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Image Processing Toolbox
画像処理、解析およびアルゴリズム開発を実行
Image Processing Toolbox™ には、画像処理、解析、可視化およびアルゴリズム開発のための包括的な参
照標準アルゴリズム、関数およびアプリが用意されています。画像の解析、画像の分割、画像の強
調、ノイズ除去、幾何学的変換、画像のレジストレーションを実行することができます。ツールボッ
クスの関数の多くがマルチコア プロセッサ、GPU および C コードの生成をサポートしています。
Image Processing Toolbox は、ハイ ダイナミック レンジ、ギガピクセル解像度、組み込みの ICC プロフ
ァイル、断層撮影など、さまざまな画像の種類をサポートします。可視化関数とアプリにより、画像
や映像の参照、ピクセル領域の調査、色やコントラストの調整、コンターまたはヒストグラムの作
成、ROI (関心領域) の操作を行うことができます。また、ツールボックスには大きい画像を処理、表
示およびナビゲーションするためのワークフローが用意されています。
主な機能
▪ 画像分割、モルフォロジー、統計、測定などの画像解析
▪ 画像の強調、フィルター処理およびブレ除去
▪ 幾何学的変換、強度に基づく画像のレジストレーション方法
▪ FFT、DCT、ラドン、ファンビーム投影法などの画像変換
▪ ブロック処理、タイリング、多解像度表示などの大きい画像のワークフロー
▪ 画像ビューアーや映像ビューアーなどの視覚化アプリ
▪ マルチコアおよび GPU 対応の関数と C コード生成のサポート
Image Processing Toolbox 入門 4:44
車線のラインを検出する例を使用した、画像処理の概要です。
参照と検出
Image Processing Toolbox は、Web カメラ、デジタル カメラ、衛星用センサー、空中センサー、医療用
画像機器、顕微鏡、望遠鏡など、幅広い科学機器によって生成された画像および映像をサポートして
います。関数とアプリを使用して、さまざまなデータ型のこれらの画像の可視化、解析および処理を
行うことができます。
Image Acquisition Toolbox™ を使用して、フレーム グラバー、GigE Vision カメラ、DCAM 対応カメラな
どの機器からライブ画像および映像を取り込むことができます。
標準的なファイル形式と特殊なファイル形式
MATLAB® がサポートする標準的なデータと画像の形式には次が含まれます。
▪ AVI
▪ JPEG
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▪ JPEG-2000
▪ FITS
▪ HDF
▪ HDF-EOS
▪ M4V
▪ MOV
▪ MP4
▪ PNG
▪ TIFF
▪ ASCII
▪ バイナリ ファイル
▪ Microsoft® Excel®
また、LANDSAT で使用されているマルチバンド画像形式 (BIP と BIL) もサポートしています。低水準
I/O 関数とメモリ マッピング関数を使用すれば、任意のデータ形式で作業するためのカスタム ルーチ
ンを開発できます。
Image Processing Toolbox には多くの特殊な画像ファイル形式がサポートされています。医療用画像で
は、DICOM ファイル形式 (関連するメタデータを含む) と、Analyze7.5 および Interfile 形式をサポート
しています。また、NITF ファイルの地形画像や、HDR ファイルのハイ ダイナミック レンジ イメージ
も読み込めます。
3 次元 MRI データ セットからのスライスの切り出し (例)
参照と探索のためのアプリ
このツールボックスには、一連の画像処理アプリが用意されており、さまざまなアルゴリズムによる
アプローチの参照および探索ができます。Color Thresholder アプリでは、さまざまな色空間に基づいて
画像の分割ができます。Image Viewer アプリでは、点、線、矩形、ポリゴン、楕円形、自由曲線などの
関心領域 (ROI) を、対話的に配置して操作できます。ピクセル情報の表示、パンとズーム、コントラ
ストの調整、距離の測定を行うこともできます。また、これらの作業をプログラムで行ったり、個々
の機能を使用してカスタム インターフェイスを作成したりできます。
Color Thresholder アプリによる色に基づいた分割 (例)
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画像の強調
Image Processing Toolbox の画像強調手法では、S/N 比を高めたり、画像の色彩や強度を変更して画像の
特徴を強調したりできます。
Image Processing Toolbox には専用のフィルタリング ルーチンや汎用的な多次元フィルタリング関数が
用意されています。多次元フィルタリング関数では、整数型の画像を処理できるほか、複数の境界パ
ディング オプションが提供されており、たたみ込みや相関を実行することもできます。
事前定義されたフィルターと関数を使用して次を行うことができます。
