV療法が無効(partial responder)であったジェノタイプ1bのC型慢性
肝炎患者
年齢、性別
50代、男性
患者背景
肝硬変なし
飲酒歴:3年に一度200mL、薬物過敏症の既往歴なし
投与開始時の
臨床検査値
ALT:94 IU/L、AST:74 IU/L、総ビリルビン:1.2mg/dL、
ALP:208 IU/L、LDH:213 IU/L、
γ-GTP:88 IU/L、白血球数:3,620/μL、
好酸球の白血球分画:3%、HCV RNA:7.1 log IU/mL
経過及び処置
投与1日目
ダクルインザ錠60mg/回/日及びスンベプラカプセル100mg×2回/日
投与開始。
投与8日目
ALT、ASTが減少(ALT:39 IU/L、AST:25 IU/L)。
投与25日目
発熱が発現。
投与中止
(投与29日目)
肝機能検査値の増加が認められた
(ALT:558 IU/L、
AST:379 IU/L、
総
ビリルビン:3.3mg/dL、
直接ビリルビン:2.1mg/dL)
。
発熱が持続し、
最
高体温は38.4℃、
CRP
(41.4mg/L)
、
好酸球の白血球分画
(34%)
、
腹部超音
波検査:軽度の肝損傷、
腹水
(-)
。
ダクルインザ錠及びスンベプラカプセル
投与中止。
HCV RNA定量下限未満
(検出せず)
。
中止3日後
ウイルス検査(抗EBNA/IgG:1.9 注1)、VCA/IgG:40 注2))。
中止5日後
発熱が回復。
中止7日後
精査のため入院。
肝生検:好酸球浸潤を伴う肝損傷が認められ、
薬物アレル
ギー性肝障害と考えられた。
皮膚反応、
リンパ節腫脹は認められなかった。
中止8日後
プレドニゾロンの経口投与を開始。ウイルス検査(ヒトヘルペスウイルス
-6,7,8型:陽性、単純ヘルペスウイルス-CF:16 注3))。
中止10日後
退院。
中止12日後
肝機能検査値及び好酸球数は回復傾向を示した(ALT:198 IU/L、
AST:51 IU/L、好酸球の白血球分画:0%)。
中止30日後
再燃(HCV RNA検出)。
中止31日後
プレドニゾロン投与終了。
中止45日後
ALT増加、AST増加、血中ビリルビン増加、CRP増加及び好酸球増加症は
全て回復。
*発熱
(37.7℃以上)
、
好酸球増加症
(白血球分画の6%以上)
及び肝機能検査値異常
(ALT及びAST値が施設基準値上限の5倍以上)
**上記以外の1例は、
ALT:323 IU/L, AST:306 IU/L, 好酸球の白血球分画:34%、
発熱:Grade 2
(38.7−39.3℃)
により、
投与35日目に投与が中止
されました
(SVR24達成)
。
注1)
EBNA: EBV determined nuclear antigen(基準値:0~0.49)
注2)
VCA: virus capsid antigen(基準値:0~9.99)
注3)
単純ヘルペスウイルス-CF(基準値:0~3.99)
25
検査値の推移
(IU/L)
3.5
3.0
(/μL)
800
ALT
投与期間
AST
700
総ビリルビン
好酸球絶対数
2.5
5000
4500
4000
600
3500
400
2500
1.5
2000
300
投与開始後
3000
2.0
好酸球絶対数
総 ビリルビン
500
1.0
投与前
(mg/dL)
1500
200
0.5
100
500
(最高38.4℃)
0
0
投与18日前
臨床試験成績
1000
発熱
0
20
25 29
34
40
(投与中止)(5) (11)
60
(31)
0
74(日)
(45)
チェック
薬剤耐性
Check
発熱がみられた場合、速やかに医師に報告するよう患者にご指導ください。
発熱がみられた場合、
発疹、
好酸球数増加、
顔面浮腫及び全身性アレルギー反応の有無を確認する
等患者の状態を十分に観察してください。
Q&A
Appendix
26
5
「警告・禁忌を含む使用上の注意」等についてはDIページをご参照ください。
臨床試験成績
国内第3相試験(AI 447026試験)
■対象
インターフェロン(IFN)を含む治療法に不適格の未治療患者1)/不耐容患者2)
(135例)及び前治療無
3)
4)
効患者 (87例)であるジェノタイプ1bのC型慢性肝炎(代償性肝硬変患者 を22例含む)222例
■方法
0週
24週
48週
ダクルインザ錠
60mg 1日1回
追跡調査
スンベプラカプセル
100mg 1日2回
<対象患者>
1)IFNを含む治療法に不適格の未治療患者
貧血(ヘモグロビン8.5g/dL以上12.0g/dL未満)、好中球減少(好中球数750/mm3以上1,500/mm3未満)、血小板
減少(血小板数50,000/mm3以上120,000/mm3未満)、うつ病(精神科医による軽度から中等度及び安定の診断)、
投薬が必要なその他の合併症(高血圧、糖尿病、自己免疫疾患、甲状腺機能異常など)又は高齢(65歳以上75歳以下
で、健康状態、臨床検査値又は合併症等によりIFN不適格と判断された患者)のいずれかの条件に該当し、今後
12ヵ月間IFN治療を受ける予定のない患者
2)IFNを含む治療法に不耐容患者
IFNを含む治療を受けたが、
IFN及び/又はリバビリン
(RBV)
の副作用のため、
12週間未満で治療を中止した患者
3)前治療無効患者
pegIFNα/RBV又はIFNβ/RBVを12週以上投与してもHCV RNAが定量下限未満
(検出せず)
にならなかった患者
null responder:pegIFNα/RBV又はIFNβ/RBVにより12週以上治療したが、HCV RNA量のベースライン
からの減少が2 log10未満の患者
partial responder:pegIFNα/RBV又はIFNβ/RBVにより12週間以上治療した後、HCV RNA量がベース
ラインから2 log10以上減少したが、定量下限未満(検出せず)にならなかった患者
4)代償性肝硬変患者:Child-Pugh分類Aの患者
⇒Child-Pugh分類についてはP36参照
Kumada H et al. Hepatology. 2014; 59(6): 2083-2091.
27
■SVR24達成割合
(%)
100
87.4
SVR
84.7
118/135
70/87
188/222
20/22
IFNを含む治療法に不適格の
未治療患者/不耐容患者
前治療
無効患者
合計
代償性肝硬変患者
80
70
60
投与開始後
達成割合
24
90.9
80.5
90
投与前
SVR24〔投与終了24週後のHCV RNAが定量下限(15 IU/mL)未満(検出又は検出せず)〕を達成した
患者の割合
50
40
30
20
10
0
臨床試験成績
●IFNを含む治療法に不適格の未治療患者/不耐容患者におけるSVR24達成割合は87.4%、・
前治療無効患者におけるSVR24達成割合は80.5%、合計のSVR24達成割合は84.7%でした。
●代償性肝硬変患者におけるSVR24達成割合は90.9%でした。
■背景因子別のSVR24達成割合
(%)
90
SVR
達成割合
24
83.1 85.5
80
81.2
89.9
93.9
83.1
薬剤耐性
100
84.8 84.2
70
60
50
40
30
20
0
64/
77
男性
124/
145
性別
女性
108/
133
80/
89
65歳未満 65歳以上
年齢
31/
33
157/
189
<800k IU/mL ≧800k IU/mL
ベースライン時HCV RNA量*
95/
112
91/
108
Q&A
10
TT
TG/GG
IL28B rs8099917**
HCV RNA 800k IU/mL=5.9 log/mL
IFN治療の効果予測因子の一つ。
治療効果 TT(メジャーアレル)
:良好、
TG/GG(マイナーアレル)
:不良
*
**
Appendix
性別、
年齢、
ベースライン時のHCV RNA量、
宿主遺伝子
(IL28B SNP)
等の背景因子にかかわらず、
SVR24達成割合は同程度でした。
28
臨床試験成績
■安全性
副作用
ダクルインザ・スンベプラ併用療法の副作用(治療薬と因果関係のある有害事象)の発現率は、合計で
57.7%(128/222例)でした。
主な副作用は、ALT(GPT)増加15.8%(35/222例)、AST(GOT)増加12.6%(28/222例)、発熱
10.8%(24/222例)、頭痛9.9%(22/222例)等でした。
(承認時)
※副作用とは、有害事象のうち、治験薬との因果関係が否定できなかった事象
有害事象
投与中止に至った有害事象として最もよくみられたのは、ALT増加及びAST増加でした。10例がALT
及びAST増加により投与を中止し、そのうち3例では血中ビリルビン増加も投与中止に至った有害事
象として報告されました。また、年齢(65歳未満または65歳以上)、性別及びベースラインの代償性肝
硬変の有無で有害事象の種類、程度及び頻度は同程度でした。
有害事象の発現例数
重篤な有害事象
死亡
投与中止に至った有害事象
例数
(%)
IFNを含む治療法に不適格の
未治療患者/不耐容患者
(135例)
前治療無効患者
(87例)
合計
(222例)
9(6.7)
4(4.6)
13(5.9)
0
0
0
9(6.7)
2(2.3)
11(5.0)
最もよくみられた有害事象(いずれかの群で10%超)
鼻咽頭炎
40(29.6)
27(31.0)
67(30.2)
頭痛
18(13.3)
17(19.5)
35(15.8)
ALT増加
24(17.8)
11(12.6)
35(15.8)
AST増加
18(13.3)
10(11.5)
28(12.6)
発熱
12(8.9)
15(17.2)
27(12.2)
下痢
12(8.9)
10(11.5)
22(9.9)a
a:投与中止に至った下痢、頭痛、鼻咽頭炎及び発熱はなかった。
※ダクルインザ・スンベプラ併用療法全体の副作用の詳細は、
P17~19参照。
29
Kumada H et al. Hepatology. 2014; 59(6): 2083-2091.
