バングラ デシュ モヘシュカリ島沿岸における住民参加型の 生態系アプローチ適応プログラム事業 活動分野 地球温暖化 防止 一般助成 活動地域 ◆団体名 Bangladesh POUSH ◆所在地 10/10 Iqbal Road, Block-A, Mohammadpur, Dhaka, Bangladesh TEL:+88-02-8117948/FAX: URL:http://www.bdpoush.org/ ◆団体の設立経緯・目的 Bangladesh POUSH は 1990 年に設立された、非営利・非政 府団体(NGO)である。本団体の主目的は、持続可能な発展に 向けて、生態系や自然資源の価値を尊重し、その保全管理に地 域コミュニティの参加を推進することにあり、バングラデシュ 南部沿岸地域のコミュニティと長い間かかわりを持ち、生態系 と自然資源の参加型保全管理、環境意識向上と環境教育、気候 変動適応、生物多様性保全、コミュニティ活動の推進と能力開発、 防災と生態系保全のため住民が植樹・管理しているマングローブ 代替的生活手段の開発などの主要分野で活動をおこなってきた。 ◆主な活動対象地域 バングラデシュ人民共和国 コックスバザール州モヘシュカリ島ゴロガタ村 ◆活動形態 実践 ◆活動分野 地球温暖化防止 ◆本プロジェクト助成継続年数 2 年目 活動の概要 ■助成活動の趣旨・目的 バングラデシュは、地球上でもっとも気候変動の影 響を受けやすい地域の一つで、ベンガル湾沿岸、同国 南東部コックスバザール市の北西部モヘシュカリ島で は、サイクロンの多発、暴風雨に起因する高潮の発生 頻度が増加し、人々の生活、社会経済活動に影響が及 んでいる。沿岸の荒廃、漁場の劣化によって伝統的漁 業を行なう漁民は資源の過剰搾取を余儀なくされ、生 物多様性は大幅に減少しつつある。地下水には塩水が 混じり、飲料水の確保も難しくなっている。対象地は バングラデシュ国内でもとくに貧困な地域で、気候変 動影響がこれ以上大きくなれば、人々の生活と健康、 社会経済活動に深刻な影響が及ぶ。貧困を軽減し、ミ レニアム開発目標の達成に貢献できるような、災害管 理・資源管理計画の導入が求められている。 本事業は、気候変動の影響がもたらす困難な課題に 対し、ベンガル湾沿岸の低湿地帯で暮らす人々がそれ に適応すべく、農漁村コミュニティが中心となって、 沿岸部の生物多様性を「生態系アプローチ適応プログ ラム(EbA)」に基づいて保全することなどで、沿岸域 を自然災害から守り、資源管理を強化することを目的 とする、モデル事業である。コミュニティの住民一人 ひとりが気候変動の影響、生物多様性やその保全につ いて正しく理解し、持続可能な生活手段、ライフスタ イルを身につけ、気候変動に対処できるようになるこ とをめざしている。 ■助成活動の実施結果 本助成活動では地元コミュニティの積極的な参加に より、以下のとおり活動が実施された。 ・地元コミュニティを生物多様性保全グループ(BCG) として組織し、生態系ベースの適応にはどのような ものがあるか確認。生物多様性保全のための EbA を 立案、改善。住民参加の仕組みを整備し EbA の具体 策の推進に主体的に取り組んだ。 ・生物多様性と気候変動についての普及啓発資料の 開発、地元住民を対象とする普及啓発・環境教育、 BCG へのトレーニングをおこない、EbA 実施に向け たコミュニティの知識、能力、意識の増強をはかった。 ・マングローブ植林、干潟保全などを行い、沿岸湿地 の森林生態系の回復をはかった。 ・塩分耐性稲の栽培などの適応的農業の開発を行った。 ・活動に関する普及啓発、国レベルワークショップな どでの知見共有、広報活動を行った。 ■助成活動の成果と効果 本活動の成果と効果は以下のとおりである。 ・マングローブの植林(12,000 本)や植林されたマング ローブ(30,000 本、10ha)の保護活動により、干潟 などの生態系が著しく改善された。 ・地元住民に対し、組織の形成と方向づけ、活動への 積極的参加、生態系保全への貢献などの機会が提供 され、生物多様性の危機、さまざまな保護対策、生 活手段の改善などについて意識、知識、能力が強化 された。 ・各種看板や広告版・掲示板、会合を通して生物多様性 の保全や法規に関するメッセージが、各種ステークホ ルダー、コミュニティ、外部の人々に効果的に伝達さ れた。 ・研修のためのガイドブック、普及啓発パンフレット が作成され、活用された。 ・BCG の定期的な会合、トレーニングによってグルー プメンバーの意識向上と、プロジェクト活動の進行 状況の共有がされた。 ・地域レベル及び国レベルのワークショップによって、 保全ニーズやプロジェクトの進行状況や学びが、よ り広範なセクターに共有された。 (助成金額 :3,200 千円) – 59 – P051-060_活動報告.indd 59 2013/11/18 14:26:00
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