▪ モルフォロジー演算によるフィルター
▪ ブレ除去および明瞭化
▪ 線形フィルター、メディアン フィルター、適応フィルターによるノイズ除去
▪ ヒストグラム平坦化の実行
▪ ダイナミックレンジの再配置
▪ ガンマ値の調整
▪ コントラストの調整
マルチスペクトルのカラー合成イメージの強調 (例)
衛星画像の植生領域を強調表示して区分けするための、カラー合成の作成。
モルフォロジー演算
モルフォロジー演算では、コントラストの強調、ノイズの除去、領域の細分化、領域での細線化を実
行できます。Image Processing Toolbox のモルフォロジー関数は以下の通りです。
▪ 膨張と収縮
▪ オープニング (opening) およびクロージング (closing)
テクスチャ フィルターを使用したテクスチャ分割 (例)
エントロピー測定とモルフォロジー演算を使用した、テクスチャの異なる領域の識
別。
画像のボケ修正
Image Processing Toolbox には、ブラインド、Lucy-Richardson 法、Wiener 法、正則化フィルターによる
デコンボリューションなどの画像ブレ除去アルゴリズムと、点像分布関数および光学伝達関数間の変
換機能が含まれています。これらの関数により、焦点のずれた光、撮影時のカメラや対象物のブレ、
大気条件、露光時間の短さなどによって生じたボケを修正できます。画像のボケ修正関数はすべて、
多次元画像に対応しています。
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ブラインド デコンボリューション アルゴリズムを使った画像のブレ除去 (例)
歪みに関する情報がないときの画像の復元。
画像解析
画像解析とは、形状の検出、オブジェクト数のカウント、色の特定、オブジェクト プロパティの測定
のような有用な情報を画像から取り出すプロセスのことです。
Image Processing Toolbox は統計解析、特性抽出、特性測定などの画像解析のための包括的な参照標準
アルゴリズムや可視化関数を提供します。
画像の変換
画像変換は、画像の強調、解析、復元、圧縮などの多くの画像処理において重要な役割を果たしま
す。Image Processing Toolbox は、ハフ変換、ラドン変換、FFT、DCT、ファンビーム投影法などの画像
変換手法を提供します。平行ビームやファンビームの投影データ (断層撮影アプリケーションで一般
的なデータ) から画像を復元できます。
画像変換は MATLAB と Wavelet Toolbox™ でも使用できます。
投影データからイメージの復元 (例)
平行 (ラドン) ビームとファン ビームの形状を使用した画像の再構成の比較。
ハフ変換
ハフ変換は、画像内の直線と曲線の特定を目的としています。ハフ変換を使用して、次を行うことが
できます。
▪ 直線のセグメントと端点の検出
▪ 角度の測定
▪ サイズに基づいた円の検出
画像内の円形オブジェクトの検出と測定 (例)
統計関数
統計関数では、以下の機能を用いて画像の全般的な特徴を解析します。
▪ 平均、標準偏差の計算
▪ 線分に沿った強度値の測定
▪ 画像ヒストグラムの表示
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▪ 強度値の特徴のプロッティング
丸いオブジェクトの認識 (例)
デバイスに依存しないカラー マネージメント
デバイス非依存カラー マネージメントにより、入出力機器の種類を問わず、色を正確に表現すること
が可能になります。この機能は、ある特定の機器の特性を解析する場合や、色精度を定量的に測定す
る場合、あるいは複数の異なる機器に対するアルゴリズムを開発する場合に有効です。ツールボック
スの専用の関数では、sRGB、XYZ、xyY、L*a*b*、uvL、L*ch といった機器依存のない色空間へ画像を
変換することが可能です。
L*a*b* 色空間を用いた色ベースの区分 (例)
画像分割
画像分割アルゴリズムでは、画像内の領域の境界を決定します。プログレッシブ法、自動しきい値処
理、エッジベース手法、通常つながったオブジェクトの区分けに使用される watershed 変換などのモル
フォロジーに基づく手法など、さまざまな画像区分け方法が用意されています。
ライブの画像取得における色別の区分け 5:11
カメラから画像を取得して処理し、同様の色をもつオブジェクトをカウントしま
す。
エッジ検出 (英語)
エッジ検出アルゴリズムでは、画像内のオブジェクトの境界線を識別できます。Sobel、Prewitt、
Roberts、Canny、ガウスの Laplacian 法が用意されています。Canny 手法はノイズの影響を抑え、正確
に弱いエッジを検出します。
エッジ検出を使用した細胞の検出 (例)
モルフォロジー演算
モルフォロジー演算では、エッジの検出、画像の複数領域への区分け、領域での細線化を実行できま
す。Image Processing Toolbox のモルフォロジー関数は以下の通りです。
▪ 連結要素 (Connected Component) のラベリング
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▪ watershed セグメント化