6
薬剤耐性
6-1. 薬剤耐性変異とウイルス学的効果
投与前
1)投与前の耐性変異と有効性
ダクラタスビル(NS5A領域)に対する耐性変異
・投与前にNS5A領域のアミノ酸配列が得られた214例のうち、Y93Hが検出された患者は14.0%
(30/214例)でした。Y93Hが検出された患者で43.3%(13/30例)
、Y93Hが検出されなかった
患者で91.3%(168/184例)がSVR24を達成しました。
・投与前にL31M/Vが検出された患者は3.7%(8/214例)でした。L31M/Vが検出された患者では・
8例中2例が、検出されなかった患者では86.9%(179/206例)がSVR24を達成しました。
アスナプレビル(NS3領域)に対する耐性変異
・投与前にNS3領域のアミノ酸配列が得られた221例のうち、D168の変異が検出された患者は
0.9%(2/221例)で、いずれもD168Eでした。このうち1例がSVR24を達成しました。
投与開始後
Y93H耐性変異の有無別ウイルス学的効果
Y93H耐性変異あり
臨床試験成績
合計*
(214例)
Y93H耐性変異なし
30(14.0%)
Y93H耐性変異なし
(184例)
SVR24達成
SVR24達成せず
Y93H耐性変異あり
(30例)
184(86.0%)
SVR24達成
SVR24達成せず
薬剤耐性
16(8.7%)
投与前
17(56.7%)
13(43.3%)
168(91.3%)
Q&A
投与後
投与後
*未同定の8例を除く
2)SVR24未達成の患者における耐性変異
SVR24未達成の患者では、無効時点で、概してダクラタスビルに対する耐性変異(NS5A-Y93及び
/又はL31)がアスナプレビルに対する耐性変異(NS3-D168)とともに検出されました。
変異の測定:ABI 3730XL DNA Analyzerを使用したダイレクト シークエンス法
Appendix
30
薬剤耐性
6-2. ダクラタスビル及びアスナプレビルの主な耐性プロファイル
‌
(in vitro)
ダクラタスビル
HCVレプリコン細胞をダクラタスビル存在下で培養した結果、ダクラタスビルに対する耐性が生じま
した。遺伝子型解析の結果、NS5Aの1~100番までのアミノ酸にダクラタスビルに対して耐性表現型
を示す複数の置換が認められました。ジェノタイプ1bの場合、高頻度にみられた耐性置換はL31及び
Y93のアミノ酸残基であり、1ヵ所のアミノ酸置換の場合、EC50値は野生型の30倍未満であり、2ヵ所
のアミノ酸に置換がある場合(例えばL31V-Y93H)、EC50値は野生型の1,000倍超でした。
アミノ酸置換a
31
b
EC50
(pmol/L)
WTに対する倍率
複製率(%)
WT(野生型)
2.6±0.3
1
100
L23F
1.5±0.2
1
39±9
L28M
4.1±1.1
2
121±54
L28T
52±14
20
13±5
ΔR30
NDd
NDd
None
R30E
15.6±8.1
6
11±2
R30Q
1.5±0.3
1
92±2
L31F
12.6±1.2
5
146±44
L31M
8.4±1.9
3
99±23
L31Vc
61±15
23
145±44
P32L
44.7±21
17
18±6
F37L
1.7±0.2
1
138±28
Q54H
3.2±0.5
1
83±18
P58H
2.2±0.5
1
103±23
P58S
2.3±0.4
1
121±18
Y93Hc
49.2±12.8
19
20±7
Y93N
73.5±5.5
28
21±6
L23F+L31F
33.8±5.1
13
65±5
L23F+Y93H
208.3±36.9
80
8±1
ΔR30+P32L
>1,000,000
>384,615
9±9
R30Q+L31F
234.1±98.7
90
224±39
L31F+Y93H
14,874.3±1,762.9
5,721
29±8
L31M+Y93H
10,989.4±122.9
4,227
36±5
L31V+P58S
421.8±69.8
162
82±2
L31V+Y93H
21,674.5±9,461.3
8,336
30±10
F37L+Y93H
48.6±6.3
19
34±4
Q54H+Y93H
24.7±6.4
10
22±7
a:抑制処理をされたレプリコン細胞系列に認められた置換は太字で示した。他は理論的な変異である。全てのレプリコンはS2241I適応変異を含んでいた。
b:平均±標準偏差、一過性形質転換法により測定(n≧3)
c:Gao M et al. Nature. 2010; 465(7294): 96-100.より得られたデータ
d:ND:測定不能
Fridell RA et al. Antimicrob Agents Chemother. 2010; 54(9): 3641-3650.
投与前
アスナプレビル
HCVレプリコン細胞をアスナプレビル存在下で培養した結果、アスナプレビルに対する耐性が生じま
した。耐性化したジェノタイプ1bレプリコンのNS3プロテアーゼドメインの遺伝子を解析した結果、
活性部位のアミノ酸残基に変異が認められ、NS3プロテアーゼのD168のA、G、H、V又はYへの置換が
耐性の原因であることが確認されました。これらの置換を有するジェノタイプ1bの組換えレプリコン
に対するEC50値は野生型の16~280倍でした。
WT(野生型)
アスナプレビル
テラプレビル
b
WTに対する倍率
EC50(nmol/L)
b
EC50(nmol/L)
WTに対する倍率
複製率(%)
100
V36A
1.6±0.6
2
933±281
5
124
V36L
0.65±0.1
1
395±19
2
77
V36M
1.9±0.9
2
1,081±224
6
59
F43S
3.2±0.2
4
213±36
1
79
T54A
0.35±0.1
0.4
718±31
4
101
V55A
0.79±0.9
1
205±4
1
4
Q80K
5.6±1
6.5
ND
ND
139
Q80L
0.86±0.1
1
167±14
1
98
Q80R
3.5±0.9
4
ND
ND
102
S122N
0.7±0.2
1
134±34
1
194
S122T
1.2±0.2
1
196±11
1
205
R155K
23±8
27
721±75
4
54
A156S
5.9±0.9
7
2,515±624
15
120
A156T
5.4±1
6
>10,000
>57
17
A156V
17±2
20
>10,000
>57
3
D168A
109±19
127
21±4
0.1
37
D168C
56±4
65
96±30
1
25
D168E
67±11
78
129±7
1
25
D168G
13±4
16
56±12
0.3
29
D168H
85±24
98
267±105
2
12
D168V
241±17
280
42±7
0.2
29
D168Y
205±29
238
71±43
0.4
2
V170A
1.6±0.4
2
699±237
4
96
V170 I
0.72±0.01
1
184±10
1
121
V36M+R155K
62±29
72
4,483±3,402
26
34
F43S+D168E
157±30
183
147±61
1
90
Q41R+Q80R
6.9±0.4
8
229±8
1
47
Q41R+D168V
202±7
235
122±33
1
20
18±2
21
1,293±117
7
84
R155K+V170A
a:ジェノタイプ1bレプリコンより抽出されたアスナプレビル耐性に関連する置換は太字で示した。
b:平均値±標準偏差、3以上の独立した試験により得られた。
c:ND:測定不能
McPhee F et al. Antimicrob Agents Chemother. 2012; 56(7): 3670-3681.
Appendix
1
Q&A
176±41
薬剤耐性
1
臨床試験成績
0.86±0.3
c
投与開始後
アミノ酸置換a
32
7
Q&A
対象について
Q.1
A.1
治療を開始する前にセログループ(ジェノタイプ)の検査をする必要は
ありますか?
治療開始前に、セログループ(ジェノタイプ)をご確認ください。
ダクルインザ・スンベプラ併用療法の効能又は効果は以下の通りです。
セログループ1(ジェノタイプ1)のC型慢性肝炎又はC型代償性肝硬変における次のいずれかのウイ
ルス血症の改善
・インターフェロンを含む治療法に不適格の未治療あるいは不耐容の患者
・インターフェロンを含む治療法で無効となった患者
ダクルインザ・スンベプラ併用療法を開始する前に、セログループ1(ジェノタイプ1)のC型慢性肝
炎又はC型代償性肝硬変であることをご確認ください。
※ダクルインザ・スンベプラ併用療法において、ジェノタイプ1aのC型慢性肝炎患者に対する有効
性は確立していません。なお、海外で実施された臨床試験において、ジェノタイプ1(1a及び1b)の
C型慢性肝炎患者のうち、過去のペグインターフェロン アルファ及びリバビリンとの併用療法で
無効となった患者(null responder)を対象として、ダクラタスビル及びアスナプレビルを24週
間併用投与したとき、投与終了24週後のHCV RNA陰性化の割合は36.4%(4/11例)であり、そ
のうちジェノタイプ1aの患者では22.2%(2/9例)でした。
Q.2
A.2
Q.3
A.3
「インターフェロンを含む治療法に不適格の未治療あるいは不耐容の患者」
「インターフェロンを含む治療法で無効となった患者」とは、
どのような患者ですか?
「不適格未治療」
「不耐容」
「無効」とは、次のような患者です。
◆インターフェロンを含む治療法に不適格の未治療:インターフェロンによるHCV治療を受けた
ことがなく、例えば貧血、好中球減少症、血小板減少症、うつ病、その他の合併症又は高齢などの理
由によりインターフェロンを含む治療を受けることができない患者
◆インターフェロンを含む治療法に不耐容:インターフェロンを含む治療を受けたが、副作用によ
り治療を中止した患者
◆インターフェロンを含む治療法で無効:インターフェロンを含む治療を受けたが、HCV RNAが
定量下限未満(検出せず)にならなかった患者
治療を開始する前にN3領域及びNS5A領域の耐性変異を測定する必要は
ありますか?
