フィデリティ・USハイ・イールド・ファンド 四半期レポート原油価格と米国

2015年1月
四半期レポート 原油価格と米国ハイ・イールド債券相場の
見通しおよび運用状況について
フィデリティ・USハイ・イールド・ファンド
販売用資料
追加型投信/海外/債券
フィデリティ投信株式会社
2014年は原油価格下落などの波乱要因がありましたが、米国ハイ・イールド債券相場の年間騰落率は米ドル
ベースで約+2.5%となりました。今後原油価格の下落が続いた場合、米国ハイ・イールド債券発行企業の一部
にとっては逆風となる一方、幅広いセクターにとって追い風となると想定されます。原油安による投資家センチ
メントの悪化で相場の変動性が高まった場合は、魅力的な投資機会が生まれると期待されます。
2014年の原油価格と米国ハイ・イールド債券相場の動向
 2014年後半以降、原油需給の緩み等を背景に原油価格が下落しました。
 米国ハイ・イールド債券相場全体の2014年の騰落率は、米ドルベースで約+2.5%とプラスとなりましたが、
セクターにより騰落率が大きく異なる年となりました。
 原油や資源の価格下落を受けて、エネルギーセクターや金属鉱山セクターが相対的に軟調に推移しました。
一方、原油価格下落によるガソリン価格低下の恩恵を受ける空運セクターや、原油安による米国内需拡大、
景気拡大の恩恵を受ける銀行セクターが相対的に堅調に推移しました。
原油価格と米国ハイ・イールド債券相場の推移(米ドルベース)
120
銀行 109.9
空運108.5
米国ハイ・イールド債券指数 102.5
110
100
エネルギー 92.6
金属鉱山 91.7
90
80
※銀行、空運、エネルギー、金属鉱山
は米国ハイ・イールド債券指数を構成
するセクター別の指数です。
70
60
WTI原油先物 53.3米ドル/バレル
50
40
13年12月
14年3月
14年6月
14年9月
14年12月
(注)BloombergおよびRIMESよりフィデリティ投信作成。2013年12月末~2014年12月末。米国ハイ・イールド債券指数と各セクター指数は
期間初を100として指数化。米ドルベース。
今後の原油価格の見通し
需給要因を反映し上値重いが、反転の可能性も
 石油輸出国機構(OPEC)の減産見送り等による供給増と、世界経済の低成長による需要の弱含みを背景
に、原油相場では上値の重い展開が続く可能性があります。しかし、OPECの減産決定や米国経済成長の
加速などのサプライズが発生した場合、原油価格が一転して反転するシナリオも想定されます。
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上記は過去の実績であり、将来の傾向、数値等を保証もしくは示唆するものではありません。
5ページ目以降を必ずご確認ください。
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2014年のフィデリティ・USハイ・イールド・ファンドの運用状況と
今後の投資方針
運用状況 ~的確なセクター配分と銘柄選択が奏功~
 フィデリティ・USハイ・イールド・ファンドでは、過去2年以上、原油価格や資源価格の構造的下落を背景に

業績の悪化が予想されるエネルギーおよび金属鉱山セクターの銘柄の保有比率を低くしてきました。一方、
良好なファンダメンタルズに対して債券価格が割安と判断した通信や金融セクターなどの銘柄を中心に保
有比率を高めました。
2014年も同様の銘柄選択、業種配分で臨んだ結果、エネルギーセクターのアンダーウェイトや銀行セク
ターのオーバーウェイト等がプラスの寄与となりました。
フィデリティ・USハイ・イールド・ファンドの運用状況 (2013年12月末~2014年12月末)
(期間初を100として指数化)
120
※累積投資額は、収益分配金を
再投資した実績評価額です。 た
だし、購入時手数料および収益
分配金にかかる税金は考慮して
いません。期間初を100として指
数化しています。
※ベンチマーク:バンクオブアメ
リカ・メリルリンチ・USハイ・イー
ルド・コンストレインド・インデック
ス(円換算)。
※基準価額は運用管理費用(後
述の「運用管理費用(信託報
酬)」参照)控除後。
115
110
105
100
95
90
基準価額
累積投資額
ベンチマーク
85
80
13年12月
15%
14年3月
14年6月