▪ 再構成
▪ 距離変換
マーカーコントロール付き Watershed セグメント化 (例)
画像のレジストレーションと幾何学的変換
画像のレジストレーションは、リモート センシングや医療用画像処理をはじめ、定量分析や定性的比
較のために画像の位置合わせを必要とするアプリケーションにおいて重要な役割を果たします。 Image
Processing Toolbox では強度に基づく画像のレジストレーションがサポートされており、相対的な強度
のパターンを使用して画像の位置を自動的に合わせることができます。
また、制御点による画像のレジストレーションもサポートされています。この方法では、各画像で手
作業によって一連の制御点を指定して、2 つの画像の位置を合わせます。
また Computer Vision System Toolbox™ では特性に基づく画像のレジストレーションがサポートされてお
り、特性の検出、抽出、照合の後、幾何学的変換の推定を行って、自動的に画像の位置を合わせま
す。
強度に基づく画像レジストレーション
強度に基づく画像レジストレーション は、相対的な強度に基づいて別の画像内の特定のピクセルをマ
ップします。このレジストレーション手法は、大量の画像を自動化する必要がある医用画像処理に適
しています。
マルチモーダル 3D 医用画像のレジストレーション (例)
制御点による画像レジストレーション
制御点による画像レジストレーションでは、画像の位置を合わせるために 2 つの画像内の制御点を手
動で選択する必要があります。この方法は衛星画像などの特性が異なる画像に最適です。
航空写真の正射写真へのレジストレーション (例)
DESCRIPTION
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幾何学的変換
幾何学的変換は、画像の回転、解像度の低減、幾何学的歪みの修正、画像のレジストレーションの実
行などに便利です。Image Processing Toolbox には、サイズ変更、回転、切り抜きなどの簡単な演算の
ほか、アフィン変換や射影などのより複雑な 2 次元の幾何学的変換も用意されています。
また、カスタマイズした幾何学的変換や、N 次元配列のための内挿法を作成および適用するための、
柔軟なフレームワークが提供されています。
N 次元空間変換 (例)
大きい画像の処理と性能向上
Image Processing Toolbox は、標準的な方法では処理や表示が困難な大きい画像を操作するための専用
のワークフローを提供します。大きい画像全体をメモリに読み込まずに、画像を空間タイルに分割し
て異なる解像度レベルでリサンプルする低解像度のデータ セット (R セット) を作成することができま
す。このワークフローにより、画像の表示とナビゲーションのパフォーマンスが向上します。また、
ブロック処理ワークフローを使用して、大きい画像の各ブロックに関数を適用することも可能で、メ
モリ使用量を大幅に軽減できます。
BLOCKPROC を使用した大きい画像の統計の計算 (例)
GPU 高速化
GPU (グラフィックス プロセッシング ユニット) によって得られる性能のメリットを活用するために、
多くの画像処理関数は GPU に対応しており、計算量の多いワークフローを高速化できます。Parallel
Computing Toolbox™ を使用すれば、GPU およびマルチコア プロセッサでパフィーマンスを向上できま
す。
ターゲット ハードウェア
C、C++、HDL コード生成により、画像処理アプリケーションをターゲット ハードウェアに展開でき
ます。Image Processing Toolbox を MATLAB Coder™ および HDL Coder™ と共に使用することにより、
C、C++, および HDL のコードを直接 MATLAB から生成できます。多くの画像処理機能がコード生成
をサポートしているため、画像処理アルゴリズムを PC ハードウェア、FPGA、ASIC で実行できます。
これにより医療、航空宇宙、防衛分野の画像処理システムを開発できます。
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リソース
製品詳細、例、および動作環境
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オンライン ユーザー コミュニティ
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評価版ソフトウェア
www.mathworks.com/trialrequest
技術トレーニング サービス
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営業窓口
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サードパーティ製品とサービス
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テクニカル サポート
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