ウイルス性肝疾患の治療に十分な知識・経験を持つ医師が、治療前に耐性変
異を有する患者におけるSVR24の達成割合等の情報を基に判断してくだ
さい。
ただし、N3領域及びNS5A領域の耐性変異の測定は、保険適応外です。
治療前の耐性変異につきましてはP30「薬剤耐性変異とウイルス学的効果」をご参照ください。
33
A.4
投与前
Q.4
他のプロテアーゼ阻害剤による投与歴のある患者に投与する際、注意する
ことはありますか?
インターフェロンを含む治療法のうち、他のプロテアーゼ阻害剤による既治
療患者に対する投与経験はありません。
投与開始後
添付文書の効能又は効果に関連する使用上の注意に記載されている通り、インターフェロンを含む
治療法のうち、他のプロテアーゼ阻害剤による既治療患者に対する投与経験はありません。これら
の患者に対しては、前治療の種類、前治療に対する反応性、耐性変異の有無、患者の忍容性等を考慮
して投与の可否を判断してください。
薬剤の交差耐性につきましてはP40「交差耐性(in vitro)」をご参照ください。
臨床試験成績
用法・用量、投与スケジュールなどについて
Q.5
A.5
食事の影響はありますか?
臨床的には、ダクラタスビル及びアスナプレビルの曝露量に食事の影響はな
いと考えられます。
A.6
粉砕や簡易懸濁をして投与することはできますか?
Q&A
Q.6
薬剤耐性
・外国人健康成人にダクラタスビル錠60mgを高脂肪食摂取後、低脂肪食摂取後又は空腹時に単回
経口投与したとき、ダクラタスビルの曝露量に臨床的に重要な変化は認められませんでした。
・外国人健康成人にアスナプレビル軟カプセル100mgを空腹時又は高脂肪食摂取後に単回経口投
与したとき、アスナプレビルの曝露量に臨床的に重要な変化は認められませんでした。
ただし、グレープフルーツジュースとの併用は、CYP3A4を阻害するため、注意が必要です。
ダクルインザ錠及びスンベプラカプセルの粉砕や簡易懸濁に関するデータは
ありません。
ダクルインザ錠及びスンベプラカプセルの粉砕や簡易懸濁に関するデータはありません。
粉砕や簡易懸濁した際の有効性・安全性に関するデータはありません。
A.7
過量投与してしまった場合の対処法は?
一般的な支持療法を行ってください。
Appendix
Q.7
過量投与に対する解毒剤はないため、バイタルサインのモニタリングや臨床症状の観察などの一般
的な支持療法を行ってください。詳細につきましては、P14「過量投与時の対応」をご参照ください。
34
Q&A
用法・用量、投与スケジュールなどについて
Q.8
A.8
Q.9
A.9
飲み忘れてしまった場合の対処法は?
次の服用予定までの時間によって、対処法が異なります。
飲み忘れに気づいた時点の、次の服用予定までの時間によって対処法が異なります。なお、本剤の投
与にあたっては飲み忘れなどがないよう服用方法を十分ご指導ください。
詳細につきましては、P14「参考:飲み忘れ時の対応」をご参照ください。
副作用などでやむを得ず薬剤の投与を中止する場合の対処法は?
ダクルインザ錠とスンベプラカプセルを同時に中止してください。
治療開始後24週間治療を継続することが原則となりますが、やむを得ず治療を中止する場合
は、ダクルインザ錠とスンベプラカプセルを同時に中止してください。
投与中止の基準などの詳細につきましては、P16「投与中止・中断について」をご参照ください。
Q.10
副作用により投与を中止した場合、再投与はできますか?
A.10
再投与については、
リスクとベネフィットを考慮して、
慎重にご判断ください。
投与を再開する場合は、ダクルインザ錠及びスンベプラカプセルを同時に再開してください。
ただし、肝機能障害によって投与を中止した場合は、再投与しないでください。
国内第3相試験(AI 447026試験)では、3例が肝機能検査値異常による休薬後、投与を再開しまし
たが、いずれの患者においても投与再開後に肝機能検査値異常が再発しました。
その他
Q.11
ダクルインザ錠、スンベプラカプセルと併用する際に
注意が必要な薬剤はありますか?
A.11
併用禁忌(併用しないこと)及び併用注意(併用に注意すること)の薬剤が
あります。
詳細につきましては、P7〜9、41~42「相互作用」をご参照ください。
35
8
Appendix
■Child-Pugh分類の算出法… ………………………………………………………
grade C(重度)
5~6点
7~9点
10~15点
1点
2点
3点
肝性脳症
なし
軽度(Ⅰ・Ⅱ)
昏睡(Ⅲ以上)
腹水
なし
軽度
中程度以上
血清ビリルビン(mg/dL)
(胆汁うっ帯)
<2.0
(<4.0)
2.0~3.0
(4.0~10.0)
>3.0
(>10.0)
血清アルブミン(g/dL)
>3.5
2.8~3.5
<2.8
プロトロンビン活性値(%)
(INR)
>70
(<1.7)
40~70
(1.7~2.3)
<40
(>2.3)
ポイント
項目
臨床試験成績
grade B(中等度)
投与開始後
grade A(軽度)
Child-Pugh分類
投与前
下記項目のポイントを加算し、その合計点で分類する。
日本肝臓学会編. 慢性肝炎・肝硬変の診療ガイド2013. 文光堂. 2013: 52より一部改変
肝性脳症昏睡度の分類(犬山分類を一部改変)
昏睡度
精神症状
参考事項
Ⅱ
・指南力障害、物をとり違える
・異常行動
・傾眠状態(普通の呼びかけに開眼し、会話できる)
・医師の指示には従う
・興奮状態がない
・便・尿失禁がない
・羽ばたき振戦あり
Ⅲ
・しばしば興奮状態、せん妄状態を伴い、反抗的態度をみせる
・羽ばたき振戦あり(患者の協力が得
・嗜眠状態(ほとんど眠っている)
られる場合)
・外的刺激で開眼するが、医師の指示には従わない、または
・指南力は高度に障害
従えない(簡単な命令には応じる)
Ⅳ
・昏睡(完全な意識の消失)
・痛み刺激に反応する
Ⅴ
・深昏睡
・痛み刺激に反応しない
Q&A
・retrospectiveにしか判定できない
場合が多い
薬剤耐性
Ⅰ
・睡眠 ‐ 覚醒リズムの逆転
・多幸気分、抑うつ状態
・だらしなく、気にとめない態度
・ 刺 激 に 対 し て 、払 い の け る 動 作 、
顔をしかめるなどがみられる
日本肝臓学会編. 慢性肝炎・肝硬変の診療ガイド2013. 文光堂. 2013: 46
Appendix
36
Appendix
■食事の影響(外国人データ)
ダクルインザ錠
健康成人23例にダクラタスビル60mgを投与したところ、ダクラタスビルの空腹時投与と比較して、
低脂肪食(277kcal、脂肪4.5g)の摂取によるAUC及びCmaxに変化はみられませんでした。高脂肪食
この曝露量
(951kcal、
脂肪54.7g)
摂取後のAUC及びCmaxはそれぞれ23%及び28%減少しましたが、
の変化は臨床的に重要ではないと考えられました。
承認時評価資料 ダクルインザ錠 食事の影響を検討した試験(AI 444039試験)
スンベプラカプセル
健康成人28例にアスナプレビル軟カプセル100mgを高脂肪食(951kcal、脂肪54.7g)摂取後に投与
したところ、空腹時に投与した場合に比べ、AUC及びCmaxはそれぞれ20%及び34%上昇しました。こ
の曝露量の変化は臨床的に重要ではないと考えられました。
承認時評価資料 スンベプラカプセル 食事の影響を検討した試験(AI 447043試験)
■肝機能障害被験者における薬物動態(外国人データ)
ダクルインザ錠
HCVに感染していない肝機能が正常な被験者12例及び肝機能障害被験者18例を対象に、ダクラタス
ビル30mgを単回経口投与したときの薬物動態を評価しました。軽度(Child-Pugh分類 A)、中等度
(Child-Pugh分類 B)及び重度(Child-Pugh分類 C)の肝機能障害被験者の総ダクラタスビル(蛋白非
結合形及び結合形)のAUC(INF)は、肝機能が正常な被験者に比べてそれぞれ42.7%、37.6%及び
36.2%低く、同様にCmaxはそれぞれ45.5%、45.2%及び54.6%低くなりました。一方、肝機能障害被験
者における蛋白非結合形ダクラタスビルの血漿中濃度は臨床的に重要な変化はみられませんでした。
肝機能障害被験者及び肝機能が正常な被験者の薬物動態パラメータの比較
AUC(INF)
AUC(INF)u
Cmax
Cmaxu
集団及び比較
幾何平均値
(ng•h/mL)
幾何平均値
(ng•h/mL)
幾何平均値
(ng/mL)
幾何平均値
(ng/mL)
Child-Pugh分類 A
4,174
25.6
380
2.33
Child-Pugh分類 B
4,550
41.6
382
3.49
Child-Pugh分類 C
4,649
40.1
317
2.73
Child-Pugh分類 A+B+C
4,453
34.9
358
2.81
肝機能が正常な被験者
7,286
42.4
698
4.06
幾何平均値比
幾何平均値比
幾何平均値比
幾何平均値比
(90%信頼区間) (90%信頼区間) (90%信頼区間) (90%信頼区間)
Child-Pugh分類 A
vs. 肝機能が正常な被験者
0.57
(0.40, 0.82)
0.60
(0.40, 0.91)
0.55
(0.38, 0.78)
0.57
(0.40, 0.83)
Child-Pugh分類 B
vs. 肝機能が正常な被験者
0.62
(0.47, 0.83)
0.98
(0.70, 1.38)
0.55
(0.43, 0.70)
0.86
(0.64, 1.16)
Child-Pugh分類 C