14年9月
14年12月
フィデリティ・USハイ・イールド・ファンドのセクター配分
13.3%
13.0%
当ファンド
ベンチマーク
10.9%
10%
8.9%
8.7% 8.6%
5.0%
5%
7.6%
6.7%
3.3%
4.5%
4.7%
4.1%
3.4% 3.8%
3.9% 3.7%
2.7% 3.7%
1.2%
0%
エネルギー
通信
ヘルスケア テクノロジー 各種金融
金属鉱山
銀行
ケーブルTV サービス
自動車・
同部品
(注)フィデリティ投信作成。2014年11月時点。ベンチマーク内比率上位10業種を表示。ベンチマークはバンクオブアメリカ・メリルリンチ・USハイ・イールド・コン
ストレインド・インデックス。運用管理データによるマザーファンド・ベースの数値です。投信計理上の数値ではありません。
今後の投資方針 ~相場の変動性上昇から生まれる投資機会を徹底発掘~
 相場の変動性の高まりは、個別企業調査によって割安な銘柄を発掘する機会を広げると期待されます。ア
ナリストは、各企業の原油価格ヘッジ状況も含めた財務分析により、原油価格シナリオ別の影響度を分析
するなど綿密な調査を実施しています。現在資源関連セクターの比率はベンチマークより低くなっています
が、今後は大きく下落した資源関連セクターからも、選別して投資機会を追求していく可能性があります。
※上記は当資料作成時点の見方であり、今後予告なく変更されることがあります。
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上記は過去の実績であり、将来の傾向、数値等を保証もしくは示唆するものではありません。
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今後の米国ハイ・イールド債券相場の見通し
原油価格の影響は限定的と想定
相場変動性が高まる局面では魅力的な投資機会も
 原油価格の影響を最も直接的に受けるエネルギーセクターは、探査・開発セクター、貯蔵・輸送セクター、
設備・サービスセクターの3つに大きく分けられます。原油安から受ける影響の大きさや、債券価格動向
はそれぞれ異なります。
• 探査・開発セクター企業は油田を保有し開発するため、原油安は採算悪化要因であり、2014年の同セクター債券指数は下落しました。しかし、
多くの企業は約1年先まで原油価格をヘッジしており、原油でなく天然ガスを中心に手掛ける企業もあることが、原油安の影響を抑えています。
(当セクター利回り10.5%、エネルギーセクター全体利回り9.3%)
• 貯蔵・輸送セクター企業への原油安の影響は相対的に軽微です。多くの企業は、固定価格の長期契約によってパイプライン等での原油輸送
を請け負っているためです。2014年の同セクター債券指数は上昇しました。(当セクター利回り6.1%、エネルギーセクター全体利回り9.3%)
• 設備・サービスセクター企業は油田を保有せず、探査・開発企業に必要な、高度な採掘技術を提供します。需要低下懸念から、2014年の同セ
クター債券指数は相対的に大きく下落しました。(当セクター利回り12.3%、エネルギーセクター全体利回り9.3%)
※各セクター利回りの出所はFMR Co.。2014年12月末時点。
 他のセクターでは、原油安が追い風となるセクターが数多くあります。原油・ガソリンの消費者である化学
セクター等の製造業、空運セクター、公益セクター(電力会社など)等はエネルギー・原材料コスト低下とい
う恩恵を受けています。また、自動車大国である米国では、ガソリン価格低下が減税と同じ効果を家計に
もたらし内需拡大につながっており、小売、自動車、消費財セクターなど幅広い業種の業績拡大が期待さ
れます。
 このように、エネルギーセクターの一部企業で原油安が逆風となる一方、多くのセクターでは原油安が追
い風となるため、原油安が進行した場合の米国ハイ・イールド債券相場全体への影響は限定的と予想さ
れます。原油安による投資家センチメントの悪化で相場の変動性が高まった場合は、魅力的な投資機会
が生まれると期待されます。
2014年の米国ハイ・イールド債券指数と
セクター別指数の騰落率(騰落率上位/下位10セクター)
15%
10%
5%
9.9%
9.0%
8.5%
7.4%
7.0%
6.9%
6.7%
5.8%
5.8%
5.7%
2.5%
2.5%
2.0%
1.7%
1.2%
0.8%