vs. 肝機能が正常な被験者
0.64
(0.40, 1.03)
0.95
(0.61, 1.47)
0.45
(0.30, 0.69)
0.67
(0.45, 1.01)
Child-Pugh分類(A+B+C)
vs. 肝機能が正常な被験者
0.61
(0.44, 0.85)
0.82
(0.58, 1.17)
0.51
(0.39, 0.69)
0.69
(0.51, 0.95)
AUC
(INF)
:総ダクラタスビルの投与0時間から無限時間までの血漿中濃度−時間曲線下面積、
AUC
(INF)
u:蛋白非結合形ダクラタスビルの投与0時間から無限時間までの血漿中濃度−時間曲線下面積、
Cmax:総ダクラタスビルの最高血漿中濃度、
Cmaxu:蛋白非結合形ダクラタスビルの最高血漿中濃度
37
承認時評価資料 ダクルインザ錠 肝機能障害患者を対象とした試験(AI 444013試験)
スンベプラカプセル
投与前
HCVに感染していない肝機能が正常な被験者12例及び肝機能障害被験者16例を対象として、アスナ
プレビルの硬カプセル200mgを1日2回7日間反復投与したときの薬物動態を評価したところ、軽度
(Child-Pugh分類 A)の肝機能障害被験者ではアスナプレビルの薬物動態に及ぼす影響は軽微でし
た。中等度(Child-Pugh分類 B)の肝機能障害被験者では、アスナプレビルの定常状態におけるAUC及
びCmaxは、肝機能が正常な被験者に比べ、それぞれ9.8倍及び5.0倍、重度(Child-Pugh分類 C)の肝機
能障害被験者ではそれぞれ32.1倍及び22.9倍に著しく上昇しました。また肝機能障害によるアスナ
プレビルの血漿蛋白結合への影響は認められませんでした。
投与開始後
肝機能障害被験者及び肝機能が正常な被験者の薬物動態パラメータの比較
幾何平均値(変動係数)
幾何平均値(変動係数)
Child-Pugh分類 A
654(45)
136(75)
Child-Pugh分類 B
8,100(61)
1,175(63)
Child-Pugh分類 C
26,447(20)
5,352(25)
肝機能が正常な被験者
824(47)
233(65)
幾何平均値比(90%信頼区間)
幾何平均値比(90%信頼区間)
Child-Pugh分類 A
vs. 肝機能が正常な被験者
0.79(0.55, 1.15)
0.58(0.35, 0.98)
Child-Pugh分類 B
vs. 肝機能が正常な被験者
9.83(6.76, 14.28)
5.03(2.99, 8.47)
Child-Pugh分類 C
vs. 肝機能が正常な被験者
32.08(20.84, 49.40)
22.92(12.57, 41.81)
薬剤耐性
(ng/mL)
Cmax
臨床試験成績
AUC(TAU)
(ng•h/mL)
集団及び比較
AUC
(TAU)
:1投与間隔における血漿中濃度−時間曲線下面積、Cmax:最高血漿中濃度
承認時評価資料 スンベプラカプセル 肝機能障害患者を対象とした試験(AI 447012試験)
Q&A
Appendix
38
Appendix
■腎機能障害被験者における薬物動態(外国人データ)
ダクルインザ錠
HCVに感染していない腎機能が正常な被験者12例及び腎機能障害被験者24例を対象に、ダクラタス
ビル60mgを単回経口投与したときの薬物動態を評価しました。クレアチニンクリアランス(CLcr)が
60、30及び15mL/minの被験者における総ダクラタスビル(蛋白非結合形及び結合形)のAUCは腎機
能が正常な被験者(CLcrが90mL/min)に比べてそれぞれ26.4%、59.8%及び79.6%高く、同様に蛋
白非結合形ダクラタスビルのAUCはそれぞれ18.0%、39.2%及び51.2%高くなりました(回帰モデ
ルによる推定値)
。
末期腎不全
(ESRD)
で血液透析中の被験者における総ダクラタスビルのAUCは腎機
能が正常な被験者に比べて26.9%高く、
同様に蛋白非結合形ダクラタスビルのAUCは20.1%高くなり
ました。
腎機能障害被験者及び腎機能が正常な被験者の薬物動態パラメータの比較
比較
幾何平均値比の推定値(90%信頼区間)
AUC(INF)
(ng•h/mL)
AUC(INF)u(ng•h/mL)
CLcrが60mL/minの腎機能障害被験者
vs. 腎機能が正常な被験者
1.26(1.14,1.40)
1.18(1.07,1.30)
CLcrが30mL/minの腎機能障害被験者
vs. 腎機能が正常な被験者
1.60(1.30,1.96)
1.39(1.14,1.70)
CLcrが15mL/minの腎機能障害被験者
vs. 腎機能が正常な被験者
1.80(1.39,2.32)
1.51(1.18,1.94)
AUC
(INF)
:総ダクラタスビル投与0時間から無限時間までの血漿中濃度−時間曲線下面積
AUC
(INF)
u:蛋白非結合形ダクラタスビルの投与0時間から無限時間までの血漿中濃度−時間曲線下面積
CLcr:Cockcroft-Gault式によるクレアチニンクリアランス
承認時評価資料 ダクルインザ錠 腎機能障害患者を対象とした試験(AI 444063試験)
スンベプラカプセル
HCVに感染していない腎機能が正常な被験者12例及び末期腎不全
(ESRD)
で血液透析中の被験者12
例にアスナプレビルの軟カプセル100mgを1日2回7日間反復投与しました。
アスナプレビルのAUCは
腎機能が正常な被験者に比べてESRD被験者の方が10.1%低くCmaxは28.6%高くなりました。
ESRD被験者と腎機能が正常な被験者の薬物動態パラメータの比較
AUC
(TAU)
(ng•h/mL)
(ng/mL)
Cmax
幾何平均値
(90%信頼区間)
幾何平均値
(90%信頼区間)
腎機能が正常な被験者
467
(355, 613)
117
(78.1, 176)
ESRD被験者
419
(322, 547)
151
(102, 224)
幾何平均値比(90%信頼区間)
幾何平均値比(90%信頼区間)
0.90
(0.63, 1.28)
1.29
(0.76, 2.17)
集団及び比較
ESRD被験者 vs. 腎機能が正常な被験者
AUC
(TAU)
:1投与間隔における血漿中濃度−時間曲線下面積
Cmax:最高血漿中濃度
末期腎不全
(ESRD)
:eGFR 15mL/min/1.73m2未満
承認時評価資料 スンベプラカプセル 腎機能障害患者を対象とした試験(AI 447033試験)
39
■交差耐性(in vitro )
投与前
ダクルインザ錠
ダクラタスビルの耐性置換を有するHCVレプリコンは、アスナプレビル、ペグインターフェロン アル
ファに対して十分な感受性を有していました。
ダクルインザ錠添付文書
Fridell RA et al. Antimicrob Agents Chemother. 2010; 54(9): 3641-3650.
スンベプラカプセル
投与開始後
アスナプレビルの耐性置換を有するHCVレプリコンは、NS5A阻害剤のような異なる作用機序を有す
る直接作用型抗ウイルス剤に対して十分な感受性を有していました。テラプレビル投与によりHCV
RNAが陰性化しなかったC型慢性肝炎患者において検出されたV36及びT54のNS3におけるアミノ酸
置 換 は 、ア ス ナ プ レ ビ ル の 抗 H C V 活 性 に 軽 微 な 影 響 し か 及 ぼ し ま せ ん で し た が 、R 1 5 5 K 、
V36M+R155K及びA156T/Vでは、
アスナプレビルの抗HCV活性が1/55~1/6に低下しました。
ま
た、
シメプレビルの主要な耐性置換はNS3のF43、
Q80、
R155、
A156及びD168で認められ、
これらの
シメプレビルのEC50値の約1/26~1/2でした。
置換に対するアスナプレビルのEC50値は、
臨床試験成績
スンベプラカプセル添付文書
承認時評価資料 臨床発現耐性に対するin vitro 抗ウイルス活性試験
NS3プロテアーゼ阻害剤に対する変異レプリコンの感受性
a
(nmol/L)
EC50
変異レプリコン
シメプレビル
(fold change)
テラプレビル
(fold change)
GT-1a野生型
GT-1a-R155K
GT-1a-Q80K
7.3±3
(1)
150±29
(20.5)
2.5±1.0
(0.3)
5.8±1
(1)
335±23
(57.8)
〜10-fold reductionb
623±51
(1)
5719±1237
(9.2)
152±75
(0.2)
GT-1b野生型
GT-1b-F43S
GT-1b-Q80K
GT-1b-A156V
GT-1b-D168V
1.2±0.2
(1)
3.2±0.3
(2.7)
5.6±1.2
(4.7)
20±5
(16.7)
187±26
(155.8)
0.83±0.1
(1)
c
83(100)
c
62(74.7)
372±28
(448.2)
2753±362
(3316.9)
263±53
(1)
213±36
(0.8)
ND
4973±472
(18.9)
79±29
(0.3)
薬剤耐性
アスナプレビル
(fold change)
Q&A
GT:ジェノタイプ
a:すべての化合物の一過性複製試験は同一の分析プレートを用いて並行して実施された。
b:シメプレビルFDA background package
(NDA205123)
c:Lenz O et al. Antimicrob Agents Chemother. 2010; 54
(5)
: 1878-87.
Appendix
40
Appendix
■併用データ一覧
表 併用薬がダクラタスビルの薬物動態に及ぼす影響(外国人データ)
併用薬の投与量
アスナプレビル200mg BID
アタザナビル300mg QD/
リトナビル100mg QD
エスシタロプラム10mg QD
エファビレンツ600mg QD
オメプラゾール40mg QD
ケトコナゾール400mg QD
シクロスポリン400mg 単回投与
シメプレビル150mg QD
タクロリムス5mg 単回投与
テラプレビル500mg BIDb
テラプレビル750mg TIDb
テノホビルジソプロキシルフマル酸
300mg QD
ファモチジン40mg 単回投与
リファンピシン600mg QD
ダクラタスビルの
投与量注)
例数
30mg QD
26
ダクラタスビルの薬物動態パラメータ比
併用時/非併用時(90%信頼区間)
AUC
Cmax
1.20(1.11, 1.30)a
1.07(0.97, 1.18)a
20mg QD
14
2.10(1.95, 2.26)a
1.35(1.24, 1.47)a
60mg QD
120mg QD
60mg 単回投与
10mg 単回投与
60mg QD
60mg QD
60mg QD
20mg QD
20mg QD
15
15
12
14
14
17
14
15
15
1.12(1.01, 1.26)
0.68(0.60, 0.78)a
0.84(0.73, 0.96)
3.00(2.62, 3.44)
1.40(1.29, 1.53)
1.96(1.84, 2.10)
1.05(1.03, 1.07)
2.32(2.06, 2.62)
2.15(1.87, 2.48)
1.14(0.98,
0.83(0.76,
0.64(0.54,
1.57(1.31,
1.04(0.94,
1.50(1.39.
1.07(1.02,
1.46(1.28,
1.22(1.04,
60mg QD
20
1.10(1.01, 1.21)
1.06(0.98, 1.15)
60mg 単回投与
60mg 単回投与
18
14
0.82(0.70, 0.96)
0.21(0.19, 0.23)
0.56(0.46, 0.67)
0.44(0.40, 0.48)
1.32)
0.92)a
0.77)
1.88)
1.15)
1.62)
1.12)
1.66)
1.44)
a:投与量60mgに補正、b:日本人のデータ、
QD:1日1回投与、BID:1日2回投与、TID:1日3回投与、AUC:血漿中濃度−時間曲線下面積、
Cmax:最高血漿中濃度 注)ダクルインザ錠の承認された用法及び用量は、ダクラタスビルとして1回60mgを1日1回経口投与である。
ダクルインザ錠 添付文書
表 ダクラタスビルが併用薬の薬物動態に及ぼす影響(外国人データ)
60mg QD
60mg QD
14
15
併用薬の薬物動態パラメータ比
併用時/非併用時(90%信頼区間)
AUC
Cmax
0.87(0.73, 1.04)a
0.58(0.45, 0.76)a
1.05(1.02, 1.08)
1.00(0.92, 1.08)
エチニルエストラジオール
1.01(0.95, 1.07)
1.11(1.02, 1.20)
ノルエルゲストロミン
1.12(1.06, 1.17)
1.06(0.99, 1.14)
ノルゲストレル
1.12(1.02, 1.23)
1.07(0.99, 1.16)
エチニルエストラジオール
0.86(0.83, 0.89)
0.93(0.86, 0.99)
ノルエチステロン
1.02(0.94, 1.11)
0.93(0.85, 1.01)
1.03(0.97, 1.09)
0.96(0.91, 1.02)
1.27(1.20, 1.34)
1.65(1.52, 1.80)
60mg QD
16
1.29(1.20, 1.39)
1.77(1.50, 2.07)
60mg
60mg
20mg
20mg
QD
QD
QD
QD
24
14
15
14
1.44(1.32,
1.00(0.87,
0.94(0.84,
0.99(0.95,
1.39(1.27.
1.05(0.90,
1.01(0.89,
1.02(0.95,
60mg QD
20
1.10(1.05, 1.15)
0.95(0.89, 1.02)
60mg QD
60mg QD
60mg QD
18
14
22
0.87(0.83, 0.92)
1.11(0.97, 1.26)
1.58(1.44, 1.74)
0.95(0.88, 1.04)
1.09(1.00, 1.21)
2.04(1.83, 2.26)
ダクラタスビルの
投与量注)
例数
アスナプレビル200mg BID
エスシタロプラム10mg QD
30mg QD
60mg QD
26
15
経口避妊薬
エチニルエストラジオール0.035mg QD
ノルゲスチメート
0.180/0.215/0.250mg QD
60mg QD
20
併用薬の投与量
経口避妊薬
エチニルエストラジオール0.030mg QD
酢酸ノルエチステロン1.5mg QD
アスナプレビル100mg BID
シクロスポリン400mg 単回投与
ジゴキシン0.125mg QD
ジゴキシン0.25mg 単回投与
アスナプレビル100mg BID
シメプレビル150mg QD
タクロリムス5mg 単回投与
テラプレビル500mg BID b
テラプレビル750mg TID b
テノホビルジソプロキシルフマル酸
300mg QD
ミダゾラム5mg 単回投与
メサドン40-120mg QD
ロスバスタチン10mg 単回投与
60mg QD
36
37
1.56)
1.15)
1.04)
1.03)
1.52)
1.23)
1.14)
1.09)
a:投与量600mgに補正、
b:日本人のデータ、QD:1日1回投与、
BID:1日2回投与、TID:1日3回投与、AUC:血漿中濃度−時間曲線下面積、
Cmax:最高血漿中濃度 注)ダクルインザ錠の承認された用法及び用量は、ダクラタスビルとして1回60mgを1日1回経口投与である。
ダクルインザ錠 添付文書
41
例数
ダクラタスビル30mg QD
200mg BID
エスシタロプラム10mg QD
100mg BID
ケトコナゾール200mg BID
200mg BID
セルトラリン50mg QD
アスナプレビルの薬物動態パラメータ比
併用時/非併用時(90%信頼区間)
AUC
Cmax
26
b
0.87(0.73, 1.04)
0.58(0.45, 0.76)b
16
0.92(0.76, 1.12)
0.87(0.65, 1.18)
19
9.65(8.64, 10.77)
6.92(5.92, 8.09)
100mg BID
18
0.88(0.70, 1.11)
0.94(0.70, 1.28)
リトナビル100mg 単回投与
10mg
単回投与(空腹時)d
6
4.81(4.01, 5.77)
5.22(2.83, 9.61)
リファンピシン600mg 単回投与
200mg
単回投与(空腹時)c
20
600mg BIDc
20
リファンピシン600mg QD
a
c
投与開始後
アスナプレビル
の投与量注)
併用薬の投与量
投与前
表 併用薬がアスナプレビルの薬物動態に及ぼす影響(外国人データ)
14.81(11.22, 19.53) 21.11(14.27, 31.24)
0.79(0.56, 1.09)
0.95(0.60, 1.50)
臨床試験成績
a:硬カプセル、b:投与量600mgに補正、
c:錠剤、d:懸濁液、QD:1日1回投与、BID:1日2回投与、
AUC:血漿中濃度−時間曲線下面積、
Cmax:最高血漿中濃度 注)スンベプラカプセルの承認された用法及び用量は、アスナプレビルとして1回100mgを1日2回経口投与である。
スンベプラカプセル 添付文書
表 アスナプレビルが併用薬の薬物動態に及ぼす影響(外国人データ)
併用薬の薬物動態パラメータ比
併用時/非併用時(90%信頼区間)
アスナプレビル
の投与量注)
例数
ダクラタスビル30mg QD
200mg BID
26
1.20(1.11, 1.30)
1.07(0.97, 1.18)b
エスシタロプラム10mg QD
100mg BID
オメプラゾール40mg 単回投与
カフェイン200mg 単回投与
併用薬の投与量
AUC
Cmax
b
16
0.95(0.91, 0.98)
0.97(0.92, 1.02)
200mg BID
c
15
0.80(0.69, 0.94)
0.96(0.79, 1.16)
200mg BID
c
19
0.96(0.89, 1.04)
0.95(0.91, 1.00)
エチニルエストラジオール
600mg BIDc
17
0.72(0.67, 0.78)
37
0.71(0.65, 0.77)
エチニルエストラジオール
0.86(0.83, 0.89)
0.93(0.86, 0.99)
ノルエチステロン
1.02(0.94, 1.11)
0.93(0.85, 1.01)
ジゴキシン0.5mg 単回投与
200mg BID
16
1.30(1.21, 1.40)
1.09(0.97, 1.22)
ジゴキシン0.25mg 単回投与
ダクラタスビル60mg QD
100mg BID
16
1.29(1.20, 1.39)
1.77(1.50, 2.07)
セルトラリン50mg QD
100mg BID
0.81(0.67, 0.97)
デキストロメトルファン30mg 単回投与
200mg BID
c
18
0.79(0.67, 0.94)
c
17
3.94 (3.09, 5.03)
2.72(2.10, 3.53)
600mg BIDa
18