0%
-5%
-5.2%
-10%
-15%
-12.2%
-16.3%
-20%
(注)FMR Co.およびRIMESよりフィデリティ投信作成。2013年12月末~2014年12月末。
エネルギー・サブセクターはピンク色で表示。米ドルベース。
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-7.4% -8.3%
上記は過去の実績であり、将来の傾向、数値等を保証もしくは示唆するものではありません。
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(ご参考)その他の今後の相場におけるポイント
デフォルト率と比較して割安な米国ハイ・イールド債券相場
 2014年12月末の米国ハイ・イールド債券の利回りは約6.9%で、スプレッド(上乗せ金利)は約4.7%と過去
平均の約5.4%に近い水準です。一方、直近のデフォルト率は1.9%と過去平均の4.9%より大幅に低い水
準です。2014年で最もスプレッドが縮小した2014年6月に比べて、2014年12月末はデフォルト率に変化は
ないにもかかわらずスプレッドは拡大しており、割安と考えられます。
米国ハイ・イールド債券のスプレッド(上乗せ金利)とデフォルト率
20%
※米国ハイ・イールド債券の利回りは、通
常米国国債の利回りより高く、この利回り
の差をスプレッド(上乗せ金利)と呼びま
す。スプレッドが縮小しているほど、米国国
債に対して米国ハイ・イールド債券の利回
りが低下している(価格は上昇している)こ
とを意味します。
スプレッドが4%以下の時期
18%
スプレッド
16%
デフォルト率
スプレッド平均
14%
デフォルト率平均
12%
10%
(注)Bloomberg、Moody’s、RIMESなどよりフィデ
リティ投信作成。期間は1988年12月末~2014年
12月末。スプレッドは、小数点以下第2位で四捨
五入した米国ハイ・イールド債券指数と米国10年
国債の利回りの差。米国10年国債はバンクオブ
アメリカ・メリルリンチ・10年USトレジャリー・イン
デックスを使用。米ドルベース。デフォルト率は
Moody’sより(過去12カ月、発行体ベース)。2014
年11月まで。
8%
6%
4%
2%
0%
88年12月
91年12月
94年12月
97年12月
00年12月
03年12月
06年12月
09年12月
12年12月
利上げ予想の背景である景気拡大は米国ハイ・イールド債券に追い風
 米国の政策金利(短期金利)の引き上げと、それに伴う長期金利の上昇が予想されていますが、過去の
長期金利の上昇局面で米国ハイ・イールド債券相場は四半期平均で上昇しています。
 これは、金利上昇局面では景気拡大の恩恵で企業収益が堅調であることが多く、米国ハイ・イールド債
券発行企業の信用力が向上するからです。今後も米国企業収益の拡大が予想されており、米国ハイ・
イールド債券相場は堅調に推移すると期待されます。
金利の局面と各指数の騰落率
局面
四半期数
平均騰落率(年率)
米国ハイ・イールド債券 (ご参考)バンクローン
金利上昇局面
23
14.40%
12.60%
金利低下局面
25
6.29%
-0.10%
(注)RIMESよりフィデリティ投信作成。バンクオブアメリカ・メリルリンチ・10年USトレジャリー・インデックス
を使用し、同指標の利回りが上昇(価格は下落)した四半期を米国金利上昇局面、利回りが低下(価格は
上昇)した四半期を米国金利低下局面と判定。期間は2002年12月末~2014年12月末。米ドルベース。
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資料中グラフの注記に別途記載ない場合は以下の指数を使用しています。
米国ハイ・イールド債券:バンクオブアメリカ・メリルリンチ・USハイ・イールド・コンストレインド・インデックス。
セクター別指数:バンクオブアメリカ・メリルリンチ・US・ハイ・イールド・インデックスの各セクター別指数。
バンクローン:クレディスイス・レバレッジド・ローン・インデックス
米国10年国債:バンクオブアメリカ・メリルリンチ・10年USトレジャリー・インデックス。
IM150115-5
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CSIS150116-2