0.56(0.50, 0.64)
0.66(0.57, 0.77)
200mg BIDc
19
0.71(0.67, 0.75)
0.79(0.73, 0.87)
d
100mg BID
15
0.94(0.84, 1.05)
1.00(0.89, 1.12)
200mg BIDc
18
0.89(0.81, 0.98)
1.63(1.35, 1.97)
ロスバスタチン10mg 単回投与
200mg BID
20
1.41(1.26, 1.57)
1.95(1.47, 2.58)
c
a:硬カプセル、b:投与量60mgに補正、
c:錠剤、d:16例、QD:1日1回投与、BID:1日2回投与、AUC:血漿中濃度−時間曲線下面積、
Cmax:最高血漿中濃度 注)スンベプラカプセルの承認された用法及び用量は、アスナプレビルとして1回100mgを1日2回経口投与である。
スンベプラカプセル 添付文書
Appendix
メサドン40-120mg QD
ロサルタン25mg 単回投与
Q&A
100mg BID
36
0.75(0.67, 0.85)
ノルエルゲストロミン
0.66(0.62, 0.70)
経口避妊薬
エチニルエストラジオール0.030mg QD
酢酸ノルエチステロン1.5mg QD
ダクラタスビル60mg QD
ミダゾラム5mg 単回投与
薬剤耐性
経口避妊薬
エチニルエストラジオール0.035mg QD
ノルゲスチメート
0.180/0.215/0.250mg QD
a
42
日本標準商品分類番号
承
認
年
月
薬 価 基 準 収 載 年月
販 売 開 始 年 月
【警告】
本剤は、
ウイルス性肝疾患の治療に十分な知識・経験を持つ医師のもとで、
本剤の投与が適切と判断される患者に対してのみ投与すること。
【禁忌(次の患者には投与しないこと)】
(1)本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
(2)次の薬剤を使用中の患者:リファンピシン、リファブチン、フェニトイン、
カルバマゼピン、フェノバルビタール、デキサメタゾン全身投与、セイヨウ
オトギリソウ
(St. John’
s Wort、セント・ジョーンズ・ワート)含有食品(「相
互作用」の項参照)
(3)妊婦又は妊娠している可能性のある婦人[動物実験で胚・胎児致死
作用及び催奇形性作用等が報告されている。]
(「妊婦、産婦、授乳婦等
への投与」
の項参照)
製剤
性状
識別コード
外観
ダクル
淡緑色の
インザ錠 五角形のフィルム BMS215
60mg
コーティング錠
垂線
厚さ
重さ
9.1mm 4.6mm 315mg
効能又は効果
セログループ 1(ジェノタイプ 1)の C 型慢性肝炎又は C 型代償性肝硬変における次のいずれかの
ウイルス血症の改善
(1)
インターフェロンを含む治療法に不適格の未治療あるいは不耐容の患者
(2)
インターフェロンを含む治療法で無効となった患者
< 効能又は効果に関連する使用上の注意 >
(1)
本剤の使用に際しては、HCV RNAが陽性であることを確認すること。
また、組織像又は肝予備能、
血小板数等により、非代償性肝硬変でないことを確認すること。
(2)
ウイルス性肝疾患の治療に十分な知識・経験を持つ医師が臨床成績の内容を熟知した上で、投与
の可否を判断すること。
(「その他の注意」、
「 臨床成績」の項参照)
薬剤名等
コビシスタットを含有する製剤
テラプレビル
エファビレンツ
本 剤 の 血 中 濃 度 が 低 下し、 エファビレン ツ の 中 程 度 の
治療効果を減弱させるおそれが CYP3A4 の 誘 導 作 用 により、
ある。
(「薬物動態」の項参照) 本剤の代謝が促進される。
ジゴキシン
ジゴキシンの血中濃度が上昇す 本剤の P-gp 阻害作用により、ジ
ゴキシンのバイオアベイラビリティ
る。
(「薬物動態」の項参照)
ジゴキシンを併用する場合には、 が増加する。
ジゴキシンの血中濃度をモニタ
リングし、投与量を調節すること。
ロスバスタチン
ロスバスタチンの血中濃度が上 本剤は、OATP1B1 及び 1B3を
昇する。
(「薬物動態」の項参照) 介したロスバスタチンの肝臓への
取り込みを阻害する。また、本剤
の BCRP 阻害作用により、ロス
バスタチンの肝臓及び腸からの
排出を阻害する。
アトルバスタチン
フルバスタチン
シンバスタチン
ピタバスタチン
プラバスタチン
これらの薬剤の血中濃度が上昇 本 剤は、OATP1B1 及 び 1B3を
介したこれらの薬剤の肝臓への取
する。
り込みを阻害する。
3.副作用
本剤及びアスナプレビルを併用した国内臨床試験において、255例中158例
(62.0%)
に副作用が認
められた。主な副作用は、
ALT
(GPT)
増加45例
(17.6%)
、
AST
(GOT)
増加36例
(14.1%)
、
頭痛33例
(12.9%)
、
発熱30例
(11.8%)
等であった。
(承認時)
本剤及びアスナプレビルの併用で認められた副作用は、以下のとおりである。
(1)重大な副作用
肝機能障害:ALT
(GPT)
増加8.2%注1)、
AST
(GOT)
増加5.9%注1)、
血中ビリルビン増加0.8%注2)
投与開始12週目までは少なくとも2週ごと、
それ以降は4週ごとに肝機能検査を行うこと。肝機能の
悪化が認められた場合には、
より頻回に検査を行い、投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
ALT
(GPT)
が基準値上限10倍以上に上昇した場合には、
直ちに投与を中止し、
再投与しないこと。
注1)
基準値上限5倍超 注2)
基準値上限2.5倍超
(2)その他の副作用
次のような副作用があらわれた場合には、症状に応じて適切な処置を行うこと。
薬剤名等
臨床症状・措置方法
頻度
種類
皮膚
血液
全身症状
精神・神経系
肝臓
機序・危険因子
本剤の血中濃度が低下し、
治療 これらの 薬 剤 の 強 力な
リファンピシン
(リファジン)
効果を減弱させるおそれがある。 CYP3A4 の誘導作用に
リファブチン
(ミコブティン)
(「薬物動態」の項参照)
より、本剤の代謝が促進
フェニトイン
(アレビアチン)
される。
カルバマゼピン
(テグレトール)
フェノバルビタール
(フェノバール)
デキサメタゾン全身投与(デカドロン)
セイヨウオトギリソウ
(St. John’s Wort、
セント・ジョーンズ・ワート)含有食品
機序・危険因子
これらの薬剤の強力なCYP3A4
の阻害作用により、本剤の代謝
が阻害される。
クラリスロマイシン
消化器
使用上の注意
22600AMX00764000
2014年7月
2022年7月
室温保存
外箱等に表示
HIVプロテアーゼ阻害剤
アタザナビル/リトナビル等
用法及び用量
1.重要な基本的注意
(1)
本剤は、
アスナプレビルと併用するため、
アスナプレビルの添付文書に記載されている、警告、禁忌、
併用禁忌、
重要な基本的注意、
重大な副作用等の
「使用上の注意」
を必ず確認すること。
(2)
本剤及びアスナプレビルを併用した国内臨床試験において、肝機能障害が報告されている。投与
開始12週目までは少なくとも2週ごと、
それ以降は4週ごとに肝機能検査を行うこと。肝機能の悪化が
認められた場合には、
より頻回に検査を行い、投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
(「重大な
副作用」
の項参照)
(3)
本剤は、動物実験で胚・胎児致死作用及び催奇形性作用等が報告されており、胎児等への影響が
疑われるので、
妊娠する可能性のある婦人への投与に際しては、
次の点に留意すること。
1)
本剤の投与に際しては、妊娠検査を行い、妊娠していないことを確認すること。
2)患者には、本剤が胎児等に悪影響を及ぼす可能性があることを十分に説明し理解させ、本剤
投与中及び投与終了後5週間は適切な避妊を徹底するよう指導すること。
(「妊婦、産婦、授乳
婦等への投与」の項参照)
なお、本剤と併用するアスナプレビルは、
エチニルエストラジオール含有製剤(経口避妊薬)
の
血中濃度を低下させるおそれがある。
3)
本剤投与中に妊娠が確認された場合又は疑われた場合には、直ちに投与を中止すること。
2. 相互作用
本剤は、CYP3A4及びP糖蛋白
(P-gp)の基質である。また、P-gp、有機アニオントランスポーター
(OATP)
1B1、
1B3及び乳癌耐性蛋白
(BCRP)
の阻害作用を有する。
(「薬物動態」の項参照)
(1)併用禁忌(併用しないこと)
臨床症状・措置方法
本剤の血中濃度が上昇する。
(「薬物動態」の項参照)
アゾール系抗真菌剤
ケトコナゾール
イトラコナゾール等
通常、成人にはダクラタスビルとして 1 回 60mgを1日1 回経口投与する。
本剤はアスナプレビルと併用し、投与期間は 24 週間とする。
< 用法及び用量に関連する使用上の注意 >
(1)投与開始時は、本剤及びアスナプレビルを同時に投与し、投与開始後は用量の変更及び投与の
中断をしないこと。ただし、副作用の発現により投与の継続が困難な場合には、本剤及びアスナプ
レビルを同時に中断すること。投与再開の可否については、リスクとベネフィットを考慮して慎重に
判断し、投与を再開する場合は、本剤及びアスナプレビルを同時に再開すること。
(2)本剤投与中は、血中 HCV RNA 量を測定すること。ウイルス学的ブレイクスルー
(投与中に血中
が発現した場合は、本剤及びアスナプレビルの
HCV RNA 量が最低値から1 log10を超えて増加)
投与中止を考慮すること。
承
認
番
号
国 際 誕 生 年 月
再審査期間満了年月
貯
法
使
用
期
限
(2)併用注意(併用に注意すること)
組成・性状
1. 組成
ダクルインザ錠60mgは1 錠中ダクラタスビル塩酸塩 66mg
(ダクラタスビルとして60mg)
を含有する。
なお、添加剤として、無水乳糖、結晶セルロース、クロスカルメロースナトリウム、二酸化ケイ素、ステア
リン酸マグネシウム、ヒプロメロース、酸化チタン、マクロゴール400、青色 2 号アルミニウムレーキ及び
黄色三二酸化鉄を含有する。
2. 製剤の性状
87625
2014年7月
2014年9月
2014年9月
循環器
筋・骨格系
呼吸器
その他
5% 以上
5% 未満
発疹、そう痒症、脱毛症
好酸球増加症(8.3%)
血小板減少症、貧血
発熱(11.8%)
怠感、疲労、悪寒
頭痛(12.9%)
不眠症
下痢(6.7%)
悪心、
食欲減退、
腹部不快感、
便秘、
上腹部痛、
口内炎、腹部膨満、嘔吐
ALT(GPT)増加(17.6%)、 血中ビリルビン増加、
γ-GTP 増加、血中 ALP
AST(GOT)増加(14.1%) 増加
高血圧
関節痛、筋骨格硬直
鼻咽頭炎(5.1%)
口腔咽頭痛
リパーゼ増加、血中アルブミン減少
発現頻度は、本剤及びアスナプレビルを併用した国内臨床試験の成績に基づき算出した。
4.妊婦、産婦、授乳婦等への投与
(1)
妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には投与しないこと。
また、妊娠する可能性のある婦人に
対しては、本剤投与中及び投与終了後5週間は適切な避妊を徹底するよう指導すること。
(「禁忌」、
「重要な基本的注意」の項参照)
[ 動物実験
(ラット及びウサギ)
で、臨床用量におけるヒト曝露量の
25倍
(ラット)
及び72倍
(ウサギ)
に相当する曝露量で、胚・胎児致死作用及び催奇形性作用が認め
られている。
ヒト曝露量の4.6倍(ラット)及び16倍(ウサギ)
に相当する曝露量では、胚・胎児への
影響は認められなかった。
また、
ヒト曝露量の4.7倍に相当する曝露量で、
ラット出生児の生存率の
軽微な低下及び体重減少が認められている。
ヒト曝露量の2.6倍に相当する曝露量では、
出生児への
影響は認められなかった。]
(2)
授乳中の婦人に投与することを避け、
やむを得ず投与する場合には授乳を中止させること。
[ 動物
実験
(ラット)
で、乳汁中に移行することが報告されている。]
5.小児等への投与
低出生体重児、
新生児、
乳児、
幼児又は小児に対する安全性及び有効性は確立していない。
[使用経験がない。
]
6.過量投与
本剤の過量投与に対する解毒剤はない。過量投与時の処置には、
バイタルサインのモニタリングや臨床
症状の観察等の一般的な支持療法を行う。本剤は分子量が大きく血漿蛋白結合率が高いため、透析は
本剤の血中濃度減少に有効ではない。
7.適用上の注意
薬剤交付時:PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。
[ PTPシートの
誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を
併発することが報告されている。]
8.その他の注意
本剤及びアスナプレビルの併用療法において、
ジェノタイプ1aのC型慢性肝炎患者に対する有効性は
確立していない。なお、海外で実施された臨床試験において、
ジェノタイプ1(1a及び1b)
のC型慢性
肝炎患者のうち、
過去のペグインターフェロン アルファ及びリバビリンとの併用療法で無効となった患者
(null responder)
を対象として、本剤及びアスナプレビルを24週間併用投与したとき、投与終了
24週後のHCV RNA陰性化の割合は36.4%(4/11例)
であり、
そのうちジェノタイプ1aの患者では
22.2%
(2/9例)
であった。
包装
ダクルインザ錠60mg:14錠
(14錠×1)
PTP
投薬期間制限医薬品に関する情報
本剤は新医薬品であるため、厚生労働省告示第107号(平成18年3月6日付)
に基づき、平成27年9月
末日までは、投薬期間は1回14日分を限度とされています。
●詳細は製品添付文書をご参照ください。警告・禁忌を含む使用上の注意等の改訂にご留意ください。
製造販売元・資料請求先
2014年9月作成
(第2版)
日本標準商品分類番号
承
認
年
月
薬 価 基 準 収 載 年月
販 売 開 始 年 月
【警告】
本剤は、ウイルス性肝疾患の治療に十分な知識・経験を持つ医師のもとで、
本剤の投与が適切と判断される患者に対してのみ投与すること。
【禁忌(次の患者には投与しないこと)】
(1)本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
(2)中等度以上
(Child-Pugh 分類 B 又はC)
の肝機能障害又は非代償性肝
疾患のある患者
[本剤の血中濃度が上昇する。
(
]
「薬物動態」
の項参照)
(3)
次の薬剤を使用中の患者:アゾール系抗真菌剤
(経口又は注射剤)
、
クラリス
エリスロマイシン、
ジルチアゼム、
ベラパミル塩酸塩、
コビシスタッ
トを
ロマイシン、
リファンピシン、
リファブチン、
フェニト
含有する製剤、
HIVプロテアーゼ阻害剤、
イン、
カルバマゼピン、
フェノバルビタール、
デキサメタゾン全身投与、
モダフィニ
非ヌクレオシド系逆転写酵素阻害剤
(リルピビリン塩酸塩を除く)
、
ボセンタ
ル、
ン水和物、
セイヨウオトギリソウ
(St. John’
s Wort、
セント・ジョーンズ・ワート)
シクロスポリン、
フレカイニド、
プロパフェノン
(「相互作用」の項参照)
含有食品、
組成・性状
1. 組成 スンベプラカプセル 100mgは1カプセル中アスナプレビル100mgを含有する。 なお、添
加剤として、中鎖脂肪酸トリグリセリド、カプリル酸カプリン酸モノグリセリド、ポリソルベート80 及びジブ
チルヒドロキシトルエン、また、カプセル本体にゼラチン、
トウモロコシデンプン由来糖アルコール液、濃グリ
セリン及び酸化チタンを含有する。
2. 製剤の性状
製剤
色・剤形
内容物
形状
サイズ
重さ
識別コード
スンベプラ
長径:14.9mm
BMS
カプセル 白色∼微黄色 澄明な液
781mg BMS711
711
短径: 9.3mm
軟カプセル
100mg
効能又は効果
セログループ 1(ジェノタイプ 1)の C 型慢性肝炎又は C 型代償性肝硬変における次のいずれかの
ウイルス血症の改善
(1)
インターフェロンを含む治療法に不適格の未治療あるいは不耐容の患者
(2)
インターフェロンを含む治療法で無効となった患者
< 効能又は効果に関連する使用上の注意 >
(1)本剤の使用に際しては、HCV RNAが陽性であることを確認すること。
また、組織像又は肝予備能、
血小板数等により、非代償性肝硬変でないことを確認すること。
(2)
ウイルス性肝疾患の治療に十分な知識・経験を持つ医師が臨床成績の内容を熟知した上で、
投与の可否を判断すること。
(「その他の注意」、
「 臨床成績」の項参照)
なお、インターフェロンを
含む治療法のうち、他のプロテアーゼ阻害剤による既治療患者に対する投与経験はない。
これらの患者に対しては、前治療の種類、前治療に対する反応性、耐性変異の有無、患者の
忍容性等を考慮すること。
用法及び用量
通常、成人にはアスナプレビルとして 1 回 100mgを1日2 回経口投与する。
本剤はダクラタスビル塩酸塩と併用し、投与期間は 24 週間とする。
< 用法及び用量に関連する使用上の注意 >
(1)投与開始時は、本剤及びダクラタスビル塩酸塩を同時に投与し、投与開始後は用量の変更及び
投与の中断をしないこと。ただし、副作用の発現により投与の継続が困難な場合には、本剤及び
ダクラタスビル塩酸塩を同時に中断すること。投与再開の可否については、リスクとベネフィットを
考慮して慎重に判断し、投与を再開する場合は、本剤及びダクラタスビル塩酸塩を同時に再開すること。
(2)本剤投与中は、血中 HCV RNA 量を測定すること。ウイルス学的ブレイクスルー
(投与中に血中
HCV RNA 量が最低値から1 log 10を超えて増加)
が発現した場合は、本剤及びダクラタスビル
塩酸塩の投与中止を考慮すること。
使用上の注意
1.重要な基本的注意 (1)
本剤は、
ダクラタスビル塩酸塩と併用するため、
ダクラタスビル塩酸塩の添付
文書に記載されている、警告、禁忌、併用禁忌、重要な基本的注意、重大な副作用等の「使用上の注
意」
を必ず確認すること。 (2)
本剤及びダクラタスビル塩酸塩を併用した国内臨床試験において、肝機
能障害が報告されている。投与開始12週目までは少なくとも2週ごと、
それ以降は4週ごとに肝機能検査
を行うこと。肝機能の悪化が認められた場合には、
より頻回に検査を行い、投与を中止するなど適切な処
置を行うこと。
(「重大な副作用」の項参照)
2. 相互作用 本剤は、
CYP3A、
P糖蛋白
(P-gp)
、
有機アニオントランスポーター
(OATP)
1B1及び2B1の
基質である。
また、
CYP2D6、OATP1B1、
1B3、
2B1及びP-gpに対する阻害作用及びCYP3A4の誘導
作用を有する。
(「薬物動態」の項参照)
(1)併用禁忌(併用しないこと)
機序・危険因子
臨床症状・措置方法
薬剤名等
アゾール系抗真菌剤
(経口又は注射剤)本剤の血中濃度が上昇する。 これらの薬剤の強力又は
中程度の CYP3A の阻害
ケトコナゾール
(国内未承認)
、
イトラ(「薬物動態」の項参照)
コナゾール
(イトリゾール)、
フルコナ 肝臓に関連した有害事象が発現 作 用により、本 剤の代 謝
ゾール(ジフルカン)、ホスフルコナ し、また重症化するおそれがある。 が阻害される。
ゾール
(プロジフ)
、
ボリコナゾール
(ブ
イフェンド)
、
ミコナゾール
(フロリード)
クラリスロマイシン
(クラリス)
エリスロマイシン
(エリスロシン)
ジルチアゼム
(ヘルベッサー)
ベラパミル塩酸塩
(ワソラン)
コビシスタットを含有する製剤
(スタリビ
ルド)
本剤の血中濃度が上昇する。肝 これらの薬剤のCYP3A及
HIVプロテアーゼ阻害剤
リトナビル
(ノービア)、アタザナビル 臓に関連した有害事象が増加 び/又はOATP1B1、2B1
硫酸塩(レイアタッツ)、
インジナビル し、また重症化するおそれがある。 の阻害作用により、本剤の
代謝が阻害される。
硫酸塩エタノール付加物
(クリキシバ
ン)、サキナビルメシル酸塩(インビ
ラーゼ)、
ダルナビルエタノール付加
物
(プリジスタ)
、
ネルフィナビルメシル
酸塩(ビラセプト)、
ホスアンプレナビ
ルカルシウム水和物
(レクシヴァ)
、
ロ
ピナビル/リトナビル
(カレトラ)
本剤の血中濃度が低下し、治療 これらの薬剤の強力な又は
リファンピシン
(リファジン)
効果を減弱させるおそれがある。中程度の CYP3A 誘導作
リファブチン
(ミコブティン)
用により、本剤の代謝が促
(「薬物動態」の項参照)
抗てんかん剤
進される。
フェニトイン
(アレビアチン)
、
カルバマ
ゼピン
(テグレトール)、
フェノバルビ
タール
(フェノバール)
承
認
番
号 22600AMX00765000
2014年7月
国 際 誕 生 年 月
2022年7月
再審査期間満了年月
遮光・室温保存
貯
法
外箱等に表示
使
用
期
限
87625
2014年7月
2014年9月
2014年9月
機序・危険因子
薬剤名等
臨床症状・措置方法
デキサメタゾン全身投与
(デカドロン) 本剤の血中濃度が低下し、治療 これらの薬剤の強力な又は
中
程
度のCYP3A誘導
効果を減弱させるおそれがある。
モダフィニル
(モディオダール)
作用により、本剤の代謝が
(「薬物動態」の項参照)
非ヌクレオシド系逆転写酵素阻害剤
促進される。
(リルピビリン塩酸塩を除く)
エファビレンツ
(ストックリン)
、
エトラビ
リン
(インテレンス)、
ネビラピン
(ビラ
ミューン)
ボセンタン水和物
(トラクリア)
セイヨウオトギリソウ
(St. John’
s Wort、
セント・ジョーンズ・ワート)
含有食品
シクロスポリン
(サンディミュン)
本剤の肝臓への取り込みが減 シクロスポリンは、OATP1B1
少し、本剤の治療効果を減弱さ を阻害する。
せるおそれがある。
フレカイニド
(タンボコール)
これらの薬剤の血中濃度が上昇 本剤のCYP2D6阻害作用
プロパフェノン
(プロノン)
これらの薬剤
(治療
し、不整脈が起こるおそれがある。により、
域が狭いC Y P 2D 6の基
質)
の代謝が阻害される。
(2)併用注意(併用に注意すること)
薬剤名等
臨床症状・措置方法
機序・危険因子
デキストロメトルファン臭化水 デキストロメトルファンの血中濃度が上 本剤の CYP2D6 の阻害作
素酸塩
昇する。
(「薬物動態」の項参照)本剤と 用により、デキストロメ
トルファ
デキストロメトルファンを併用する場合に ンの代謝が阻害される。
は、患者の状態を十分に観察し、必要
に応じてデキストロメトルファンの減量を
考慮すること。
ジゴキシン
ジゴキシンの血中濃度が上昇する。
(「薬物 本剤の P-gp の阻害作用に
動態」の項参照)
ジゴキシンを併用する場 より、ジゴキシンのバイオアベ
合には、ジゴキシンの血中濃度をモニタ イラビリティが増加及び / 又
リングし、投与量を調節すること。
は排泄が阻害される。
ミダゾラム
ミダゾラムの血中濃度が低下するので、本 剤の弱い CYP3A4 の誘
注意すること。
(「薬物動態」の項参照) 導作用により、ミダゾラムの
代謝が促進される。
HMG-CoA 還元酵素阻害剤 これらの薬剤の血中濃度が上昇するの 本剤は、OATP1B1及び1B3
(「薬物動態」の項参照)を介したこれらの薬剤の肝臓
ロスバスタチン、アトルバス で、注意すること。
への取り込みを阻害する。
タチン、フルバスタチン、シ
ンバスタチン、ピタバスタチ
ン、プラバスタチン
エチニルエストラジオール含有 エチニルエストラジオール及びノルエルゲ 本剤の弱いCYP3A4の誘導
ストロミン
[ノルゲスチメート
(国内未承認)作用により、エチニルエストラ
製剤
の血中濃度が低下する ジオールの代謝が促進される。
エチニルエストラジオール- の活性代謝物]
おそれがある。
(
「薬物動態」
の項参照) ノルゲスチメートとの相互作用
ノルゲスチメート
の機序は不明である。
(国内未承認)等
255例中158例
(62.0%)
3.副作用 本剤及びダクラタスビル塩酸塩を併用した国内臨床試験において、
に副作用が認められた。主な副作用は、ALT(GPT)増加45例(17.6%)、AST(GOT)増加36例
(14.1%)
、頭痛33例
(12.9%)
、発熱30例
(11.8%)
等であった。
(承認時)
本剤及びダクラタスビル
塩酸塩の併用で認められた副作用は、以下のとおりである。
(1)重大な副作用 肝機能障害:ALT
(GPT)
増加8.2%注1)、
AST
(GOT)
増加5.9%注1)、
血中ビリル
ビン増加0.8%注2) 投与開始12週目までは少なくとも2週ごと、
それ以降は4週ごとに肝機能検
査を行うこと。肝機能の悪化が認められた場合には、
より頻回に検査を行い、
投与を中止するなど適
切な処置を行うこと。ALT
(GPT)
が基準値上限10倍以上に上昇した場合には、直ちに投与を中止
し、
再投与しないこと。 注1)基準値上限5倍超 注2)基準値上限2.5倍超
(2)その他の副作用 次のような副作用があらわれた場合には、症状に応じて適切な処置を行うこと。
頻度
5% 以上
皮膚
血液
好酸球増加症(8.3%)
全身症状 発熱(11.8%)
精神・神経系 頭痛(12.9%)
下痢(6.7%)
消化器
種類
肝臓
循環器
筋・骨格系
呼吸器
その他
5% 未満
発疹、そう痒症、脱毛症
血小板減少症、貧血
怠感、疲労、悪寒
不眠症
悪心、食欲減退、腹部不快感、便秘、上腹部痛、
口内炎、腹部膨満、嘔吐
ALT(GPT)増加(17.6%)、 血中ビリルビン増加、
γ-GTP 増加、血中 ALP 増加
AST(GOT)増加(14.1%)
高血圧
関節痛、筋骨格硬直
鼻咽頭炎(5.1%)
口腔咽頭痛
リパーゼ増加、血中アルブミン減少
発現頻度は、本剤及びダクラタスビル塩酸塩を併用した国内臨床試験の成績に基づき算出した。
4.妊婦、産婦、授乳婦等への投与 (1)
本剤はダクラタスビル塩酸塩と併用するため、妊婦又は妊娠して
いる可能性のある婦人には投与しないこと。
[ダクラタスビル塩酸塩の動物実験で胚・胎児致死作用及
び催奇形性作用等が認められている。]
本剤の動物実験
(マウス、
ラット及びウサギ)
では、
ヒト曝露量の
193倍に相当する曝露量でラット出生児の生存率低下、体重及び摂餌量の減少が認められている。
ヒ
ト曝露量の76倍に相当する曝露量では、
ラット出生児への影響は認められなかった。 (2)
授乳中の婦
人に投与することを避け、
やむを得ず投与する場合には授乳を中止させること。
[ 動物実験
(ラット)
で、乳
汁中に移行することが報告されている。]
5.小児等への投与 低出生体重児、
新生児、
乳児、
幼児又は小児に対する安全性及び有効性は確立して
いない。
[使用経験がない。]
6.過量投与 本剤の過量投与に対する解毒剤はない。過量投与時の処置には、
バイタルサインのモニタ
リングや臨床症状の観察等の一般的な支持療法を行う。本剤は分子量が大きく血漿蛋白結合率が高
いため、透析は本剤の血中濃度減少に有効ではない。
7.適用上の注意 薬剤交付時:PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。
[PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤
な合併症を併発することが報告されている。]
8.その他の注意 本剤及びダクラタスビル塩酸塩の併用療法において、
ジェノタイプ1aのC型慢性肝炎
患者に対する有効性は確立していない。
なお、
海外で実施された臨床試験において、
ジェノタイプ1
(1a及
び1b)
のC型慢性肝炎患者のうち、
過去のペグインターフェロン アルファ及びリバビリンとの併用療法で
無効となった患者
(null responder)
を対象として、本剤及びダクラタスビル塩酸塩を24週間併用投与
したとき、投与終了24週後のHCV RNA陰性化の割合は36.4%
(4/11例)
であり、
そのうちジェノタイプ
1aの患者では22.2%
(2/9例)
であった。
包装
スンベプラカプセル100mg:28カプセル
(14カプセル×2)
PTP
投薬期間制限医薬品に関する情報
本剤は新医薬品であるため、厚生労働省告示第107号(平成18年3月6日付)
に基づき、平成27年9月
末日までは、投薬期間は1回14日分を限度とされています。
●詳細は製品添付文書をご参照ください。警告・禁忌を含む使用上の注意等の改訂にご留意ください。
製造販売元・資料請求先
2014年9月作成
(第2版)
製造販売元
資料請求先
ブリストル・マイヤーズ株式会社
メディカル情報部
〒163-1328東京都新宿区西新宿6-5-1
TEL.0120-093-507
2014年9月作成
DKSV/14-08/0095/16-07